今日はトラピーズの1stアルバム。1970年にリリースされた作品です。
グレン・ヒューズがディープ・パープル加入前に在籍していたことで有名なグループですね。
メンバーは
Glenn Hughes・・・Bass, Vocals
Mel Galley・・・Guitar
Dave Holland・・・Drums
Terry Rowley・・・Keyboards, Flute
John Jones・・・Vocals, Trumpet
グレン・ヒューズはもちろん有名ですが、メル・ギャレーは後にホワイトスネイク、デイブ・ホーランドは80年代のジューダス・プリーストを支えたドラマーです。
このアルバムのリリース後、テリーとジョンが脱退。その後しばらく残りの3人で活動していきます。
ちなみにメンバーの写真がこれ。
A-①It's Only A Dream (Mel Galley)
ドリーミーな出だし。全体の印象もこんな感じかな。とっても短い曲。
A-②The Giant's Dead Hoorah (Glenn Hughes)
このアルバムは基本的にジョンとグレンのツイン・ヴォーカルです。この曲ではグレン独特な歌い方を聴くことができます。メルのギターが60年代風なのが時代ですね。
A-③Over (John Jones, Galley)
この曲はジョンのヴォーカル。彼のヴォーカルはホリーズみたいです。彼らの作品は60年代のポップスにちょっとだけ叙情派プログレのエッセンスというかサイケな感じがします。
A-④Nancy Gray (Hughes)
曲調は前曲のコメントに書いた通りなんだけど、この曲のようにグレンが歌うとちょっと違う感じになります。というか、このアルバムに関してはグレンの声がちょっと浮いちゃってるかな。それにしても彼のこぶしの効いた唱法は昔からなんですね。
A-⑤Fairytale (Jones, Galley)~Verily Verily (Jones, Galley)~Fairytale (Jones, Galley)
ピアノとフルートなんかはムーディ・ブルースっぽいかな。このアルバムはムーディ・ブルースが作ったレーベルからリリースされてますが、影響あるんですかね。7分半もあるけっこう長めの作品。
B-①It's My Life (Jones, Galley)
60年代後半のブリティッシュロックの典型的なサウンドといった感じでしょうか。この曲のドラムがちょっとだけプログレっぽくて好きかも。
B-②Am I (Hughes)
この曲、グレンの作品なんですが、どうしてもジョンの声に聞こえます。自己顕示欲の塊なグレンが自分の作品を他人に歌わせますかね?
B-③Suicide (Jones, Galley)
この作品もキーボードから始まります。メルのギターが割って入ってきてサイケっぽくなります。ピンク・フロイドの1stっぽいかな、と思ってたらコーラスが始まりリード・ヴォーカルがディープ・パープルの“Hush”風な感じにも。グレンのベースもブリブリしてていいぞ。
B-④Wings (Hughes, Terry Rowley)
メル・ギャリーのギターって、う~ん評価がむずかしいなあ。あんまり歪ませないんだよね。B級ギタリストとしては好きかなあ。センスが一方的じゃないところがいいい。ちょっとビートルズみたいな作品です。サウンドがね。ヴォーカルがグレンだから全然違うんだけどさ。
B-⑤Another Day (Galley, Hughes, Jones)
オルガンにコーラス。ポップな曲です。60年代の終わり頃から70年代ってこういう音楽性のバンドけっこうありましたよね。
B-⑥Send Me No More Letters (Rowley)
この曲もポップスそのものだよね。ジョンが歌うと特にその印象が強くなります。こういうヴォーカルって70年代の半ば頃には絶滅しますね。あいかわらずコーラスのグレンの声がでかい(笑)
B-⑦It's Only A Dream (Galley)
最後にA-①が来るところがプログレ風です。が、レコード本なんんかに書かれているようなプログレッシブ・ロックでは絶対ないです。プログレでもない、ハードロックでもない、というところがこのアルバムの評価の難しいところですね。
まったく似てないんだけど、聴いた後の印象が、同じパープル・ファミリーのロジャー・グローバー『バタフライ・ボール』やロニー・ジェイムス・ディオがいたエルフの『LA59』みたいなんです。いいアルバムなんだけどつかみ所が無いっていうか。
本格派ロックが好きな人には合わないけど、いいアルバムですよ。一度聴いてみて。
個人的にはトラピーズの他のアルバムはう~ん?です。曲がね...