毎年医学部が設置されている国公立総合大学・国公立医科大学・私立医学部の入試問題を
分析している。生物の入試問題はバラエティーに富んでいるといわれている。また、最新の話題が多く入試問題に登場するのも生物の入試問題の大きな特徴だ。
【生物の入試問題形式】
生物の入試問題
(1)知識型 (2)考察型に大きく分類される。多くの大学が知識型と考察型の両要素を兼ね備えている。一般的に私立大学は知識型が多いが、慶應医学部や順天堂医学部などの生物では
考察型の割合が他の私立医学部よりも多いし、むしろ国立医学部よりも多いぐらいだ。
【東大生物の特徴】
日本で最も難しいといわれている(実際も難しい)東大の入試問題は極めて良問であると
言われている。その理由が、私立では教科書外の知識が問われるといわれていることも
しばしばあるが(最近は減少傾向)東大生物では要求されている知識レベルは教科書を
超えることはない。
さらに、東大生物は論述に関しても良問が多い。多くの国立大学では内容に対して、要求論述量が多い。逆に私立では内容に対して、論述量がきわめて少ない。つまり、削る内容を
自分で判断する必要がある。東大生物は要点をしっかりまとめることが求められているため
論述の過不足が少ない。
さらに、考察問題に関しても良問だ。旧帝大では考察問題が多く出題される。東大でも
多くの考察問題が出題されている。東大生物は他大学に比べて論理的だ。なぜならば
阪大や慶應医学部の考察問題はかなり難しいだけでなく、一部完全には理解できない部分が
存在している。つまり、若干の矛盾が存在するのだ。しかし、東大生物はかなり論理的で
非の打ちどころがない。考察力を正確に判断できる良問であるといえる。
【東大生物・京大生物からわかる生物受験者の全体像】
2012年度の東大生物入試と同年度京大生物入試を見ていた。細かい分析は後日公開します。
両大学とも難化した。難化or易化は昨年度の入試によって変動するので、断定的に判断できないが、私個人が見たところ要求されている学力が以前よりも上がったように感じる。
今年の大きな特徴は、生物Ⅱの「進化」「生物集団」が多く出題されたことだ。
医学部入試でも近年出題割合が上昇している分野だ。
現役生の完成度が最も低い分野でもあるこの分野は完成度の高さの1つのバロメーターになっている。素人受験生ほどこの分野の勉強が甘いことが多い。
確かに、遺伝子や神経も高頻出分野であるが最近に特化した現象ではない。
東大や京大でこれだけ生物Ⅱの後半分野「進化」「生物集団」が出題されれば、他大学でも
広がる可能性があると私は分析している。