おはようございます。

昨日は大阪にある羽衣国際大学にお伺いし、ちょっとした打ち合わせをしてきました。

アスリートの栄養に関する相談と、現状のスポーツ栄養に関する課題を専門の先生に相談させていただきました。

話の流れの中で、JARTAとしてやれること、やるべきことが見えてきた、非常に有意義な時間になりました。

 

 

 

 

 

さて今回は、「0から100」という表現についてです。

皆さんはこの表現を聞いたことがあるでしょうか?

スポーツ選手やコーチが時々使います。

 

 

 

 

 

この表現は、選手やコーチがパフォーマンスアップを考える際、最近よく話に出てきます。(人によっては0から1や、静から動とも言います)

この0から100の能力を高めるという表現の目的は、リラックスした構えからの急激な動き出しのスピードを高めるような話の時のイメージングなどで使われています。

 

 

 

 

 

実際、このイメージを持つことはとても有効です。

特に動く前の構えの段階で無駄な緊張を排除するためにはとても使える表現だと思います。

構えの段階で不要な緊張が入っているケースは非常に多いので。。

 

 

 

 

 

構えの段階で不要な緊張が入っていると、何が良くないかについて簡単に説明します。

 

 

 

 

 

最も大きな理由は、「遅くなるから」です。

 

 

 

 

 

動き出す際には、運動学的にも生理学的にも物理学的にもリラックスして「落下現象

を最大活用することが最も有効です。

 

 

 

 

 

例えばもう引退していますが、ラグビーのシェーンウィリアムズ選手なんかは最高レベルの落下の使い手です。

彼の急激に方向転換する際のきっかけとしての落下運動は分かりやすいです。(0:40あたりなど多数出てきます)

 

 

 

 

 

 

 

この落下そのものを使いこなすこと自体も難易度が高いことなのですが、実際に落下現象が使える選手であったとしても、構えの段階で緊張が入っていると、このプロセスに入るために時間がかかるのです。

 

 

 

 

 

緊張→脱力→落下(動き出し)

という2アクションになるのが理由です。

 

 

 

 

 

また、そもそも構えの段階で緊張が入っていることで、落下技術は使えないことになるケースの方が多いのは言うまでもありません。(主に大腿四頭筋が阻害因子となっています)

 

 

 

ただ今回僕が伝えたいのは、この逆の表現なんです。

次回説明します。

 

 

 

 

 

 

JARTA

中野 崇

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

今回は主に選手向けの内容です。

 

選手の皆さん、日々の練習メニューをこなす中で、なぜその練習をしていますか?

コーチや監督は、なぜ皆さんにその練習をするように指示したのでしょうか?

 

 

 

 

 

日々の練習を行う中でレベルアップを考えるとき、この観点は実は非常に重要です。

選手としてレベルアップしていく上で、「なぜ監督はこのメニューを課しているのか、なぜこのメニューをやる必要があるのか」という”指導側の視点”を必ず持ってもらいたいのです。

 

 

 

 

 

なぜなら、そこには必ず「意図」が存在するからです。

 

 

 

 

 

もし自分が指導側の立場だったとしたらどうでしょう?

自分のチームの選手の練習メニューを考案するとき、今日のメニューを決めるとき、何か意図を持ちませんか?

 

 

 

 

 

良い指導者ほど、そのメニューを得た先に何があるのかがクリアに見えています。

 

 

 

 

 

つまり指導側には、このメニューを行うことで選手達に得て欲しい「何か」があるはずなのです。

 

 

 

 

例えばサッカーのコーンドリルを指示されて実施するとき、単にコーンの周りを動くルートを覚えてただそれをひたすら迅速にこなせるようになろう、ではなく、「なぜコーンドリルを行うのか」「なぜこのルートで動くのか」「なぜこの距離なのか」などを考えると、指導側がどんな能力を自分たちに得させようとしているのか、すなわち試合でどんなパフォーマンスを発揮して欲しいのかが見えるのです。

 

 

 

 

 

それを理解して練習を行うことは、習得効率的にも有効ですし、何より戦術上・戦略上の指導側の意図を理解できるという優れた選手になることにつながるからです。

 

 

 

 

 

これは指導側の視点から見たとき、非常にありがたいことであり、僕自身も実際によく感じることです。

 

 

 

 

 

例えばチームであるフィジカルトレーニングを実施した際、「この動きは試合のこんな場面で使えそうですね」と言ってくれる選手はやはり試合で高いパフォーマンスを発揮する選手ですし、チームの戦術の理解力も高い選手なのです。

 

 

 

 

 

実際に練習メニューやフィジカルトレーニングを作る際、僕も監督やコーチと必ずそんな話をします。

僕のフィジカルトレーニングのメニューは、必ず「監督が何を求めているのか」をベースにして作られているのです。(もちろんこちらからも提案はします)

 

 

 

 

 

指導側の意図を汲んで練習すること、これはトップ選手の共通項の一つです。

トップ選手は、特に説明されなくても、自ら練習メニューの意図を読むことが習慣化されています。

 

 

 

 

 

逆に言えば、そういう視点を持った選手が試合で高いパフォーマンスを発揮できるということも言えるのです。

そういう選手は、自分の立場で何を求められているのかということにまで思考が及びますし、そういう選手は自分の課題を見つけるのが上手いという共通項も感じています。

 

 

 

 

 

もちろんメニューごとに目的は説明をされると思いますが、多くの場合、それは曖昧な形で表現されます。「フットワーク向上のためのメニューです」みたいな形です。

 

必要なことはもう一つ上の視点、「なぜフットワークを向上する必要があるのか、フットワークを向上して何を実現したいのか」です。

 

 

 

 

 

多くの競技において、どんなに局面におけるパフォーマンスが高くても、指導側の意図が汲めない、戦術・戦略理解の乏しい選手は使ってもらえないという場面が多々あります。

 

 

 

 

 

これはビジネスの世界では「Why思考」と呼ばれ、上司の意図をよく理解して仕事ができる人が共通して持っているとされる思考方法です。

 

「この商品に関するデータを集めて欲しい」と指示されたとき、なぜこのデータを集める必要があるのだろう、何に使うために集めるのだろうと考えること・理解することができる人と、そうでなく単に言われた通りデータを集める人とでは、そのまとめ方やデータの質は大きく差が出るのです。

 

 

 

 

 

同じ仕事、同じノルマであってもどちらの評価が上がるのかは明確です。

 

 

 

 

 

「今日の練習メニューだからやろう」「練習メニューの中の課題をこなすことで上手くなろう」

と考えることはもちろん大切なのですが、それだけでは同じ努力をする上で非常にもったいないのです。

 

 

 

 

 

今日の練習メニューの意図は何だろう

なぜこの様式で、なぜこのメニューをやるのか

監督はどんな戦術を実現するために何を自分たちに習得させいのだろう

 

と考えることを日頃から必須事項として自らに課していってみてください。

これまで見えなかったものが見えてくるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

JARTA

中野 崇

 

おはようございます。

 

前回の記事で、セミナーや読書などのインプットをする場において、その学習効率を高める重要性を述べました。

その観点において僕が考えるポイントは以下の二つ。

 




 

1)目的を明確に持つこと
 

2)受講中は二重の意識を持つこと





 

それぞれ説明します。
 

まず一つ目、「目的を明確に持つこと」

今回の内容であるセミナーに関しては、受講の目的、となります。




 

「何のために受講するのか」です。




 

「〇〇を知るために、〇〇を習得するために」と考えた方も多いと思いますが、実はそれではちょっと足りません。

学習効率を高めるためには、もっと具体的にする必要があるのです。




 

例えば、「この前痛みをとりきれなかったあの人の痛みをとるため」や、「自分の施術時の身体操作を高めるため」、「サッカーにおける選手のフットワーク能力を高めるため」など、具体的なものをいくつも持っているとより効率が高くなります。




 

知りたいことがあって、答えやヒントがあれば、頭に残りやすいということです。

 

 


 

そしてこの姿勢であれば、質問ができるようになります。

セミナー終了後に必ず質問する機会が得られると思いますが、そこで質問が浮かぶかどうかは、実はこの辺りが問われているとも言えます。

(実際に質問するかどうかは別として…)

 




 

続いて二つ目。

これが最も重要です。




 

それは、「アウトプットするために」という前提を強く持って受講することです。




 

理学・作業療法士やスポーツトレーナーの世界では、何のためにセミナーで学習するかというと、大半は「クライアントのため」に集約されます。




 

つまり、得た知識や技術を使いこなせて、要はクライアントに活かせて初めて価値が出るものなのです。




 

だからクライアントのためにどう活かすか考えながら(=アウトプットを前提として)受講することが重要なのです。




 

この意識の有無で、講義内容の入り方にかなり差が出ます。





 

JARTAのセミナーの場合は、その学習効率を高めようとするには、さらに必要なことがあります。




 

「クライアントである選手が習得する」ということを目的に組み込むことです。




 

つまり、JARTAのセミナーは自らの学習であると同時にクライアントのための「準備」であるという”二重の意識”を強く持って臨むことが最大のポイントになるということです。




 

なぜならスポーツトレーナーの現場では、その場で伝えて終わりではなく、選手自らがコンディショニングやトレーニングを実行できるようになることが、パフォーマンスアップや障害予防の大きな鍵になるからです。




 

自分だけの習得に留まらないところが肝心ですし、結果的に準備という意識を両立して持って受講した方が自分の習得率も高まるのです。

 




 

このことは、前半部分でJARTAセミナー特有と表現しましたが、実際には読書などどのようなインプットもこのような意識で行うと学習効率は高まると思います。




 

せっかくなら日々の学習効率を高めてインプットしたいと思われる方は、ぜひ試してみてください。






 

JARTA

中野 崇

 

 

 

 

こんにちは。
 

このブログを読んでいただいている方には、理学療法士やスポーツトレーナー、学生として、自己の能力を高めるために、そして目の前のクライアントのために様々なセミナーに参加した経験のある方も多いと思います。





 

理学療法士でいうと、自分の時間やお金を使ってそのような自己研鑽に励む方は、全体の10%程度だそうです。
 

これが他の職種と比較して高いのか低いのかは定かではありませんが、セミナーに参加して勉強するという行動は、希少な積極的学習行動であり、多くの人が”やっていないこと”なのです。

 

 


 

セミナーを受講するような学習意欲の高い方々は、そうでない人よりも質の高いサポートや施術が可能となる可能性が高まることが期待できます。





 

セミナーを受講する側の視点として、受講する上で最も気にされるのは、内容・講師・主催団体・費用という方が多いと思いますが、実はそれ以上に重要なことがあります。




 

それは、「学習効率」です。




 

セミナーでいう学習効率とは、”どれぐらい講義の内容を理解・習得できるか”です。

これはセミナーにお金を払って参加し、学習する上で最も重要なことです。




 

高額低額の如何にかかわらず、その内容を理解・習得が全然できていなければ、費用対効果はゼロです。

(もちろん講義をする側の質の問題もありますが、ここでは受講側の観点からの話です)


 

 


 

そしてそれに加えてJARTAのセミナーではさらに要求されることがあります。

(この点は後述します)

 




 

学習効率向上の鍵になるのは、受講するときに「どういう意識を持つか」です。




 

皆さんはセミナーに受講(または読書)するとき、どういう意識で受講しますか?
 

または、これから受講するとしたらどういう意識で受講すれば最も学習効率が高まると思いますか?





 

学習効率を高めるためには、二つポイントがあります。

 

二つのポイントは、あくまで僕自身が考えていることですが、是非一度皆さんも考えてみてください。
 

続きは明日の朝掲載します。






 

JARTA

中野 崇

 

こんにちは。
この度、僕が主宰するトレーナー団体であるJARTAにて新しい会員制度がスタートしました。





新しい会員サービスの目玉は、動画視聴。

これまで文面と写真でしか報告してこなかった、JARTAの活動やトレーニング。

実際どんなことをやっているのか、実際どんなトレーニングを指導しているのか、僕がどんな感じで指導しているのかなど、見てみたいと思ったことはありませんか?





・JARTAのトレーニングって実施どんな動きなのか?

・中野が実際に指導しているところを見てみたい

・プロ選手がトレーニングに取り組む姿を見てみたい

・セリエAトップチームやユースの雰囲気を見てみたい

・講演会行けないけどどんな話をしているのか気になる

・JARTAのトレーニングの考え方を使ったアレンジ方法や指導の方法を見てみたい

・トレーニング中は選手とどんな会話をするのか





などのニーズにはしっかりお応えできるかと思います。
他では絶対に見れない内容です。





<近日配信予定内容>(すでに第一回分は配信済み)

・プロ野球選手や女子サッカー選手とのトレーニングでの実際の様子

・JARTAのトレーニング動画

・イタリア研修の様子(でセリエAのチームでのディスカッションや指導の様子)

・講演内容や、トップアスリートやスポーツ指導者やコーチとの対談

※ランクにより視聴範囲は変動します。





会員に登録されると、JARTAメンバーズサイトへのログイン情報が入手できます。
(動画の配信は1〜2週間に1回程度の予定です。)





お申し込みはJARTAオフィシャルサイトからどうぞ。




最後に、どんな動画が流されるのかの参考にしていただけるように、ダイジェスト版を貼り付けておきます。










JARTA
中野 崇

こんにちは。

先日のブラインドサッカー日本代表の強化合宿にスポーツジャーナリストの小林一人さんが取材に来られ、高田監督と僕にインタビューをしてくださいました。




動画をシェアしますので、興味のある方は是非ご覧ください。 トレーニング場面や試合の場面もあります。

















JARTA
中野 崇

 

 

こんばんは。

ブラインドサッカー日本代表の7月強化合宿、無事に終了しました。

今回からは、これまでのフィジカルトレーニングからベースアップしたものにしていきました。
 

 

 


 

 

 

久しぶりに回転ジャンプも実施しましたが、これまで全然できなかった選手たちがほぼ完璧にできるようになっていて、確かな成長を感じることができました。
 

来月は四日間の合宿、夏場なので夕方から夜にかけての練習が多くなるので、お時間合う方は是非見に来てみてください。

幕張で実施予定です。



 

さて前回は、「質問」という行為において、質問者側の観点からの話をしました。




 

その中で特に重要なことは、
 

・質問は質を問うものであり、そこに達するには質問内容において量フェーズ→質フェーズのプロセスがあり、自分がどこにいるのかを認識することが重要。


 

・質問する際には、「要するに相手が言いたいこと」にフォーカスし、その上で「要するに自分が何を言いたいのか」をまず一言でまとめる。

(細かい言葉にいきなりフォーカスすると本質的な議論にならない)



 

ということでまとめました。

詳しくはこちらから。





 

では対して説明者・回答者側は何が重要になってくるでしょうか。





 

まず、説明している場面では、質問者の際と同じく、「要するに自分が何を言いたいのか」を明確に簡潔に理解しておく必要があります。




 

時に「出てくる質問の観点がズレてる」と感じることがありますが、それはもしかしたら質問者でなく、自分自身に原因があるのかもしれません。






僕はそういったことがあると、必ず自分の説明の「要するに」がクリアであったかを反省するようにしています。





 

では質問を受け、それに答える場面で僕が重要だと感じていることは、

まず「要するに質問者が何を言いたいのか(聞きたいのか)」を、質問を聞きながら捉えるようにしています。




 

そしてその人が聞きたい回答の抽象度を考えて答えます。




 

つまり、相手が聞きたいのは、「大阪府のことなのか、それとも大阪市のことなのか、中央区のことなのか、〇〇ビルディングのことなのか」を、明確にします。




 

ここはめちゃくちゃ大事なところです。




 

相手が大阪府の全人口のことを聞きたいのに、答える側が中央区の人口のことを話していても議論になりません。

(逆も然りです。)

 




 

また、話が進むベクトルが一致しているかを考えることも重要です。

仮に話の本筋からずれた質問が来ても、原則として答える必要がありますよね。




 

そういった場合、回答の最後で話しの軌道を戻すようにします。

「少し回答が細かくなってしまいましたが、ここで改めて何が言いたいのかをまとめますね。」といった感じです。





 

一対一での会話ならともかく、他の人が聞いている状況においては、これをしておかないと質問者以外の人が”迷子”になってしまいます。




 

回答する立場にある場合、質問者と自分の二人だけの空間になってしまわないよう、常に注意しておく必要があります。




 

プレゼンなどにおいても、最も評価されるところとして「質問に対しての回答」という部分があります。




 

いくらまとまった良いプレゼンをしても、質問に対して抽象度のずれた回答だったり、ずれた質問を修正できずに乗っかったりすると、それだけで台無しになったりするのが質疑応答の場面です。

 




 

良い議論ができることは、双方にとって非常に有意義な時間となります。

逆に噛み合わないやりとりで、結局何が言いたいの?みたいな議論は、”当事者以外は”非常にストレスフルなものです。

 




 

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

 

 

 

 

JARTA

中野 崇

 

 

 

こんばんは。

 

プロ野球は今日からオールスターですね。

個人的にはジャイアンツの菅野投手のボールが最近ジャイロ回転しだしているので注目しています。
 

もともと菅野投手は150キロ後半のボールを投げていましたが、今は出ても150キロ中盤。

これはパフォーマンスが落ちたのではなく、明らかにボールの質(初速と終息の差やフォームと球速の差)で勝負しているのだと思います。





 

ちなみに今日は、明日からのブラインドサッカー日本代表強化合宿のため、八王子に来ています。

先月行ったブラジルでの国際大会で得たことをしっかり反映させてきたいと思います。
 

お近くの方は是非見学に来てみてください。すぐ目の前の距離で見学できます。





 

さて今回は、「質問」についてのお話です。

学生の方にも実習などで少しは役に立てていただけるかもしれませんので、よければ読んでみてください。




 

 

「質問」というものは、学会や講習会、説明会、そして会話レベルでも人から何か教えてもらった際に必要とされることがあるものです。
 

理学療法士や作業療法士、柔道整復師やトレーナーの学生の方々も、指導者の方から「質問は?」と聞かれて何も出てこなくてマズイ雰囲気になった覚えがある方も多いかと思います。
 

セミナーなどでも、質問が出ないと何となく気まずい雰囲気になるものです。

逆に質問がたくさん出ると、活気のある雰囲気になったりしますね。


 

 


 

そして指導者・説明者側からすると、相手がどんな質問をしてくるのかによって、その人がどんなレベルにあるのかが想定できてしまったりします。




 

 

そもそも、質問とはどういうものなのでしょうか。

辞書によると、「分からないことを問いただすこと」とあります。

ここまでは誰でも知っている、とても一般的な意味です。






問題は、この”分からないこと”






分からないこととは、大きくは
知識がなくて分からない
経験がなくて分からない
思考が不足していて分からない

というように分類できると僕は考えています。





 

つまり、同じ「分からない」という言葉においても、その中身は量的なものから質的なものまであるということです。




 

一般的に、初心者は量的な質問が多くなり、熟練者は質的な質問が出来るようになってきます。
質問とは、本来「質を問うもの」ということです。




 

量的な質問は、本来なら調べればわかることが多く、質的な質問は基本的にその場でその相手だからこそ聞く価値を持ち、これは質問する人の経験や思考の深さが反映されます。





 

上に書いた質問の内容によってレベルがわかるという話はこの観点によるものです。




 

 

ただしこれは量的な質問をすることが良くないという意味ではありません。(相手によっては自分で調べろ、と言われるかもしれませんが。。)






「質問とはそういうものだ」ということです。




 

量的なフェーズから、レベルアップによって質的なフェーズに上がってくる。

大切なことは、質問する本人が、自分の質問のレベルが今どこにあるのかを認識することで、自分の今のレベルをしっかりと知ることです。




 

量的なことを十分に知らずに、質的な質問を無理にしようとしても結局は説明を受けた時に理解できないことになったりしますので、「今自分が何に対して疑問を持っているのか」には正直になるべきだと思います。
 

そもそも、他の人がいる中であっても手を挙げて発言するという行為そのものにまず価値がありますしね。

 




 

質問する時のコツとして僕がよく使っている考え方は、「要するに」をうまく活用することです。




 

まず相手が「要するに何を言いたいのか」を自分が理解できているかを考えます。

(できれば一言でまとめます)

これで話のベクトルが分かります。

ここを外すと、”的外れな質問”になります。

議論がかみ合わない場合の一つの原因です。





 

次に、質問する際に「要するに自分が何を知りたいのか」を一言でまとめておきます。

質問の骨組みですね。

これは当然、「要するに相手が何を言いたいのか」の理解の上に成立します。





 

質問する人がここを理解して質問すると、非常に良いディスカッションになるはずです。

質問するのが苦手な人、質問がなかなか浮かんでこない人は、試してみてください。

 




 

今回は、質問する側に関して僕が思うことを話しましたが、次回は質問を受ける側について書いてみたいと思います。

 

 





 

JARTA

中野 崇

 

 

前回の続きです。


今回の内容は、ブラインドサッカーの日本代表選手たち、すなわち目が見えない選手たちにフィジカルコーチとしてトレーニング指導する際に僕が考えていること、注意していることです。





あくまで、現時点で考えていることであり、様々な経験をしていく中でさらに考えるべきことが出てくることは想定されますので、その点に関してはご了承ください。




①まず心構えから。「相手は目が見えないから」、は指導の言い訳にはしないこと。

相手の選手が目が見えないことは、ただの前提条件であり、だったらその上でどう指導する形を作るか、

だったらどのようにすれば伝わるのかだけに集中しています。






言葉の重要性を考える。

ブラインドサッカーの選手に対してだけでなく、トレーナーやコーチなど指導側の人間が使う言葉は非常に重要なものです。

指導は「どう言ったか」ではなく、「どう伝わったか」が全てです。(コミュニケーション全てがそうですかね)

例えばこちらが柴犬をイメージして「犬」と言ったとしても、相手は「犬」という言葉からゴールデンレトリバーをイメージするような構図は多々あります。

であれば、こちらが「犬」と言った場合に相手がどのような「犬」をイメージしているのかを確認する必要があるし、もっと言えばこちらがイメージしている柴犬を相手もイメージしてもらえるような「言葉」を意図的に使いこなす必要があります。




ブラインドサッカーのトレーニング指導時であれば、何も考えずに「膝を曲げて」と言ったとすれば、ある選手は屈伸のような形に曲げますし、脚を前方に持ち上げる形をとる選手、後方に脚を持ち上げる形をとる選手など様々なのです。
これらは同じ言葉に対する認識が個人によって異なる事が原因です。

十数人の選手が対象となる場合、このようなこと一つでいちいち修正していれば時間はどれだけあっても足りません。

だから、一回の指示で、ほぼ全員がこちらが意図した動作をできるように言葉を使いこなす必要があるのです。

もちろん初めはある程度の試行錯誤が必要ですが、このような思考を持った上で試行錯誤していくと、相手の理解の特徴をつかむのが早くなります。






フィードバックを頻回に行う。

ブラインドサッカーの選手は、自分の行った動きと、指導者が意図した動きがマッチしているのかを視覚的に確認することができません。

そのため、必ずそれで合っているのか、それとももう少し修正するべきポイントがあるのかを提示する必要があります。

これは全体ではなく、必ず個人レベルで声をかけています。

かなり頻繁に行っています。






使える環境は全て利用することと、リスク管理の徹底。

ブラインドサッカーの練習環境において「使える環境」とは、晴眼者、すなわち目が見える人たちです。

僕が一人で指導する場合、相手は十数人です。場合によってはとても難しい動きを要求することもあります。

しかもそれが一般的なトレーニングではなく、独特のこれまでやったこともないようなトレーニングの場合は、キーパーやコーチたちにもお願いして動きを個別レベルで伝えられるように準備します。

つまり、事前に今日はこんな意図でこんな動きをしたいから、ということを伝えて理解しておいてもらうということです。

また、これも当然のことですが、選手同士がぶつかったり、設備にぶつかったりしないような場の確保や運動方向の設定は事前に十分に考えておく必要があります。

例えばブラインドサッカーの選手にダッシュをさせたい場合、みなさんならどういった環境設定をしますか??






選手の可能性を勝手に規定しない。

これもブラインドサッカーだけでなく、すべての選手に対して心掛けるべきことですね。

目が見えないから、耳が聞こえないから、身体が硬いから、小学生だから、アマチュアだから、、「この選手はこんなもんだろう」は指導側が最もやってはいけないことです。

選手の限界は少なくとも我々が決めることではないはずです。

もちろん、選手の現状に合わせた、達成度合い・達成目標は設定しておく必要はあります。

それと上限を決めることとは全く別です。






今回、ブラジル遠征に行って、世界最強のブラジルのブラインドサッカーを目の当たりにして、僕が最も学んだことの一つはこの部分です。

ブラジルの選手は、僕の中のブラインドサッカーの上限を明らかに上回っていました。

「こんなことまでできるのか…。」

無意識のうちに、「目が見えない選手」の上限を勝手に規定していた自分に気づいたのです。

やはり自分はまだまだです。。





いろいろ書いてきましたが、これらは結局のところ、目が見える見えないは関係なく、指導における本質としては同じものなのだなという事はブラインドサッカーに関わらせてもらって得た大切な教訓です。





しっかりと彼らの動きを分析し、そして日本人選手たちの動きを分析し、遠回りさせることなくパフォーマンスを上げる土台を作っていく。

それがフィジカルコーチとしての役割です。





そして日本代表の監督やコーチなど、一流のスタッフが揃っている以上、選手に要求される動きや戦術は確実にレベルアップしていきます。

それを実現できるフィジカルを構築するという意味では、自分の役割は非常に大きなものであることは明らかです。






まだまだやるべきことはたくさんありますが、まずは上を見上げすぎず、地道に積み重ねていくことを続けていきたいと思います。





日本のブラインドサッカー、注目しておいてください。






JARTA

中野 崇






おはようございます。

前回はブラインドサッカー日本代表のブラジル遠征の様子をご紹介しましたが、そもそものブラインドサッカーという競技について、フィジカルコーチの視点も含めて改めてご紹介したいと思います。(ルールなど細かい説明は省きます)





1チーム、フィールドプレイヤー4名(目が見えない選手)、ゴールキーパー(目が見える)で構成。

ボールの内部に鈴のようなものが組み込まれており、ボールが転がると音がなる。それにより選手たちはボールの位置を把握する。また、フィールドのゾーンごとに声での指示を出せる者が決まっており、監督、ゴールキーパー、ガイドの3人がゾーンごとに分担。






世界最強はブラジル、次いでアルゼンチン。

アジアでは中国、イランが強豪。

日本は世界10位前後だったはず。(最新ランクは確認していません)

日本のブラインドサッカーのクラブチームは15程度。






僕は2015年の12月から高田現監督からオファーをいただき、日本代表チームのフィジカルコーチを任されています。





同年に開催したアジア予選に敗退してリオパラリンピックへの出場が断たれたことによる新体制のスタートにより、代表チームに初めてフィジカルコーチの職を置く流れの中での拝命となりました。






恥ずかしながら、その話をいただくまでブラインドサッカーという競技は競技名としてしか認識しておらず、当然実際に見たこともありませんでした。





それでよくフィジカルコーチの話受けたな、という声もあるかもしれませんね。






ただ僕のこれまでの仕事のやり方として、やったことのない競技であっても、しっかりと分析して必要な要素とそれらの関係性とその優劣を構造として捉え、その上で必要なトレーニングメニューを構築するという流れで常にやってきたため、自分が知らない競技に対する懸念や抵抗感という点では問題ありませんでした。





もちろんそれは僕自身が問題なくても、監督などがそこを理解し、評価してくださっていなければオファーそのものがありえない話ではあるので、このような機会を与えてくださった高田監督には感謝しても仕切れません。






代表のフィジカルコーチを受けるにあたり、僕が最も難しいなと感じていたのは、その競技独特の「常識」というか「慣例」というか、そういうもの。外からはわかりにくいものです。





どの競技にもその競技内でだけ通じる何か共通する慣例がありますよね。

またそれともつながりますが、競技独特の指導言語にも注意しています。

野球でいう「脇を締めて振れ」などですね。






これらには言葉以外の暗黙知的な部分が必ずあり、「脇を締めろ」という言葉そのもの以外に必要な運動が「当たり前のこと」として含まれています。

だって本当に脇締めていてはバットが上手く振れませんからね…。

(その辺を話しだせばキリがないのでまたの機会に)






ブラインドサッカーにおいては、サッカーと共通した言語が多く、その点に関してはこれまでのサッカー選手指導経験が役に立っていてあまり指導言語レベルでは現状としてはあまり苦労していません。

単に、パフォーマンスアップに有効であればこちらも使用するし、マイナスや停滞に作用する慣例や常識であれば変えていくまでです。






それよりも、一般的にブラインドサッカーの指導で最も難しいと思われる点。

それは指導する対象となる選手たちが目が見えない選手という点ですね。

これは当然フィジカルトレーニングの指導においては大きな課題になりました。

それまで目が見えない選手に指導した経験なんてありませんでしたので。。






当初は僕なりの予測と毎回の到達点を持っての試行錯誤でした。
そしてスタッフの方々の助言に大いに助けられました。




今では選手たちはとても複雑なトレーニングの動きも当たり前にやっていますし、PWU(プレウォーミングアップ)というウォーミングアップ前の個人ウォーミングアップの概念もその内容もよく浸透しています。





最近では物理や力学に基づいたコンタクトの方法論を身につけるためのトレーニングも導入し、実戦でもその成果が見られるようになってきました。






試行錯誤やってきた結果得られている成果ですが、選手にはまだまだ難しいことができそうなポテンシャルを感じています。






みなさんが仮にそういう条件の選手たちを指導する立場になったら、どんな形で指導しますか?

次回は「目の見えない選手たち」にトレーニング指導する際に僕が考えたことを書きたいと思います。








JARTA

中野 崇