【三橋貴明】「冗談抜きで生き残ってほしい」?【しんぶん赤旗】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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 しんぶん赤旗

 日本共産党の機関紙である。

 同党は政党交付金を辞退しており、同紙が重要な資金源である。

 

 

 

「しんぶん赤旗 194億円の収入で利益率3割超の秘密」 ironna(『NEWSポストセブン』 SAPIO 2016年10月号)

https://ironna.jp/article/5592

 

「 共産党の財政基盤を支える機関紙「しんぶん赤旗」はどのようにして成り立っているのか。その配達と集金、勧誘の仕組みをジャーナリストの竹中英司が解剖する。

* * *

 日本共産党は主要政党で唯一、国から政党交付金を1円も受け取っていない。1995年の制度創設以来、共産党がもらわなかった政党交付金の総額は200億円を超えるという試算がある。

「政党交付金は国民が納めた税金を支持していない政党に回される憲法違反の強制献金制度だ」(宮本顕治・元名誉議長)

 と主張してきたからだが、“やせ我慢”には別の理由もあるようだ。

 共産党は現在も破壊活動防止法の調査対象団体に指定され、公安調査庁に活動を監視されている。古参党員はこう語る。

 

「政党助成法では、総務大臣に交付金を受け取った政党への調査権(説明聴取)や返還命令権などの強い権限が与えられている。交付金をもらえば活動資金を国家に依存するようになり、国家権力から党財務に介入される余地が生まれる」

 だから他の政党と違って、財政面で国に依存しない独立採算路線を採ってきた。

 そんな共産党の屋台骨を支えているのが機関紙「しんぶん赤旗」の購読料(日刊紙・月額3497円、日曜版・月額823円)だ。

 政治資金収支報告書によれば、共産党の2014年の収入は約225億円。内訳を見ると、党員からの党費約7億円、寄付約5億円に対し、機関紙の事業収入は約194億円でなんと収入の8割以上を「赤旗」が稼ぎ出し、同事業の支出と差し引きすると約62億円が粗利とみることができる。粗利益率は3割以上だ。党の人件費をはじめ、光熱費や事務所費などの経常経費・約38億円は赤旗の購読料でまかなっているとみていい。

 不思議なのはその利益率の高さである。赤旗の日曜版は約100万部の発行とはいえ、日刊紙の発行部数は約20万部とされる。これは小規模な県の地方紙のレベルの部数だが、地方紙と違って赤旗は全国に宅配網をめぐらせなければならず採算が見込めない。しかし、そこに赤旗独自の配達と勧誘の仕組みがある。党関係者が自ら配っているのだ。

「地方議員や(党から給料をもらっている)専従の党員も配達するが、現在の主力は支部長OBや会社をリタイアした一般党員たちです。一般党員には完全なボランティアと有償で配達する場合の2種類があるが、報酬をもらっても多くを党に寄付するから実質的にはボランティアです」(20年近く赤旗を配達しているベテラン党員)

 赤旗は同紙印刷のために設立されたあかつき印刷など全国6か所で印刷され、各都道府県の党支部など配達拠点に配送される。さらに「配達ポスト」と呼ばれる市町村の党議員事務所などに届けられ、配達員の手で各戸に配られる。この宅配の人件費はほとんどタダというわけである。利益率が高くなるのもわかる。

 たいへんなのは日刊紙の5倍近い部数がある日曜版だ。毎週木曜日に刷り上がって集配所に届けられ、宅配ボランティアの人員も10数万人に増員される。また、選挙が近づくとこうした赤旗配達員の党員たちが、新聞を配達する際、購読者以外の住民のポストにも共産党系団体の政策チラシなどを投函していく。こうした組織力は他党を圧倒している。

 ボランティア配達員の党員にとって一番重要な活動は集金である。現場では、購読料は振り込みや年間一括払いではなく毎月の現金払いを奨励している。

「党勢拡大のためにいきなり党員獲得といっても現実的には難しいから、まず赤旗を取ってもらう。購読者になってくれた方は共産党の政策に関心がある人です。毎月の集金時はそうした購読者と直接、話ができる貴重な機会だから、政治への不満や生活の不安などできるだけ話を聞いて、具体的に困っていることがあれば地域の党の出張所などに来てもらって改めて相談に乗る」(同前)

 配達・集金は「機関紙活動」と呼ばれ、党員の中で重視されている。ただし、近年では配達員となる党員不足や高齢化などから赤旗の遅配・欠配も増えてきたという。とくに僻地での配達は配達員にとっても負担が大きいようだ。」

 

 

 

 赤旗の発行部数は多く、「赤旗も減少傾向にあるものの全国紙に比べれば踏みとどまっており、産経を超える日も近いと見られています」と評する人すらいた(https://www.news-postseven.com/archives/20170424_520394.html)。

 しかし、その同紙が、今年、大台の100万部を割る事態に陥っている。

 

 

 

「「しんぶん赤旗」と党の財政を守るために」 しんぶん赤旗2019年8月29日

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-08-29/2019082909_01_0.html

 

2019年8月28日 財務・業務委員会責任者 岩井鐵也
 いま、全党は、志位和夫委員長の日本共産党創立97周年記念講演「共闘の4年間と野党連合政権への道」での解明を力に、「日本共産党の躍進こそ、野党連合政権への最大の力」「共闘の力を強め、日本を救うためにも、日本共産党を強く大きく」と決意を固め、党の自力強化への奮闘が広がりつつあります。とくに、記念講演の最後に、「日本のように、共産党が保守を含む広範な勢力と共闘して、右派反動勢力を倒すたたかいに挑んでいるという国は、他には見当たりません」「前人未到の探求と開拓の道を共に切り開いていこう」と力強く入党をよびかけたときの拍手と歓声は、党の自力強化の今日的な意義への熱い共感からのものであったと思います。

 わが党の果たすべき役割は本当に大きく、非常に大事な歴史的な局面に立っていると思います。そのカナメをなすのが党員を根幹とし、「しんぶん赤旗」を中心にした党の自力の強化です。

率直にお伝えしたいこと
 この点で率直にお伝えしなければならないことがあります。それは、「しんぶん赤旗」は、安倍政権に立ち向かい、日韓問題はじめ国際政治の真実を明らかにし、憲法と暮らしを守るとともに、市民と野党の共闘を発展させ野党連合政権への道を切り開いていくうえでかけがえのない役割を発揮していますが、その日刊紙・日曜版の読者が8月1日の申請で100万を割るという重大な事態に直面し、この後退が「しんぶん赤旗」発行の危機をまねいていることです。そして、「しんぶん赤旗」の事業は党の財政収入の9割をしめるという決定的な役割を担っています。「しんぶん赤旗」の危機は、党財政の困難の増大そのものです。

 「しんぶん赤旗」の後退は、中央も地方党機関も財政の弱化に直結します。党の役割が大きくなり、党活動の強化が求められているそのときにその支えとなる財政が足りない――これほど悔しいことはありません。総選挙をたたかう財政の備蓄もこれからです。この事態打開には全党のみなさんの力の結集がどうしても必要です。

 党の財政には、党員の納める党費、「しんぶん赤旗」と『女性のひろば』など定期雑誌の配達・集金活動と購読料、そして党内外の方々からの募金――この一つひとつに込められた社会変革への思いが凝縮されています。これが党の財政の本質です。企業・団体献金や政党助成金に頼ることのない、しがらみのない財政だからこそ、だれにもどこにも気兼ねなく国民が主人公の立場に確固として立ち、事実と道理にもとづく議会活動や国民運動の中での役割を果たすことができる物質的保障になっています。これは97年の歴史を通してのわが党の誇りです。党の自力の強化が党の財政を支え、綱領路線を堅持し、ぶれずに一貫してたたかうことのできる根本条件なのです。

「赤旗」の現状打開は急務
 「しんぶん赤旗」の現状打開は急務です。参院選のたたかいは党勢拡大の新たな条件と可能性をつくりだしています。それは、ともに選挙戦をたたかった方々の入党や、「しんぶん赤旗」購読の報告が、各地から次々寄せられていることからも明らかだと思います。この8月、党員拡大を根幹としつつ、党の財政の困難をなんとしても打開するために、読者拡大で必ず前進をかちとり、党勢拡大の連続的な前進・飛躍へと転じる契機にするための奮闘を心から訴えます。

 全党の力で「しんぶん赤旗」と党の財政を守ってください。お願いします。」

 

「共産「赤旗」100万割れ 異例の“告白” 財政悪化で支援訴え」 産経ニュース2019年9月5日

https://special.sankei.com/a/politics/article/20190905/0003.html

 

「 共産党の財政を支える機関紙「しんぶん赤旗」の読者数減少に歯止めがかからない。8月29日付紙面で、読者数がピーク時の3割程度となる100万を割ったことを報告し「『しんぶん赤旗』と党の財政を守るために」と危機感を訴えた。党費を支払う党員も減ってきており、3年後に結党100年を迎える老舗政党の足元を揺るがしつつある。(内藤慎二)

(後略)」

 

「共産党「赤旗」の部数回復へ号砲 志位氏「死活的意義」」 産経ニュース2019年9月15日

https://www.sankei.com/politics/news/190915/plt1909150006-n1.html

 

「  共産党は15日の第7回中央委員会総会(7中総)で、平成29年1月以来となる第28回党大会を来年1月14日から5日間の日程で開催し、現在の「2004年綱領」を一部改定する方針を明らかにした。

 綱領で改定されるのは世界情勢の第3章と、将来の社会像に関する第5章の一部で、他の野党が懸念する自衛隊の解消や日米安全保障条約の撤廃を記した第4章は改定の対象外とした。志位和夫委員長は記者団に対し「社会主義・共産主義の大目標は堅持する」と説明した。

 志位氏は7中総で、読者数が100万人の大台を割った機関紙「しんぶん赤旗」に言及。次の大会までに前回大会時の113万人を回復、突破するとの目標を掲げ、「この目標が極めて重要な死活的意義を持つ」と奮起を促した。

 機関紙の購読費は企業・団体献金や政党助成金の受け取りを拒否する同党の財政基盤を支えてきたが、昭和55年に355万人に達した日刊紙・日曜版の読者数は最近下落傾向にある。

 共産党に所属していた元東京都板橋区議の松崎参(いたる)氏は「簡単に部数回復と言うが、元読者に再び購読をお願いするのが関の山ではないか。ノルマを課される党の末端では『素直に政党助成金を受け取るべきだ』という不満の声が少なくない」と語る。

 志位氏は立憲民主党などに呼びかけている野党連合政権の樹立にも触れ、政権構想の進展具合が、次期衆院選の野党間協力の強弱を左右すると強調した。

 ただ、立民などの支持団体の連合は野党連合政権に反対の立場だ。立民幹部も共産党が皇室に否定的であることから「皇居で行われる閣僚の認証式に臨む覚悟ができているのか」と述べ、党名や皇室への態度を変えない限り、連合政権の樹立は難しいとの見方を示している。(内藤慎二)」

 

 

 

 志位委員長は「共産党が保守を含む広範な勢力と共闘」と言う。

 一体誰のことを指しているのだろうか。

 昨年まで大手保守系言論誌に論説が多数掲載され、今も保守系メディアであるチャンネル桜に出演する者で、赤旗を絶賛する者がいる。

 三橋貴明である。彼自身は自らを保守と名乗っていないが、保守勢力の中で言論活動をしてきた。

 三橋は、昨年1月、妻に対するDV事件で逮捕され、今ではメディアへの露出は減っている(https://www.sankei.com/affairs/news/180107/afr1801070012-n1.htmlhttps://ameblo.jp/bj24649/entry-12403153493.html)。

 三橋は、著書「メディアの大罪」で、赤旗に「冗談抜きで生き残ってほしい」とエールを送る。

 それにしても、副題が「テレビ、新聞はなぜ「TPP戦争」を伝えないのか」だが、「TPP亡国論の大罪」も裁かれるべきであろう。

 

 

 

三橋貴明 「メディアの大罪 テレビ、新聞はなぜ「TPP戦争」を伝えないのか」 (PHP研究所、2012年) 130ページ

 

「 ちなみに、筆者は『赤旗』について、最終的に導き出される結論にはまったく賛同できないが、その調査能力と分析能力は高く評価している。調査と分析にかけては、おそらく日本屈指の実力を持つ新聞社なのではないだろうか。冗談抜きで、日本の大手紙が何らかの理由で全滅したとしても、『赤旗』にだけは生き残ってほしいと思っているほどである。

 

 

 

 

 

 「冗談抜きで、日本の大手紙が何らかの理由で全滅したとしても、『赤旗』にだけは生き残ってほしいと思っているほどである。」

 つまり、産経新聞が滅びても赤旗には生き残ってほしいということである。

 では、両紙は「即位礼正殿の儀」についてどう伝えたのだろうか。

 赤旗は、完全無視であった。

 産経新聞がこの儀式を最も大きく扱い、竹田恒泰氏は、「頼みの綱は産経新聞」と評する。

 

 

 

「納得!虹の即位礼正殿の儀 なぜ直前まで雨が降ったのか?その理由、お教えします!|竹田恒泰チャンネル2」 YouTube2019年10月26日

https://youtu.be/1fjafVUr4Qo?t=390

 

 

 

 反天皇極左の共産党、赤旗。

 「産経よりも赤旗に生き残ってほしい」などと、冗談ならまだしも、「冗談抜きで」言える人など、とてもじゃないが保守を自認する人々の信用の対象ではあるまい。

 いやいや、そうは言っても7年前の一度きりの記述ではないか、今では違うかもしれないではないか、と思う人もいるかもしれない。

 しかし、三橋は、2年前にも、赤旗を依拠しながら主要農作物種子法(種子法)廃止法を「モンサント法」として糾弾し、これによって新嘗祭ができなくなるなどと恐怖を煽った(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12263180198.htmlhttps://ameblo.jp/bj24649/entry-12277035770.html)。反天皇の赤旗に依拠しながら天皇を持ち出して錦の御旗を立てようとするとは、なんとねじくれた思考なのだろう。

 三橋の種子法反対論はデマと呼んで差し支えない代物であり、赤旗と歩調を揃えた悪質な反安倍煽動であったと思う(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12373270709.html)。

 私の知る限り、三橋の「モンサント法」の掛け声に多くの言論人が後追いすることもなく、大手言論誌に種子法関連の特集も載らなかったし、三橋の「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム」(彩図社、2018年)を推薦図書に挙げる大手言論誌もなかった。。

 なお、青山繁晴参議院議員は、種子法廃止反対運動に共産党が入り込んでいることを指摘している。

 

 

 

「念のために、簡潔に、記しておきます」 青山繁晴ブログ2017年6月26日

http://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=674

 

「 また種子法廃止に反対する運動のなかに、日本共産党系の運動も入り込んでいることもご存じでしょうか。
 もちろんそれが反対運動の全てではありません。しかし共産党が実に巧妙に反対運動 (の一部) を倒閣のために動かしているのも事実です。
 こうしたことは種子法に限ったことではありません。驚くべき広さと深さで展開されています。共産党の色を出さない共産党系の活動は、労働運動、農民運動、文化・芸能、マスメディア、官僚、法曹の世界に特に浸透しています。政治の世界はむしろ、はっきり日本共産党と称して国会質問もしますから、分かりやすいのですが、ほかの世界では共産党とはっきり分かるとは全く限りません。こうした活動、運動の自由は、現在の日本社会ではもちろん完璧に保護されています。」


 

 

 

 

 12日、三橋は、自身のYouTubeチャンネルにて、ケン・ローチなる映画監督を取り上げた動画を公開した。

 三橋が映画監督の話を持ち出すことに唐突感があった。

 赤旗を確認してみると、この監督が15日の赤旗日曜版に取り上げられている。

 これは偶然なのだろうか。

 動画の中身は見ていないが、妙にシンクロしているように思える。

 ちなみに、意外にも、ローチ氏は、平成15(2003)年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞している(https://www.praemiumimperiale.org/ja/laureate/laureates/loach)。

 ウィキペディアによると、この賞は日本美術協会が主催し、当時の会長は中曽根康弘元総理大臣のブレーンだった瀬島龍三だった。ローチ氏は左翼であり、民営化反対論者でありながらあえてこの賞を受け、賞金の寄付先を考えていたところ、「国鉄分割民営化に反対したためにJRから締め出された闘争団を勧められて、ここに寄付し」、「「中曽根などからの賞金を受け取って、その金を中曽根が進めた国鉄分割・民営化に反対して闘っている人にカンパするのはなかなかいい」と発言した」とのことである(https://bit.ly/398yVDC)。迷惑なことをしてくれたものである。

 11月29日に他界した中曽根元総理大臣の名前が出てくるとは、これまた意外であった。

 芸術性に焦点を当ててローチ氏を取り上げるならまだしも、経済や政治を論じる上で取り上げるのに相応しい人物なのだろうか。

 甚だ疑問である。

 

 

 

「三橋TV第173回【ケン・ローチ監督最新作から見える搾取ビジネスの恐怖】」 YouTube2019年12月12日

https://www.youtube.com/watch?v=UHw9cBiJ0D0

 

「19年12月15日号 の紹介」 日曜版「しんぶん赤旗」HP

https://www.jcp.or.jp/akahata/web_weekly/201110/191215/

 

■資本主義が家族をも壊す

ケン・ローチ監督「家族を想うとき」を見て
前参院議員・辰巳孝太郎さん

「働き方」に焦点を当てたケン・ローチ監督の新作「家族を想うとき」(13日公開)について日本共産党前参院議員の辰巳孝太郎さんが解説します。(30面)」

 

 

 

 

 赤旗のローチ氏に関する別の記事も読んでみた。

 これによると、ローチ氏は「新自由主義ガー!」に位置づけられ、中野剛志や三橋貴明を彷彿とさせ、シンクロを感じさせる記述となっている(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12345761876.html)。

 チャンネル桜などを見ていると「保守=反新自由主義」という考えに陥りがちだが、気が付くと赤旗とシンクロするので要注意である(関連記事としてhttps://ameblo.jp/bj24649/entry-12323716295.html)。

 

 

 

「きょうの潮流」 しんぶん赤旗2013年4月17日

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-17/2013041701_06_0.html

 

「 きょうロンドンのセントポール大聖堂でマーガレット・サッチャー元英首相の葬儀が行われます。英国で生前の業績をめぐる議論が盛んです。退陣から22年たって功罪が論争になる政治家もあまりいないでしょう▼支持者は英国を経済危機から救い、競争力のある国にした偉大な政治家だとたたえます。サッチャー政治に反対した人たちは社会保障を切り捨て、経済効率最優先の格差社会をつくったと批判します。新自由主義の路線です▼1980年代、ロンドン大学教授としてサッチャー政治を目の当たりにした経済学者の森嶋通夫氏は「サッチャーは、イギリスの悪い所も、善い所も、数多くすっかりぶち壊してしまいました」(『サッチャー時代のイギリス』)と書きました▼オックスフォード大学は大学予算削減に抗議して、首相に就いた卒業生に慣例となっている名誉法学博士号の授与を、サッチャー氏に関しては拒否しました。森嶋氏が紹介している話です▼巨額の公費をかけた盛大な葬儀も論議の的です。映画監督のケン・ローチ氏は「サッチャー氏の葬儀を民営化して競争入札にかけるべきだ」と発言しています。映画「ナビゲーター」で国鉄民営化を痛烈に批判した監督ですサッチャー首相の在任当時、レーガン米大統領、中曽根康弘首相も共に新自由主義の政策を推し進めました。その流れは小泉純一郎政権の「構造改革」から安倍晋三政権へと受け継がれています。サッチャー氏が残したものは日本にも無縁ではありません。

 

 

 

 

 ところで、チャンネル桜の水島総社長が「国守衆」という団体を設立して政策提言をしている(https://kunimorishu.jp/)。詳しい話はyumikwさんのブログを見てほしい(http://yumikw.blog.fc2.com/blog-entry-377.htmlなど)。

 TPP亡国論に種子法デマに水道法デマ。中野・三橋のデマに乗っかる姿勢を示しており、ろくでもない(https://kunimorishu.jp/about.html)。

 とりあえず、三橋をチャンネル桜キャスターから降板させないことには話にならない。

 それにしても、水島は、「頑張れ日本!全国行動委員会」という団体が既に存在するのに、なぜ新たな団体を設立するのか、不思議である(http://www.ganbare-nippon.net/)。

 田母神俊雄元会長との訣別が関係しているのだろうか。「頑張れ日本」は田母神人気で規模を拡大した団体と言って差し支えないと思われるが、田母神氏が追い出され、求心力を失い、機能不全に陥り、新団体を設立したのだろうか。「頑張れ日本」は会長がいまだに空席である(http://www.ganbare-nippon.net/member.html。登録上は水島が代表者になっている。https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SA20190830/13.pdf)。

 国守衆も、発起人として水島の名前が見られるが、HPを見ても会長がわからない(25日時点)。不思議な団体である。

 

 

 

 先月4日、三等兵さんから、三橋批判にリソースを割くのは勿体ないという指摘をいただいた(https://twitter.com/santohe/status/1191322283270270977)。

 私の中では、三橋の影響力はいまだ無視してよいという水準に達していない(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12537803068.html)。三橋の影響力はいまだ強いというのが私の認識である。

 しかし、三等兵さんの指摘の当時、確か三橋は政治ブログランキング1位に返り咲いていたと思うが、先月20日を過ぎたあたりだろうか、再び2位に落ちていた。以来、私の知る限り、三橋は1位には返り咲いていない(今月25日時点)。

 また、三橋は年末に新刊を出してきたが、昨年、書店に並ぶ一般書として出すことができなかったのか、ネット通販限定の自費出版のような本を出した(https://keieikagakupub.com/38JPEC/AF/)。そこまでして年末に新刊を出すのかと、その執念に驚いたが、私の知る限り、今年は年末の新刊の情報はない。

 さらに、最近、いろいろな人のツイッターのタイムラインを覗いているが、三橋関連のツイートを見かけることがほとんどない。三橋と同じくチャンネル桜で経済解説をしている渡邉哲也氏に関するツイートをよく見かけるのと対照的である。

 そういうことを考えると、三橋の影響力は衰退の流れにあり、三橋批判にリソースを割くのは勿体ないという三等兵さんの指摘ももっともだと思えてくる。

 ただ、DV事件で逮捕されたという醜聞があるにもかかわらず、西田昌司参議院議員といい安藤裕衆議院議員といい、三橋のイベントに参加しており、こういう政治家との繋がりが気がかりではある。

 


(11月24日)

 

(12月25日)

 

 

 

 

 赤旗も、「冗談抜きで、…『赤旗』にだけは生き残ってほしい」という三橋も、影響力を縮小していってほしいものである。

 

 

 

<31日追記>

 

「良い子の皆さん、私の真似して「しんぶん赤旗」をとらないでね!その理由とは?|竹田恒泰チャンネル2」 YouTube2019年9月17日

https://www.youtube.com/watch?v=w48LPDV6KlA

 

<追記ここまで>

 

 

 

◆余談◆

 

 

 

 フランスは国鉄労組のストで大変な模様。

 

 

 

「仏国鉄 損失4億ユーロに ストライキ続く」 テレビ東京2019年12月25日

https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/nms/news/post_193342

 

「フランスのマクロン政権が打ち出した年金制度改革に反対し、国鉄の労働組合がストライキを続けている問題で、国鉄のファランドゥー総裁はフランスのルモンド紙のインタビューに応じ、これまでの損失が推計でおよそ4億ユーロ、日本円にしておよそ484億円に上ると明らかにしました。政府はクリスマス休暇中のストライキの一時中断を呼びかけましたが、労働組合側は応じず、24日も高速列車TGVの運行は4割ほどにとどまっています。」