【米朝首脳会談】三橋貴明がやらかした件【驚愕】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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 10代妻へのDVで逮捕されて話題になった三橋貴明(経世論研究所所長)が、先月26日、こんなブログ記事を書いていた(https://www.sankei.com/affairs/news/180107/afr1801070012-n1.html)。

 米朝首脳会談中止の予想が当たったとのこと。

 彼のどや顔が目に浮かぶような書きぶりである。

 

 

 

「平和という思考停止から脱却する時がきた」 三橋貴明ブログ2018年5月26日

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12378778467.html

 

「 何度も書いていますが、米朝首脳会談を開催するためには、
(1) アメリカ側は「完全、検証可能、不可逆的な北朝鮮の非核化」を要求し、北朝鮮側は「朝鮮半島の段階的な非核化」を望むという、非核化の溝を越えられない
(2) 北朝鮮側は「未来永劫、恒久的な体制保障」を欲し、アメリカ側は「トランプ大統領の体制保障」しか提供できないという、体制保障の溝も越えられない
 と、二つの「溝」を越えることが必要でした。


 が、予想通り溝を越えることが不可能で、開催中止と相成ったわけでございます。」

 

 

 

 しかし、現実はこうだった。

 

 

 

「米朝首脳が共同声明に署名 トランプ大統領「包括的な文書だ」」 NHKニュースウェブ2018年6月12日

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180612/k10011474471000.html

 

「アメリカのトランプ大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は史上初の米朝首脳会談の成果として、共同声明にそろって署名し、トランプ大統領は、その内容などについて、この後、記者会見で明らかにすることにしています。

トランプ大統領とキム委員長は、シンガポールのリゾート地にある高級ホテルで史上初の米朝首脳会談に臨み、日本時間の午後3時前に会談の成果として、共同声明に署名しました。

署名の場でトランプ大統領は「重要で包括的な文書だ。署名ができて光栄だ」と述べました。そして「内容はとても印象的なものだ。関係者に感謝する。私は、北朝鮮との関係はこれまでと比べて大きく変わることになると思う」と述べました。

これに対し、キム委員長は「きょうのこの歴史的な出会いで過ぎ去った過去を覆い、新たな出発を知らせる歴史的な文書に署名する。世の中はおそらく重大な変化を見ることになる。きょうのために努力してくれたトランプ大統領に感謝する」と述べました。

そして記者から「キム委員長が非核化に同意したのか」と質問されたのに対し、トランプ大統領は「とても速やかにプロセスを始めることになる。速やかにだ」と述べ、非核化に向けた動きに楽観的な見通しを示しました。

また記者団が「ホワイトハウスにキム・ジョンウン委員長を招くのか」と尋ねたところ、トランプ大統領は「当然だ」と答え、キム委員長をいずれかの時期にワシントンに招待したい意向を示しました。

署名の後、トランプ大統領とキム委員長は文書を片手に持って並んで廊下を歩いた後、握手をして、ことばを交わして別れました。その際、トランプ大統領は「われわれは何度も会うことになる」と述べ今後も首脳会談を開催するという見通しを示しました。

トランプ大統領は、日本時間の午後5時から記者会見して、会談や共同声明の内容について、明らかにすることにしています。」

 

 

 

 会談当日である昨日、三橋は驚愕していた。

 

 

 

「米朝首脳会談始まる」 三橋貴明ブログ2018年6月12日

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12383130063.html

 

「個人的には驚愕しているわけですが、本日、米朝首脳会談が開催されます。」


 

 

 

 米朝会談・開戦の予想をハズしている人なんて珍しくないじゃないかと思う人もいるかもしれない。

 しかし、何ヶ月も何週間も前にした予想がハズれたならまだしも、直前期に「予想が当たった」と欣喜雀躍した上でハズすというのは、やらかした感が拭えない。

 で、三橋は予想を外したことについてこの記事で弁明しているわけだが、「一番「ありそう」と考えているシナリオ」という新たな予想を書いている。

 まぁ結局のところ不安を煽って支持を獲得しようという内容になっている。気になる人はリブログ元の記事を見てみてほしい。

 それにしても、「アメリカは経済制裁を解除し、北朝鮮の特定地域を「開発特区」化し、(主に)日本の投資を入れ、アメリカのグローバル企業(ハリバートンなど)のビジネスを作る。」というのは意味がよく分からない。

 経済的な側面についての疑問もさることながら、日米は北朝鮮と国交がないが、こんなことが可能なのだろうか。仮にこれを実施した場合、中朝関係はどうなるのか。俄には信じがたい。

 それに、三橋はとにかく人気を保つべくとりあえず反新自由主義・反グローバリズムの枠組みでこれを書いたのだろうが、矛盾を来しているのではないか。

 三橋は、「規制緩和・グローバル化と安全保障の強化は、両立しえない」という「三橋貴明の第一原則」を示し(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11955827441.html)、また、「特区を作り、外資を呼び込む」政策を「デフレ促進策」と位置づけた上で「「特区を作り、外資を呼び込む」なんてことをやっていけば、インフレ期だろうがデフレ期だろうが、地域のコミュニティは破壊されます。」と言う(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11613418456.html)。

 経済制裁の解除は貿易の促進というグローバル化政策であり、三橋的には北朝鮮の安全保障は弱体化することになる。特区を設定して日本やアメリカという外資が投資すれば、北朝鮮の地域のコミュニティは破壊されることとなる。

 三橋経済論に従えば、経済制裁解除も特区設定・外資呼び込みも北朝鮮には打撃となり、日本にとって好ましいという結論になるのではないだろうか。

 反新自由主義・反グローバリズムの根底には反米がある。アメリカを敵視する考え方だから、アメリカと協力して第三国と対峙する場面でこれを持ち出すと、うまく説明がつかなくなるのかもしれない。これも「TPP亡国論」の中野剛志の悪影響であろう(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12362415709.html)。

 

 

 

 米朝首脳会談開催の予想を外したことを弄るのは意地悪なところがあるかもしれない。

 他の評論家がどういう予想をしていたのかあまり知らないのだが、予想は難しかったと思う。

 それにしても、三橋が新たに示した「シナリオ」はあまりに粗雑なのではないか。

 ひょっとしたら当たるのかもしれないが、予想を外した直後の新たな予想なのに慎重さや誠実さが感じられず、失敗をいかにして誤魔化すかという意図を感じた。

 種子法廃止反対論を通じて、三橋はもはや無責任な煽動芸人に過ぎないと私は見ているが(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12373270709.html)、いまだに三橋を信用している人や、彼に「嘘つきの雑誌」呼ばわりされてもなお彼の連載を継続する「WiLL」にこそ「驚愕」するのである(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12270120533.html)。