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『国力とは何か(前編)①』三橋貴明 AJER2014.11.11
『国力とは何か(後編)①』三橋貴明 AJER2014.11.18
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徳間書店から年末恒例(?)の「2015年 暴走する世界経済と日本の命運 」が刊行になりました。11月24日(月)23:59まで、徳間書店でこちらも恒例のAmazonキャンペーンが開催されています。
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昨夜、長野県北部で、震度6弱(!)の地震が発生しました。一部の地域では家屋が倒壊するなど、大きな被害が出ています。
『長野県北部の地震、けが人57人に 骨折した重傷者も
http://www.asahi.com/articles/ASGCR2JZWGCRUTIL003.html?ref=rss
長野県北部を中心に震度6弱を記録した22日夜の地震から一夜明けた23日、同県内でけがをした人は57人にのぼっている。警察庁によると、2人が重傷で、55人が軽いけがを負った。』
講演で全国を回っていると、十回に一度くらい、
「日本はもう高齢化した成熟国で、国民は買いたいものなどないから、成長しないよ」
と、現実も論理もまるで無視した「日本成長否定論」を主張する人がいます。困ったことに、政治家にもいます。
とりあえず、今の若い世代の所得を二倍にしてみるというのはどうでしょうか? 100%、消費ブームが起き、婚姻が増え、出産も増えることになります。
若い世代は「買いたいものがない」のではありません。所得が少なく、買えないのです。
さらに、「欲しいものは手に入れた」という方にお聞きしたいのは、
「あなたは、安全という商品は十分に手に入れていますか?」
になります。
今、この瞬間に、直下型の大地震が発生し、自分や家族の生命が失われてしまう可能性があるのが我が国なのです。大規模自然災害は、高所得者層や富裕層を「回避」してくれはしません。低所得者層も、高所得者層も、まとめて被害に会うのが大規模自然災害です。
この手の「非常事態」があるからこそ、国家という共同体が必要であり、さらに「国民意識(ナショナリズム)」に基づく「助け合い」に価値があるのです。
「安全保障強化」を謳う自由民主党は、果たして「ナショナリズムに基づく、国民の安全保障の強化」を公約に入れてくるでしょうか。ここでいう安全保障強化とは、防衛はもちろんですが、防災も含みます。すなわち、国土強靭化や第二国土軸です。
『安倍首相独占インタビュー 解散断行の全真相 民主党にはのけ反るほど驚いた…
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141120/plt1411200830001-n2.htm
──同時に、衆院解散を決断した理由は
「国民生活、国民経済に重い決断をする以上、国民の信を問うべきであると決断した。成長戦略には賛否両論がある。法人税減税は、わが党にも反対論があった。医療改革、農業改革、電力改革もそうだ。そうしたものをスピードアップして実行するには、国民の方々の理解と協力が必要だ」(後略)』
今回の解散の「理由」は、法人税減税や医療改革、農業改革、電力改革など、いわゆる「岩盤規制の打破」に国民の理解と協力を求めるためである、と、総理が語っています。当たり前ですが、医療や農業、電力といった「安全保障を担う分野」における規制緩和は、国家の安全保障を弱体化させます。
「規制緩和・グローバル化と安全保障の強化は、両立しえない」
のです。(ちなみに、↑これ、三橋貴明の第一原則と呼んでいます)
例えば、医療、農業、電力について「岩盤規制」を打破し、究極的に「市場化」した場合、我が国の医療サービス、食料生産、エネルギー供給を「外国企業」が担うことになりかねません。あるいは、日本企業が担っていたとしても、資本的に外国資本に縛られるかも知れません。
さあ、その時点で我が国の「医療安全保障」「食料安全保障」「エネルギー安全保障」は維持、強化が可能でしょうか。無理です。
というわけで、安倍総理の「解散決断」の理由は、
「日本の安全保障を弱体化させるために、国民の皆さん、協力して下さい」
になってしまうのです。(何しろ、本人が語っています)
現在の日本の状況、何かに似ているなあと思ったら、これでした。
わたくしは皆様が想像されているほど、本を読まないのですが(時間が本当にないので)、これは一気に読みました。室谷克実先生の「朝日新聞「戦時社説」を読む」になります。
本書は資料としても一級品なのですが、それよりも戦局が悪化していくにつれ、当初はまだしも論理的、理性的だった朝日新聞の論調が、次第に抽象化、過激化していく様子が心を冷やします。現実について正しく説明できない(朝日新聞の記者が現実を正しく認識していなかった、というわけではないでしょう)状況で、論調が明後日の方向に飛んでいく光景が、ありありと見えるのです。
例えば、長崎に原子爆弾が落とされた二日後の八月十一日、なぜか朝日新聞の社説が「重臣論」と、いきなり戦争とは無関係な論説が載る個所など、率直に言って恐怖を覚えました。
正直、「勇ましい抽象論」が飛び出してくる最近の総理の発言に、大東亜戦争期の朝日新聞の社説と「同じ匂い」を感じてしまうのです。特に、昨年三月のTPP交渉参加会見以降、その「匂い」が強まってきました。
現在の日本にとって必要なのは、
「一路必勝へ邁進せん(昭和十九年一月一日の朝日社説)」
「憤激を燃えたたしめよ(昭和二十年五月二十七日の朝日社説)」
といった「ノリ」ではなく、現実の指標を普通に理解し、問題を解決する政策を推進することなのです。
「現実の指標を普通に理解し、問題解決のための政策を推進する」に、ご共感頂けた方は、
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