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チャンネルAJER  更新しました。
『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k
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 個人的には驚愕しているわけですが、本日、米朝首脳会談が開催されます


 わたくしが「米朝首脳会談は開催されない」と書いたのは、アメリカと北朝鮮が事前協議において二つの「溝」を埋められないと考えたためです


● アメリカは北朝鮮の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」を望んでいるが、北朝鮮は「朝鮮半島」の段階的な非核化を主張している(※在韓米軍撤退含む)。
● 北朝鮮はアメリカによる「永続的な体制保障」を望んでいるが、トランプ大統領は自分の後継者の判断はコミットできない


 当然ですが、米朝首脳会談が開催されるということは、上記二つの溝がある程度は「埋められた」と判断するべきです。


 問題は、「いかにして埋まったか?」になります。


 北朝鮮が全面的に譲歩し、自国の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」を飲むのと引き換えに、ある程度「国家」としてのアメリカによる体制保障のコミットメントを取り付けた。


 これが、一番「温和」なシナリオですが、恐らくそうはならないでしょう
 

                


『米朝首脳会談~北朝鮮の非核化なるか
http://www.yomiuri.co.jp/matome/20180608-OYT8T50004.html
 アメリカのトランプ大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が12日、シンガポールで行われます。会談では、北朝鮮の非核化に向け、核・ミサイル問題を中心に議論される見通しです。加えて、朝鮮戦争の終戦や、拉致問題を含む人権問題にも話し合われる見込みです。世界中が注目する会談について随時更新し、お伝えします。(後略)』


 一番「ありそう」と考えているシナリオについて書きますが、まずは北朝鮮側が「北朝鮮の段階的な非核化」について合意する。「段階的」でございますので、北朝鮮は核ミサイルを最終的に開発するまでの時間を稼ぎます。

 もちろん、国際機関やアメリカからの査察は受け入れるものの、何しろ北朝鮮は「山の国」です。リビアとは異なり、核ミサイルや核兵器を隠蔽する「地形」には事欠きません


 アメリカは経済制裁を解除し、北朝鮮の特定地域を「開発特区」化し、(主に)日本の投資を入れ、アメリカのグローバル企業(ハリバートンなど)のビジネスを作る。


 日本ではマスコミが例により、
「平和!平和!」
 を連呼し、北朝鮮への投資を煽る。


 トランプ大統領は、「平和」の報酬としてノーベル平和賞を受賞。


 拉致問題については、何しろ北朝鮮側が「解決済み」のキャンペーンを展開しているわけです。拉致問題をテーマとした日朝首脳会談は実現しないでしょう。


 マスコミよる「北朝鮮投資ブーム」の中で、拉致問題は置き去りにされ、挙句の果てに、
「北朝鮮に経済的にコミットすることが、拉致被害者を救う一番の手立てだ」
 といった、意味不明なご都合主義の論調が広まり、日本はアメリカのグローバル企業のビジネスの「金主」の役割に甘んじ、やがて北朝鮮が本格的に核武装


 韓国との「緩やかな連邦」国家となり、日本の安全保障のラインが38度線から対馬海峡に南下する。かつ、反日を国是とする「核武装した朝鮮半島」の国家が隣国となる


 無論、上記のシナリオは、
「北朝鮮が核を放棄しない」
 という前提に基づいています。


 とはいえ、米朝首脳会談が実現したとはいえ、「あの」北朝鮮が素直に核を放棄するなどと考えるのは、あまりにもナイーブというものでしょう。


 トランプ大統領は6月9日、
「良いことが起きるかどうか、会って1分以内に分かる」
 と、語りましたが、そんな個人の勘で「金正恩は本気で核を放棄する気だ」などと勘違いされ、「段階的な半島非核化」という名の「北朝鮮の核武装路線」が続いては、もはや悲劇ではなく喜劇です。


 いずれにせよ、一連の北朝鮮の核・ミサイル危機は、日本国に「主権」がないという現実をまざまざと見せつけてくれました。 日本政府にできるのは、ただひたすら「万全を期して」を繰り返すのみだったわけです。


 米朝首脳会談がいかなる結末になるかは不明ですが、一つだけ確信しているのは、もはや政府が「万全を期して」とその場をごまかすことが不可能な時代が訪れることです。

 

 せめて、国民の「意識」だけでも構いませんので、主権を取り戻さなければなりません。それも「早急」に。

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