【法人税】三橋貴明に韓国批判の資格なし【最低賃金】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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 三橋貴明(経世論研究所所長)は、最近では妻へのDV(傷害罪)による逮捕で話題になっているが、もともとは韓国経済分析で脚光を浴びた。

 マスメディアが韓国経済を賛美する中、これを批判したのが三橋だった。

 今見るとおかしな内容も結構あるのだろうし、「米韓FTAで”植民地韓国の完成”」という話はデマだったことは明白であるが(https://goo.gl/nDq9E3)、韓国経済の将来性はマスメディアがいうほど明るくないという点では当たっていたのだろう。

 なお、古谷経衡氏の新著「日本を蝕む「極論」の正体」(新潮社)によると、三橋は2007年頃に「韓国はデフォルトに向かう」「韓国は中国の属国になる」という予想をしていたが、いまだにそうなっておらず、ハズれているとのことである。

 

 

 

 

 

 

 韓国経済は、緩やかに成長している半面、若年層の就職難が深刻化している。

 「ヘル朝鮮」と呼ぶ声もある。まぁ「北朝鮮は天国。韓国は地獄」と呼ばれていた過去もあるので、こういう標語には安易に飛びつかない方がいいとは思うが(井沢元彦「「拉致」事件と日本人」(祥伝社、平成15年)39ページ)。

 

 

 

「【ビジネス解読】韓国はいま「大学は出たけれど」状態 「ヘル朝鮮」脱出へ若者は日本を目指す!?」 産経ニュース2018年2月5日

https://goo.gl/toAVbT

 

「 「大学は出たけれど」。就職できない大卒者の姿を描いた小津安二郎監督(1903~1963年)による1929年公開の映画だが、これをほうふつさせるのが今の韓国だ。2017年の大卒以上の高学歴者の失業率が高校卒の失業率を上回ったという。文在寅(ムン・ジェイン)政権は雇用の創出を重要な政策課題としているが、就職難は悪化の一途。「ヘル(地獄)朝鮮」と自虐的に語られる韓国の若者の生きづらさは隣国の日本からみても痛ましい。

 「家に一人でいると、ふと『こんな生き方でいいのだろうか』と思う」。中央日報は、昼夜が逆転した生活が1年以上続き、鬱病と診断された26歳の大学生の声を伝えている。

 同紙によると、韓国では20代の鬱病患者が12年の5万2793人から16年は6万4497人と22.2%増えた。60代以上の増加率(20%)より高い。

 症状が悪化し、自ら命を絶つ人も増えているようだ。20代の死因で最も多いのは自殺で、16年の全体の自殺率は低下したが、20代は横ばいだった。

 そもそも韓国の自殺率は03年から経済協力開発機構(OECD)加盟国中ワースト1位で、1日平均36人、年間1万3092人(16年ベース)が命を絶っているという。

 背景には、就職難の影響もある。」

 

https://goo.gl/GuwkzG

 

「 聯合ニュースによると、韓国統計庁が発表した17年の失業率は3.7%で、前年と同じだった。一方で、若年層(15~29歳)の失業率は9.9%と、統計が現行基準となった00年以降で最も高くなった。

 中央日報によれば、17年の大卒以上の高学歴者の失業率は4.0%で、高卒の失業率3.8%より0.2ポイント高かった。大卒以上の失業率が高卒を上回ったのは00年以降で初めて。

 統計庁は「社会全般の高学歴化と大卒以上の求職者の希望の高さの問題が複合的に作用したためとみられる」と説明した。 

 大卒以上の失業者数は50万2000人で、全失業者102万8000人の半分近くを占める。15年に42万5000人だった大卒以上の失業者数は16年には45万6000人に増えていた。

 韓国銀行(中央銀行)が発表した17年の国内総生産(GDP)成長率は前年比3.1%(速報値)だった。民間消費が緩やかに回復する中、企業の設備投資が大幅に増え、成長率は3年ぶりに3%台となった。

 経済が回復してきているにもかかわらず、就職難が深刻さを増しているのはなぜか。

 そこには、韓国特有の価値観も影響しているようだ。」

 

https://goo.gl/YAif8F

 

「 韓国は苛烈な競争社会で、受験戦争の激しさで知られる。一流大学を卒業して大企業に就職するのが理想とされ、そうでなければ脱落者とみなされかねない空気があるという。

 だが、サムスン電子やLG電子、現代自動車など大手財閥系企業に就職できるのは、ほんの一握り。こうした企業への執着が「厳しい受験戦争に勝ち抜いても就職さえできない」という若者を多数生み出している側面は否めない。

 一方、日本の雇用情勢は韓国とは対照的だ。

 厚生労働、文部科学両省の発表によると、今春卒業予定の大学生の就職内定率は昨年12月1日時点で前年同期比1.0ポイント増の86.0%と、この時期としては調査が始まった1996年以降の最高を更新した。7年連続の上昇だ。

 厚労省の担当者は「景気が緩やかに回復し会社の採用意欲が高まっていることや、人手不足の中、人材確保のために企業が内定を出す時期を早めていることが要因と考えられる」としている。

 経団連は、韓国の大学生を対象にした日本企業の就職セミナーを今春にも韓国・ソウルで開く。韓国の優秀な大学生を日本企業が雇い入れれば、日本の人手不足と韓国の就職難が「わずかでも改善できる」(関係者)との期待がある。」

 

https://goo.gl/1GGahv

 

「 経団連は、韓国の経済団体「全国経済人連合会(全経連)」と共同でセミナー開催に向けた作業に入った。日本で働くケースのほか、現在は中途採用が大半を占める日本企業の韓国子会社や支社などで、大学・大学院の新卒者採用を増やす考えもある。

 既に日本で就職した韓国の若者の満足度は高いそうだ。

 韓国貿易協会東京支部が最近3年以内に日本に就職した韓国の青年143人を対象に実施したアンケートでは、回答者の57.8%が今の職場に満足しているか非常に満足していると答えた。「知人に日本への就職を勧めたい」と答えた比率も84.5%に上ったという。中央日報が報じた。

 同紙によると、韓国就職ポータル「インクルート」が成人3710人を対象に実施したアンケートでは「韓国はヘル朝鮮」という言葉に62.7%が共感すると答えた。また、移民を考えたことが「ある」との回答も54.3%に達したという。

 「ヘル朝鮮」から抜け出そうと、日本を目指す若者が増えるかもしれない。(経済本部 本田誠)

 ヘル朝鮮 英語で地獄を表す「ヘル(Hell)」と「朝鮮」を組み合わせた造語で、韓国社会の生きづらさを自嘲した言葉。2012年ごろにインターネット上で誕生し、15年ごろから一気に広まった。若者の高い失業率や過酷な受験戦争などが背景にあるといわれる。富裕層やエリート官僚による縁故採用もはびこる中、国外に働き口を求める若者も少なくない。」

 

 

 

 韓国はどうすればよいのか。

 三橋経済論によれば、法人税を増税するのが一つの手だ。

 三橋によれば、法人税を増税すれば「税金をいっぱい支払わなければならないので、より多額の所得を稼ごう!」となって投資が拡大するのだそうだ(https://goo.gl/GK9AEg)。

 投資が増えれば働き口も増えて雇用の改善にも資することだろう。

 三橋経済論をパクったのか、韓国は法人税を増税した。日本よりも重い税負担となるようだ。

 

 

 

「【ビジネス解読】日韓の“法人税率”逆転で韓国の巨大財閥苦境か ポピュリズム政策の行き着く先は?」 産経ニュース2017年12月27日

https://goo.gl/mNGMvn

 

 韓国の国会本会議で12月5日、大企業の法人税率(最高税率)を22%から25%へ引き上げる増税法案が可決された。一方、日本では安倍晋三首相が同8日、賃上げとともに、先進技術に投資して生産性の向上を図る企業に対しては、税金の負担割合を20%まで引き下げる考えを示した。国税の法人税(平成30年度23.2%)だけではなく、地方税を含む負担割合のため、大企業の税負担割合は日韓で完全に逆転し、韓国企業の負担は日本企業よりだいぶ重くなる。韓国メディアは「世界的な減税競争に逆行する」と手厳しく批判。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大企業への課税を強化する一方、所得が少ない層への支援を増やす「格差解消」を掲げるが、好業績の続く財閥系大企業の足を引っ張れば、自ら経済危機を招くことになる。

 「企業を誘致する米国、企業を追い出す韓国」

 韓国紙の朝鮮日報日本語版(電子版)は増税法可決前日の4日、こんなタイトルの社説を配信した。

 その中で、米議会上院が2日に可決した、法人税率(連邦税)引き下げを柱とする減税法案について「米国が法人税率を主要国で最低の水準に引き下げることで、世界的に減税競争が本格化した」と言及。」

 

https://goo.gl/3ACJzj

 

「 その上で、「各国が争って法人税を引き下げるのは、企業の『選択』を受けるためだ。その趨勢(すうせい)に逆行しているほぼ唯一の国が韓国だ」と強い調子で批判。さらに、「米国は税金を本格的に引き下げ、外国企業の誘致に血眼だが、韓国政府は進出済みの企業まで追い出そうとしているのが現状だ。いつかその違いが挽回不可能な結果として表れるはずだ」と警鐘を鳴らした。

 米国の減税法案は20日、下院の再可決によって議会を通過。法人税率を現行の35%から21%に引き下げる。

 一方、日本で8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」では、賃上げや生産性向上に取り組む企業に対し、「実質的な税負担を国際競争で十分に戦える程度まで軽減する」と明記。企業が稼いだ利益のうち、法人税などの税金としてどのくらい納めたかを示す「法人実効税率」自体は29.74%(30年度)で据え置くが、「3%以上の賃上げなど投資に積極的な企業は税負担を25%に、さらに革新的な技術によって生産性向上に挑戦する企業は20%まで引き下げる」(安倍首相)方針を打ち出した。

 これに対し、韓国国会で可決された増税法によると、課税所得が3000億ウォン(約310億円)を超える企業に課す法人税率を25%に引き上げる。韓国では経済人出身の李明博(イ・ミョンバク)政権が2009年、法人税の最高税率を22%まで引き下げたが、逆戻りすることになる。」

 

https://goo.gl/Jpd75z

 

「 韓国紙の中央日報日本語版(電子版)は政府の税制改正案が浮上した今夏、「韓国、法人税25%なら10大企業の負担1兆3827億ウォン(約1400億円)増」と題した分析記事を配信。それによると、最も負担が膨らむ企業はサムスン電子で、「法人税は13.5%(4327億ウォン=約450億円)増える」という。トランプ米大統領にツイッター(短文投稿サイト)で「ありがとう、サムスン!」と感謝された米サウスカロライナ州に建設中の家電工場の投資額3億8000万ドル(約430億円)を上回る金額だ。

 現代自動車、韓国電力公社、SKハイニックスなども「法人税負担が13%以上増加する」という。

 「世界的に経済活性化のために法人税を低くする傾向なのに、法人税引き上げは韓国経済の競争力をむしばむ可能性が濃厚だ」

 記事では、大学教授のこんなコメントも紹介された。

 文大統領はもともと選挙公約で、「財閥の経済力集中防止」を掲げ、当選直後の演説でも「財閥改革の先頭に立つ」と宣言していた。今回の増税法も、もうかっている財閥からお金を搾り取ることで、大衆受けを狙った面は否めない。」

 

https://goo.gl/qh3C11

 

「 一方、欧州連合(EU)は5日、タックスヘイブン(租税回避地)をめぐって対策に非協力的だとみなす国や地域の「ブラックリスト」を承認した。その17カ国・地域の中に韓国が含まれていたことから、韓国メディアは「低開発貧小国が大部分。なぜ韓国がこうしたグループに含まれたのか」(中央日報日本語版)と大騒ぎした。

 ハンギョレ新聞日本語版(電子版)は、「経済自由区域(経済特区)などに参加する(外国)企業に対し、法人税や所得税を5~7年間減免する租税特例制限法が『有害租税制度』だという理由からだ」と解説した。

 ただ、ほとんどの国は外国企業を誘致するための優遇措置を導入しており、「租税主権侵害の恐れがある」という韓国側の抗弁も一理ある。

 しかし、国内大企業への増税を決めた直後に、外国企業への税制優遇が問題視されたことで、「税の公平性」の観点から韓国政府がやり玉にあげられる恐れもある。下手をすれば、韓国企業が海外に逃げ出しかねない。

 韓国の国際向け放送、KBSワールド(日本語版)によると、韓国政府は慌てて「経済特区に進出した韓国企業についても、業種によって法人税や所得税を減免する」などの見直しを決めたようだが、政府のドタバタぶりがうかがえる。

 文政権が誕生して半年あまり。ポピュリズム(大衆迎合主義)政策の弊害がまさに噴出しようとしている。
(経済本部 藤原章裕)」

 

 

 

 日本経済大ピンチ!

 法人税増税に踏み切った韓国に投資が吸い上げられる!減税した安倍はバカ!

 …となると思いきや、そうでもないらしい。

 人気嫌韓YouTuberの某国のイージスさんによると、韓国では法人税増税によって投資が減り、産業空洞化や雇用の悪化が懸念されているようだ。

 他方で日本では産業の国内回帰が進み、投資が増えているとのことだが、三橋によると、デフレ脱却前に投資を増やすのは「経営者失格」とのこと(https://goo.gl/ZAJdP2)。三橋的にはデフレ脱却前の現段階で国内回帰して働き口を作っている経営者は失格らしい。

 

 

 

「【世界規模で始まる日本回帰】 日本は減税効果で投資拡大!韓国は増税効果で凍死続出!」 YouTube2018年1月25日

https://goo.gl/fNmJtP

 

「【韓国から企業脱出が始まった】 大企業が続々と半島から撤退!平昌で最後のあだ花を咲かせよう!」 YouTube2018年2月3日

https://goo.gl/U2VwdP

 

 

 

 韓国への投資が減るかもしれない。

 でもそうなれば、経済ナショナリズム(by中野剛志)的には成功なのでは?!(https://goo.gl/fbCSGY

 海外からの投資が減るということは、韓国は(三橋的には)植民地にされたのに独立を取り戻すということ!

 法人税増税マンセー!

 韓国の対米自立&弱体化に北の将軍様も喜ぶはず!

 日本も韓国に負けずに法人税増税競争だ!

 …あれ?

 というのが、反グローバリズムの方向性なんじゃないかと。

 (アメリカを敵視した)焦土作戦くらいにしか思えないんだけど…。

 

 


 

 

 

 なお、参考までに。

 

 

 

飯田泰之 「世界一わかりやすい経済の教室」 (中経出版、2013年) 130,131ページ

 

「どうすれば日本国内に機械や設備が増えるかな?

うさぎ 国が工場を作るとか?

 No~! 第1章で話したように、政府は「何の工場を作ればいいか」とか「どんな機械を導入すれば儲かるか」を、効率的に判断することはできない。誰も使わない機械が増えるだけでは生産は増加しないよ。やっぱり、自分のために努力し工夫する民間の力を使うしかない。

うさぎ じゃあ、どうしたらいいの?

 国内に工場や設備、企業、店舗が増えるようにするためには2つの方法がある。これを僕はそれぞれ自力モデル他力モデルと呼んでいるよ。

 

 自力モデル:国内の貯蓄率を高める

  →貯蓄を企業が借りることで機械設備などの資本を充実させる

 

 他力モデル:海外の企業に直接投資してもらう

  →国内に工場を建ててもらう・支店をつくってもらう

 

 自力モデルでは、国民の貯蓄率を高めることで、資本を増やすんだ。

 そこで銀行への貯蓄を奨励したり、税制で優遇したり、半ば強制的な積立預金(強制貯蓄)を行ったりする。この自力モデルで経済発展を遂げた代表例が高度成長期の日本だよ。

 一方、他力モデルは国外からの資本を呼び込む方法なんだ。これは、1980年代の中国の製造業や、イギリスにおける金融業がその典型なんだ。

 海外からの直接投資を増やすためには、その国の制度が海外の企業にとって魅力的なものである必要がある。

 例えば、その国自体にお客さんがたくさんいて市場として魅力があるとか、企業に対する税(法人税)が低いとか、交通の便がよいなんていう条件整備が必要だね。

うさぎ 自力モデルと他力モデルはどっちがいいの?

 理想としては自力モデルだろうけど、近年ではしだいに自力モデルだけで成長するのは難しくなってきている。これは貸出先、投資先の国際化が進んでいるからだ。仮に貯蓄が増えても、それが国内の投資に向かうとは限らない。国内の企業にとっても、そして海外の企業にとっても「その国への投資」が魅力的になる条件を整えなければならないんだ。

うさぎ 企業が投資したいと思うような環境作りが大切なんだね!

 

 

 韓国は先月、最低賃金を16.4%引き上げた。

 三橋は、最低賃金制度について「最低賃金制度緩和・廃止は新自由主義・新古典派」という論調であり、最低賃金引上げに前向きのようだ(https://goo.gl/Ztrwrehttps://goo.gl/RNQ7fW)。

 また、「実質賃金=名目賃金÷物価」なのだから、最低賃金引上げは名目賃金の上昇につながり、実質賃金の上昇にもつながるのではないかと思う。

 三橋は「政府は実質賃金を引き上げる政策に舵を切れ!」と言っていたが(https://goo.gl/ocmr7G)、韓国はそういう方向性で舵を切っているように思える。

 では、韓国国民はこれで豊かになるのだろうか。

 韓国ではもともと失業率が「高め推移の状態」だったが(https://goo.gl/c0KoKh)、今回の最低賃金引上げでさらなる雇用の悪化が懸念されている。

 

 

 

「韓国、生活の質の向上させるための最低賃金の引き上げが失業を招く」 ニューズウィーク日本版2018年1月16日

https://goo.gl/s66J9V

 

1月から韓国の雇用労働者の最低賃金が引き上げられた。生活の質を向上させるための最低賃金の引き上げが、物価上昇や働き口そのものを失わせる結果になりかねない懸念が広がっている

 

2018年1月から韓国の雇用労働者の最低賃金が1時間6470ウォンから7530ウォンに16.4%引き上げられた。

2017年5月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は、低所得層の生活の質の向上を掲げ、正規雇用の拡大とあわせて最低賃金を2020年までに1時間1万ウォン(約1040円)まで段階的に引き上げる方針を示している。月給に換算すると157万3770ウォン(約164,150円)で約463万人が賃金の引き上げ対象になるとみられている。

公務員は最低賃金の対象外だが、9級公務員は俸給と職級補助費を併せて152万880ウォン水準で最低賃金を下回ることから引き上げの声が出る可能性が大きく、最低賃金引き上げの恩恵を受ける労働者はさらなる増加が見込まれる。

 

■ 新たな雇用に負担を感じた企業は、無人システムを導入

 

生活の質の向上を目指す一方で、新たな問題が提起されている。雇用機会の減少と物価上昇だ。

2017年12月の政府が運営するサイトの求人数は前年同月を17%下回った。従業員の新たな雇用に負担を感じた企業が採用をためらった結果で、無人システムを導入する店やアルバイトを採用せず経営者が1人で働くフランチャイズ店が増えている。

ファストフードのロッテリアは、無人注文機の導入を推進する。設置費用は1台1000万ウォンほどで、長期的には従業員を雇用するよりコストが低い。ソウル市龍山の店舗は無人機での注文が一日平均50%に達しており、従業員を採用する代わりに無人機を増やす計画という。

コンビニ業界も無人化に積極的で、「イーマート24」は無人店を2店舗開業し、さまざまな生活用品を自動販売機で販売する無人店舗のマースセブンがチェーン展開をはじめた。

小売店や外食店だけではない。ソウル市江南のアパートは警備員を直接雇用から委託採用へ切り替え、大学でも清掃労働者など職員の削減が議題に上がっている。

韓国のオフィスビルや分譲マンションに相当するアパートの多くは、警備員が交代で24時間常駐しており、警備業務のほかに、周辺整理やゴミの分別、不在時の宅配便等の保管などを担っている。この警備員を直接雇用から外部委託管理にすることで、賃金上昇と退職給付引当金の追加負担がなくなり、入居者が負担する管理費の増加を避けることができるという。

ソウル市内のある大学で清掃や警備を請け負っている用役業者は清掃員を減らすとしており、他の大学でも定年退職で生じた職員の欠員を補充せず、時間制労働者や無人自動警護システムに置き換えるという。

韓国は大企業と中小企業、正規職と非正規職の賃金格差が大きい。なかでも法定最低賃金で就労する非正規職は、収入安定と生活の質の向上が望ましい反面、急激な増額はオートメーション化による雇用機会の喪失に繋がりかねない懸念があった。今回の大幅引き上げで懸念が現実のものとなりつつある。」

 

https://goo.gl/UQafxP

 

■ 賃金上昇分を価格に転嫁、便乗値上げも

 

物価上昇も新たな課題だ。理美容店や中規模の飲食店など、オートメーション化が容易ではない店が賃金上昇分を価格に転嫁しており、便乗値上げも現れはじめている。6000ウォンから7000ウォンのオフィス街のランチは1000ウォン単位で値上がりしているのだ。

ソウル都心の飲食店街を視察したキム・ドンヨン経済副首相兼企画財政部長官は、経営が難しくても従業員を解雇すべきでないと述べ、政府は最低賃金の引き上げで困窮する零細業者を支援する補助金として3兆ウォンを編成したが、補助金目当てで会社の規模を意図的に小さくする事業者や基本給を最低賃金レベルに引き上げて賞与を引き下げるケースも出はじめている。

文在寅大統領は、最低賃金の引き上げを押し進める意向を明らかにしているが、2020年に最低賃金が時給1万ウォン(約1060円)になると、企業が負担する人件費は81兆ウォン(約8兆6000億円)増加する。

従業員の解雇や採用見合わせに加えて、小規模事業者などが廃業に追い込まれることが予想される。生活の質を向上させるための最低賃金の引き上げが、物価上昇や働き口そのものを失わせる結果になりかねない懸念が広がっている。

 

 

 

 最低賃金・実質賃金が上がると雇用が悪化し、結局のところ貧困層が救われることにはならないという理屈としてこのようなものがある。

 

 

 

飯田泰之 「図解 ゼロからわかる経済政策 「今の日本」「これからの日本」が読める本」 (KADOKAWA、2014年) 

 

90~92ページ

 

「 ●最低賃金制度で最も苦しむのは誰か

 

 ここで、しばしば雇用をめぐる政策で話題に上がる「最低賃金」について考えてみましょう。弱い立場にある労働者を守るという目的で、国が「これ以下では雇ってはいけない」という賃金を設定する政策です。

 なんらかの市場外の基準によって均衡賃金水準を超える最低賃金を定めたとします。このように給料が上がると、それまでは働いていなかった主婦や高齢者、学生からも働きたいという人が増えてしまいます。つまりは、労働市場への参入が増えるのです。その一方で、労働コストがかさむので、雇う側はなるべく雇用を抑えたい。この労働供給と労働需要の差が、「非自発的失業」になるわけです。つまり、普通だったら「じゃあ、もうちょっと安くても働くから雇ってください」という動きによって均衡までは下がるはずの賃金が下げられないために、かえって働きたいのに働けない人たちが発生してしまう。

 このような人為的な賃金引き上げによって生じる非自発的失業は、「働きたいのに働けない人がいる」というだけの問題ではすみません。ここで、どういう人がこの非自発的失業状態に陥るかを具体的なケースから想像してみましょう。例えば、あなたが居酒屋のオーナーだったとしてどんな人をバイトとして雇うでしょうか。なんらかの生活上の困難を抱えていて極めて苦しい生活をしているという人と、学生、または夫が常勤で勤めている主婦が「年末に旅行に行きたいので」とか「もう少し自由になるお金が欲しいので」「自宅にいても退屈だから」という理由で応募して来たとき、どちらを雇うだろうか……想像してみてください。

 当然生活に困っている人を雇うと答えたいところなのですが、多くの事業主は、主婦や学生のほうを採ることになります。理由はいくつかあるのですが、事故・事件が生じたときに賠償を求める先がないからといった冷酷なものから、その人の人生を抱えたくないといったウェットなものまで様々です。

 例えば、あまり忙しくない時期には必要なバイト数は大きく減ります。生活に困っているという人を雇ってしまったら、「ごめん、来週シフト週一でいい?」「私、生きていけません」ということになるわけですね。するとオーナーの心理としては、あまり気を遣わずに済む主婦や学生のほうを採っておいたほうが気が楽だというわけです。

 最低賃金制度によって失業に陥るのは、もっと低い賃金でも働きたかった(または働くしかなかった)という切実な人たちかもしれないのです。最低賃金による賃金の引き上げが、本当に仕事が必要な人から、賃金が上がったから「まあ働いてもいいや」と考えて参入してきた人々への代替を進める可能性を見落としてはいけません。

 このように、自由で競争的な市場の調整機能を無視して短絡的な政策を実施することで、政策目標として救いたかった人たちが、かえって苦境に陥ってしまう――ここは、政策を立案する際には十分に注意しなければいけない点です。」

 

152~160ページ

 

3 金融政策

 

  ●インフレの仕組み、デフレの仕組み

 

 財政政策にならぶもう一つの安定化政策の手段が、金融政策です。しかし金融政策と聞いてすぐにその内容をイメージできる人は少ないでしょう。

 金融政策そのものの説明の前に、物価がどのように決まるのかを確認します。経済政策の指標に用いられる物価の指標は、特定の財の価格のことではなく、GDPデフレーター消費者物価指数といった「指数」です。このうち、毎月算出されて速報性があるという理由から、細かな政策判断については消費者物価指数が、やや長いスパンでの経済政策の指標にするには労働や生産設備といった所得に関係するGDPデフレーターが主に用いられています。

 まずは「物価指数」を理解するために消費者物価指数についての説明からはじめましょう。消費者物価指数は、総務省統計局が行う「家計調査」と「小売物価統計」を基本にして算出されます。例えば、2005年の平均的な日本人の生活に必要なお金が300万円だったとします。それに対して、2010年の時点で、2005年とまったく同じものを買った場合に270万円で済んだとしましょう。この場合、「物価が10%下落した」と表現します。「物価指数は様々な財の平均価格です」といった説明が行われることがおおいのですが、これはあまり正確ではありません。あくまで「ある水準の生活(先の例では2005年の平均的な生活)」を送るために必要な金額の変化が消費者物価指数の推移なのです。「物価とはある水準の生活・経済活動を送るのにかかる費用である」という点に注目すると、物価と貨幣、ひいては金融政策との関係が見えてきます。

 物価の変化を貨幣の価値に変換してみましょう。2005年の平均的な日本人の暮らしに年300万円かかるということは、1万円の価値は「(2005年の)平均的生活の300分の1」ということになります。すると、そのコストが300万円から270万円に低下したということは一万円の価値が、日本人の平均的な暮らしの300分の1から270分の1に上昇しているということだとわかるのです。したがって、物価の下落=デフレとは1万円の価値の上昇であり、物価の上昇=インフレとは1万円の価値の下落と整理されます。物価とは、貨幣価値の逆数なのだという点に十分な注意を払わなければなりません。

 物価の逆数である貨幣価値は、何によって決まるのでしょうか。貨幣もまた、市場に流通するさまざまなモノと同様、手に入りやすさによって価値が上下します。現在たくさん出回りすぎている、または将来たくさん得られるという見込みがあるならば価値は下がります(その逆数である物価は上がります)。反対に将来足りなくなりそうなら高くなります(物価は低くなります)。つまり、世の中に出回る貨幣の量が、現在から将来にかけて多いか少ないかによって、インフレになるかデフレになるかが決まるわけです。

 では、貨幣の供給量は誰がどのように決めているのでしょうか。かつての金本位制の時代は、貨幣の量は国家が保有する金の量に縛られていました。また、固定相場制の時代ならば、決められた為替レート(例えば1ドル=360円)から実際の為替レートが大きくずれないように貨幣の総量を調整する必要がありました。しかし、現在の日本円は金本位制でもなければ、特定通貨との固定相場制でもありません。その意味で、日本は自身の判断で貨幣政策を行うことができるのです。

 直接・関節に貨幣の量を調整することで物価をコントロールし、それによって実体経済に影響を与えることが金融政策の仕事です。また、将来の貨幣の量を増加させることで貨幣価値を低下させる(=物価を上昇させる、インフレをおこす)金融政策を金融緩和、その逆を金融引き締めと呼んでいます。

 

 まずは物価が実体経済に影響を与える経路から考えていきましょう。主要な影響経路は三つ。第一が労働市場、第二が金融市場、第三が資産市場です。

 では、労働市場から考えてみましょう。

 労働市場における賃金の価格とは、雇う側からみれば、その労働者を雇えばどのくらい生産できるか、逆に働く側からみれば、その給料でどのくらいの生活ができるかを意味します。ここで、支払われる賃金の額がどれだけのモノやサービスに相当するかを示す指標として、賃金Wを物価Pで割った実質賃金W/Pが重要です。受け取る賃金の額ではなく、働く側にとっては生活物資をどれだけ買えるかを決める、雇う側にとってはその労働者を雇って作ったものがいくらで売れるかを表す物価との比が重要というわけです。

 ただし、額面の賃金(W)は、契約期間の問題や労働組合の存在、労働法による保護等によって、そう自由には動きません。つまり、Pは動くのにWが動かないのです。その結果、物価が変化すると労働市場での価格である実質賃金が動くことになります。貨幣価値が下がると、Pが大きくなるので実質賃金は上がりますが、貨幣価値が上がると、Pが小さくなるので実質賃金は下がります。

 ここで、実質賃金が下がり、労働が安くなるとどうなるか。会社側はたくさん雇えるようになるので、失業率は低下します。失業率が低下し、安心できる雇用が提供されると、人々は消費活動を活発化させます。これが第二章で紹介した価格調整メカニズムの不全による失業率の変化です。こうして有効需要のうちの消費が増えて、現実のGDPの増加につながる。これが労働市場の機能を経由した影響です。

 次に、金融市場を経由した影響を考えてみましょう。

 企業は、典型的には銀行から資金を借りて、例えば工場を建てたり、研究開発を行ったりといった投資活動を行います。このとき、金利を超える収益が得られないと、近業はやがて倒産してしまいます。借りたお金を増やして返すためには、提供する商品をたくさん売って増やすなり、販売価格を上げるなりする必要があるのです。ですから、例えば、金利3%でお金を借りて石油を買った1年後、石油価格が10%上がっていたら、それだけで金利を支払ってもなお7%分その企業は儲かります。

 よって金利は低ければ低いほど、そしてインフレ(物価上昇)率は高ければ高いほど投資は楽になります。すると、金融政策によって金利を下げ、インフレ率を上げることで、企業のお金の借りやすさに影響が及ぶことになる。お金の借りやすさから、投資を増やすというルートによっても金融政策はGDPを引き上げる効果が生まれるのです。

 最後は、資産市場を介した影響です。

 情報の非対称性の下では、銀行はなんらかの担保がないとお金を貸してくれません。融資を希望する企業が本当に返済の能力があるのか、または本気で返済をするのかがわからない場合に、返済能力があり、融資後に無謀な経営を行わないという一種の証拠として担保を差し出すわけです。

 企業のバランスシートでは、資産は負債と自己資本(純資産)に分けて記載されています。例えば資産が100万円あったとして、うち借金が80万円、自己資本が20万円だったとすると、この20万円分の資産が新しく借金をするとき差し出せる担保の大きさを示しているということになります。

 物価が上がるときには土地や不動産、そしてその企業の商品在庫といった資産価格も上がりますが、すでに「借りてしまっている」借金の額は増えません。資産総額は増えるのに、借金は増えない。その結果「資産-負債」の額が大きくなるのです。

 物価・資産価格が下がった場合には逆のことが起きます。資産が減る一方で借金の残高は変わらないのです。例えば、100億借金しているけれど、資産がもう100億しかないということになると、銀行は「もうこれ以上は貸せない」と判断します。そうなると、つなぎ資金が得られない企業は活動を縮小せざるを得ないため、投資が減少して景気が悪くなっていきます。借金のほうが資産より多くなってしまい、追加融資も受けられないとなるとやがて倒産に至ります。倒産する企業が増えれば景気はさらに悪くなります。

 以上のように、金融政策は労働市場、金融市場、資産市場の三つを経由して、消費と投資といった需要項目を動かし、それによって景気を左右することで、安定化政策ツールとしての役割を果たすのです。」

 

 

 

 

 

 法人税といい最低賃金・実質賃金といい、韓国は三橋経済論に沿っているように思われる。

 とすれば、韓国経済が悪化した場合、三橋には韓国を批判する資格はないだろうし、三橋経済論は誤りだと言い得るであろう。

 はてさて、三橋信者は三橋経済論の正しさを証明してほしいと韓国・文在寅に成功を祈るのだろうか。嫌韓の人が多そうな気がするが。嫌韓保守にとって三橋の価値は落ちているのではないか。

 仮にこれらの三橋的な政策で投資が増え、韓国経済が好転したとしても、海外からの投資が増えればそれは三橋的には植民地化・グローバル化であり、悪化したということになるという、妙な話になりそうな気はする。

 最後に、文在寅は親北派であり、また、法人税増税や最低賃金引上げは共産党も主張していることを付け加えておく(https://goo.gl/BC7Yan)。反新自由主義・反グローバリズムそして経済ナショナリズムとはそういうものだと見ておくのが無難であろう。