画像は小池百合子公式ツイッターより引用。

 

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コラムニストの尾藤克之です。

 

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2020 年に行われた東京都知事選挙で、小池百合子氏は3,661,371(59.70%)を獲得し当選しました。歴代最多となる 22 人が立候補。現職の小池氏が次点以下に大差をつけ再選されたのです。当選は既定路線だったとも言えます。個人的には、前回、2016 年の東京都知事選挙のほうが見応えがありました。
 

2016 年の都議選とは、小池氏が 291 万 2628 票(44.49%)を獲得し、自民・公明などが公認する増田寛也氏や、民進・共産・社民などが公認する鳥越俊太郎氏らを退け、女性として初めて東京都知事に就任した選挙です。

 

与党公認の増田氏は、100 万票以上の大差をつけられます。投票日直前では接戦となるという予想も伝えられていましたが、結果は小池氏の圧勝。永田町の風景を一変させ、有権者は小池氏の一挙手一投足に酔いしれました。
 

では、人々は小池氏のどこに酔いしれたのでしょうか?私は、その一つが「倒置法」ではないかと考えています。

 

倒置法とは、語や文節を、普通の順序とは逆にする表現法のことです。論調に濃淡をつける効果があります。単純なものとしては「早く行こうよ」を倒置法を使って言うと、「行こうよ、早く」になります。あるいは、「今日はいい天気だね」は「いい天気だね。今日は」になります。

・膨れあがるオリンピック予算。1兆、2兆、3兆って、豆腐じゃないんですから!
・見てください、この資料。ほとんど真っ黒に塗られて、のり弁じゃないんです!

小池氏ほど倒置法を効果的に使った政治家はいません。相手を追及するかのような強い論調から異質なものに話を変化させます。集まった聴衆はこのタイミングで笑みをうかべます。倒置法を使うことで緊張感を和らげているのです。この倒置法は、小池氏のみならず、政治家が聴衆に語りかける際のテクニックとしても知られています。
 

元外務大臣の田中真紀子氏を覚えているでしょうか。彼女の話し方は倒置法とは異なりますが、話を和らげる演説に特徴があります。

 

たとえば、野中広務氏のことを「『もなか』だか『おなか』だか」、自民・自由・公明の連立内閣を指して「ジジ公(自自公)だかババ公だか」、当時の小池百合子環境相を指して「大風呂敷おばさん」など。今でも覚えている人も多いのではないでしょうか。

 

倒置法は、私たちが仕事で使うことができます。もちろん文章でも同じような効果を見出すことも可能です。たとえば、仕事で話す相手がプロ野球チーム「読売ジャイアンツ」のファンだったとしましょう。打ち合わせには雑談から入ることが多いですが、次のように話すのです。

【ケース1】
自分「よかったですね!」
相手「ん?……」
自分「ジャイアンツが勝ちましたね!」
相手「あー、そうですね(笑)」


【ケース2】
自分「ハンパないですね!」
相手「ん?……」
自分「原監督の采配的中でしたね!」
相手「あー、そうですね(笑)」


【ケース3】
自分「しびれましたね!」
相手「ん?……」
自分「坂本のサヨナラヒットには感動しました!」
相手「あー、そうですね(笑)

もちろん、野球以外でも使えます。たとえば、今日の天気について「よかったですね。晴れて」、先日教えてもらったお店について「素敵でした。昨日教えてもらったお店に行きました」、先輩が見ているドラマについて「感動しました。昨日のドラマ」など。
 

これを文章に転用すればいいのです。相手の「そうですね」を引き出せますから、効果があると言っても間違いはないでしょう。とはいえ、物事には程度というものがあります。過剰にやると効果を失ってしまいますので注意してください。

 


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