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コラムニストの尾藤克之です。

 

『最後まで読みたくなる 「アクセスを稼ぐ 文章術」』を出版。

著者19冊目です。2月28日発売予定。

 

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情報の精度が高まると専門性が強くなります。専門性が強くなると文章が難解になりがちです。多くの読者はシンプルな文章を好みます。できるだけそぎ落とさなくてはなりません。これは、Web ユーザーの特徴的な志向といえます。

 

専門性の高い文章は、わかりやすさの対極にあると考えてください。理系の専門書などは文系の人にとっては難解で「わかる人にしかわからない」ような文章だと感じるはずです。

 

しかし理系の専門書をわかりやすくすると専門性が欠如することになります。そのため、どこまでを伝えるべきか、または削ぎ落とすかなど充分に吟味する必要があります。

 

文章力のある人は、難解な言葉を使わずに説明する技術に長けています。おそらく、文章のプロであれば理系の専門書でもわかりやすく解説するはずです。やっかいなのは、「難解な言葉を使うとレベルが高くなる」と勘違いしている人。これは要注意です。


人は文章を読む際に、自分の“メガネ” に投影させて評価をする傾向があります。メガネとはその人の「価値観」のことですが、せっかくならば多くの人に共通するメガネに合わせたほうが得策です。そのほうが間違いなく読者の気持ちにミートするからです。


私は、難解なことをわかりやすく伝えるトレーニングを若い頃から積みました。議員秘書やコンサルティング会社に在籍していたとき、その業界における独特の言い回しや専門用語を「どのように言い換えれば普通の人たちに伝わるか」を考えていたからだと思います。

 

ニュースを見ていてもわかりますが、政治家は、わかるようなわからないような表現を使います。虚心坦懐(きょしんたんかい)、遺憾の意(いかんのい)、真摯(しんし)、諸般の事情に鑑(しょはんのじじょうにかんがみ)、明鏡止水(めいきょうしすい)、忖度(そんたく)。

 

政界ではそれ単独では意味がわからない言葉が当たり前のように使われています。メディアに説明する際には、その都度、わかりやすい言葉に置き換えなければなりません。

 

次の文をお読みください

 

明鏡止水の心境です。結果は厳粛に受け止め、真摯に向き合っていく所存です。

 

これをメディアなどに発表する場合には、次のように修正しなければいけません。

 

いまは落ち着いた心境です。本件を厳しく受け止め、積極的に国民の皆さまと向き合っていきたい思います。

 

専門用語やその業界では普通に使われている言葉は、慣れてしまうと正しい意味を理解せずに使ってしまうことがあります。

 

私は、意味を確認しながら、平易な言葉に置き換えて整理していました。このトレーニングは、次のステップとなったシンクタンクやコンサルティング会社でも非常に役に立ちました。


皆さんの中にも「難しい言葉を使えば、知的に見える、しっかりした文章に見える」などと思い込んでいる方がいると思いますが、言葉は一人歩きをしますので注意が必要です。

 


 

尾藤克之(コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員)

『最後まで読みたくなる 「アクセスを稼ぐ 文章術」』を出版。

著者19冊目です。2月28日発売予定。

 

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