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本日のサマリー
ロジカルは相手を説得し、コミュニケーションを深め、
「ビジネスを潤滑に進めるうえで必要だ」と言う人がいます。
ロジカルに伝えられる人が
「デキる人」と評価される向きさえあります。
しかし、それは幻想だと申し上げておきます。
皆さま、おはようございます!!
コラムニストの尾藤克之です。
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■5W1Hって知ってる?
ビジネスでは一般的な「5W1H 」のフレームワーク。
一般のトークや文章には不向きです。
まったく使えないので気をつけましょう。
5W1Hの使い方
・When(いつ発生したか?/発生日時)
・Where(どこで発生したのか?/発生場所)
・Who(誰が対応したのか?/お客さまの名前、担当者)
・What(何が発生したか?/発生した事象)
・Why(なぜ発生したか?/発生した原因)
・How(どのように対応したか?/対応方法)
完全に報告書やリポート向けであることがわかります。
わかりやすくサンプル文を提示します。
内容は顧客A社とのトラブルに関する報告書です。
〈例〉顧客A社とのトラブルについて
昨日の12時(When)顧客A社(Where)に届いた納品物に不良品が混入していた(What)。営業担当の鈴木(Who)がA社を訪問し総務部田中氏(Who)に謝罪した。不良品は即回収し明後日までに納品することを確認した(How)。原因は調査中であり、わかり次第報告する(Why)。
上の文章を読むと、
5W1H が報告書向きであることがわかります。
ロジカルは相手を説得し、
コミュニケーションを深め、
「ビジネスを潤滑に進めるうえで必要だ」
と言う人がいます。
ロジカルに伝えられる人が
「デキる人」と評価される向きさえあります。
しかし、それは幻想だと申し上げておきます。
コンサルティング会社の分析などもロジカルです。
分析方法や内容は見事なものが少なくありません。
しかし、彼らのリポートの多くは報告書であり、
5W1H で上司に提出するような報告書とテイストは同じものです。
■ロジックにだまされない
コンサルティング会社が提供している
セミナーや研修に参加すると、
触発された人が急にロジカルになることがあります。
「このロジックは」「やはりロジカルに」などと、
頻繁に口に出すようになります。
ロジックやロジカルは、
相手を説得するためのフレームワークにすぎません。
そこからは何も価値は生み出しません。
会社には「ロジカル・バカ」みたいな人がいますが、
人の気持ちはロジカルでは動きません。
そこに、強い思いや情熱があったり、
楽しいと思うから動くのです。
たとえば、コロナ禍における緊急事態宣言は、
「発出すべき」「発出すべきではない」
の二択が存在します。
「発出すべき」「発出すべきではない」
のどちらであっても、
その根拠をロジカルに述べることはできます。
実は、テーマがコロナだろうが、
経営課題だろうが、『鬼滅の刃』だろうが、
どんなことでもロジックで証明することはできるのです。
ロジカルは万能に見えますが、
それは報告書という体裁の場合のみです。
ロジックやロジカルにだまされてはいけません。
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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員
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