今日は道東まで足を伸ばそうかと。
当初は「おおぞら」に乗って帯広回りで行くつもりでしたが、ふと北見回りもいいかな、と思い立ち、札幌を7時21分に出る網走行の特急「オホーツク」で旅立つことにしました。乗り放題の切符だと、こういうケースにすんなり対応できて便利ですね。
旭川を過ぎて石北本線に入ると、グンとのどかな風景となります。そして旭川までは「スーパーかむい」の役割も担っている関係で混んでいましたが、旭川を過ぎると気の毒なくらいがら空きに。すこぶる快適なのはいいけれど、先行きが心配になってしまうほどです。
偶然にも先月江差線で知り合った年配のテツ氏と車内にて再会。すっかり意気投合してしまい、せっかくだからとしばらく一緒に行動させてもらうことに。ということで、予定を変更して遠軽にて下車。
名寄本線がなくなってからは随分と寂しくなった遠軽駅ですが、駅舎は昔ながらの木造で今でも風格が漂っています。
昨冬放送された僕が出ている「土曜スペシャル」の「極旅」にて、「白滝シリーズ」を扱った回があり、それに感化されて各駅を回ろうとここからレンタカーを予約していたという年配のテツ氏。あまり詳しいことはわからないということなので、ボクがナビを務めることになりました。
ということで、さっそく上川方面を目指して車を走らせます。近年になって石北本線と並行する形で無料の高速道路が開通したため、とても快適なドライブが望めます。しかしこんないい道路ができてしまっては、とても鉄道は太刀打ちできないような。
一旦上川まで戻り、旧道にあたる一般道を引き返す形でしばらく走行。まず訪れたのは2001年に廃止となった旧中越駅。駅が廃止されてからは初めて来ましたが、当時の駅舎はまだそのまま残っていて、信号場として使われています。
待合室は入れなくなっていたものの、さほど変わった様子は見られず、苦労して乗り降りした時のことを懐かしく思い出します。何しろ現役当時は停まる列車が一日に上下各一本ずつしかなく、隣の駅からも離れている関係上全駅乗下車においては全国で最も困難な駅だったので。
あの頃はまだ駅前にパラパラと建っていた廃屋も、今はもうすっかり無くなっていてその痕跡すらわからず、とてもここに集落があったとは思えないほどです。
山道をさらに奥へと進み、錆び付いた橋を渡った所には上越信号場があります。ここも1970年代までは一般の駅でしたが、一足先に信号場へと格下げになっています。峠に近い深い山中にポツンとあり、人家どころか廃屋さえ見かけない全くの無人地帯ですが、かつては集落があり、駅も有人で普通に切符も売っていたというのだから驚いてしまいます。できれば現役当時に訪れてみたかったですね。
道路はこの先、カーブが連続する峠越えとなります。かつてはメイン国道として多くの車が行きかったものですが、無料の高速道路が開通してからは往来がほとんどなくなり、まるで廃道のような寂れ具合です。
峠を越えると、やがてこちらも2001年に廃止となった旧奥白滝駅に辿り着きました。こちらも待合室は閉鎖されているものの、当時の駅舎はまだそのまま残っていて、信号場として使われています。ここも現役当時は停まる列車が一日に上下各一本ずつしかなく、列車を使っての乗り降りはとてつもなく大変でした。
20年前に訪れた時は、既に周辺は無人地帯になっていたものの駅前にまだ廃屋がパラパラと散見し、集落があった痕跡が見られたものでしたが、今は全てなくなっていて、駅があったことに違和感を覚えてしまうほどです。
奥白滝を過ぎてしばらく行くとだんだんと人家が現れ出し、上白滝に到着。似たような駅舎が建っていますが、こちらは現役。駅前には商店もあり、雰囲気がこれまでとは全然違いますね。
待合室も手入れが行き届き、居心地は上々。やっぱ現役の駅はいいですね。
列車は一日に上下各一本のみ。こんな駅は今や全国でもここだけです。
隣の白滝にも立ち寄ってみました。大きな町ではありませんが、これまでがあまりに何もなかっただけに、かなりの都会に思えてしまいます。ちょうど遠軽行の列車が出て行くところで、やっぱり列車はいいなあ、としみじみ。
さらに車を走らせると、道路沿いに見えてくるのが旧白滝。木造の待合室がいい雰囲気を出しています。僕が実際に降りた20年前は2人の高校生が通学に使っていましたが、今はもう定期的な利用者は居なくなったみたいですね。
さらに進み、「白滝シリーズ」最後の駅となる下白滝。ここは駅前に大規模な牛舎があるため、それほど寂れた感じはないよう。今は上り列車が一日に3本停まりますが、僕が訪れた20年前は1本しか停まらず、上白滝同様列車を使っての乗り降りは困難を極めました。
窓口は板で塞がれているものの、出札口や荷物台はまだその痕跡が残っていて、かつては駅員が居たことを物語っています。当時のことを知る貴重な駅舎なだけに、いつまでも残っていてもらいたいものです。
ホームは2面2線となかなか立派な造りでかつての栄華が偲ばれます。
楽しいドライブを満喫し、遠軽へと戻って来ました。とても有意義な時間を過ごさせていただき、誠に有難うございました。是非またどこかでお会いしたいものですね。
ということで、列車の旅を再開させます。ちょうど生田原行の列車があったのでそれに乗車。学校帰りの時間帯なのにがら空きです。
窓が開く40系なので全開にして自然の風を思い切り取り入れてみます。初夏の風が最高に心地良く、まさに至福のひと時です。
通過列車が多く、乗り降りがとても困難な生野に停車。ここも今はもう定期的な利用者は居ないようですね。
その後も大地が続く北海道らしい景色が続きます。何という贅沢なひと時!
生田原止まりの列車なので、終点の生田原でとりあえず降ります。
図書館が併設された立派な造りの駅です。でも列車を利用する人は多くないようですね。
生田原で待つこと約40分、やって来たのは特快「きたみ」。特急券ナシで石北本線を横断できる貴重な列車です。
SL時代はかなりの難所だった常紋峠も軽快な足取りで難なく越えて行きます。
北見までやって来ました。まだまだ先へ行けるけど、今日はここまででいいかな、と。
札幌 7:21(特急「オホーツク1号」)→ 10:55 遠軽 ⇒ 中越 ⇒ 上越 ⇒ 奥白滝 ⇒ 上白滝 ⇒ 白滝 ⇒ 旧白滝 ⇒ 下白滝 ⇒ 遠軽 16:34 → 16:56 生田原 17:35 → 18:24 北見