思うように資金調達ができない方へ -2467ページ目

融資のノウハウ6 テナントの融資への影響

3月25日

今日はテナントの不動産担保ローンへの影響についてお話をしたいと思います。
現在収益ビルのオーナーでいらっしゃる方、あるいは、これから収益ビルの投資を考えていらっしゃる方にぜひお伝えしたい情報です。

先週今日のテーマにぴったりの実例がありましたので、この件を例に取りながら、ご案内していきたいと思います。

弊社の顧客D氏は、収益ビルやファッションビル、飲食店などを数多く持つ会社のオーナーです。
D氏の渋谷の超一等地に所有する9階建ての収益ビルを担保に、新規事業への投資ための資金調達をしたいというご依頼があり、何件かの不動産担保ローンのファイナンス会社に打診しましたところ、テナントの内容が問題となり、融資が受けらませんでした。

ビルの規模は大きくありませんが、超一等地に立地するビルですので、満室で家賃も高く、年収6千万円の収入があります。

収益還元法で計算すれば、運営コストやテナント退去リスクなどを家賃の30%、利回り6%で計算します(6千万円×70%/6%)と7億円の不動産評価となり、融資の掛け目を80%としますと5億6千万円の融資枠になり、ここから預かり保証金の約3千万円と既に設定されているファイナンス会社の抵当権2億円を差し引くと、本来であれば3億3千万円の融資が可能なはずです。

ところが、6、7階に入居しているテナントが問題となって、4件の金融機関全てが融資はノーと言う結論を出しました。
ちなみにこの4件の金融機関とは、現時点では不動産担保ローンついて、もっとも良い条件で融資が可能な優良会社とお考え下さい。

このことはビルのオーナーにとって見れば大変な損害でして、もしこのままの状況で資金調達をするとすれば、金利が年15%以上のところか、具体名は差し控えますが、金融機関の中で非常に評判の悪い会社ぐらいしか融資をするところがないと思われます。

現実的な対策としては、問題になっているテナントに退去してもらうか、ビルを売却する以外に、低コストでの資金調達方法はありません。
しかし、テナントの退去は家賃が未払いにでもならない限り、現実的には大変なので、D氏は売却方向で検討することになり、弊社グループの不動産会社で担当することになりました。

では問題になっているテナントとはどのようなテナントなのかを説明いたします。

今回問題になったテナントは、性風俗のエステの店舗でした。
この性風俗のエステの店舗の定義は明確にはないのですが、夕刊紙やスポーツ紙などに掲載されている風俗店と理解していただければ良いと思います。

今回の件ではありませんが、以前同様の理由で融資ができなかった案件のテナントは、金融登録を東京都にしていない、俗に言う闇金融の店舗でした。
消費者金融でもテレビのコマーシャルをしているような会社であれば問題ありませんし、登録をしていれば個人の金融業者であっても、不動産の評価は下がるものの、ゼロ評価になるようなことは、今までの経験の中ではありません。

このように、
①性風俗の店舗
②闇金融の店舗
③反社会的組織の事務所
以上3つだけは、テナントとして入れないように、あるいは入居しているビルは買わないようにしたほうが得策と思います。
とは言っても、この手のテナントは比較的高い家賃を支払うようなケースも多いため、テナントの未入居が多いのビルのオーナーは、ついつい仕方なく入居させてしまうことが多く、この点は理解できるものの、資金調達という点で考えれば、絶対に避けていただきたいと思うところです。

明日は今日の件の続きになりますが、収益ビルの、住居と商業ビルの問題ついてお話をしたいと思っています。

融資のノウハウ5  不動産担保ローンと税金の滞納

3月24日

あらゆる資金調達において,税金の滞納は致命傷です。
特に不動産担ローンの場合、お手伝いをしていて、よく直面するのは、固定資産税の滞納が原因で融資を受けられないケースです。

固定資産税のみならず、どの税金も、高額で長期間滞納すると所有不動産がある場合は差押さえを受ける可能性が高くなります。この差押さえは、他の金融機関の抵当権よりも優先されますので、金融機関は税金を滞納している顧客を非常に嫌がります。

特に不動産担保融資は不動産の担保力を前提に融資される訳ですから、滞納がある場合、差押さえがなくても、未納が分かった段階で非常に厳しくなります。

この前もあった実例ですが、銀行から新規事業の資金調達を断わられた会社が、新規事業のパートナーから不動産の担保提供を受けて、不動産担保ローン専門のファイナンス会社から5千万円の融資を受けようとした案件でした。
不動産の担保余力も十分あり、物件の実地監査も終わり、いよいよ正式契約の段階になって、納税証明書の提出を求めたところ、担保提供者の所得税、固定資産税など1億円近い滞納が分かり、融資が駄目になったケースでした。

確かに担保提供をしていただく協力者に税金の滞納があるかどうかの確認はしにくいこともよく理解できますが、このケースでの問題点は、融資を受ける会社の社長も、担保提供者も、担保提供する方の税金の未納が融資の阻害要因となることをご存じなかったことです。

このケースは弊社にとっては日常茶飯事の出来事なぐらい、不動産を所有する方の固定資産税滞納は多いようです。折角の所有不動産の担保価値を殺してしまうことになりますので、ぜひ気をつけていただきたいと思います。

もちろん融資を受ける当事者の会社に滞納があった場合も同様です。
現在お手伝い真っ最中の案件の場合、東京の某ターミナルに隣接する良い場所で、飲食店舗を経営している会社ですが、固定資産税などの税金の未納が原因で、前向きな店舗改装などの資金調達が非常に難しい状況になっています。

現在の社長のお兄様が起業された会社で、5年前に先代の社長が急にお亡くなりになって、現在の社長が事業を継承したところ、借入金の債務不履行や税金の未納が分かり、現在懸命に再建をされている状況です。

現社長は、銀行からの借入金4億円の中、約3億円返済し、融資残高が約1億円までになったので、担保余力は十分で、新規投資のための融資も通常なら受けることができるのですが、様々な税金の滞納額が約1億円ほど残っているため、差押さえは入っていませんが、融資を受けることができない状況になっています。
この結果、店舗の改装や店舗運営に不可欠な投資を行うことができず、売上も利益も下降気味になってきています。

税金の滞納が融資の選択肢の幅を大幅に狭めている典型的な例で、不動産担保ローン専門のファイナンス会社より、融資後、滞納の税金を最優先で納付することを条件に、融資が実行されるようお手伝いをしていますが、余りにも滞納額が大きいため、ファイナンス会社が融資に難色を示しており、この部分の交渉をしている最中なのですが、この場合の問題点は、銀行からの競売を恐れた余り、税金をほとんど納付せずに銀行への返済を優先してきたことです。
もし、税金の納付にも配慮し滞納額がなければ、銀行からの融資残高がその分増えていたとしても、担保余力はあるので、新規投資のための融資を受けることのできる可能性がかなり高かったのではないかと思われます。

会社の業績が悪化すると、税金の納付を先送りし買掛金の支払いや銀行返済を優先する社長が多いのですが、税金の滞納は資金調達の可能性を大幅に低下させますので、納税は資金繰りをする時に最優先でお考え頂くことがとても大切です。

特に不動産を所有する会社や個人の方の案件を見ますと、資金繰りが悪化した場合、固定資産税を滞納する方が余りにも多いので、ぜひお気を付け頂きたいと思います。

融資のノウハウ  不動産担保ローン4

3月23日

昨日のような融資のニーズはあっても、不動産を持っていない場合のお話です。

後で理由は説明しますが、本当は、今日ご案内する方法は、諸手を上げてお薦めできる方法ではありません。
しかし、状況によっては有効な手段でもありますし、お手伝いする件数も非常に多いので、ご案内をさせていただきます。

どのような方法かと言いますと、会社あるいは代表者以外の会社や個人所有の不動産の提供を受け、この不動産を担保に融資を受ける方法です。

よくある提供不動産のケースは、次のような場合です。
・グループ会社である他社所有の不動産を担保にした資金調達
 (今日もお手伝いできた最も多いケースです)
・社長や役員の親族所有の不動産を担保にした資金調達
・協力者や取引先所有の不動産を担保にした資金調達 など

効果的な利用方法としては、昨日ご案内しました銀行からの融資が受けにくい場合の利用方法と同じです。

この方法のメリットは、銀行から融資が受けにくく、直接金融も難しい状況でできる資金調達としては、ファイナンス会社を選べば、商工ローンなどからの資金調達に比べて、比較的低い金利水準(年利4~10%)で、しかも返済期間も長く設定できるところです。

弊社の扱った案件でも、この方法で会社が立ち直ったり、会社が発展したケースは数多くありますので、現実的には悪い資金調達の方法とは言えないとは思います。
しかしながら、この方法の最大のデメリットは、担保提供した方も連帯保証人にならなければならないところです。
さらに担保提供する不動産の所有が会社場合は、会社だけでなく、代表者の個人保証も必要になります。

またこの保証が根保証であることが多いので、融資を受けた会社が債務不履行になった時は、最大の協力者である担保を提供してくれた方々に多大の損害を与えることになります。

しかし、我々の業界でよく言われる、「消費者金融よりは質屋で借りる方がマシ」と同じ理屈で、担保があるだけ弁済の可能性が高くなるところが、安全と言えば安全と言えます。
ただデフレ時の、特に下落率の高い地域の不動産を担保にした場合は、この理屈が適合しない場合もありますので、他の商工ローンなどより若干は安全程度のご認識が良いと思います。

この資金調達で可否のポイントになるのは、担保提供された不動産の価値が最も重要であることはもちろんですが、担保提供する会社や個人の納税の状況もとても大切です。

なぜこのお話をするかと申しますと、コンサルをする中で、この不動産所有者の固定資産税や所得税の未納が原因で、融資がうまくいかないことが非常に多いからです。

この問題はいかなる場合の不動産担保ローンでも重要なポイントですので、明日詳しくお話をさせていただきます。