融資のノウハウ6 テナントの融資への影響
3月25日今日はテナントの不動産担保ローンへの影響についてお話をしたいと思います。
現在収益ビルのオーナーでいらっしゃる方、あるいは、これから収益ビルの投資を考えていらっしゃる方にぜひお伝えしたい情報です。
先週今日のテーマにぴったりの実例がありましたので、この件を例に取りながら、ご案内していきたいと思います。
弊社の顧客D氏は、収益ビルやファッションビル、飲食店などを数多く持つ会社のオーナーです。
D氏の渋谷の超一等地に所有する9階建ての収益ビルを担保に、新規事業への投資ための資金調達をしたいというご依頼があり、何件かの不動産担保ローンのファイナンス会社に打診しましたところ、テナントの内容が問題となり、融資が受けらませんでした。
ビルの規模は大きくありませんが、超一等地に立地するビルですので、満室で家賃も高く、年収6千万円の収入があります。
収益還元法で計算すれば、運営コストやテナント退去リスクなどを家賃の30%、利回り6%で計算します(6千万円×70%/6%)と7億円の不動産評価となり、融資の掛け目を80%としますと5億6千万円の融資枠になり、ここから預かり保証金の約3千万円と既に設定されているファイナンス会社の抵当権2億円を差し引くと、本来であれば3億3千万円の融資が可能なはずです。
ところが、6、7階に入居しているテナントが問題となって、4件の金融機関全てが融資はノーと言う結論を出しました。
ちなみにこの4件の金融機関とは、現時点では不動産担保ローンついて、もっとも良い条件で融資が可能な優良会社とお考え下さい。
このことはビルのオーナーにとって見れば大変な損害でして、もしこのままの状況で資金調達をするとすれば、金利が年15%以上のところか、具体名は差し控えますが、金融機関の中で非常に評判の悪い会社ぐらいしか融資をするところがないと思われます。
現実的な対策としては、問題になっているテナントに退去してもらうか、ビルを売却する以外に、低コストでの資金調達方法はありません。
しかし、テナントの退去は家賃が未払いにでもならない限り、現実的には大変なので、D氏は売却方向で検討することになり、弊社グループの不動産会社で担当することになりました。
では問題になっているテナントとはどのようなテナントなのかを説明いたします。
今回問題になったテナントは、性風俗のエステの店舗でした。
この性風俗のエステの店舗の定義は明確にはないのですが、夕刊紙やスポーツ紙などに掲載されている風俗店と理解していただければ良いと思います。
今回の件ではありませんが、以前同様の理由で融資ができなかった案件のテナントは、金融登録を東京都にしていない、俗に言う闇金融の店舗でした。
消費者金融でもテレビのコマーシャルをしているような会社であれば問題ありませんし、登録をしていれば個人の金融業者であっても、不動産の評価は下がるものの、ゼロ評価になるようなことは、今までの経験の中ではありません。
このように、
①性風俗の店舗
②闇金融の店舗
③反社会的組織の事務所
以上3つだけは、テナントとして入れないように、あるいは入居しているビルは買わないようにしたほうが得策と思います。とは言っても、この手のテナントは比較的高い家賃を支払うようなケースも多いため、テナントの未入居が多いのビルのオーナーは、ついつい仕方なく入居させてしまうことが多く、この点は理解できるものの、資金調達という点で考えれば、絶対に避けていただきたいと思うところです。
明日は今日の件の続きになりますが、収益ビルの、住居と商業ビルの問題ついてお話をしたいと思っています。