思うように資金調達ができない方へ -2469ページ目

直接金融の経理処理について

3月19日

今日書く内容は、何回か書いて参りましたので、繰り返しになるかもしれません。しかし、先週も私が懸念する経理処理をしていた案件の相談がありましたように、知人から資金を調達した場合の経理処理が、財務内容に著しい悪い影響を与えるケースが多いので、今日は復習の意味も込めてご案内したいと思います。

直接金融にもエクイティファイナンス(株式)、デッドファイナンス(社債、融資)と言った種類があることは、ご存知の通りです。
今日お話をしたいのは借入金の経理処理と社債のことについてです。

エクイティについて詳細をご案内することがすることが本意ではありませんが、簡単にエクイティで気をつけないといけないことは、エクイティにより調達した資金は返済しなくて良い自己資金で、非常に安定した資金ですが、知人とは言え第三者からエクイティを受ければ、株主となった知人が経営に介入することを拒むことができませんし、株式の保有比率によっては経営権を失う可能性もあります。
その点、デッドファイナンスは元金の返済義務はありますが、経営に介入されたり経営権を失うようなことは通常ありません。

実際に直接金融を計画する場合、このような特徴をいろいろ検討して、どのような資金調達を採用するかを考えていただければ良いと思いますが、今日お伝えしたいのは、デッドファイナンスについてです。

銀行から融資を受ける場合、最も大事なことは、財務内容を参考にした各付けがどのような常態かということは何度もお話をしている通りですが、直接金融をする方法や経理処理によっては、この格付けに悪影響を及ぼしますので注意が必要です。

簡単に言えば、必ず社債か長期借入金でファイナンスをして欲しいと言うことです。

前述の先週の案件でもそうでしたが、実際は知人からの「ある時払いの催促なし的な借入」であるにもかかわらず、短期借入金で経理処理されていました。
このため流動資産(現預金、売掛金など)より流動負債(買掛金、短期借入金など)の額が大幅に上回り、かなり財務内容を悪くしていました。
更に、この資金で固定資産(機械、装置など)を購入していますので、固定資産の額が固定負債(長期借入金)+資本金の合計の額よりも上回り、この点でも財務内容を悪くしていました。

このように短期借入金と経理処理するか長期借入金と処理するかで、上記の二つのポイントで財務内容を左右してしまうわけです。

ですから、資金を貸してくれる知人の都合もあると思いますが、できるだけ返済が1年以内ではない長期借入金で調達していただければと思います。

ここでぜひお薦めしたいのが社債による資金調達です。
特に少人数私募債は50名以上に発行してはいけないとか、機関投資家に発行してはいけないなどの条件もありますが、届出は不要で、株式会社であればどのような会社でも発行できる社債ですので、ぜひ検討されたら良いと思います。
もちろん社債は固定負債になりますし、長期借入金と比べても償還日まで元本を返済する必要がないので、長期借入金より更に安定した資金となりますので、銀行に融資を申し込んだ時もより良い評価を受ける可能性が高くなります。

少人数私募債については、検索していただければ数多くのホームページが案内されていますし、本も数多く出版されていますので、ぜひ研究してみられてはいかがですか。

直接金融の考え方 寸借と投資は大違い

3月18日

直接金融を検討されてはいかがですか?
この話をすると多くのお客様から返ってくる答えは、
「以前お願いをしたことがあるが断わられた。」というものが多いのですが、
伝え方に問題がある場合が多いと思います。

私も貸しビル業であった前職の時には、時々、お金を貸してくれないかとか、出資をしてくれないかという依頼がありました。

このときの経験でも言えますが、もしあなたがあなたの知人から資金提供の打診を受けた時、次の二つのケースではどのように思われますか?

①大口取引の契約金の入金を予定していたが、契約締結まで少し時間がかかりそうで、来週の月曜の手形決済ができない。ついては来週の月曜日までに200万円貸してもらえないか?返済は契約金が入金され次第返す。金利は10%でかまわない。

②過去と現在の財務データと今後の事業計画書の資料などの説明を受けながら、来期からの事業拡張のために社債を発行したい。配当は年5%で償還期間は3年。一口100万円で2口(200万)引き受けてもらえないか?

中には知り合いとは金銭の貸し借りは、どのような場合でも一切しないと言う方もいらっしゃると思いますが、このような方を除けば、①よりは②のケースの方が検討するお気持ちにはなりませんか?

ところが知人からのお金の話は多くの場合は①のような場合が多いのではないでしょうか。私の経験でも、目論見書などが完備した出資や社債発行の話よりも圧倒的に①のケースが多かったように思います。

①のケースはほとんどの場合、次のような特徴があります。
・前触れもなく急に打診される
・時間の余裕がないことが多いので、即断を要求される場合が多い
・現状の財務資料など、判断する資料が用意されていないことが多い
・返済資源が明確でないことが多い
・お礼は驚くほど高い金利水準であることが多い

このような場合、よくよく考えてみると、借り手側にメリットがあり好都合かも知れませんが、貸し手側にとってはほとんどメリットがないばかりか迷惑なだけである事が多いのが通常で、貸して返してもらえないと困るだけでなく、断わっても知人であるだけに気まずい気持ちが残るだけで、できればこのようなことを知人から言われたくないと思うのが普通だと思います。
一方借りる方も、ただただ懇願してお金を借りるわけですから、普通の神経の持ち主あれば、貸し手には貸しを作るので、友人であっても立場が悪くなり、今までのような気持ちで付き合えなくなることも多いと思います。

しかし②の場合であれば、中には①と同じ反応をする方もいるかも知れませんが、社債発行や出資を募集する会社や経営者に信頼があれば、投資の観点から検討をして、気持ちよく応じてくれることも多いと思います。
私もこのような観点から、知人の会社に出資したり社債を引き受けたことはけっこうあります。

私が直接金融が無理な会社に検討していただく直接金融とは、種類は別に、必ず長期展望にたった②のようなケースを想定していることをご理解頂きたいと思います。
1回や2回ぐらいなら、①のようなケースにも応じてくれる方があるかもしれませんが、喜んで貸す方はほとんどいないので、友人や人脈をなくしてしまう可能性が高く、絶対に個人に寸借をすることは事業をするものにとってはタブーとご認識下さい。また直接金融は資金提供者側に投資のメリットを感じてもらえなければ成立しないと言うことも併せてご理解頂きたいと思います。


直接金融はお知り合いから寸借することではなく、お知り合いに投資機会を提供して資金を調達することであると思います。

急ぐ資金調達防止法

3月17日

焦って急ぐ資金調達は危険な上、上手く行かない公算も99%と昨日お話をしました。
じゃどうすれば良いのかということですが、このことに対する解決法は一つしかありません。

できるだけ計画的に、しかも前倒しでやる、これしかありません。

ところがこのようなことを言うと、「このコンサルタントは阿呆なんじゃないか」というような顔で私を見るお客様が時々いらっしゃるのですが、弊社のお客様でも経営者として成功した方は100%といって良い位、このような姿勢で資金調達をやっていらっしゃいます。

経営が上手くいかない経営者に限って、余計な資金調達はコストがもったいないとか言われるのですが、このような方に限って資金が必要になってから資金調達をされるので、うまく必要なタイミングに必要な資金調達ができないため、ビジネスチャンスを失って機会損失をされたり、焦って資金調達をしたため、高利で条件の悪い資金調達をされたり、場合によっては、支払わなくても良いコンサルティングフィーまで支払い、結果としてものすごい高コストになっている場合が多いのです。

まったく本末転倒だと思われませんか?

少なくとも6ヶ月先、できれば1年先を見据えて、計画をする位で丁度良いのが資金調達です。

再三お話をしていますように、資金調達、特に融資は、金融機関と条件が合わなければ、いくら将来性のある事業であっても、経営者にファイトが有っても、誠実であっても、絶対に実行されません。

6ヶ月あれば、たとえ一つの資金調達の計画が上手くいかなくても、再度組み立てなおすことができます。

たとえば、財務内容の問題で融資を断わられても、6ヶ月あれば、過大な流動資産の回収を進めて適正なレベルに修正もできますし、短期借入金を長期借入金に、あるいは社債や資本金に組み入れることも、時間的に十分できる余裕があるので、断わられた銀行に再申込をすることも可能になり、条件の悪い資金調達にシフトすることを防ぐことができます。

お知り合いから資金を調達する場合も、1年後を見据えた計画を示しながら資金の提供を求める場合と、ともかく1週間後に絶対に必要だからと言って資金提供を求める場合を比較すれば、前者は有利な投資の機会を知人に説明する提案ですが、後者は明らかに資金が足りないからお願いと言った単なる懇願になってしまいます。
あなたが資金提供を出す側の立てば、明らかに前者のほうが安心して資金を提供できると思われませんか?

このことは金融機関であっても同じです。
たとえば銀行に融資を申し込む場合も、1週間や2週間後に絶対に必要などと言えば、これを聴いた瞬間に行員の融資を検討しようと言うモチベーションが急降下ですることは間違いありません。
行員の立場に立てば、こんな無計画で危ない会社にはとても融資する気になれないのは当然だと思います。
時々金融機関は雨の降ったときに傘を貸さないと批判する場合があります。私は決して銀行の肩を持つわけではありませんが、多くの場合、このような批判は見当違いと思います。

無駄と思えても、時間の余裕を持って資金調達をやって行くと、それがどのような方法の資金調達であっても、好条件で調達できる可能性が高くなります。
また先を見た資金調達をする習慣ができれば、ビジネスチャンスをなくすと言うことだけではなく、調達可能な資金以上の無理な事業を選択してしまうようなことも防げるので、非常に安全です。

長期的なスパンで資金調達を考えることは、極論かもしれませんが、事業を成功させる最低必要条件の一位にランキングしても良いほど重要なことと、資金調達コンサルティングの仕事をしていて本当に痛感いたします。