銀行融資に対する常識との乖離 16 (決算書編)
1月18日
今日は良い決算書の4つ目のポイントである、
収益性が良く黒字 ⇔ 収益性が悪く赤字
について書いてまいります。
銀行など金融機関が赤字の会社に融資を行わないと言うのは、
至極常識的なことですが、
実際問題としても、赤字の会社が融資を受けにくいことは事実です。
特にまずいのは、
何期にも渡って赤字と言う、赤字体質の会社の場合です。
本来の事業は黒字ながら、突発的なことで最終的に赤字になっているような場合は、
その突発的なことが将来に渡って繰り返し起こらないことが分かれば、
債務超過でなければ融資の可能性は十分にあります。
要するに赤字であっても、
その赤字の原因が、突発的な理由で赤字になっているか、
あるいは、会社の体質自体が赤字体質なのかによって、
融資の可能性は大きく違います。
この赤字の内容について、決算書のどの部分を見るかと言うと、損益計算書の各利益の部分です。
各利益とは次の4つの利益です。
1.売上高から売上原価(仕入)を引いた売上総利益。
2.売上総利益から一般管理費を引いた営業利益。
3.営業利益に営業以外で上がった営業外利益や支払利息のような営業外費用をプラスマイナスした、
経常利益。
4.その時期に特別に発生した収入や費用をプラスマイナスした当期利益。
そして4の利益で法人税などの税金を支払う前の利益を税引き前当期利益。
税金を支払った後の利益が当期純利益です。
この数字で、
まず1の売上総利益が赤字であると言うのは論外です。
わざわざ仕入額よりも低い金額で販売した結果ですから当然です。
でも実際の案件でも時々はあります。
どのような場合かと言うと、
やっと開発した製品が、数量が少ないため、製造コストなどが高くなっていて、
販路を作るため、社会に認知するために赤字で販売しているような場合です。
ここでよく説明があるのは、
やっと販路も社会的認知もできたので、
これから一気にブレークし、数量が飛躍的にはけることで製造原価などが下がり、
一気に黒字になるので、ついては新たな製造のための原材料や機械購入のための資金が必要と言うことです。
ところが100%ではありませんが、
日本の金融機関は、基本的には無担保の場合、このような場合は融資を行いません。
銀行なら不動産担保があっても、原則困難なのが現状です。
このような場合には、金利が少し高いものの不動産担保ローン専門の会社からであれば、
現時点では、担保物件の不動産評価が妥当であれば融資は可能です。
しかしながら、5%を切るような金利で融資をする銀行はもちろんノンバンクも、
資金を融資するサービスは日本ではありません。
ここに社長個人の与信や保証人の与信をベースにした、
高金利の商工ローンが付け入るマーケットがあるわけです。
また、その事業や会社が将来有望で、
上場も視野に入れることが可能な場合は、
出資と言う形で、たとえばベンチャーキャピタルや事業会社などから資金を導入することが可能です。
ここでご理解いただきたいのは、出資をする会社の思惑は、
配当ではなくキャピタルゲインのメリットですので、
事業、会社とも、十分に可能性を感じさせる内容でなければ困難です。
ところが事業内容がパットしない場合はもちろんですが、
いくら事業自体に将来性が確認できても、
財務内容に公私混同が明確であったり、
事業とは無関係な何のため分からないような支出があったりするような、
管理体制の不備や、不明瞭な財務内容の場合は、
ベンチャーキャピタルなどからの出資も不可能です。
このように考えると、
将来本当に有望な事業を行う会社であっても、
売上総利益の赤字の会社は、ほぼ金融機関など他人からの資金導入は困難と言うのが現状です。
ですから稀に来るこのような会社の場合は、
正直なところ手の施しようがないのが現実です。
残された手段は、社長や会社のお知り合いから、
形は出資、社債、融資かが別にして、資金を提供してもらう以外にありません。
少し売上総利益赤字の場合の特殊な状況についての説明が長くなってしまいましたが、
このように将来本当に有望な事業の準備段階で売上総利益が赤字であっても、
非常に難しいのですから、
余程魅力のある事業と会社でなければ、銀行など他人からの資金調達は100%無理です。
むしろこの数字が恒常的に赤字と言う場合は、
事業自体をどのように整理すればよいかを、
考えなければならない状況と言ったほうが正しいのかも知れません。
お読みいただいている読者の方々は、
なぜ当たり前のことを長々と書いているのかという印象をもたれるかも知れませんが、
売上総利益が何期も赤字なのに、
他人から資金を調達したいと本気で相談に見える方がいらっしゃるのが、
資金調達の特殊な性格なのだと思うからです。
たぶん、ご相談に見える方でも、
他人の立場になれば、ご自分のやっていることや言うことが、
いかに無理なのかご理解されると思うのですが、
いざ、ご自分の資金調達になると、冷静な判断ができなくなるのが本当に怖い側面と思っています。
明日も赤字対する問題について続きます。
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銀行融資に対する常識との乖離 16 (決算書編)
1月17日
昨日の話を少し続けたいと思います。
弊社に紹介されてくる案件にも、明らかに節税で利益を圧縮している会社があります。
確かに以前は節税の上手い税理士が良い税理士と思われていたと思いますが、
銀行融資の審査方法や基準が大きく変わったことから、
節税の上手い税理士は、結果として融資がNGになる決算書を指導していることになります。
節税が悪いとは言いませんが、
節税は結果として、
「節税=利益を圧縮する=内部留保が増えない=自己資本比率が高くならない」
と言うことになってしまうので、
融資の可否を大きく左右する自己資本比率の数字を悪くしてしまいます。
ある地域のパチンコ運営会社の実例で少し説明をしますと、
兄弟で別々にパチンコ会社を運営されているのですが、
兄は節税を重きに置く運営をし、弟は必要な納税は支払う方針で運営してきました。
弊社で両社の都市銀行からの新規融資のお手伝いをしたのですが、
たまたまかも知れませんが、
まずどちらが経営内容が良いと思われますか?
圧倒的に納税を積極的にやってきた弟の会社に軍配が上がります。
売上も2倍、自己資本比率に至っては、
当然なことですが、弟の会社の自己資本比率は兄の会社の4倍にあたります。
融資については両社とも実行されたのですが、
融資額とその条件は月とスッポンでした。
このように内部留保を無視して節税に奔走すると、
融資には大きな阻害要因となると言うことをご認識いただきたいと思います。
昨日も書きましたが、
自己資本比率が30%程度になるまでは、節税は控えた方が、
資金調達には良いと思います。
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銀行融資に対する常識との乖離 15 (決算書編)
1月16日
今日は非常に当たり前のことを書くのですが、
良い決算書は赤字であってはならないと言うことです。
融資の局面で大切なのは経常利益がともかく黒字ということです。
経常利益の説明は書籍や専門のホームページに委ねたいと思いますが、
今日一番言いたいことは、これは自己資本比率との関連にもなりますが、節税の問題です。
自己資本比率を上げるためには、
利益を上げて内部留保の額を増やすことが大切であるということはご存知の通りです。
しかしながら、利益を上げると、当然なが税金の支払いが不可欠になってきます。
確かに昔のように、
社長と銀行の支店長が同じロータリークラブのメンバーで、
夜のクラブ活動やチントンシャンの世界で同じ穴の狢であれば、
融資が可能であった時代であればともかく、
何よりも財務諸表の数字が融資の死命線を握るような現在、
節税をするか否かはとても大きな問題になります。
結論になりますが、
自己資本比率が30%を超えるまでは、
融資を受けたいと思うのなら、節税をしてはいけません。
多くの税理士の先生が、節税こそ重要であると思っているのなら、
このことは融資という観点で見れば大きな誤りです。
融資を受けるためには、まず利益を出して税金を支払うことがとても重要であると言うことを、
肝に銘じていただきたいと思います。
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