ヒールの高さ
本日も楽しくお教室が終わり、普段どおりの私に戻りました。ほっ。生徒の皆さんも心配してくれていた、名古屋での講演を昨夜終えて、ちょっとやつれ気味ですが(1時間半のマシンガントーク!!)、名古屋の靴好きさん達、靴づくり好きさん達に会えて、良い経験でした。行きの新幹線の中では『あ~私は貝になりたい。。。』という気分で、緊張と大丈夫かな?という気持ちとでいまして、名古屋駅に着いた時は頭の中で『ケセラ セラ』を歌っていたのですが、実際講演を始めて声はうわずるは、超スピードのマシンガン・トークだわ、反省点が多かったですが、受講して下さった方々は皆、驚くほど眼をキラキラさせて、前のめりの姿勢でメモなどとって聞いてくださる方もいて、本当に有難かったです。一人でも多くの人に、”足に合う靴”を履いて頂きたいですし、靴作りを目指している方には”足あっての靴作り”ということを知って頂きたかったので、思いが伝わってくれたら嬉しいな!と。講演終わってからも、質問など沢山してくださったり、しっかり勉強したいです!と思いを打ち明けて下さったり。日本中のあちらこちらに靴に対する真剣な気持ちを持っている人がいるのですね。これからの日本の靴文化を大きく変えていく渦がどんどん大きくなっていることを感じました。10年後の靴業界、楽しみです!名古屋の皆様、貴重な体験を有難うございました!
私のお教室の生徒さんの中にも、講演に行きたかった!と言ってくれた人達がおりますので、お教室の中でもちこっと真面目な話ももっとしていきたいです。BWSは、皆に同じ事を一度に教えるやり方ではなく、個人個人のペースで、随時入会可能なので、毎週靴に関する面白い話が出ると言うわけにもいかず、4年以上通い続けてくれている人もいるので、すっかり友達と化している人達も多く、ゆるーい雰囲気の教室ですが、私が真面目な靴話をする時は、皆真剣に聞いてくれますものね。もっと、皆さんの気持ちに応えていけるようにしたいです。
そんな訳で、とりあえずハードル一個超えました。まだ、一つハードルがあるのだけれど。。。。また、詳細が決まったらお知らせしますが、は~。私は能天気ではありますが、基本的には物づくり人間なので内向型内弁慶です。工房に引きこもっているのが、やっぱり一番自分に向いているし好きですが、靴作りのことを多くの人に知って頂きたいし、日本の靴文化を”足ありきの靴文化”へ変えたい!!という夢がありますので、営業もしていかないといけない。。。。そんなジレンマと格闘しつつ、今年は力が入ってます!!
さて、今日の夜のクラスでヒールについての良い質問が出たので、たまには真面目な靴の話を書きましょう。
英国ビスポークのヒールの高さの基本は25ミリ~30ミリです。この高さが足がもっとも安定して直立出来、歩行をスムーズに出来る高さです。実験として、靴を履いていない状態で、足を肩幅に広げ真っ直ぐ前を向いて直立してみて下さい。このとき、見ている壁に何か印をつけておくと目線がずれないので良いかと思います。そして足の底に意識を集中して下さい。そうすると、足はただ真っ直ぐ立っているのではなく、少しぐらぐらとして、自分で無意識のうちに重心を取りながらたっていることに気付きます。次に電話帳などの25ミリ厚の物の上に踵だけ乗せて、同じように立ってみてください。これが25ミリのヒールのある場合の足の具合です。こうすると、ジョイント部が安定し、踵にしっかり重心が乗る感じが分かります。さらに、25ミリの高さ分踵が上がっているので、歩行時には上体が前方へ傾いている分、歩行がし易くなります。これは25ミリから35ミリの間での話で、40ミリを超えるとジョイントに圧力がかかりすぎ、逆に歩きにくくなります。ピンヒールの場合、接地面が小さいので重心を取りにくくなり、さらに疲れますよね。
”足には低いヒールが良い”と思い込んでいる人も多いのですが、ペタンコ靴は結構疲れます。理由は適度にジョイントに圧力が加わった方が、上記のように足が安定するからだと思います。
それから、英国ビスポークでは、年配になってきて歩行が遅くなってきた(筋肉や靭帯の衰えによって)お客様にはヒールを5ミリ高くして差し上げます。そうすると、より前へ行こうと傾きますので、歩く速度も若干早くなり、歩き易くなります。お客様の歩きにも注目して、靴作りすることも重要です。
一人一人の足に、一人一人の1歩に良い靴を。そして、一人一人に合った、一人一人に愛される美しい靴を。
これが、benchwork studyの靴作りです。
今日は珍しく真面目です(笑)。
問題足ウェルカム!
やっと確定申告も提出終わって、ほっとしたよ~。私はお金の計算苦手だし、申告用紙の記入欄って漢字が6つも7つも並んでる。”中国語か?”と思ってしまうよ。もっと分かり易い言い回しあるのではないか?と思いますが、一般の大人ならば分かるのかしら????てな訳で、見るに見かねた母がここ3年は経理を担当してくれています。本当に助かります。それでも、”レシートが足りない!”とか、”領収書を発行してもらってない!”とか色々と出てきていたので、事務仕事も増えてて。。。。自営業はなんだかんだと大変です。靴だけ作っていれば良い!という環境に整えないとね。
と思いつつも、今週は名古屋へ出張。愛知県の”雑貨産業構造変化適応能力育成講習会”の講師の依頼を受けましたので、行って来ます!自分の教室だと何も緊張しないどころか、緩みすぎじゃないか?と思いますが、自分の城以外ではかなり緊張して、パニクリます。無事にこなせることをただただ祈りましょう。ってか、早く原稿を仕上げねば!足に会う木型作りを中心に語ってきたいと思います。うっしゃ!!
今月は足に大きな問題を抱えている方のオーダーの木型に取り掛かっていて、やっとソリッドが仕上がり、木型が仕上がってからも色んな工夫を施す為に、久しぶりに足関係の文献を読み漁りながら勉強していますが、他人の足の感覚を感じたい!と切実に思います。私は足に何の問題もなく、足が浮腫んで頭痛までする!と聞かされても、それは知識として頭には入るけれど、自分が実感できていないので、やはり完璧に理解できているわけではない。ここが悲しい。生徒さんの中には、足に沢山の問題を抱えている人が何人かいるので、時々質問攻めにしてしまいますが、先週も外反母趾&冷え性で足の浮腫みが酷い!という生徒さん2人に話を聞きましたが、足に問題を抱えている人は、複合タイプが多く、実際の原因が一体どこにあるのかってのを探るのが難しい。
構造医学(安定機能の低下)、過労医学(免震機能の低下)、環境医学(運動機能の低下)の中から原因を探って、靴によってどのような状態にしてあげたらよいのかを考えなくてはならないので、しっかり症状を聞いて、どこをしっかりと絞り上げ、どこを足に負担がかからないように余裕を持たせるか?また、発症原因も靭帯性なのか仮骨性なのか?両方なのか?その結果出てしまう、ボニヨン(摩擦によって粘液が骨の上に溜まってぽこっとこぶのよう盛り上がる)をどのようにカバーすべきか?靴でどこまで出来るのか?木型で出来るのか?アッパーに工夫を凝らすのか?。。。。。私の足に問題があれば、これらを自分の足を実験材料に出来るのに。。。時々思うのだけれど、出来ることなら、医大生になって足の事を徹底的に勉強したいです。
そんな訳で、これからも足に問題のある生徒さん達には色々と実験協力して頂きたいと切に願いますが、協力的な方々ばかりですので、なにか新しいことが出来るかな?と 希望を持っています。整形足医学もちょっとづつお教室で学んでいきましょう(まずは私がもっと学ばないとね。。。)。問題足、ウェルカム!!相談してくださいね。靴を作る生徒さん達からも、足や靴に対する不満が消えますように、最善をつくしましょう。
ナイフ研ぎ録画できます。
あ”~。今日はぼろぼろだった!全然集中力が出なくて、頭が全然回らなく、ボーとしてため息ばかりして、久々に1時間前に5分まえコールをかけて、皆に思いっきり『え!!!』って。指も3箇所も切って、絆創膏だらけ。。。どうしたんだ?私?皆は『ただの風邪ですよ。』って、あまり他の日との違いに気付いてくれないのが、悲しかったです(笑)。明日はがんばる。
最近、普段の仕事以外の仕事が色々と舞い込んできて、今年こそは”メンタル強化”したいので、普段なら断る仕事も引き受けていたら、メンタルMAX!!来週の今頃、報告出来ると思いますが、毎日眠れないほど緊張している。慣れない事はすべきじゃないな~。でも、自分に来た仕事ってのは、「何かの縁」のような気がして。。。。乗り越えなきゃ!!
さて、先週行われた『ナイフ研ぎ 日曜教室』の様子をOさんが録画してくれて、教室のパソコンに入れてくれましたので、見たい生徒さんはUSB持って来て下されば、おうちでナイフ研ぎレッスンできますよ!素晴らしい!!
本日参加された生徒さん達から当日の様子を聞けましたが、皆とても勉強になったようで、とてもシャープなナイフをニコニコと見せてくれました。良かった良かった!また、希望者の方がいましたら開催いたしますので、お申し出下さいませませ。やっぱり、シャープなナイフは気持ち良いですからね。生徒全員がピカピカ光る、切れ味最高のナイフを握れる日を夢見ています。頼むから、皆さん私の夢を現実化してください。。。(笑)
0.1ミリを大切に
日曜教室の『ナイフ研ぎ』も無事終わり、講師を務めてくれた四宮さんから報告を頂きましたが、皆さん何とかナイフが砥げるようになったようです。(良かったよ~嬉涙)四宮さん、お疲れ様でした。次回も宜しくね! 参加された生徒さん達のナイフを見るのが楽しみです!!
先週は買い換えた生徒さん用の椅子が到着予定日よりもかなり早く届き、金・午前の授業中にパニックに陥りましたが、座り心地の優しい椅子ですので、振り替えなどで6時間から9時間、靴作りに励むのも少し楽になるかしら。『これで今年の12時間耐久靴作りも腰痛の心配ないですね!』と数人に言われましたが、今年もやる気かい?本当にやる気かい?!ま、楽しいと言えば楽しいけれどね。。。今年はきっと、私は途中で寝るよ!(笑)
だんだんと春へ向かって、心地よい日差しに気持ちがワクワクしていますが、生徒さん達のやる気も凄いですね。家に持ち帰って作業をしている人が多く、孤独な作業途中でハプニングが起きて、メールや電話でのSOSも多いです。最近、クロージングに悪戦苦闘していた生徒さんも、『ポスト・マシーンを買いました!』と言っていて、びっくりしましたが、のめり込むことがあるって事は素敵なことですからね。なんだか、今年に入って生徒さん達が益々、キラキラとして見えます。皆、輝いてるよ!(笑)
さて、前回はMONKについてのデザイン説明をしましたが、皆さん”ポカ~ン”としていて、分かり難かったかな?パターンは実際作ってみないと理解しにくいですよね。とりあえず、こういうデザインがあると頭の隅に置いといてください。パターンだけ強化したい人もいるようですので、その方には『パターン強化レッスン』として、徹底的にOXFORD 、DARBY&MONKのパターンを作ってみることもしたいと思いますので、ご希望の方はお申し出下さい。別途、パターンの資料を作製します。
パターンを教えていて、一番気になるのが”ラインが汚い!”ということです。スムーズなラインが引けない。切れない。また、スムーズなラインというものが理解できていない。ということです。『自分で自分の靴を作りましょう!』という教室なので、なるべく私は手出ししたくないですし、私が手出しすることによって生徒さんの個性が消されてしまうのが怖いのですが、パターンの基本を叩き込む為には、一例として私の作ったパターンをコピーして頂く事もしようかと思います。前回のクラスで、クウォーターの縫い割り部分のパターンが1ミリ程大きかったり、小さかったりして、何度もやり直しをしていた生徒さんがいましたが、1ミリパターンが違うと、靴の仕上がりでは2ミリ違って来ると思ってください。靴作りにおける2ミリは大きいです。パターンとクリッキングでは0.1ミリ単位で考えていくことが大切です。
私は、靴作りにおいて、”これで完璧!”ということは無いと思っています。いつも頭の中に『もっと良いラインがあるのではないだろうか?』と思って、色々なラインを考えながら作っていますが、それでも仕上がったあとで『あ~ここをもっと出しておけば良かった。。。』『あ~ここのつめが甘かった。。。』と毎回反省します。木型やスタイルが毎回違うので、その木型に合った、スタイルに合った”最良のバランス”をとるのが本当に難しい。靴を作れば作るほど眼は肥えてきますから、手と目の葛藤に苦しみます。
この10数年の間、毎日毎日思うこと。『靴作りが上手くなりたい。非の打ちようがない位、上手くなりたい。』
手元のケア
日曜日に青山のスパイラルガーデンへ東京造形大学部デザイン学科テキスタイル専攻有志主催の卒業制作展を見に行ってきました。以前お教室に通っていたS君がどうやら大学を無事卒業できるとの事で、お誘いを受けて行って来たのですが、なかなか良い作品が多く、『へ~』と感心しながらゆっくり眺めてきたのですが、テキスタイルも面白いですね。見るからに手の込んだもの達でしたが、実際に作るところを見たらもっと凄いのだろうな~と。明日17日まで開催されておりますので、お時間のある人は是非足を運んでみて下さいね。
先週は金曜日の昼のクラスは女性が全員お休みだったので、男衆6人のクラスでした。女性がいないとちょっと淋しいですね。華がなくて。。。現在、お教室は男女比がほぼ半々。仕上がる靴の出来はどちらも甲乙付けがたく、靴づくりの歴史の中で、長いこと男性の仕事とされていたことが不思議です。時代と共に女性パワーが精神的にも肉体的にも社会的にも増強されているのでしょうね。男衆もがんばれよ(笑)。
さて、先週はブラック・ワックスで汚れた手をどうやったら綺麗に落とすことが出来ますか?って質問を受けました。お風呂に入って、熱いお湯で洗うと落ちますが、どうやら生徒さんの中には、お風呂から出てから靴作りを始める人もいるらしく、すくい縫いや出し縫いなど、ワックスのついた糸を使う作業をする時に、汚れを気にして作業が進まない。。。という人もいるようです。私もブラック・ワックスで汚れた手は、たわしや軽石でごしごし擦って落としていた時があって、一時期指紋が消えていたのですが、最近はアロマ・オイルのグレープシード・オイルを手にたっぷりつけて、マッサージしながら落としています。かなり綺麗に落ちますし、手も潤います。どんなオイルでも良いと思いますが、グレープシードが一番安いので。。。
重曹や、『きなりっこ』という粉石けんや、車などの整備士さんが使う『レタラクリーン』なども良いのでは?と意見が上がりましたが、なるべく保湿などの効果もあるほうが手に優しいかな。本当に靴作りは手が荒れるし、汚れる。以前、ワックスで汚れた手を良く洗わずに友人に会ったら『お前は炭鉱で働いているのか?』と言われたことがありますが(笑)、足元だけでなく、手元にも気を使いたいものです。この数年で私の手も、徐々に変形してきて、自分的には誇らしいのですが、綺麗な手をしている人を見ると『いいな~綺麗だな~』と思っている自分もいます。
それから、糸をよる時にお教室で使っているwaxは、ビーズ・ワックスとタールを煮て混ぜ合わせた物を使っておりますが(イギリスから送ってもらっている)、タールは色も黒く、防腐剤にもなり、糸を縒る上で適度な粘着力もあり使い易いですが、タールは発がん性物質ですので、手は良く洗ってくださいね。日本では糸を縒る時には”チャン”という、松脂にビーズ・ワックスとオイルを少し混ぜた物を使います。こちらの方が安全ですが、糸が若干硬くなります。使い勝手がかなり違うので、私は使うのを渋っていますが、こちらも使ったことのない人は一度使ってみてください。ご希望の生徒さんがいれば、お教室で”チャン”の作り方を実演してみますよ。イギリスでは、ブラック・ワックスのほかには、ビーズワックスのみで糸を縒る人もいますので、家でお風呂上りに靴を縫いたい人にはこちらの方がお勧めです。糸の耐久性等の違いは若干んあると思いますが、本当に若干だと思います。ビーズワックスで出し縫いや、すくい縫いをして、縫い目がほどけた!という話は聞いたことがありませんので。
ビスポーク靴を作る場合、一つ一つの工程や、材料において、最善&最高を目指す!というスタンスがありますので、2つ3つの選択網がある場合は金額や手間のかかりようよりも”どちらがより良いものか”ということを第一に考えて選択していくので、タールが入っているものを選んだ理由ですが、これでなければダメ!って言うことではありません。どのように選択していくかも、職人によって、物によって違ってきますし。現在は、幸いイギリスから取り寄せることが出来ますが、このブラック・ワックスを作ってくれている職人もいつまで作ってくれるかわからないですし、常にアンテナを張り巡らせて次の時代に対応できる材料を見つけ、選んでいかねばなりません。その為にも、一つ一つの工程を深く理解し、『何の為に、どんなものが必要か』ということも学んでいかないとね。糸はどんな状態が良いのか、どうすることによって強化されるのか、という素材の生かしようなどもね。はあ~深いね~。靴作りは飽きないね~。
心持ち次第ね。
いきなりですが、『忙しい』という言葉を使うのをやめよう。。。と思います。急に思い出したのだけれど、”忙しい”という言葉はりっしんべんの”心”という字と、”亡くす”という字がくっついて出来ていて、つまり『心を亡くした状況』を言うのだそうです。(って、前にラジオで聞いた。)だから、人に向かって『忙しそうですね!』なんて言うのも良くないですね。忙しくて、ドタバタ生活しているとやっぱり人への思いやりが行きとどかなかったり、乱暴な気持ちになってしまったり、ベランダの草花が枯れたり、お肌がかさかさになったり(笑)。。。良いことないですものね。
だから、スケジュール帳や時計を見て焦るのでなく、まだ5分もある!と考えるのがいいなっと。毎朝、息子は8時に家を出るのですが、今朝は7時55分に漫画を読み始めたので、『後5分で学校に行かなきゃいけないのに、今から漫画読むの!?』と驚いたら、『あと5分もあるじゃん!』って、余裕な様子で答えるのでなんだか感心してしまったのですが、半分水の入ったコップを見て、あと半分しかない。。。と思うか、まだ半分もある。。。と思うのではコップ内の水の量は同じでも、気持ちは正反対ですものね。すべては心持ち次第のような気がします。
生徒さんも、失敗点をピック・アップして『あ”~』と嘆くよりも、良く出来た部分を気分良く見て、次回もここはうまくやろう!ちなみに他もここぐらいうまく出来るといいな~と思って靴作りに励んでみて下さいね。
もうさ、ハンド・ソーンの靴作りってのは時間がかかるの当たり前の製法だから、時間を気にしてもしょうがない。一つ一つの工程を丁寧に、頭と体でしっかり吸収して、一段一段をしっかりと階段を上るように作っていきましょうね。靴作りを出来る時間が5分でもあるってのは貴重な時間です。私が毎回、授業終了5分前に『5分前で~す。』と言いますが、(時々2分前とか、1時間前に間違えて言いますが。。。笑)今週からはこの号令がかかったら、『あと5分もあるな。』と思ってくれるといいですね。
どんな状況の中ででも、前向きに、気持ちの余裕を忘れずにいたいですね。今、ギターで練習している曲に悪戦苦闘してるのよ。5分でも練習時間は貴重なのよ。(笑)
基礎勉強
今週のお教室も終了。ほっ。 今週は金曜日の朝のクラスで流血事件があり、本人は平気を装ってましたが、ちと心配です。毎週毎週勤勉に靴作りをこなしている生徒さんで、お教室に来る前にも作業をしてたら親指を深く切ってしまい、お教室に来て準備をしている時に傷口をぶつけて再度流血が始まったのですが、絆創膏を何枚もグルグル巻きにしてても、親指に力を入れると絆創膏の隙間から血が流れ出す。。。ってな感じで、『病院へすぐにいきなよ。』と言っても、『大丈夫です』って6時間靴作りして帰ったのだけれど、靴作りへの意欲は文字通り”痛いほど”わかりましたが。。。。大丈夫かな?他の皆様も、本当に工具の扱いには注意して下さいね。
前回のブログに書いた『ダービー』のプリントも今週配れて、何人かの生徒さんに『ユキさん、がんばったじゃん!』と言われましたが(笑)、今後もがんばります(笑)。で、今回デザイン説明をして分かったことなのですが、もっと基礎の基礎から、教えたほうがいいなあ~と。1足目を作っている人にもパターンの構成をわかり易く説明したものや、部位の名称なんかもやはり必要ですね。生徒さんから、『初心者が靴の勉強に使えるような本があったら教えて下さい。』と言われましたので紹介します。
『新 靴の商品知識』 エフ ワークス(株) http:/www.f-works.com 定価2,500円
こちらは、革の事、材料の事、靴の解剖図、歴史、デザイン、用語、などなど基礎的なことが学べる本です。
他にもお教室内に色々と本がありますが、貸し出しておりますのでどうぞ興味のある方は読んでみてくださいね。ま、靴作りは自分で手を動かさないと分からないですし、靴作りに関しての本も数冊出ていて、私も読んでみたし、お教室にも置いてありますが、どの本も知りたい重要なことは載っていないです(笑)。何でだろ?でも、作りの流れを見たり出来ますので、『靴の中身ってどうなっているんだろう?』と思っている人には面白い本かと思います。
デザイン考察を2回にわたって行いましたが、行うたびに生徒さんからの質問で、『あ~あれも教えなきゃ、これも教えなきゃ』というのがどんどん出てきて、俄然やる気が出てきました。お教室を始めた当初と比べて、生徒さん達のレベルもどんどん上がっているし、本当に意欲のある人たちが多いいし、どんどん吸収していってもらいたいです。
そうそう、今月は2月22日(日)に日曜教室で”ナイフ研ぎ”を行いますので、ナイフがまだうまく研げない人は是非参加して下さいね。http://www.geocities.jp/benchwork_study/sunday.html
ナイフ研ぎが出来てこそ、靴作りが出来ます。その逆は言わなくても分かりますね?(笑)
「靴作りの基礎はシャープなナイフ!!」さあ、皆さん声をそろえて復唱しましょう。(笑) 声が小さいぞ!
DARBY & OXFORD
さて、今週は新規にオーダーを受けた靴も、お受け渡しした靴も、修理で預かった靴も全部見事にOXFORDでした。今までも注文の数ではOXFORDがダントツの1位なのですが、OXFORDを既製靴で探すとなかなか難しいようです。電車の中などで乗客の足元を見ても、ちゃんとしたフィッティングでOXFORDを履いている人は余りいません。本人は合っていると思っているのでしょうけれど、フェーシングが開きすぎていたり、ぴったり閉じてしまっていて、ハイ・インステップに余分なスペースがある人が多い。あれでは踵が擦れて痛いだろうな~。
DARBY(外羽)はロウ・インステップから紐の締め付けがきくので、既製靴を購入する場合にはサイズを見つけやすい。私のお客様の中にも、甲が低すぎ、または高すぎで、サイズの合うOXFORDを見つけられなかったので、OXFORD を履くことが夢でした!と言われる方が何人もいらっしゃいます。木型から作ると、デザインやスタイルを選ぶのに問題が出てこないので、既製靴では手に入らない自分だけのOXFORD を求められるのでしょう。甲が低すぎると、フェーシングが全部閉じるか、重なってしまうかで、締め付けがきかなく、甲が高いと、フェーシングが開きすぎるか、足がそもそも靴に入らないという問題がおきます。フェーシング(靴紐の通る部分)の開きは6ミリから10ミリ位が良い開き具合で、その位の開きがあると、足がむくんだ時とそうでない時の調節が靴紐で出来きます。その為に、木型を作るときには実寸よりもタンの革の厚さ分と、締め付け分の数値を引いたメジャメントで作ります。それから、フェーシングの開きの間隔は、ソールが馴染んで来るまでは開きが大きく、4ヶ月位履いて足に馴染んでくると、個人差はありますが6ミリ程間隔が狭まってきますので、生徒の皆さんは自分で作った出来立ての靴のフェーシングの開きが多少大きくても心配しないで下さいね。逆に、履きたてで開きがない場合は心配して下さいませ(笑)。もちろん、木型のボトムの形状を損なわない修正方法はお教えいたします。アフターケアもお任せ下さいませ。
そんな訳で、今週は私がこれから睡魔に襲われなかったら、資料を仕上げてDARBYの講義いたします。(ブログ書いてる間に仕上げればよかった。。。涙)
痛い靴は持っておいで♪
既に2月。。。今年も新年早々から、忙しくさせて頂いて本当にありがたい次第です。お客様達の靴の手入れの丁寧さに驚いたり、スーツの色と靴の色の合わせ方について教えて頂いたりしながら、1月もちゃちゃか靴作りに励んでいます。
それから、生徒の皆さんには、私の右肩の痛みを心配して色々と紹介してくれて、有難うございました。お蔭様で無事に痛みは消えて快調に靴作りをさせて頂いています。生徒さんに紹介して頂いたすべてのことを素直に聞いて実行しまして、カイロプラクティックへ行き、マッサージへ行き、ファンテンの首輪をして、ピップエレキバンを貼って、温感シップを貼って、自家製の生姜黒酢を飲んで、毒出しスープを飲んで、ヨガをしてたら治ったので、どれが効いたのか定かではありませんが、職業病だと思うので体調管理を怠らずにがんばりたいと思います。色々と教えてくれてどうもありがとうね。
1月は生徒さんの数人が、購入した既製靴を履く度に足が痛い!と、お教室に持ってきて修正していましたが、小指や親指が痛む位の靴でしたら、5分で修正できますので、他の生徒さん達も痛む靴があったらどんどん持ってきてくださいね。あの、拷問器具のようなストレッチャーを活用しましょう!(本当に見た目の怖い工具です 笑)
色々と靴の問題はありまして、私もうかつにも先週、余りの寒さにムートンブーツを履いて出かけたら、途中で足が疲れて疲れて、捨てて帰ろうかと思ったくらいです。ブーツの中で足が滑るために、足の踵の底面が擦れて痛いし、ジョイント部が安定しないために足が疲れて大変でした。本当にね、足に合った靴を履くってのは大切なことです。今更言うことでもないですが。。。
普段自分で作った靴を履いていると、靴の為に気分がどの位害されるかってことを忘れがちで、新規のお客様から足に合わない靴を履いて困っている話を聞いていても、原因がどこにあるかも靴を見れば分かるし、自分が木型を作る際の注意点としてビジネスライクで聞いていましたが、自分の足が痛んでこそ、お客様の気持ちに親身になって接することが出来るな~としみじみ思いました。
道を歩いていても、踵の浮いたパンプスを履いている女性は多く、『あ~、カウンターライニングをあの靴に入れてあげたいな!』など思ったりしますが、生徒さんの中にも、販売の仕事をしてる人などは、会社から自社のパンプスじゃなきゃダメ!と言われ、毎日痛い靴で立ち仕事!と涙ながらに話していますが、本当にかわいそうです。デパートなどは未だにヒールのパンプスじゃなきゃダメ!と言うところばかりだそうですが、なんという考え方の古さ!そんな古い考えで、『最新のファッションの提案』なんてできっこないでしょ?と思います。ファッションは社会学です。時代に合った、または時代の先へ行く考え方をしていなければ顧客はついて来ないですよね。ま、だからデパートはおばちゃんばっかりが集まってくるのだろうけれど。イギリスのTOP SHOPと言う店は安さとデザインの良さに連日若者でぎっしりのなのだけれど、そこなんかは店員が皆モデルの卵のような人ばっかりで、TOP SHOPの商品をかっこよく着こなしている。着てる人がかっこよいので、着こなしの手本にも出来るし、本当に良く考えたな~と思います。日本の店は『お似合いですよ~』なんて制服を着た地味な店員が誰にでも言うけれど、『あなたに言われてもね~』と内心思っている人は多いのではないでしょうか?(笑)。デパートの靴売り場の人などは、一日中靴履いて、立って仕事をしているわけだから、色んな靴を履かせてあげて、どのデザインの靴が疲れにくいか、履きやすいのかって事の実体験の意見を企画側は教えて貰えば良いのにな。そうすれば、販売員の意欲向上にも繋がるし、やっぱり自分が履いて良い物ってのは自信を持って薦められるから、売り上げにも繋がると思いますしね。売る側の意識向上って大事ですよね。頭の中の考えなんて、経験から得たものの足元にも及ばない。私ももっと歩こうっと。
英国デザイン
今年に入ってから、生徒さん達の”企画力”強化を目指し、オーダーシートを書いてもらうことにしました。デザイン画と使用する革、製法、ウェルトの作り(幅やステッチのサイズ等)、ソールの仕様、ヒールのシェープ、アッパーの糸の太さ、色番号、その他仮縫いの後の考察。。。などを書き込めるシートですが、靴を作る前にしっかりとイメージを掴んで製作していくことも大事です。2足目を作り始める前に『どんな靴を作りたいの?』と聞くと、はっきりと答えられる人がいない。『紐靴で。。。茶色で。。。って考えてます。』と言われても、紐靴って言っても色々あるし、茶色って言っても色々ある。カジュアルにしたいのか、ドレッシーにしたいのか、キャップはあるのか、ブローグなのか、プレーンなのか。。。それにあわせて、どの製法が合うのか、ウェルトはどうするのか、ソールは。。。と。で、皆さんのデザインに関する知識が非常に低いことに今更ながら気付きまして、今週から数回にわたって、『デザイン強化月間』をしていきます。
自分で好きなデザインを好きなように作れる教室ではありますが、将来靴作りに携わる仕事をしたい!と考えている人も多いので、基礎から”英国デザイン”を学んでもらいたいと思います。基本はOXFORD(内羽) と DARBY(外羽)ですが、この2種類を基本としたデザインを図で書き出してみたのですが、OXFORDの伝統的なものだけでも17種類あり、これらを物理的に可能なデザインの変形版を作ることは際限なくあるわけで、つまり基礎さえしっかり押さえれば自分で際限なくデザインでき、パターンも引けるようになります。
基本的デザインは、OXFORD , DARBY, MONK, ELASTIC INSTEP, SLIPPON(& COURT), の5種類で、この5種類が出来ればほぼ何でも作れる。その他 DOUBLE MONKやBOOTS各種があります。DOUBLE MONKはちょっと例外で木型から作りが特殊なので、別途で覚えて欲しいのですが、BOOTSもジョッパー(またはジョドプールとも言うそうですが 笑)などは革自体をブロッキングという下ごしらえで立体化させてから裁断しなくてはならないものなど、短靴を作る技術だけでは出来ないものもあります。が、基本は前記の5種類。この5種類知っておけば、怖いものなし!(のはず。。。)。
その他、ブローグやスキン・ステッチなどは昨年『豆知識』でお見せしましたが、再度実演しますね。何をするにも基礎が無ければ応用は出来ない。『出来る』って事は、”自分の知識で考えて行える”ってことで、人から言われたとおりにやって”仕上がった”と言うことではない。やるからには『出来る』ようになってもらいたいです。
本日は私の右肩の調子が悪化を辿っているので、生徒さんに紹介してもらった『ゴッド・ハンド』のカイロプラクティックへ行って来て、ほとんど体には触れずになにやら悪いものを取って頂き、まだ痛みは同じなのですが『明日には良くなってると思います』と言われ、半信半疑で明日が楽しみ。その後、我慢できずにチェ・ゲバラの映画『チェ 28歳の革命』を観に行った。私はゲバラが23歳の時に南米中をNORTONに二人乗リしてバイク旅行をした時の映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』が大好きで、その中の若く優しい好青年のゲバラが頭にこびりついていたのですが、今回のゲバラは肝の据わった革命家として強いオーラをビンビン発していて『成長したな~』など思いながら映画の中に入っていったのですが、泣くシーンはないのに、なんだか涙がポロポロと止まらなかった。ゲバラに対する私の思い入れの強さもあるのだと思いますが、映画を見ながら彼の書いた『ゲバラ日記』や『革命戦争回想録』などの彼の熱い思いを思い出し、どんな気持ちでこのジャングルの中を、戦場をくぐりぬけてきたか。。。、たった82人で始めたゲリラ隊がなぜ勝利を収めたのか。現在の南米の状況や進みすぎた資本主義が新自由主義が経済的に弱い国を搾取し続け、国を奪っている状況を考えると、50年前にこの状況に警笛をならし自らの命をかけて信念を貫いたゲバラの偉大さには尊敬以上のものを感じる。彼は自分の思想に迷いがなく、正しいと思う正義を持っているから広く寛大で暖かい。資本主義社会で生きていると、あっちの企業に良い顔して、こっちの企業に愛想を振りまくことしていかないと潰されちゃうから、自分の信念なんかは持てないのだろうな?これって、ちっとも自由じゃない。現在、アメリカの資産家の上位400人の資産は下層階級と呼ばれる人々1億5千人の全資産を上回っているという狂った状況の中、82%の支持率を持って明日1月20日、オバマ大統領が就任した。オバマは世界を本当にCHANGEできるのだろうか?アメリカ国民を一つにするのもいいけれど、世界全体のことも考えてくれないとね。自分さえ良ければ他はどうでもいいってのが、ブッシュが行ってきた新自由主義だから。