”Bench work study" Hand sewn welted製法の靴作り教室 -127ページ目

変化

今週は、ようやく元の教室の雰囲気に戻りました。先週はお休みの人多かったな~。新しいメンバーも本日から2名参加しましたが、丁寧にモクモクとがんばっていました。靴作りの旅は長いので、焦らず丁寧にがんばって行きましょうね。


 本日のクラスで、出し縫いを10センチくらい縫ったところで、『ぶち!』っといきなり切れて悔しがっていた人がいましたが、本当に何で切れるんだろうね~。単糸を三本縒りで作って、思いっきり両手に糸を巻いて、私の怪力で引っ張ったって切れないんだけれど、縫いだすと『ぶちっ!』って。。。。(泣)


 それから糸は、太さの問題があります。日本の単糸は太めなので、細いステッチをしたい時は困るのです。2本で縒ると強度が足りない。絶対『ぶちっ』て切れて、私も『ぶちっ!』ってこめかみの血管切れること間違いない。


 今は手元にイギリスの3種類の太さの違う単糸を持っていて、一番細いものはアッパーのステッチをする時に5本で縒って使っているのですが、作った後の太さは日本の単糸の3本分位で、5本で縒っている分とても強い。だから、ウェルトの出し縫いを細く縫いたい時は、この糸を使って3本とか、4本とか調節して使っているのですが、残り少なし。。。注文しなくちゃ。。。日本で買えると本当に助かるんですが。


 先日も浅草に工具を買いに行って来ましたが、面取りやすりも、もう作っている人がいないとかで、きやすりと同じ状況。大分前に買ったものと全然違う出来のものなら買えるそうですが。工具も職人さんが元気なうちに、買いだめしておかなくては駄目なのかしら。工具や材料が手に入らないんじゃ、仕事になんないもの。何とかこの仕事が長く続けられるように考えなくては。って、どう考えていいものやら。


 ハンドソーン・シューズは200年位の歴史があるので、その間に色々と状況が変わっていて、作り方の基本は同じだけれど、材料は結構変わってきています。アッパーの革も、昔主流だった、WAX CALFはもう良質なのは手に入らなくなってしまったし、昔はライニングって革ではなくて、良質の麻を使っていたのですが、もう良質の麻は手に入らなくなってしまい、現在のようなRUSSET LININGを使うようになったそうで、美術館に飾ってあるビクトリア時代の靴なんかも麻素材ですよね。見慣れているせいか、現在の革のライニングの方が、ビシッとしてて好きですけれど。木型も足の大きさが昔の人の足より、だいぶ大きくなったし、土踏まずの作り方も変化して、しっかり踏まずの形通りつくるようになって、かなり形が変わりました。時代と共に色々変化していっているので、現在使っている材料もたびたび検討しつつ、新しいものを取り入れる事もしていかないといけませんね。


 100年後の靴って、どんなのだろう?革靴って残ってるかな?女性はヒールを履き続けているだろうか?

沖縄在住の親友

 今年初めのお教室は、どのクラスも人数が少なく、のんびりした雰囲気でした。


 やっと、イギリスに注文していた工具も届き、新しい工具を手に入れた人達は、眺めまくり、撫で回し、ニコニコしていました。工具は眺める楽しさもあるしね。靴の工具を集めるコレクターがいるそうですが、気持ちは解るんだけれど、工具は靴作りしている人間にはなくてはならないもの。職人は工具も含めて、『一人前の職人』として仕事が出来るので、工具を持っていない職人ってのはありえない。


 特に古いもので、まだまだ使えるコンディションの物は、多くの職人や職人志望の人達がのどから手が出るほど欲しいもの。靴を作らないコレクターが、眺めるだけに使うってのは、ちょっとね。残念ね。


 さて、土曜日の教室が終わった後は、数年前に沖縄に引っ越した、友人が東京に来たので、同じ高校時代からの付き合いの続いている友人達と”新年会”を下北沢で。もう、20年も一緒に遊び、飲み、喧嘩し、泣き、笑い、相談をし。。。の親友達なので、本当に楽しいひととき。腹を割って話せる友人がいるのは本当に幸せなことだなと、彼らに会うと毎回思います。今日朝起きたら、昨夜笑いすぎで腹筋が筋肉痛。


 沖縄在住の友人に『そろそろ沖縄に飽きてきた?』と聞くと、『なに言ってんだよ、東京にいると、馬鹿ばかしい、消費主義に知らず知らずのうちに巻き込まれてる暮らしだろ。沖縄ではさ、すっげー綺麗な海があって、広い空があって、もう、それだけで充分なんだよ。着飾ったり、流行のモン身につけたりとか、ど~でもいいの。給料は安いけれど、俺は満足だ。負け惜しみなんかじゃなく、本当に満足だ。』と、言いきっていた。日焼けした顔の目じりについた”笑いじわ”が幸せ度を示していたな~。

 他の事は酔っ払っててあんまり覚えてないんだけれど(笑)、なんか、ジーンと来てしまった。東京ではお洒落&数々の武勇伝を持ってた”やんちゃ”な男だったのでよけいにね。2ヶ月前に沖縄に遊びに行った親友T子も、どんなに沖縄が素敵な所か、とくとくと話すし、いいな~沖縄!!海ぶどう、旨!!


 さて、新年会も終わり、本格的に働きますか!沖縄へのホリデー目指してエイエイオー!

明けましておめでとうございます。

 新年明けました。皆さんにとって素敵な一年となりますように。

ちなみに今年のお教室は1月5日(金)、6日(土)からです。どうぞよろしく。


 仕事始めを1月3日からと決めていたのですが、30日に日本に戻ってきてから、お米のご飯をお腹いっぱい食べて、『やっぱ、日本人には米だよな~』と納得した後、植物に水をあげねば!と思い、ワークショップへ行ったら、Faxや留守電が沢山溜まっていて、『うわ~日本が私を待っていた!』などと勝手な解釈をして(笑)、仕事を始めたらすっかり仕事モードに戻ってしまい、1月2日に初詣をした後、仕事に直行。今年もがんばるぞ!


 去年後半は安部政権になって、国民の多くの反対があったし、反対集会も沢山あったのに、そういうのは新聞では報道されずに、教育基本法の改変が通っちゃって、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」と言う教育基本法前文が「真理と平和」から「真理と正義」に変わりました。アメリカでブッシュが『正義!正義!』と叫んで大量殺人を行っているのに、平和より正義を取るとは恐ろしい事です。「国歌の為の教育」「お国の為に命を投げ出す美しい心」などを求める方向に進みつつあり、今年は『共謀罪』を取り入れ、憲法改悪して戦争へ向かおうとしているのですね。そんな中、2002年から引き続き、20代30代の死因の第一位は『自殺』だそうで、なんだかお先真っ暗。将来の日本を真剣に考えなくてはならない年代、今後の日本を担って行かなくてはならない人達は、低賃金の過剰労働により自分の生活と生命を維持するのだけで精一杯で、国の将来にまで頭が回らない状態。こういう状況を新聞は書かないし、いや、広告に多額のお金を払っている大手企業が書かせない様にしているのでしょう。


 でも、ネット上では熱い論争、情報交換がどんどん勢いを増しています。大手の新聞なんか読んでもしょうがない!メジャーな企業は新聞会社でも何でも、大きな金の動く方へ向きますからね。ネット上の草の根に期待を持っています。ま、お正月はごろごろテレビ見ててもくだらない時間の無駄使いになるので、ネットで色々サーチしてたのですが、まだまだ今年も反対運動、反対集会がありますので、調べてみてはいかがでしょうか?(新聞には載らないけどね。)


 別に、特別贅沢な願いなんてしてなくて、無駄死にのない平和な日常を望んでいるだけなのにね。なんで、政治家や大手企業の社長さんはそんなにお金や石油が欲しいんだろう。新年早々、暗い話題ですが、チラッと見たTVがあまりにもくだらなくって、国民の脳みそをそんなにのっぺりにさせたいのか!と思ったもので。。。

今年もお世話になりました

 昨日イギリスから帰って来たのですが、本当は29日に日本に着くはずが、28日に飛行機に乗って3時間半位飛行していたら、機内のアナウンスで『飛行に不備が発生し、ロンドンに戻ります』と言われ、飛び立って8時間後に再びロンドンへ戻され、皆バスに乗せられ、用意されたホテルに宿泊し、次の日の朝5時に起され再び空港へ。ってな事態に。で結局、帰国に2日もかかりました。幸い飛行機がヴァージン・アトランティックだった為、映画が見放題だったので、今回の旅行の往復で映画を11本も見てしまった。

 もう、映画評論家にでもさせる気か~!などと思いながらもこんな経験はめったにないので、楽しめましたけれど。中でも、選挙でブッシュと戦って負けてしまった、アル・ゴアのドキュメンタリー・映画『An Inconbenient Truth』は、2回も見てしまったのですが、彼の長年訴えている『地球温暖化に対する危機』に対するものは興味深かったです。皆さんも是非ご覧下さい。


 その映画の中で、頭の中に刻まれたのが、

”What get us into trouble is not what we don't know. It's what we know for sure that just ai'nt see.

ー問題は無知ではない。知っているという思い込みだ。


 という、マーク・トーウェンの言葉からの引用でした。


 この言葉は、お教室での靴作りでもいえることで、何度も同じ間違いを繰り返す人は、勝手に解っているつもりになって進めた後で、私に見せに来た時には既に失敗しているって事の多い人で、なぜこの工程でこういう作業をしているのかと言う意味が解っていないことから生じている事が多々あります。

 来年度からは、気合を入れなおし、もっと深く靴作りを教えていきたいと思いますので、皆さんも気合を入れていきましょうね。


 今年度最後のお教室では、『来年は仕事を辞めて、靴作りで何とか生活できるようにしようと決めました。』とか、『来年はクラスの数を増やして、もっと靴作りを生活の一部にしていきます』『来年は最低3足は作ります!』と、来年の靴作りへの意欲的な告白をしてくれた方達が多く、驚くと共に感心し、このような意欲的な人達に囲まれて仕事が出来ている事を嬉しく思いました。


 実際、注文靴を作り生活する事は、まだまだ大変なことですが、他力本願でなく、自力で道を切り開き歩み続ける決心をした人達は、夢を叶えています。本人の硬い決意と、実行力を持って今後の困難を楽しみながら乗り越えていって下さい。応援しています。


 乗り越えなくてはならないものがある人間は、辛くても幸せです。日々学び、人生をかけて挑む事があるということの貴重な体験は、人間関係や技術の向上などの多大な見返りをもたらすばかりでなく、自分自身に少しづつ自信を持つ事が出来ます。今年、私はそれが骨身に染みました。今年は、ワークショップの独立や日々の靴作りとの葛藤、ビスポークに対する毎日の自問自答、今後の仕事に対する方針など、悩みに悩んだ年でしたが、『無理だ~』と叫びたい時に、その叫びたいエネルギーを手に託し、ひたすら手を動かし、作業を続けました。『脳』で考えるのでなく、『手』で考えた一年だった気がします。


 私が尊敬する作家の大江健三郎氏のエッセイの中にアンブロワーズ・パレの言葉の引用を最近たまたま読んだのですが、今年の私の経験と重なって、『おお!!』と鳥肌が立ちました。以下に。


 人間は「理性」と「言葉」を持っている点で他の生き物と違うが、さらに「手」を持っていることで、「理性」と「言葉」に頼って陥る観念主義を修正できる


 皆様、どうぞよいお年を!!来年もどうぞよろしくお願いいたします。 正月飲みすぎるなよ~~。(笑)


 

ハンドソーン・ウェルテット

 このところ、説明会にいらして、『靴作り初心者ですが、私にもできますか?』と質問される方達が多いのですが、現在、教室に参加している方々もほとんどの方が、工具の名前も、靴の製法も何知らなかった初心者ですので、ご心配なく。


ハンドソーン・ウェルテットを作った事がない人は、特別の物のような事と思っていますが、そんな事はありません。もちろん、木型のフィッティングや造形美の難しさや、バランスよく仕上げる事は、突き詰めれば突き詰めるほど、学ぶ事が多くて、作っても作っても、新たな課題が生まれてきますが、あくまで『突き詰めればの問題』で、本当は誰にでも作れるものです。


 上手く縫う、手を込んだことをするって事が目的ではありません。工程が沢山あるので、時間もかかりますが、どの工程にも次の作業に繋がる明確な理由があってのことで、これがすべて理にかなっています。『ハンドソーン・ウェルテットのつくりは宇宙のようだ。』と友人の靴職人が言ったことがありますが、私もそう思います。木型作りから始まって、靴を作って木型を抜く間での作業全部が次の作業の為の準備でもあるのです。そして、互いに影響を与えながら構成されています。

 既製靴の製法は、この製法を時間と手間とコストダウンの為にどんどん省いて出来た製法なので、工程の流れが、途切れ途切れに形成されています。


ビスポークは1人1人のお客様の足の性質と歩き方の癖などを把握しなくてはならず、1人のお客様に関わる時間が、既製靴のそれとは数十倍も時間がかかります。ですから、大量に靴を製作することは出来ません。少ない靴を製作するために、数十万円もする機械を幾つも、わざわざ購入して手間隙を省く必要はありません。それが、現在に至るまでハンドソーン・ウェルテット製法のビスポークが機械を導入せず200年も続いている理由の一つですし、1人1人のお客様に満足のゆく靴を提供できている理由です。機械はあくまで、作り手の『早く、大量に』が元となって作られています。決して、購入する側からの要望ではありません。大量生産に嫌気を抱いている人達に、必要な物を必要な量だけ作り、人間の『手』だけで靴は作れ、人間の手はこんなにも器用に動くものだと言う事、機械や電気を頼らずともできることがある。ということを、この製法は示してくれます。




 『よい靴とは何ですか?』とよく質問されますが、私は足を痛めず、足を甘やかさない靴が足に良い靴だと思っています。履きやすさ、サイズが合ってから、デザインを選ぶのでなければ、足に合う靴でなく、靴に合う足を作らなければならなくなります。その結果、どんなに多くの人が足を痛めていることか。。。。


 また、足に何にも問題がなかった人が、『歩きやすく、足に良い』と薦められ、靴の中に特殊な補助中敷を入れて、逆に足を痛めてしまった。という話を帰国後、沢山聞きました。補助器具は、歩行に問題のある人に補助をするものであって、コルセットと同じで、腰のわるい人には負担をかけずに良いものですが、問題のない人が着ければ、筋肉を弱わらせ、骨格をゆがめてしまい逆効果です。


 『足には、裸足で砂浜を歩いている時が一番体に良いことだ。』と20年程前に、靴会社の研修で聞き、その会社では砂浜で歩くのと同じ効果のある中敷を開発したりしていたのですが、それを靴に入れてしばらく履いていたことがありますが、足の裏にやたらと汗をかき、足が疲れすぎて痛くなってしまいました。砂浜を数時間歩く事は健康に良さそうですが、一日中砂浜を歩いている人間はいませんし、特にそういう生活に慣れていない人間には逆効果になる事を学びました。


 足と足裏の形状を木型で作り、いったん濡らしたインソールの革を、木型の底部の形にしっかりとつり込みしてから乾かす事により底部の形状を出して、足にフィットさせ、足裏に適度な刺激を与えつつ、汗を良く吸収する革のインソール。

 木型の形状を長く保つ為にインソールとアッパーとウェルトをしっかりと縫いつけ、先心、月型、サイドライニングなどを隠れた部分に補強の為に入れて、木型の形状を長期間持続させ、長く履き続けられる用に丈夫にしてあります。作ったばかりのときはフィットしていても、長く履くうちに型が崩れ、元の木型の形と変わっていってしまっては、木型を作る意味が半減してしまいます。ですので、ここでインソールとアッパーとウェルトをしっかりと頑丈に縫い付ける事が必要なのです。

 インソールと縫い合わされたウェルトとソールを縫い合わせる事で靴全体が適度なしなりを持つ事が出来ます。底材にはフィラーのコルク以外は全部革を使っているので、通気性も良い。ウェルトは靴の中側でアッパーとインソールと縫い合わせており、ソールとは、靴の周りをぐるりと縫い合わせているので、この出し縫いを外してソールを取り替えれば、アッパーのフィッティングを変えずに、ソールだけの取替えが出来るようになっています。


 外見の美学ばかりに目をとらわれずに、なぜこの製法が未だに人を魅了するのか、その根本を教えていきたいですし、私も学び続けたい。上記のことはかなり端折った製法の説明ですが、生徒の皆さんも『今している工程は何の為にしている事か』と言うことに、一つ一つ疑問を持ちながら、靴の宇宙を解明して行きましょうね。


忘年会

 忘年会、凄かったですね。クラスの違う人達が集まって、情報交換や自分の作った靴や小物を見せ合って(照れながら)、

『わ~良いじゃん!』

『この革自分で染めたの?』

『アッパーも手縫いなんだ!これぞ、本当の手縫い靴。何にもマシンを使わずに靴が出来るんだ!』

などなど。


 お互いの自己紹介も兼ねて、”なぜ靴を作りたいと思ったか”などの個人の靴歴を聞いたり、ギターを持ってきてくれて、私の大好きなBOB DYLANの曲を弾き語りしてくださった方や、後半”一発芸”を見せてくれた方など、楽しい時間が持てました。差し入れしてくれた方々、お買い物を手伝ってくれた方々、場を盛り上げてくれた方々、皆様どうもありがとう。そして、お疲れ様でした。


 他人の作った靴を見ることは、色々な刺激を受けます。こんな事も可能なんだ!と知る事は、どんどん創造&想像も広がります。ある程度靴が作れるようになると色々な製法に興味を持ち、探究心が増しますね。今日も思ったのですが、もの作りが好きな人はどんどん自分の手が持っている可能性を見ることが出来、機械など何も使わなくても、自分の手がこんなにも綺麗な靴を作れるのだ!と言う喜びを感じています。素敵な事ですよね。


 来年からはお教室でのイベントを開催して行こうと思っています。例えば、教室の見学日を兼ねて、年に1~2日皆さんが作った靴を展示して批評しあったり、作ったカバンや小物のオーダー&販売をしてみたり。だって、皆さん本当に素敵な物が作れるのですから。アイデアがあれば、どんどん教えてくださいね。


 


 

ナイフ研ぎ教室

お教室も今年残すところ、後2週。残す2週間を全力疾走でGO!GO!GO!!(かなりテンション上がってます)



 今週は金曜日の昼の部では、木型に関する質問が多く出て&パンチングとギザきりに精神統一している方等、夜の部はお悩み相談者に、皆が”みのもんた”顔負けのアドバイスをして大爆笑。土曜日の朝の部は黙々と靴作りに励み、ウェルティングに悪戦苦闘の方々、昼の部は靴マニア(このクラスに多い)のうんちくが盛り上がっているところに質問を受け、職人の目からの意見を言って尊敬のまなざしを受け(笑)、何とか今週も終わり。ほっ。


 なんか、ホント、お教室初めて2年になりますが、皆さんどんどん色んなデザインやチャレンジをしていて面白いし、メンバー達も和気藹々だし、教室を始めてよかったな~ってしみじみ思います。クラスは違くても噂になるメンバーもいますね。今日は最近噂の”Sさん”のナイフ研ぎについて。


 土曜のお昼の部Sさんはナイフ研ぎに異常な興味を持っていて、研ぎ石も色々と試されていて、本当に凄い。私も色々購買意欲を湧かされる研ぎ石達を教えてもらっています。『ナイフ研ぎ』が靴作りにおいて、とても重要な事は再三お話しておりますが、まだまだ上手く研げていない方達がいまして、ちょっと見ないうちにどんどん切れないナイフに変わっていってしまっている。気がつくと2時間ぐらいナイフを研いでいる人がいますが、時間がもったいないな~と思います。Sさんは人に教えるのもお上手ですので、どうでしょう?ナイフ研ぎに自信のない方は、Sさんに丁寧に教えてもらってはいかがでしょうか?(教えてもらえるよね?Sさん!!)ま、忘年会の時に改めてご紹介しますね。興味のある方集めて、『Sさんのナイフ研ぎ教室』を今度開こうかと思いますので、ぜひぜひ。



 話は変わりますが、9・11のテロ事件について、あれは『アメリカの自作自演であった!』と言う説を訴えている人達が日に日に増えていて、去年辺りから私も色々本を読んでおりますが、私はこれは事実ではないか!と思っているのですが、GOOGLE VIDEOから無料でそのドキュメンタリーが見れますので、お時間のある方は是非ご覧下さい。http://video.google.com/videoplay?docid=4377032998245988095&q=Loose+Change+2nd+EditionJapanese


 こんな事が現実だとすると、まったく狂気な恐ろしい世界です。このドキュメンタリーについて、アメリカ政府は沈黙を続けていますが、この沈黙も怪しい限りです。庶民を馬鹿にするのもたいがいにせ~よ!!と怒りが込み上げますが、庶民は馬鹿にされているばかりではいけませんよね。我々は眼を覚まさなければ!アンテナを高く上げておかなければ!公然とされている大量殺人を絶対に許すべきではない!『正義は必ず勝つ!』と信じて、このビデオをより多くの人に見てもらい、自国の政治がどこへ向かおうとしているのか、って事を含めて考えていかなくては。金に狂った狂人がしている事を、彼らがたくらんでいる事を把握しなければ。未来を良い方向に変えるのを、政治家に任せられない世の中です。政治を他人事として考えていると、空恐ろしいことになりますよ。

BGM

今日は生徒さん様のアッパーを1足仕上げて、底付け作業をして後はフィニッシングする所まで終わり、ほっと一息。


帰宅途中、自転車こぎながら、冷たい風を顔に浴びて気持ちよく、うっすらと雲に隠れた月は幻想的で美しく、仕事の心地よい疲れと共にとっても幸せ。靴作りの仕上げに近づくといつもこんな気分になれます。


 靴作りはここまで来ると、後は鼻歌など歌いながら作業が出来るので、本当に嬉しいです。


 靴作りには『リズムが大切!』って職人同士では良く話すのですが、各種の工程でテンポが違ってくるので、音楽を聴きながら作業をしている職人仲間達にどんな作業の時に何を聞くか?と尋ねると、かなり話が盛り上がります。


 私は木型を削っている時は、ジミー・ヘンドリックスや、レッド ホット チリ ペッパーズや、ヘビメタ、パンクなどの激しい系を聞きながら、ガッガ ガッガと削っていき、仕上げはビートルズ辺りで少し落ち着き気味にしておきます。


 パターンのときは、何故か音楽が耳に入らなくなるので、何でも良いのですが(笑)、クロージングはJAZZかグレイトフル・デッドやクロスビー、スティル&ナッシュのようなヒッピー系。


 メーキングはこれまたJAZZが多いいですが、チャールズ・ミンガスやロン・カーターなどのベースもの。だけれど、ステッチの時は、何故かレッド・ゼッペリンの”ロックン・ロール”が一番!もう、この曲かけた時とかけない時では、時間も出来も違うから、私にとっては”魔法のステッチング・ソング”。


 フィニッシングはスチャダラパーがお気に入り。(笑)一緒に歌って、楽しいひととき。


 大体こんな感じですが、気分が焦っている時や、時間との戦いになっている時は絶対クラッシックを聞きます。集中力がグーンと上がるし、何故か神聖な気分になって、『時間に負けずに、真摯な気持ちで!』って真面目で真剣に取り組めます。いつもそういう気持ちでやればよいのですが、クラッシックは長時間聞くと飽きちゃって(笑)駄目です。


 Ipodのお陰で、CD取り替える手間がなく、本当にありがたい文明の進化!今日はまたもや、新しいヘッド・フォンを買ったので、自転車乗りながら、かなり良い音でノラ・ジョーンズを楽しめました。もー、新しいデザインや”低音が効く”とか書かれていると、購買意欲を全快にされてしまう癖が直らないのですが、今回のはかなりかっこいいデザイン。オーディオ・テクニカびいきが3年くらいつづいていましたが、今回のはSONY。



 ダラダラ書きましたが、参考になりましたでしょうか?(なるわけないか 笑  すみません。クリスマス・モードに入っています)

忘年会決定

 今週はパターンを作っている方が多く、スタンダードつくりに悪戦苦闘。私はマスキング・テープを使わず、そのまま一枚の紙を使って、立体を平面に変えていく方法をとっているのですが、これは、右手の親指でしっかり木型と紙を押さえること、中心線から紙を絶対に動かさない事が、コツ。この作業をしていて、何度も手をつってた方がいましたが、木型が重いので、多少の握力は筋トレしておきましょうね。


 金曜日に何とか靴を仕上げ終わった方も、時間との戦いになってしまったので大変そうでしたが、がんばっていた甲斐あって、綺麗に仕上げる事が出来ましたね。転職の為にお教室にはこれなくなってしまいましたが、またいつでも質問や、作った靴の修理などあったら、寄って下さいね。



それから、お教室でもお話しましたが、bench work studyの忘年会を12月9日(土)18時から行います。


 金曜日に遠方からこられている方等は、土曜日のクラスに振り替えていらして結構ですよ。それから、benchworkstudy OBの方々も、久し振りにどうぞお顔をお見せくださいませ。それから、さぼりぎみになっていて、再び来るタイミングを失っている方(笑)も、どうぞどうぞ。


 今のところ、怪我人が出ない程度のコミュニケーションをはかり、他のクラスの方たちとも親睦を深められたらと、思っております。一発芸のできる方、上を向いて口からのどに大きな刀を入れられる方、鼻から口へ蛇を通せる方、飲み込んだ金魚を再び出せる方々がいらっしゃったら、どうぞお披露目をして盛り上げてくださいませ。


 それから、こちらで簡単な飲食物は用意いたしますが、自慢の手料理、自宅付近の美味しいもの、地酒などお勧めがありましたら、私、決して遠慮はいたしません。お持ちくださいませ。どうぞ、よろしく。



 もう、11月も最終週か。。。。。。はやっ!!


 



ロンドンの食べ物&ジェームズ・ボンドの靴

ありがたいことにイギリスにいる友人から、私の来英までの日にちを日めくりカレンダーのように正確に知らせてくれるので、だんだん気持ちが焦ってきているのですが(笑)、年末に向けて忘年会をどうするか?と友人からもメールが回って来たり、お教室の忘年会のこと等で、気分はパーティー!!となりたいところですが、相変わらず仕事の小山を抱え、ハッスルできないジレンマと戦っております。


 イギリスで心おきなく楽しむ為にも、頑張らねば!でも、実際イギリスで何をしようかと考えても、滞在は10日程ととても短いので、友人達や家族と会うこと意外はしたい事はあまりなく、しいて言えば『ポークパイ』と『パイ&マッシュ』を食べたい!って位です。


 『ポークパイ』は直径5センチ位の小さなパイで、中には夫が言うには”知らない方が良い事もある”というような部分の豚肉が入っていて、普通チョコレートや牛乳や新聞を売っている”ニュース・エージェント”やスーパーで売っているものなのですが、冷たいまま食べる固めのずっしりした、塩気の多いパイ。初めて買った時には暖めようとして、夫に『ポークパイは絶対に暖めてはいけないんだ!』とひどく叱られ、まったく得体が解らない代物ですが、美味しいです。スナック感覚で、お腹がすくと皆食べてました。


 『パイ&マッシュ』は陰のロンドン名物なのですが、観光客向けでも、一般人向けの食べ物でもなく、『ロンドンの肉体労働者の為』の食べ物で、ミート(何のミートかは不明)パイとマッシュポテトに、鮮やかなグリーンのソースがかかっていて、これだけではたいした味がしないのですが、ここに塩コショウを自分でして、ビネガーをたっぷり振り掛けると、凄く美味しく、他では味わえない不思議な味。このグリーンのソースが決め手なんだけれど、絶対にレシピを明かさない掟でもあるのか、このグリーンのソースがいったい何物なのか、誰に聞いても解らない。大体、『パイ&マッシュ』の店は、休日はやっていないし、平日もお昼時しか開いていないので、普通に仕事をしている人間にはなかなかお目にかかれないし、店の数も少ないので、かなり貴重な存在なのですが、物価の高いロンドンでは激安の3ポンド払えばお腹いっぱい!になれます。ロンドンに行く機会のある方は、是非是非お試しあれ。


 話は変わりますが、11月23日から公開されるジェームス・ボンド最新作の『007/カジノ・ロワイヤル』。ボンドファンの私は是非見たい映画なのですが、ジェームス・ボンドがどうやって007となったのか。。。。と言うストーリーだそうで、娯楽映画としては本当に楽しめそう。それに!!!!!!主人公の履いている靴は、なんと!!!!!!!レディーメイドのジョンロブ・パリスの新作秋冬コレクションの靴2足だそうで、そちらも是非とも見たいです。ジェームス・ボンドが履くドレス・シューズですよ。ロブしかないでしょ!って感じです。実際、ショーン・コネリーもビスポークのロブ・ロンドンの顧客としても有名でしたし。ロブ・ファン&ボンド・ファンは見逃すなかれ。