今年もお世話になりました
昨日イギリスから帰って来たのですが、本当は29日に日本に着くはずが、28日に飛行機に乗って3時間半位飛行していたら、機内のアナウンスで『飛行に不備が発生し、ロンドンに戻ります』と言われ、飛び立って8時間後に再びロンドンへ戻され、皆バスに乗せられ、用意されたホテルに宿泊し、次の日の朝5時に起され再び空港へ。ってな事態に。で結局、帰国に2日もかかりました。幸い飛行機がヴァージン・アトランティックだった為、映画が見放題だったので、今回の旅行の往復で映画を11本も見てしまった。
もう、映画評論家にでもさせる気か~!などと思いながらもこんな経験はめったにないので、楽しめましたけれど。中でも、選挙でブッシュと戦って負けてしまった、アル・ゴアのドキュメンタリー・映画『An Inconbenient Truth』は、2回も見てしまったのですが、彼の長年訴えている『地球温暖化に対する危機』に対するものは興味深かったです。皆さんも是非ご覧下さい。
その映画の中で、頭の中に刻まれたのが、
”What get us into trouble is not what we don't know. It's what we know for sure that just ai'nt see.
ー問題は無知ではない。知っているという思い込みだ。
という、マーク・トーウェンの言葉からの引用でした。
この言葉は、お教室での靴作りでもいえることで、何度も同じ間違いを繰り返す人は、勝手に解っているつもりになって進めた後で、私に見せに来た時には既に失敗しているって事の多い人で、なぜこの工程でこういう作業をしているのかと言う意味が解っていないことから生じている事が多々あります。
来年度からは、気合を入れなおし、もっと深く靴作りを教えていきたいと思いますので、皆さんも気合を入れていきましょうね。
今年度最後のお教室では、『来年は仕事を辞めて、靴作りで何とか生活できるようにしようと決めました。』とか、『来年はクラスの数を増やして、もっと靴作りを生活の一部にしていきます』『来年は最低3足は作ります!』と、来年の靴作りへの意欲的な告白をしてくれた方達が多く、驚くと共に感心し、このような意欲的な人達に囲まれて仕事が出来ている事を嬉しく思いました。
実際、注文靴を作り生活する事は、まだまだ大変なことですが、他力本願でなく、自力で道を切り開き歩み続ける決心をした人達は、夢を叶えています。本人の硬い決意と、実行力を持って今後の困難を楽しみながら乗り越えていって下さい。応援しています。
乗り越えなくてはならないものがある人間は、辛くても幸せです。日々学び、人生をかけて挑む事があるということの貴重な体験は、人間関係や技術の向上などの多大な見返りをもたらすばかりでなく、自分自身に少しづつ自信を持つ事が出来ます。今年、私はそれが骨身に染みました。今年は、ワークショップの独立や日々の靴作りとの葛藤、ビスポークに対する毎日の自問自答、今後の仕事に対する方針など、悩みに悩んだ年でしたが、『無理だ~』と叫びたい時に、その叫びたいエネルギーを手に託し、ひたすら手を動かし、作業を続けました。『脳』で考えるのでなく、『手』で考えた一年だった気がします。
私が尊敬する作家の大江健三郎氏のエッセイの中にアンブロワーズ・パレの言葉の引用を最近たまたま読んだのですが、今年の私の経験と重なって、『おお!!』と鳥肌が立ちました。以下に。
人間は「理性」と「言葉」を持っている点で他の生き物と違うが、さらに「手」を持っていることで、「理性」と「言葉」に頼って陥る観念主義を修正できる
皆様、どうぞよいお年を!!来年もどうぞよろしくお願いいたします。 正月飲みすぎるなよ~~。(笑)