”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室 -108ページ目

靴と革

 クリッキングの講座をすると伝えておきながら、家で資料を作っていたら革だけで5ページになってしまい、今週の講義もクリッキングまで辿り着くまでにならず。。。来月はクリッキングの講座を頑張ります!

 今回、革について種類や特性、各部位の最適な使用法、なめし方法、なめし材についての資料を作ってみましたが、そういう事を覚えるよりも、実際革を扱って靴を作る方が数十倍も革の勉強になります。ただ、知識として知っておかなくてはならない最低限の事はありますので、どうぞ、資料に載せた事は頭の片隅に納めて置いて下さいませ。


 資料を作りながら思った事は、革って素材は、靴を作る為に存在したのではないかと思われる位、靴の必要条件をすべて満たしている素材です。靴は歩行時に、半年で約72万回位屈曲しますが、それにも全然耐えちゃいますし、造形的に非常に複雑な立体の形状をそのままキープ出来ますし、1日に約コップ一杯分(ビール半パイント分)の汗をかく足に対して、蒸れ知らずの呼吸性(通気性)を持っているし、伸縮性に富んでいるので、木型に吸いつくように作れますし、使いこなすごとに増す質感も素晴らしいし、靴に使われる王道の牛や山羊や羊の革は、食肉生産過程で出た副産物でもあり、頂いた動物の命を無駄にしないという意味でも、素晴らしい素材だな~とつくづく思いました。私にとっては、普段当たり前に存在していますが、ちょっと立ち止まって考えてみると、とてつもなく有難い素材だということを再確認出来ました。偉いぞ革!有難う革!

 
 今週は生徒さんの出席率も高く、どのクラスもワイワイ楽しかったです。黙々とストイックに靴作りに励むのも勿論楽しい事なのですが、靴の事でも、3面記事の話題でも、もうど~でもいいような内容の雑談でも(笑)、靴作りの片手間にワイワイするのは(ワイワイの片手間に靴作りか?)、ほのぼの出来る時間です。これからも、革の感触を楽しみ、靴作りを楽しみ、どーでもよいような会話を楽しみながら、履くことに喜びを感じられる靴を作っていきましょうね。


 

 
 

 

夜空を見上げて

 新年初の教室も無事終了。体調崩してお休みの人も多かったですが、教室内は新年の目標を掲げ、生徒さん達の意気込みが感じられました。『今年はしっかりノートをとる!』『家でも出来るように環境整えます!』などの声も聞こえ、明るい雰囲気の中皆さん頑張っていました。

 意気込みが熱いうちに、知識とモチベーションを上げときますか。。。。ということで、14日、15日のクラスで『革の知識&クリッキング講座』をちこっと行います!

 靴に使われる革の説明、革選びの知識、クリッキング(裁断)のノウハウを講義致します。自分で革屋さんへ行って革を買ってくる生徒さん達も増えてきましたので、革選びの仕方は学んでおかないとね。それから、革屋さんに迷惑かけない為にも。。。ここ数年は、浅草の革屋さんも靴作りを学ぶ生徒達の為に1枚売りをして下さると事増えていて有難いことですが、どのような革を買うか決めていないで、お店で1,2時間迷うというのはかなりご迷惑をかけることになり、『やっぱり小売りはやめよう。。。』等と思われてしまっては困りますので。

 裁断の際に使用するクリッキングナイフも種類が色々ありまして、細かく説明できればと思います。

 クリッキングは靴作りにおいてかなり地味な仕事のように感じられると思いますが、かなり頭を使い、知識も必要になります。工場生産だと一枚の革からより多く、革を無駄にしないように。。ということ考えるのですが、ビスポークでは靴のデザインにおいてどの部位を使うのが適しているか、メイキングをスムーズに行う為に最適な部位、耐久性が優れている部位等を考慮して裁断していかねばなりません。最高の1足を作る為にクリッキングはかなり重要です。

 どのような物づくりについても言えることだと思いますが、同じものを日々作っていても、より良く作る為の努力は日々新たにしていくべきで、”先月考え付かなかったことを今月考え付く事が出来る”、という積み重ねでのみ進歩していけます。常に『もっと喜んで頂ける為にはどうすればよいだろうか』『もっと無駄のない作業の進め方をするにはどうするべきか』『今している工程のクオリティーを高めるには他に工夫は出来ないだろうか』と常に自問自答しながら一歩づつ階段を昇っていかねばなりません。諦めずに継続していけば経験は積めます。そして重要な事は『経験を生かす』ということです。苦い経験も辛い経験も、次に繋ぐために必要な事だったのだと知ることが出来た時、経験を生かした進歩が出来るのだと思います。

 迷いも悩みも、より良き明日を迎える為に真剣に向かい合い,解決していきたいですね。

 
 

 常々、『全うに生きたい!』と思っているのですが、”まっとう”とは信念を持って周りに惑わされずに、全力を尽くして自分が生まれて来た任務(と勝手に感じている)事を貫く事だと勝手に思っています。

 宇宙の大きさを考えると一人一人は塵以下に小さな存在なのだけれど、そんな塵より小さい存在の人に鳥肌立つ程感動させられたり、活力を与えられたりして私は日々生きているので、自分も純粋に一生懸命生きて、いつか誰かに元気を与えられたり出来る日が来たら良いな~と思います。尊敬する人々から沢山の事を吸収し、常に問題意識、精神的向上心を持って成長したいです。疑う余地のない程楽しい時間を人生のうちでどれだけ体験できるかも死ぬまでの日々の課題です。

 長生きしても人生たかだか100年。したいことをせずに死ねないな~と。今夜も夜空を観ながら思いました。

明けましておめでとうございます。

 今年の教室は1月6日(金)、7日(土)から開始です。生徒の皆さまどうぞ宜しくお願い致します。


さ、2012年も始まって3日目。新年開けて、家族と元旦をお祝いし、2日は毎年恒例の深大寺への初詣。昼間は息子と甥っ子&姪っ子とわーわー遊び、夜は山積みになっている本を読み漁って、お正月休み終了。

ちょっと新年そうそう友人から、昨年最後のブログの不出来具合が酷い!と指摘され、『飲んで書くな!』とご助言を受けましたので(とほほ。。)、今年はアルコールフリーでブログに挑戦!。。。、とりあえず、ここまで書くのに既に15分経過。。。。(やっぱりムリじゃない? 苦笑)


本日は寒ーい工房で仕事はじめ。新年の初仕事だからといって、先週となんら変わらぬ仕事にホッとします。糸を作る時に使うワックスが、あまりの寒さでカチカチになっていたのに驚きましたが、寒い方が気が引き締まって好きです。清々しい気分でした。

今年私はどんな靴を作れるのだろうか?生徒達はどんな靴を作るのだろうか?等と思いながら、色々と作りたい靴のデザインを考えてみたり、授業でやりたい項目などを時折メモしてみたり。。。先週となんら変わらぬ仕事でも、新年は気持ちがリフレッシュされていいですね。昨年とは違った自分になれるような錯覚を感じたりして。

さ、今年も楽しいことを沢山して、辛い事も時と場合によってはして(笑)、沢山笑って、沢山感動しようっと!


年初めに昨年感動したブータン国王の演説を今一度!(昨年生徒に教えて貰いました。N君ありがとね)

http://www.youtube.com/watch?v=-h5CzvtJky8&feature=related 

ブータン王国に農業技術を伝えた日本人、西岡京治。

http://www.ifsa.jp/index.php?kiji-sekai-nishioka.htm 

気品あふれるブータン国王。品格と知性の底には溢れる程の優しさを感じます。ブータン国王の演説を常に心に入れて、日本人として誇りをもって生きたいですね。

今年もお世話になりました。

 年内の仕事もスケジュールをこなし、工房の大掃除も、自宅の大掃除も完璧とは言えないまでもそこそこ終わり,教室や仕事関係&友人達との忘年会も終わり、新年を迎える気持ちの準備が整い、やっと気分が緩み今年の出来事を振り返ってみようかなと。

 今年は3.11の衝撃が凄過ぎて、その後の3か月位はまともに自分の頭で思考できる状態ではなく、ネットと本で情報を集め、絶望的な気持ちでかなり落ち込んだりした日々もあったし、自分の無力さに泣きたくなったり、かなり暗い日々もありました。

 東京で物質的に何も変わらぬ生活を続けている私などには100分の1も分からないのだろうと思いますが、未だに未解決な責任問題、原発問題を抱えたまま、がれきの処理や除染や子供たちの疎開や医療現場の充実などゆきとどかないまま、自己負担でなんとかしろ!と言っているような政府や東電の姿勢は酷いものです。東北の被災者の方々の悔しさを考えると、今の日本も戦時中の日本も何にも変わっていないのだなと思います。国民一人一人の命の重さも考えなければ、町一つ、県一つだって平気で見捨てるんですよね。政治家は選挙の時だけだものね、腰が低いのは。国民の為に!とかぬけぬけと言ちゃうのは。選挙の時だけ私達の一票を大切にする。命や生活の心配はしてくれないのに。でも、脱原発を願う人々の声が益々多くなるのを感じるにつけ、希望も感じます。個人で頑張るしかない。自治体で頑張るしかない。これからサバイバルしていく為に必要なのは、コミュニケーション能力のような気がします。仲間を作って頑張っていく。ご近所さんと助け合う。国も政府も助けてなどくれないから。

 政権交代した時、国民は自民党の増税に反対し、コロコロ変わる腑抜けな首相の政治にうんざりして、増税を反対していた民主党に期待をかけた。その民主党が思いっきり弱者いじめの『消費税増税』なんて大声で言い出したりして、もうホトホト政治には何の希望も持てません。消費税は一見平等なシステムのように思われていますが、弱者いじめの税金です。年収300万円の人はそのほとんどが消費に使われるので所得税に5%課税されるのと同じです。年収1億円の人は多分その5分の1とか、4分の1とかしか消費に使わないで、残りは貯蓄や金融資産に回せる。そうすると所得に対しての消費税率は1%とかで済むわけで、全然痛くない訳ですよ。でも年収300万円の人にとって、15万円って大きい。それに、日本は赤字国家でこれから国の借金をどうしていくのだ?とか言い出してビビらせますが、日本には個人の金融資産が400兆円もある。そして少なく見積もってその半分は一部の少数富豪が持っていると言われている。(東北復興の義援金に100億円をぽんと出した方もいらっしゃいましたが)そして、企業の貯蓄『内部保留金』が300兆円あるそうですので、日本には動いていないお金が1000兆円もあるのです。別に弱者いじめをしなくても、有り余っている人からもっと頂けるような税金徴収方法で良いでしょうに。このごに及んで、無駄なダムや、無駄な施設の建設は止めれず、税金の無駄遣いしか出来ないのだから、もうこれ以上国民からの搾取はやめて貰いたいのです。

 消費税増税において国民からはブーイングされての苦肉の策なのか『じゃ、年金破綻しますよ。貰えませんよ』って言いだしましたが、もうわけわかんないですね。毎月払っている年金支払いの意味も、財務省の経済観念のなさも。国が破綻してもいいから、国民の生活を破綻させないで欲しいです。最初は、東北復興の為のお金が必要で、復興税のとか言ってましたが、年金以前に復興の方が急務ですよね。。。。今回の消費税増税は明らかにどさくさまぎれの『ショック ドクトリン』だよな~。世界中の汚い政治家が行ってきた心理作戦。パニック時のどさくさにまぎれて酷い政策を通してしまう汚い手口。もう、税金はいいでしょうに。

 お金がないはずの日本が、次期戦闘機は未完成で不備であるにもかかわらずロッキード・マーチン社のF-35をアメリカから買うそうですし、既に90機以上保有している米国製の対潜哨戒機P3Cの後継機として防衛省は、足掛け10年の歳月をかけて国産開発に乗り出してきたのを断念してまでの米国産をお買い上げ予定。いいね、戦争しないはずの国がバッタもん戦闘機を高額で買わされてさ。国民はハイハイ税金出してさ。景気のいい話じゃないですか!ははは!(ヤケです。ワインもそろそろ効いてきました 笑)


2002年 連結納税制度により大企業に減税
2003年 相続税の大減税により資産家に大減税
2003年 新証券税制により投資家に大減税

2003年 配偶者特別排除の削減により、低所得者に大増税
2007年 定率減税の廃止により中間層以下にとっての大増税  

その他書き出したらきりがないけれど、格差社会がどんどん拡大すると、今現在中間層である人達はどんどん底辺へ落ちていくだけで、明日は我が身の日本経済。

で、こんな国に住む人として、私達がこの金融資本主義、市場原理主義から離れて、物を作り、物を消費し、後片付けする、最もシンプルで純粋なやり方は、物々交換しかない!と思うのですが、それもね。。。いくら酔っ払いのブログでもあれよね(笑)。だから、せめて考えうる限りのシンプルさで、地味に物を作り、売り、修理したいなと。益々、小さく小さく、小さなコミュニティーで。。。という願望が増しました。もともと小さな靴屋と小さな靴教室。これ以上小さくはならないと思いますが(笑)、なんか金、金、言ってるカッコ悪い奴にはなりたくないものね。

だから、来年の抱負は『小さく深く』だな。知り合う一人一人ともっと深く関わっていきたいです。そして、天中殺も2月に終わるので、その後は『素直』にのびのびと、したいことを我慢せずに突っ走っていこうかと思います。例年のごとく、長いブログに加え愚痴ばかり書きましたが、そんな今年にも素敵な日も多くありましたし、辛いことが多かったせいか、些細な事でも楽しい!と思える年でした。特に人とのコミュニケーションで救われることばかりでした。楽しかったことを思い出すと、生徒達と大笑いしたことや、友人達と新工房を作りあげたり、一緒に楽器を使ってコミュニケーションしたり、毎晩の息子とのお笑いトークなどしか思い出せず、工房と自宅と友人宅&ライブハウスにいれば、いつでも幸せを感じられました。お客様にもとても鍛えられたり、笑顔を頂いたり、お気づかいして頂き幸せ者でした。結局、世界情勢がどうであれ、国がどうであれ、青い鳥はそばにいるのですね。

今年もグダグダなブログで締めることになりましたが、読者の皆さま、お客様、生徒の皆さま、今年も本当に有難うございました。皆様に支えて頂き、今年も大好きな靴作りを続けることが出来ました。来年もどうぞ宜しくお願い致します。

 生徒の皆さんとは、付き合いの長い人達とは益々楽しいですし、今年は気さくで馴染みの早い新人さんが多かったので、益々賑やかな教室になり私も毎回の教室がとても楽しみです。土曜日の朝のクラスから忘年会の時に『金曜の夜に力を使いすぎず、土曜日の朝にもう少しテンション上げて下さい』とリクエストも入りましたので、来年は土曜日朝クラスを強化していきます!(笑)

 来年も気合いを入れて、深く探求し、日々勉強していきたいと思います。今後とも皆さまどうぞ宜しくお願い致します。

 では、どうぞ楽しい新年をお迎え下さいませ。皆さまにとって素敵な1年になりますように!!
 
 P.S
 つい最近も朝方まで楽器とお酒と共に一緒に戯れた友人の皆さま方、今年もどうもありがとう!今年も最後の最後にクリエイティビティーの真髄に触れるステージを見させて頂きましたし、無になって作り、無になって楽しむ!ということを一緒に体感出来た気がします。昨夜の千歳船橋での夜中の『演奏したい曲大会』も永遠やってられる感じでしたね。何かを作る人々と中学生のように遊ぶのは本当に楽しいです。来年も益々宜しくね。ちょっと来年は本当に本気出して頑張るから、色々楽しいことチャレンジしていきましょうね!
 

黒木さん講義と忘年会

23日のデザイン講座、靴の解体ショー共に多くの生徒さんが集まりましたが、かなり内容の濃い講義が聞けましたね。私は前日というか23日の朝4時位まで友人達との忘年会で2時間半の睡眠の後でしたので、睡魔が襲うのではないかと不安に駆られてたのですが、睡魔も跳ね飛ばす程興味深い内容で、今後の仕事のヒントも沢山頂き、とても充実した時間でした。生徒さん達も黒木さんの話に目を輝かせて、ノート取りに真剣でした。

 デザイン講座では、デザインとはただ線を引くものでは決してなく、素材全てを考えた上で、最も美しく素材の良さを引き出し、全体のまとまりを考えてこそ『美しい』と思わせる靴にデザインする事が出来るということ等、ロブのサンプル靴を多種お持ち頂き、それらを元にどこまで考え抜いてデザインされたかを中心に講義して頂きました。

特に、2009年のイヤーモデルは私もホトホト驚いたのですが、色は黒三色。ここでもう目から鱗です。色とは神秘的なもので、赤と言っても何百、何千とありますが、黒にもあるわけで、一つのデザインで違った黒の靴を3色(違う黒の3足の靴)展開で作り出すという、靴業界では初の試みだったと思うのですが、その考え方のクリエイティビティにまず驚きました。

 メンズ靴の『黒』は定番中の定番で、一色だと思いがちですが、実はマットな黒や、ピカピカと艶の出る黒、細かいしわの入る黒、などが今まで素材として存在してきた黒は限りなくありますが、自社で定番の黒の革の上にカラフルな色のクリームを塗って色に深さを出し、その中で3色選びだし、赤系黒、黄色系黒、青系黒を作り出し、一つのデザインで黒三色を販売。それぞれの黒の違いも分かるように、細々な工夫もされており、斬新なアイデアとはこういうことを言うんだよな~と。変な線を描いたり、奇抜な色や素材を使うデザインを『斬新』と言ったりしますが、そういうのはただ今までとちょっと違うってだけで、なにも新しい訳ではない。感動も起こさないのですよ。誰でもちょっと考えれば出来るものですから。でも、黒を3色って。。。。普通ありえないですよね。しかもデザインが螺旋のパターン。普通の人には何の変哲もないオックスフォードに見えるけれど、分かる人がみれば頭をひねる程、どうなっているのか分からない。私は見せられた時、『うわーめんどくさそー!!!コストパフォーマンス悪すぎる!!』(笑)って、万が一私の頭に浮かんだデザインでも、作るところまで漕ぎ付かなかったと思います。でもね、そういうことをやっていくことは、作り手としての楽しさを最大限に喜べることなんですよね。『面倒くさい』なんて言葉が出ること自体、私は甘っちょろいなとつくづく反省しました。あのデザイン見て。


靴の解体ショーは2~3人の8グループに分かれて、それぞれがジョンロブの靴を解体し、中身を観てみたのですが、教室で作っているハンドソーン ウェルテットとの違いも分かり、かなり面白かったです。生徒達もワイワイとても楽しそうで、普段おとなしい生徒さんが、解体で力を発揮し、みんなのスターになったり、笑いも混じりつつ楽しい授業でした。実際、既製靴を解体して、普段自分たちが作っている靴がどれほど手が込んでいるか、どれほど難しい作り方をしているのかも分かったようですし、ジョンロブの既製靴の中身も計算しつくされていることも、よくわかりましたね。かなり、貴重な体験でした。生徒さんの一人が履きつぶした国産の某ブランドのハンドソーン ウェルテットの靴を持ってきて、解体ショー用に寄付してくれましたが、中身を分解するとイギリス式との違いが良く分かり、イギリス式靴を作っていることに誇りさえ感じてしまいました。中身をみないと分からなかったことは多いいです。

黒木さん、長丁場の貴重な講義を本当に有難うございました。毎年生徒一同に刺激と知識を与えて下さり、どうも有難うございます!来年もどうぞ宜しくお願い致します!!

さて、その後の忘年会。。。。今年は40人以上が集まり、工房を広い所に引っ越したにも関わらず、例年のようにギューギュー詰めのなか、賑やかに行われました。メインイベントでは、黒木さんがジョンロブの2009年イヤーモデルの靴を足の合う人に贈呈をして下さり、全員足を入れてシンデレラを探す企画を行い、偶然にも解体ショーに一足寄付してくれた生徒さんに贈呈となり、”藁しべ長者”のような展開にびっくりしました。ホント、毎年面白いですね。靴作りを通して集まってきた、濃いキャラクターの人々が辛かったこと、難しかったこと、今後の課題などを笑顔で語り合える場を持てるのは。自己紹介で『趣味はギターです』と言った教室歴3週間の生徒さんがいたので、その後奥へ引きづり込み、無理やりギターを持たせ前座をさせたり(笑)、相変わらずの無茶ぶりもありました。12時過ぎて、私はいい加減眠くて『終電!終電!』と10人以上残っていた生徒さん達を追い出しましたが、来年は朝まで付き合えるようにスケジュール管理しますので、今年は許してね。手品を披露してくれた生徒さんも、毎年ギターを一緒に弾いてくれる生徒さんも、どうも有難うでした!
いつも思うことですが、素敵な人達に囲まれて、皆と靴作りの楽しさや辛さを共感し合え、本当に私は幸せ者です。生徒の皆さん、どうも有難う。これからもどうぞ宜しくお願いします。

ちょっと最近の忘年会続きで、胃腸がかなりやられていますが、明日から今年最後の力を振り絞って、今年最後の靴を仕上げようと思います!なんだか、今夜は靴を作りたくってしょうがない。2日も靴を作らないとダメね。靴が恋しくて。

忘年会

またまたやちゃった!時間間違ってましたね。ご連絡頂いた生徒さんどうもありがとう!

 デザイン講座 12:00~15:00

 靴の解体ショー16:00~19:00

 忘年会    19:00~

これです。いつもいつも、おっちょこちょいでスミマセン。。。。

 忘年会の会費について連絡も多くありましたが、会費はなしです。ですが、差し入れは大歓迎です!!
こちらで軽い食べ物は用意しますが、飲み物とスナック菓子、果物などあるといいな~。いいな~。いいな!(しつこい。。)

 忘年会では、黒木さんからのプレゼント企画『シンデレラを探せ!』を行います。黒木さん所持のジョンロブの靴を1足くださるようです。この靴に足を入れてぴったりあった人にプレゼント!!皆さん、靴下をあまり分厚い物とかやめておいたほうが良さそうですよ。

 あとは皆さん、出し物、余興、一発芸の準備は整っていますか?まだの人は今夜、練習しといて下さいね!では明日!!

黒木聡講師による講座 &JOHN LOBB 話

 いよいよ明後日23日にイギリスのノーザンプトンから黒木聡氏をお招きし、デザイン講座&靴の解体ショーを行います。かなり参加人数が多く両講座それぞれ30名近くおりますので、遅刻の無いようにお願い致します。

 デザイン講座 12:00~15:00

        靴のデザインは、単に型紙づくりやライン取りだけではありません。ジョン ロブ(        既成靴)で行っている『英国メンズ クラシック靴のデザインの実際』を、サンプル        靴、写真、モックアップ,革などを通して解説して頂きます。


 靴の解体ショー 14:00~18:00
       
        ジョン ロブ(既成靴)靴にメスを入れ、中身がどうなっているのか探ってみようと        いう試みです。解体した後に使っている部材、そして作り方の意味をハンドメイドの        靴作りとの比較を交えて説明頂きます。


 ジョン ロブはちょっとややこしい会社で、日本に店舗のある『JOHN LOBB』は既成靴です。経営はフランスのエルメス社ですが、工場はイギリスのノーザンプトンにあります。レディーメイドとは『既成』という意味です。(時々、え?レディース?と言う人がいますが。。。)パリのエルメス店の上にある、注文靴屋の『JOHN LOBB』もエルメス社の経営です。

 本家の『JOHN LOBB』は約170年程前からLOBBファミリーによって今も変わらずに、イギリス ロンドンのSt James's street にて(昔は場所は違いましたが)、経営、製造されています。製造方法も、100年以上変わらず、機械化もされていず、使う機械は当教室と同じく、アッパー用のミシンのみです。

 同じ名前を名乗っているのは、一時本家の経営が傾いた時に、エルメス社は靴製造販売に手を出したは良いがうまくは行かず、エルメス社長とロブ社長が友人であったこともあり、ジョンロブ社の名前の一部の権利をエルメスが買う事により、両者の問題を解決したとの事です。ですから、ロンドンのロブとパリのロブは全くの別経営であり、別の靴なのです。よく、フィッティングのロブ ロンドン、デザインのロブ パリと言われておりますが、両方の職人達もそのように思っています。私がロブ ロンドンで働いていた時にロブの150周年記念パーティーが身内で行われて、その時はロブ パリの職人達も集まりましたが、皆ドレスアップしても、職人はロンドンもパリも同じだな~と感じました。(良い意味で 笑)ハンドソーン ウェルテット製法はロンドンの職人がパリに教えに行ったそうですが、やはり細部はちょっと違うようです。

 レディーメイドを立ち上げるにあたって、エルメス社の素晴らしかった事は、フランスの工場でなく伝統あるイギリスのノーザンプトンの工場を買い取った事です。こちらの工場は世界一を誇る工場で(元 エドワード グリーン工場)、しかも機械化を最小限にとどめ、今でも随所に手作業の職人技がちりばめられています。手より機械の方が美しく出来る部分は機械で、手の方が機械より美しく出来る部分は手で。。。と、細部にわたり緻密に計算され、手作りでは難しいとされる、精度の均一化に成功し、美しい既成靴を作り上げています。

 本家のビスポーク店は一人一人のお客様の要望を聞いて、その人のみに合う靴を作り上げる完全注文靴です。ですから、どちらがどうと比較対象にはならないのですが、ロブの名を通して、ビスポークもレディーメイドもそれぞれに最高の靴を作り上げて行こう!という思いは同じです。どちらの現場も自分たちの領域での最高を目指しています。

 そんな訳で経営は全く違うのですが、付き合いが無い訳でもなく、私がロブの社員だった時は、エルメスで売っている物で欲しい物があれば、ロブの社長に言うと割引してもらえる手はずを取って貰えたし(笑)、レディーメイドのデザインでビスポークしたいというお客様がいらした時は、黒木さんに電話して、『あのパターンどうなってるの?』なんてやり取りしたりしていました。

 そんな歴史も踏まえて、ロブ靴を解体、研究してみましょう!ちょっとしたロブ話でした。

 

今年最後の授業

 は~。今年最後の授業も無事終了。今週のクラスで靴が仕上がった人2名、奥様への仮縫い靴がしあった人1名、自分の仮靴仕上がった人1名!!ラストスパート良く頑張りました。

 靴が仕上がった人達は本当に嬉しそうで、『うわーうわー』と散々騒いだ後(笑)、『今日からこの靴眺めながらお酒を飲みます!酒が旨くなること間違いない!』と言っていましたが、彼らの晩酌のにやけ顔が想像出来ます。私としては履いて馴染ませて、生活を共にして頂きたいのですが。。。晩酌に付き合わせるのも、生活を共にしている事なのかもしれませんね。

 今年の生徒達は頑張りの凄い人達が多く、圧倒されることも多かったです。数年前は『靴職人になりたいんです!』と鼻息荒く入ってくる人達も多かったのですが、いざ作り出すと『自分にはこの仕事合わないかも。。。』とか『簡単に考えすぎてたかも。。』とか挫折してしまう人もいたのですが、(勿論、本当に夢を叶えて工房を立ち上げたOB達もいますが)あまりに自分の中での妄想が広がってしまった人より、気楽に『靴作り出来たらいいな!』『なんだか靴作りって楽しそうだな!』と入って来た人達の方が、毎週楽しそうに試練を乗り越えつつ、顔つきも年々しっかり男前になってきている気がします。

 スタッフの木佐木さんとも時々話すのですが、教室に入ってからどんどんオシャレになってきている人、顔つきが変わってしっかりして来る人、笑顔がどんどん素敵になって来る人が多いいですよね~と。本当に週に1回でも好きな事に打ち込む、好きな事がある。ってことは、生活に彩りを添え、人生を豊かにしますね。そういう彩り豊かな生活をしていると、自分自身が磨かれるように思います。やっぱり、どんな人でも打ち込んでいる姿は素敵ですものね。

 最初はなんだか訳のわからない雰囲気に入ってくるのは緊張すると思います。そもそも大人になって新しい環境、職種の違う人達に混じるのは機会が少ないですものね。でも、教室内では年齢差も男女差も職種の違いなんかも全部取っ払っちゃって、皆で『靴作り』を楽しむって目的で繋がっている人達なので、心を開けば直ぐ仲良くなれちゃいます。今年の忘年会は40人程集まるので、また凄いことになることと思いますが、どんどん自分から話しかけて、ソウルメイトの一人にでも出会えたらと思います。忘年会は19時からです!!!宜しく!

 黒木さんの講座はデザイン講座12時から。 解体講座 16時からですので、遅刻のないように!!



金曜日の夜の授業まですっかり忘れていましたが(午前、午後のクラスの生徒さん達スミマセン!)、今年の出来事を漢字一文字で生徒さん達に聞いてみましたら、結構真面目に考えてくれていた人達も多く、冗談の『ノリ』で聞いていたのにちょっと感動しました。

 習得の『習』、学びの『学』、靴作りという新しいチャレンジを初めて『新』や、靴作りに改めることが多く『改』、2足目にながーく時間がかかっているので『長』(笑)、常に前向きに靴を作っていきたいので前進の『進』とか。。。前向きの意見が多かったです。私は辛いことが多かったので『辛』と一番暗い漢字でした(とほほ。。。)


 最終授業の後、久しぶりに南新宿にある『シューベル』の鈴木先生の所へ伺い、新しい足底板を作製するプログラムと私用の足底板を作って頂きました。3Dで写せるカメラを使って、足の底面をスキャンし、大きな機械で5分位で足底型が作れてしまう凄いシステム。私の両足の足長差が5mm近くあり、普段は全然感じたことはないのですが、やはり腰痛や激しい肩こりの原因の一つにもなっているとのことで、調べて頂きました。ま、肩こりや腰痛は職業柄しょうがないと思っていますが。。。
 先生とは病気や疾患をお持ちの方の事を多く教えて頂いておりますが、今の医療現場での『足』と他の部位での繋がりが認識されていない現場が多く、原因を追及しないで安易に手術をされて、腰痛を悪化させた方の事例や、外反母趾の手術の危険性等のお話を聞くことも出来て、靴が果たせる役割は多いいことを再確認出来たのですが、なかなかハードルの高い仕事で、大変さに比べお金にならない仕事なので、奉仕をさせて頂くというスタンスも念頭に入れねば。。。と思いました。

 その後10時から毎年友人達と行っているライブ&忘年会の練習でスタジオ入り。今年はスタッフの木佐木さんもドラムで参加する事になり、大変な事になってきているのですが、ベースとギターにプロが入ってくれますので、心強いのですが、毎年大騒ぎです。22日(木)に忘年会ライブを大塚のJAZZ BARで行います!うう!!でも凄く楽しみ!大好きな仲間と一緒に楽しい一夜を作りあげるのは至福の時間です。頑張らるぞ♪

 スタジオ練習の後は、下北沢のQUEで SOULCRAPのライブを観る。オリジナルの曲のアレンジがとてもかっこよくて涙出そうになりました。ずーと追っかけているバンドですが、益々重厚に素晴らしいステージを見せてくれます。対バンに私が多昔所属していたバンドも出ていたのですが、18年ぶりに元メンバーとの再会等もあり、うわーと盛り上がりました。音楽はねやっぱり辞められないです。プロは目指さなかったけれど、辞めてた事に後悔もないけれど、また少しづつ始めて白髪頭の婆さんになっても楽器をカキならしていれたらと思います。楽しむのに年齢関係ないですし、始めたい時が始める時だと思いますもの。人生楽しんだ者の勝ち!!  と、言うことで久々の朝帰り。。。

今年の教室は残り1回!

 BWSで珍しく2週続けて講義を行い、生徒達に『もっとこういう講義もして下さい。』と言われましたが、生徒全員が各々のペースで、各々のデザインや製法で靴作りを進めている教室ですので、なかなか全員に講義を出来る内容もないのですが、2か月に1度位は以前行っていた『豆知識』授業もまた始めたいと思います。『スキンステッチの色々』『デザイン考察』『色々な芯材の役割』『革の知識』などなど。。。

 さて、BWSの今年の通常授業は残すところあと1回!!最後の授業の日には皆さんに、今年の靴作りを漢字一文字で言うと何ですか?を聞きますので、どうぞ宜しく!(笑)

 

足の採寸レッスン

 工房の電灯器具が壊れたり、バフ機ルームは雨漏りするし、パソコンは壊れるはで、師走の忙しさに加えてストレス溜まっておりますが、昨日はHP用の写真撮影で友人達とワイワイ出来て、だいぶストレス取れて昨夜は良く眠れました。ギターリストの友人から、ギターのストラップを作って!と言われ、デザインを一緒に考えていたらなかなか面白く、テンションも上がってきました。靴以外の革製品の制作は気分転換に良いですね。革の良さを再確認できたりして。。。今月は忘年会の予定が色々とありますが、思いっきり弾けてストレス無くしてお正月を迎えたいと思います。
 
 さて、先週の足の採寸レッスン。楽しかったですね。最初は皆さん、人の足を恐る恐る触っておりましたが、最後の方になると慣れてきてかなり大胆に触れてましたし、足の違いが分かるようになっていました。本当に、他人の足を触る機会って無いですし、踵の小さい、大きい、ふまずの高い低いは多くの足を見ないと違いが分からないし、比較する足が無いと捉え方も分からないので、多くの足を見る、触るという事は靴作りにおいて大切です。採寸した紙(ドラフト)を全部壁に貼ってみましたが、本当にそれぞれの違った足で、皆さん興味深く眺めていました。

 足は26個の骨と2個の種子骨で形成されています。くるぶしの下に7個の『足根骨』があり足の土台の役割をしています。足根骨からつま先の方に向かって縦長の5個の『中足骨』が並び、歩行時の衝撃を吸収する役割をしています。中足骨の前方には『趾骨』14個がありそれぞれの間にある関節と共に指の運動に欠かせない役割をしています。

 それらの骨の1つ1つは人それぞれ違う大きさや形をしていて、一人一人がオリジナルの足を形成しています。全く同じ足のサイズと形の人などいません。何とも愛おしいはありませんか!!

 人間が生まれてから死ぬまで歩く距離は約地球3周分くらいだと聞いた事があります。私達をどこへでも連れて行ってくれる足。親から子が離れる第一ステージは2足歩行です。2本の足で立った時から、人間は『自立』が始まります。その自立を支えるのが靴です。ですから、私は『靴は自立の象徴』だと思うのです。人間が自由に行動し、意思を持って自力で生きて行く為のツールである靴。自分に合った人生を送る為に、自分に合った靴を作る事は、人生に対する考え方を反映しているようにも思えます。  言い過ぎかな。。。(笑)

 今週も引き続き、採寸レッスンの続きとして、平面のドラフトから立体の木型を作る為のドラフトの見方、使用方法等の講義をします。生徒の皆様、なるべく遅刻の無いように!!!