今日もまた日がな一日テレビを観てしまいました -18ページ目

本当はもっと怖い「福岡大ワンゲル部羆害事件」

 昨日は7時過ぎに原稿仕事が終わりまして、それからずっとテレビ三昧でした。中でも先週の次回予告を観て、絶対に観ようと思っていたのが『奇跡体験! アンビリバボー』であります。

 今回は海と山の恐怖生物とその対策マニュアル…みたいな内容でして、まず海編では強い毒性を持つアンボイナという貝やヒョウモンダコ、そして人間の肉体をも貫くダツという魚の話を紹介。そして後半は、1970年に北海道で実際に起こった、羆害事件を紹介していました。

 ちなみに番組内では諸事情で割愛されてましたが、この事件は1970年に北海道の日高山脈で起きた「福岡大学ワンダーホーゲル部羆害事件」と呼ばれるものです。前に同じ番組で「三毛別羆事件」を扱った時にこのブログでも書きましたけど、その時にも少し触れた国内最悪の羆害事件のひとつですね。

 で、観ていない方に簡単に説明しますと、福岡大ワンゲル部5人が日高山脈縦走に挑戦中、ヒグマに襲われ3名の命が失われた…というもの。番組では彼らを執拗に狙う羆の習性や、そのきっかけがヒグマの手を付けた自分たちの荷物を持ち帰ろうとしたことなど、この事件の教訓をちゃんと後世に伝える内容になっていました。

 ただ大学名を伏せたのと同様に、この事件での被害者たちの惨状も伏せられていまして、亡くなった興梠さんに至っては、まるで眠るように亡くなっている演出が成されてました。これはまだ生存者や遺族が存命されているので、番組的に配慮したということなのでしょう。

 でも実際のこの事件は、かなり凄惨なものだったんですよね。番組中に「襲ったヒグマは人を食べていなかった」というナレーションがありましたが、それはそれで事実なんですけど、だからと言って眠るように亡くなっていたわけではないんです。

 ある被害者は、顔半分を無くした状態で見つかり、ある被害者は、腹部を噛み切られ腸を引きずり出された状態で見つかり、臀部や肛門を噛み切られた状態の遺体もあったそうです。そして全員が、着衣を剥ぎ取られ全裸にベルトだけの状態だったと言います。

 この事実を知ると、番組内で語られた「ヒグマは人を食べていなかった」という言葉の意味がまったく変わります。つまりヒグマは、人を食料として食べるためではなく、ただ単にいたぶり、惨殺したのです。

 だからこの事件は、ある意味で三毛別羆事件よりも怖いのです。あの事件は、あくまで冬眠できず気性が荒くなったヒグマが、生きるために人を補食し、その味を覚えて人を襲い続けたという事件でした。要するに人の味を知ったヒグマは、執拗に人を狙い、捕食し続けるという恐怖ですね。

 でもこの事件は、捕食目的でなくともヒグマは人間を襲い、執拗に狙い続け、食べなくとも人間をいたぶり、惨殺するという事実を我々に教えたわけです。

 それもきっかけは、ヒグマに一度奪われた荷物を取り返したことにより、ヒグマの異常な執着心を煽ってしまったからなんですけどね。彼らと同様にヒグマに襲われた北海道学園大学の学生は、すぐさま山を降りて事なきを得ましたし、彼らの近くにキャンプを張っていた鳥取大学の学生たちは、すべての荷物を置いて行ったため、やはりヒグマに狙われることもなく無事に下山できました。例えヒグマが見えなくなろうと、山は彼らのテリトリーなので、彼らも荷物を置いてすぐに下山していれば、きっとこれほどの被害が出ずに済んだのでしょう。

 昨今の登山ブームや、富士山の世界遺産登録などで、この夏も山に登る方は沢山いるかと思いますが、そんな方たちにこそ観ていただきたい番組だなと思った私でした。まぁ、私は体力も度胸もなく、高尾山すら登れないヘタレなんでアレですけれども…。おしまい。

『北海道ぐるっと1300キロ』はスケベ男&ゲイのための番組

 昨日は土曜スペシャル『所持金3万円! 北海道ぐるっと1300キロ』を観ました。

 内容はタイトルのとおり、所持金3万円で北海道を周遊(札幌~函館4泊5日)するというもの。出演者も照英、花田虎上(勝氏)、三十路グラドルの尾崎ナナと、おっぱい要員の尾崎以外は、土曜スペシャルの「Wエース」と呼べるほど出まくってる2人でございます。

 で、このタイトルだと「芸能人が北海道を貧乏旅行する」ものだと誰もが思うわけですが、そこは全然違いました。無計画に金を遣い、困っては芸能人パワー全開で道民の情けにすがり、何とかなったらまた無駄遣いの繰り返し。特に花田虎上、お前だ。

 たぶんスタッフ的には「照英=太川陽介、花田虎上=蛭子能収、尾崎ナナ=マドンナ&おっぱい要員」という図式だったんでしょうが、照英はリーダーシップなどゼロな天然だし、花田虎上は蛭子さんほどキャラも立ってない上に腹減るとすぐイライラするし、尾崎ナナはまぁ、己の役割を十分わかってたからいいんだけど、企画自体は完全に失敗だよね、みたいな。照英はひとりで行動させたほうが面白いのにね。もったいないもったいない。

 ……と、これだけだと本当に誰にも需要のない番組になっちゃうんですけれども、ありました、ちゃんと一部の方々が望む演出がね。

 まず、尾崎ナナの入浴シーンがとにかく多い(笑)。ちゃんと温泉入って役目を終えたと思ったのに、またすぐさま「まだ温泉に入り足りない」と2人に懇願。その「私にはこれしかないから!」と言わんばかりの彼女の姿は、三十路過ぎてもグラドル道を生きる者の本気を見た気がしました。てかまぁ、スタッフにそう言わされてるんだろうけれども(笑)。

 でもね、この番組の需要は世のスケベ男だけではありませんよ。

 筋肉隆々でその道の男性からも支持率が高い照英と、やはりその道のぽちゃ専の方から支持される花田虎上の入浴シーンもちゃんとあるのですよ! つまりノーマルな男子からアブノーマルな男子までの願いを、ちゃんと叶えてあげるっていう、優しいな、テレ東は。

 だからこの番組は、テレビ番組にさわやかなエロスを求める男子&ゲイの方には、きっと素晴らしい番組だったんじゃないかな~と、私は思ったのでありました。ちなみに私はそういうのは土曜スペシャルに求めてないので、続編やっても観ないと思います(笑)。おしまい。

『鬼女』は木嶋佳苗劇場を揶揄したドラマ

 昨日は金曜エンタテイメント『鬼女』を観ました。いや~、なかなか面白かったです、このドラマ。

 ただネットの評判を観てみると、評価はかなり賛否両論。特に視聴後すぐに観た某掲示板の実況版では、否のほうが圧倒的に多かったです。「なんだよこの終わり方!」と、怒ってる人もかなりいました。

 ではなんで、「実況版」にはそういう意見の人が多かったのか? ……というと、その理由はすでに掲示板の書き込みの中にありました。

「え? 木嶋佳苗って無罪だったの?」

 そう、このドラマの元ネタは木嶋佳苗事件。そして、藤山直美のキャラがあまりにもまんま木嶋佳苗だったもんで、元ネタではなく「木嶋佳苗のドキュメンタリー」だと思って観てた方がかなりの数、いたのであります。

 もちろん、そう思って観てた人も大半は、途中で「あ、違うんだ…」と気付いたようですが、実際の事件では死刑判決が出た容疑者を、ドラマとはいえそれを元ネタにしておいて無罪にしたもんだから、漠然と拒否反応が出ちゃった……という感じでしたね、実際に書き込みの内容を見てみると。あ、フジテレビのドラマっていうのも、そこに拍車をかけたのかもしれない(笑)。

 でもですよ、このドラマって、あの当時のマスコミや世間の感じを見事に盛り込んだ内容になってるんですよね。

 例えば前半。真由美(藤山直美)は下品な物言いで誰彼かまわず悪態をつきます。エリート女性検事の岡部貴子(田中美佐子)を「夫婦生活は上手いこといってます?」「旦那に愛されない女房ほど不幸なものはありませんよ?」と上から目線で攻撃し、被害者の娘・浅野緑(小池栄子)からは「このブス!」と罵られ、まさに当時の「なんであんなデブでブスなオバサンがモテるんだ?」という部分を着実に再現。要するに木嶋裁判の一番下世話な部分が目白押しなのであります。

 で、後半になると、これが佐野眞一のノンフィクションを思わせる、彼女のルーツ探し、そして何が彼女をそうさせたのか……という、心理面へと話が進みます。ここで佐野眞一バリに活躍するのが、スポーツ紙の女性記者・野本千明(夏川結衣)。彼女は真由美に養子に出した難病の子供がいることを突き止め、しかも多額の医療費を送っていることも知り、感情的に真由美を擁護して世論を誘導する記事を書くのです。

 もちろん、木嶋事件にはそんなのは無かったですけどね、でも、千明の「難病の子に仕送りしてるんだから真由美は悪い人間じゃない」という短絡的な感情は、佐野眞一が木嶋佳苗本で書いた「木嶋佳苗のルーツ(北海道別海町)と東京とを対比させ、事件の要因をそこにこじつける」という短絡性となんら変わらないんですよね。要するに、事件の本質そっちのけで自分の感情的な主張を押し付けるという、マスコミのもうひとつの悪の面ですね。

 で、このドラマにはそこにもちゃんとオチがついていて、そんな千明を最後の最後で奈落の底に突き落とすのです。実に痛快にして、マスコミの危うさを表す方法でね。

 だからこのドラマって、好きか嫌いかはともかく、本当に当時の状況をよく理解して、その上で当時のマスコミや世論を揶揄した、見事なアナザーストーリーになってたな~と私は思ったのでありました。

 あ、それとね、とにかくこのドラマ、出演者がみんな本当に良かったです。主演の藤山直美は演技はもちろんのこと、本当にデブでブスなオバサンなのに、変に下品な色気がある所が本当にピッタリでした。いくら演技の上手いブスなオバサンでも、泉ピン子じゃあの色気は出ないですよね。それと迫真の絶叫を見せた田中美佐子も小池栄子も良かったし、その他みんな文句なく良かった。だからこそ、みんなハマって、最後に無罪になって「ふざけんな!」と実際の出来事のように思っちゃったのかもしれませんな(笑)。おしまい。