"Baby, You're A Rich Man" | タコさんの庭

タコさんの庭

ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Baby, You're A Rich Man"

Writers : credited Lennon-McCartney (by John Lennon and Paul McCartney )

Artist :  The Beatles

Recorded : 1967/5/11 Olympic Sound Studios

Released :  

singleB 1967/07/07(UK) 1967/07/17(US)  1967/08/05(JP)  

 A-side"All You Need Is Love"

1967/11/27(US)(LP) 1968/12/05(JP)(LP)

      「Magical Mystery Tour」B面4曲目

1999/09/13「Yellow Submarine Songtrack」B面1曲目

2009/09/09「Magical Mystery Tour」[Remastered] 

 

 

  <歌詞和訳>"Baby, You're A Rich Man"  
      邦題 "ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン"
        ベィビー  君はリッチマンだ

[Verse 1]

How does it feel to be one of the beautiful people?
Now that you know who you are
What do you want to be?
And have you travelled very far?
Far as the eye can see

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    自分が存在する人だとわかった今

    君は何になりたいと思っているの?

    だって 君はとても遠くまで旅を経験してきたんだろ?

    その目が見える範囲で

     

[Verse 2]

How does it feel to be one of the beautiful people?
How often have you been there?
Often enough to know
What did you see when you were there?
Nothing that doesn't show

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    どのくらいの頻度で 君はそこに行っていたの?

    理解するには充分でしょ

    そこに君がいた時 君は何を見ていたの?

    姿が見えないものなんてないんだよ

    

[Chorus]

Baby you're a rich man
Baby you're a rich man
Baby you're a rich man too
You keep all your money in a big brown bag inside a zoo
What a thing to do

Baby you're a rich man
Baby you're a rich man
Baby you're a rich man too

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  リッチマンだ 君も

     君は動物園の中で 茶色の大きなバックに自分の全財産を隠し持っている      

     なんてことをしているんだ     

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  リッチマンだ 君も

 

[Verse 3]

How does it feel to be one of the beautiful people?
Tuned to a natural E
Happy to be that way
Now that you've found another key

What are you going to play?

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    自然に波長が合った

    そんなふうになれて嬉しい

    違うキーをみつけてしまった今

    君は何を演る(やる)つもりなの?

 

[Repeat Chorus]

Baby you're a rich man
Baby you're a rich man
Baby you're a rich man too
You keep all your money in a big brown bag inside a zoo
What a thing to do

Baby you're a rich man
Baby you're a rich man
Baby you're a rich man too

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  リッチマンだ 君も

     君は動物園の中で 茶色の大きなバックに自分の全財産を隠し持っている      

     なんてことをしているんだ     

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  君はリッチマンだ

     ベィビー  リッチマンだ 君も

 

 

????

レコーディングは、EMIではなく、Olympic Sound Studios で行われました。

ジョンがヴァース部分、ポールがコーラス部分を作って、合体したそうです。

"A Day In The Life" や  "I've Got A Feeling" も、合体でしたね。

「ジ でョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタビュー1980完全版」

デヴィッド・シェフ著 山川真理訳 321ページ

 

―――〈ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン〉。
ジョン : 二つの別々の曲を組み合わせた。ポールの曲とぼくの曲を無理やりつなげて、一つにしたんだ。前半は全部ぼくだ。[歌う」「♪どんな気分だい、ビューティフルな人たちの仲間入りをして。自分が何者かわかったのなら、ダ・ダ・ダ・ダ、ダ、ダ……」。それからポールが入ってくる。[ 歌う]「♪ベイビー、君は金持ちだ」。そこがあいつの作っていた部分だ。

 

"Baby, You're A Rich Man"でジョンが書いた部分[Verse]で、

「I」という単語はでてきませんが、

「I」であるジョンが自分の事を客観視して「you」と表現していていると思いました。

 

 

[Verse 1]

How does it feel to be one of the beautiful people?
Now that you know who you are
What do you want to be?
And have you travelled very far?
Far as the eye can see

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    自分が存在する人だとわかった今

    君は何になりたいと思っているの?

    だって 君はとても遠くまで旅を経験してきたんだろ?

    その目が見える範囲で
 

ジョンは1967年4月29日、

ロンドンのアレクサンドラ・パレスで開催されたオールナイト・フェスティバル『14時間テクニカラー・ドリーム』に参加した後に、"Baby, You're A Rich Man"を書き上げたそうです。

ウキペディア「 Baby, You're a Rich Man」より

Lennon wrote his portion of the song after attending the 14 Hour Technicolor Dream, an all-night festival held at London's Alexandra Palace that served as a key event in the emergence of the counterculture in the UK. 

レノンは、ロンドンのアレクサンドラ・パレスで開催されたオールナイト・フェスティバル「14時間テクニカラー・ドリーム」に参加した後、この曲の一部を書き上げた。このフェスティバルは英国におけるカウンターカルチャーの出現において重要なイベントとして役割を果たした。

 

the 14 Hour Technicolor Dream』は、カウンターカルチャー紙『インターナショナル・タイムズ』の資金集めのために企画され、ミュージシャン、詩人、パフォーマンス・アーティスト、ジャグラー、ダンサーなどの芸術家が参加したようです。

映像に洋子さんは映っていないのですが、小野洋子さんが演出したパフォーマンスが映っていました。洋子さんは、観客がモデルの服を裸になるまで切り取る『happning』を演出しました。

ウキペディア 「The 14 Hour Technicolor Dream」より

The 14 Hour Technicolor Dream was a concert held in the Great Hall of the Alexandra Palace, London, on 29 April 1967. The fund-raising concert for the counterculture paper International Times was organised by Barry Miles, John "Hoppy" Hopkins, David Howson, Mike McInnerney and Jack Henry Moore. It was part-documented by Peter Whitehead in a film called Tonite Let's All Make Love in London.

 

『14時間のテクニカラー・ドリーム』は、1967年4月29日にロンドンのアレクサンドラ・パレスのグレート・ホールで開催されたコンサート。カウンターカルチャー紙『インターナショナル・タイムズ』の資金集めのためにバリー・マイルズ、ジョン・"ホッピー"・ホプキンス、デヴィッド・ハウソン、マイク・マクニー、ジャック・ヘンリー・ムーアらによって企画された。その様子は、ピーター・ホワイトヘッドによって『Tonite Let's All Make Love in London』という映画で一部記録されている。

 

In the audience watching Ono's performance art that night was John Lennon who attended the event with his friend John Dunbar. Lennon had met Ono half a year earlier, on 7 November 1966, when he attended a private preview of an exhibition of her work entitled "Unfinished Paintings and Objects" at Dunbar's Indica Gallery.

 

その夜、オノのパフォーマンス・アートを観ていた観客の中に、友人のジョン・ダンバーと一緒にイベントに参加したジョン・レノンがいた。 レノンはその半年前の1966年11月7日、ダンバーのインディカ・ギャラリーで開催された「未完成の絵画とオブジェ」と題されたオノの作品展の内覧会に参加した際にオノと出会っていた。

 

A film crew were on hand to capture footage of the event, some of which was shown as part of the BBC show Man Alive, about the concert. A short excerpt of The New Animals can be seen performing, as can John Lennon in the crowd. Photos of Pink Floyd's set clearly show that some of theirs was also filmed, but the footage has never been seen.

撮影クルーがイベントの映像を記録するためにいた。その一部はBBCの番組「マン・アライブ」の一部としてコンサートについて放映された。 The New Animals の短い抜粋が演奏されているのが見られるほか、群衆の中でジョンレノンも見られます。ピンク・フロイドのセットの写真は、彼らのセットの一部も撮影されたことを明らかに示しているが、その映像はまだ見られていない。

 

BBCの番組『Man Alive』の動画を探してみました。削除されたのか、ジョンの姿は映っていませんでした。タイトルは "What Is A Happening"。

見るとその時の様子がわかります。私は英語を聞き取れないのですが、何回か「beautiful people」という言葉もでてきます。

まさしく「何が起こっているの?」という感じでシュールな映像です。

 

 

以下の動画で、声だけですがジョンが "Good Morning,Good Morning" を歌っているのを聞く事ができます。打楽器の音に合わせてジョンが歌っています。

 

下の動画に映っているジョンは、笑顔も見えます。

 

とにかく、その会場にジョンがいたということがわかりました。

ジョンは、その雰囲気を満喫しているように感じました。

 

 

beautiful people」 について

スティーヴ・ターナーさんという人が書いた「完全版 ビートルズ全曲歌詞集」に、

「beautiful people」について書いてありました。

「完全版 ビートルズ全曲歌詞集」 スティーヴ・ターナー著 藤本国彦 日本語版監修 富原まさ江訳 "Baby, You're A Rich Man" の欄 205ページ

 

 「ビューティフル・ピープル」という言葉には歴史がある。オスカー・ワイルドの戯曲 『理想の夫』に、「天才を眺め、美しい人々 (ビューティフル・ピープル)と話すのが好きだ」という台詞がある。ウィリアム・サローヤンは1941年に『The Beautiful People (未邦訳)』 という戯曲を書いた。ダイアナ・ヴリーランドが編集長だった1962年の 『ヴォーグ』誌は、ケネディ家を中心とする華やかな社交界の面々を 「ビューティフル・ピープル」と命名する。1964年には、それまで「ジェット族」と呼ばれていた豪華な生活を送る裕福なセレブたちもこう呼ばれるようになっていた。

 ヒッピー文化が起こると、これに新しい意味が加わる。「ビューティ(美)」は富や外見や名声ではなく、美しい暮らしを営み、世界を美しいものと考える人々を指して使われるようになった。カラフルな衣服を身にまとい、髪に花をさす彼らは「ビューティフル・ピープル」と呼ばれるようになる。「頭のどこかで、(すべてのものは美しい)という声が聴こえたんだ」。ポールは1967年に『インターナショナル・タイムズ』の取材でそう語った。「《この番組は嫌い》だとか《あの劇場は好きじゃない》と反発するのではなく、今はどれも最高で、どれもすばらしいと感じるよ。すべてすばらしいと思えたら、世の中に悪いものなんてひとつもないんだ」
 1967年のサンフランシスコが「ビューティフル・ピープル」の街と考えられていたのは、ヒッピー・ムーヴメントが最初に報道され、サイケデリックな「出来事」や屋外での 「部族集会」発祥の地でもあったからだ。ビートルズは1964~66年にここでコンサートを行っているが、1967年になってはじめてこの地を堪能することができた。最初はポールが4月4日にジェファーソン・エアブレインのリハーサルに立ち寄り、セッションも行っている。ジョージも8月7日にヘイト・アシュベリーを訪れた。ここはアンダーグラウンド新聞やサイケデリック・アート、ヒッピーの生活共同体、簡易宿泊所、ドラッグ店といったものが生まれ、さまざまな人種が路上で生活していた場所だ。ジョージの妻パティの妹のジェーンも当時この地域に住んでいた。彼(ジョージです)がパティ、ジョージ・アスピノー ル、デレク・テイラーらとヘイト通りとマソニック通りの交差点を歩いていると、あるヒッピーが彼に向って「ジョージ、俺たちのリーダー!」と叫んだ。「今いちばんホットな場所がどこか、よくわかってるな」
 ジョージは、ドラッグで朦朧とした若者たちが自分を崇めるように花や詩やポスター、 ドラッグを押しつけてくるのに驚いた。「自分を導くのは自分しかいない」とジョージは彼らに言った。「リーダーなんていらないんだ。それが僕であれ、誰であれ」。ある公園に着くと、ジョージは草の上に座り、聴こえてくる歌声に耳をすませた。そして「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」 を歌い始めた。
 自分たちが悟りの境地にいると考えているビューティフル・ビーブルをジョンが小馬鹿にしているのか、それとも自分をよくわかっていると称賛しているのか判断するのは難しい。この曲に「何度そこに行った? (How often have you been there)」 という歌詞がある。これは、当時ジョンが真理へ到達する最短の方法と考えていたLSDによるトリップのことだと思われる。

 

ジョンは、どんな意味で「ビューティフル・ ピープル」を使っているのでしょうか。

金銭的に裕福な人?美しいものを愛する人?

beautiful people」を訳さずに、そのままにしました。

 

 

Now that you know who you are」(自分が存在する人だとわかった今) 

の「who you are」(自分が存在する人)は、

アルバム「Rubber Soul」の "Nowhere Man" を連想しました。

 

"Nowhere Man" を訳した時、「Nowhere Man」は訳さずに「ノーウェアマン」のままにしましたが、「Nowhere Man」にイメージしたのは「どこにもいない人」でした。

"Nowhere Man"[Verse 1]

He's a real Nowhere Man
Sitting in his Nowhere Land
Making all his Nowhere plans for nobody

    彼は実在するノーウェアマンなんだ

    自分の空想の国で ずっと座っている

    だれのためでもない自分だけの空想の計画を立てている

 

"Nowhere Man" (レコーディング1965年10月) では

ジョンは自分のことを「ノーウェアマン」(どこにもいない人)だと思っていけれど…

 

"Baby, You're A Rich Man"(レコーディング1967年5月)では

ジョンは自分が存在する人だと思えるようになったのだと思いました。

 

「自分が『存在する人』だとわかった今、君は何になりたいの?」と

ジョンが、ビートルズの自分に訊ねていると思いました。

 

 

[Verse 1]

How does it feel to be one of the beautiful people?
Now that you know who you are
What do you want to be?
And have you travelled very far?
Far as the eye can see

Far as the eye can see」の「Far as」は

「as far as」の「as」が省略されているの考えると

「as far as」には以下の意味があります。

as far as : …まで、…する限り遠くまで、…する限り(では)

Far as the eye can see」を「その目が見える範囲で」と少し意訳しました。

 

Far as the eye can see」(その目が見える範囲で)の歌詞からも、

アルバム「Rubber Soul」の "Nowhere Man" を連想しました。

"Nowhere Man" の[Verse 3]に以下の歌詞があります。

"Nowhere Man" [Verse 3]

He's as blind as he can be
Just sees what he wants to see

Nowhere Man, can you see me at all?

    彼は限りなく目が悪いんだ

    彼の見たいように見ているだけなんだ

    「ノーウェアマン 君はまったく僕に気づくことができないの?」


 

[Verse 2]

How does it feel to be one of the beautiful people?
How often have you been there?
Often enough to know
What did you see when you were there?
Nothing that doesn't show

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    どのくらいの頻度で 君はそこに行っていたの?

    理解するには充分でしょ

    そこに君がいた時 君は何を見ていたの?

    姿が見えないものなんてないんだよ

 

How often have you been there?」について、

「LSDによるトリップのことだと思われる。」と書いてある本があります。

「完全版 ビートルズ全曲歌詞集」 スティーヴ・ターナー著 藤本国彦 日本語版監修 富原まさ江訳 "Baby, You're A Rich Man" の欄 205ページ

 

 自分たちが悟りの境地にいると考えているビューティフル・ビーブルをジョンが小馬鹿にしているのか、それとも自分をよくわかっていると称賛しているのか判断するのは難しい。この曲に「何度そこに行った? (How often have you been there)」 という歌詞がある。これは、当時ジョンが真理へ到達する最短の方法と考えていたLSDによるトリップのことだと思われる。

 

私が

How often have you been there?」(どのくらいの頻度で 君はそこに行っていたの?)の「there」(そこ) から連想したのは、

イギリスでは発売済みの14枚目のシングル"Strawberry Fields Forever" です。

(アメリカでは、"Strawberry Fields Forever" はアルバム「Magical Mystery Tour」に収録)

 

"Strawberry Fields Forever" では

ビートルズではない時のジョン「I」が、

現実に目を向けないで流されているビートルズの自分「you」に

歌っていると思いました。

"Strawberry Fields Forever" [Chorus]

Let me take you down
'cause I'm going to Strawberry Fields
Nothing is real

And nothing to get hung about
Strawberry Fields forever

    僕に君を離れた所へ連れて行かせてくれないか

    僕が今ストロベリー・フィールズに行くから…

    なにも現実のものはないんだ

    だから 過去にしがみつくことは何もない

    ストロベリー・フィールズ・フォエーバー

"Strawberry Fields Forever" [Verse 1]

Living is easy with eyes closed
Misunderstanding all you see

It's getting hard to be someone
But it all works out
It doesn't matter much to me

    生きることは 君が見るものすべてに 違う解釈をしたまま

    目をつぶっていれば簡単だ

    その人になるには 大変になってきている

    だけど すべて解決するさ

    それは僕にとって それほど重要ではないんだ

 

「現実を見ないですむ『ストロベリー・フィールズ』に君はどのくらいの頻度で行っていたの?もう理解するには充分なくらい君は『ストロベリー・フィールズ』に行ったでしょ。目をつぶって生きるなんてできないんだよ。君は『ストロベリー・フィールズ』で何を見ていたの?姿がないものなんて、人も物も無いんだよ。」を妄想しました??

 

ジョンが大好きな『ストロベリー・フィールズ』の世界と 

LSDによるトリップの世界。

共通しているのは、現実を見ないですむ世界なのかもしれません。

 

 

[Verse 3]

How does it feel to be one of the beautiful people?
Tuned to a natural E
Happy to be that way
Now that you've found another key

What are you going to play?

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    自然に波長が合った

    そんなふうになれて嬉しい

    違うキーをみつけてしまった今

    君は何を演る(やる)つもりなの?

 

[Verse 3] は、

最初は洋子さんを妄想しました。

でもthe 14 Hour Technicolor Dream』の動画をみつけ、

笑顔のジョンを見たり、 "Good Morning,Good Morning" を歌うジョンの声(1分52秒の所)を聞いてからは、

ジョンがthe 14 Hour Technicolor Dream』で出会った文化を妄想しました。

「自分を飾ることなく自然に波長が合った。そんなふうになれて嬉しい。ビートルズルとは違うキーをみつけてしまった君は、今後何を演る(やる)つもりなの?」アセアセ??

 

 

a natural E」は、「naturally」のダジャレだそうです。

「なちゅらる E」→「なちゅらりぃー」です。

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林 雅子 499ページ

 

 サウンドトラック・アルバムには、"愛こそはすべて"のB面だった"ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン" も収録された。まだ呼び名もなかった頃の、最初のヒッピーとも言うべき人々の記事を見て、ジョンが作った"ワン・オブ・ザ・ビューティフル・ピープル"という未完成の曲があった。それにボールが作った"Baby, you're a rich man" のコーラスを合体させて出来上がったのがこの曲だ。"ア・デイ・イン・ザ・ライフ"で、二人の持ち寄ったパートがぴったり合って曲が出来たときのようだった。

ポール「"ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン"はカヴェンディッシュ・アヴェニューでジョンと僕が共作した。"Tuned to a natural E" の部分を二人で作ったのを覚えてる。
"naturally" と"natural E"の駄洒落なんだ。あの頃はビューティフル・ピープルに関する記事をよく見かけたよね。当時はそう呼ばれてたんだ。だから、もしビューティフル・ピープルの一員だったら、どんな気持ちだろうって考えてみたのさ。
 バーンズのオリンピック・スタジオでのレコーディングはエキサイティングだった。キース・グラントがその場ですぐにミックスしたんだよ。コンソールに向かってミックスして、僕らはかなり興奮したね。あの曲はずっと好きなんだ」。
 一九六七年五月十一日の夜九時から明け方三時まで続いたセッションには、ローリング・ストーンズも同席していた。ビートルズの伝記編者マーク・ルイスンは「+ミック・ジャガー?」と記されたテープ・ボックスが残っていたと記録しているので、おそらくストーンズもコーラスに参加したのだろう。

 

naturally」の意味は以下です。「自然に」を選んで

「Tuned to a natural E」を「自然に波長が合った」と訳しました。

Weblio より

naturally : 自然に、自然の力で、本来、生まれつき、当然、もちろん、気取らないで、ふだんと変わらずに、飾らないで

 

 

[Chorus] 部分は、ポールが作りました。

 

You keep all your money in a big brown bag inside a zoo

(君は動物園の中で 茶色の大きなバックに自分の全財産を隠し持っている)

 

「you」は、ブライアン・エプスタインで、

「zoo」は、その時期ブライアン・エプスタインが入院していた病院のこと?

などど少しだけ妄想しましたが、さっぱっりわかりませんでした。

 

秋山直樹さんの本には以下のことが書いてありました。

「ビートルズ作品読解ガイド 増補版」秋山直樹著

You keep all your money in a big brown bag inside a zooは、エプスタインがコンサートの開催者から受け取っていた出演料のことと考えて間違いない。エプスタインのアシスタントを務めたこともあるピーター・ブラウン (Peter Brown)が、 著書 THE LOVE YOU MAKE (2002年 New American Library 刊)の中で £1,000 in cash in a brown paper bag passed discreetly in the manager's office (茶色の紙袋に入った現金1000ポンドを会場の事務室で受け取っていた [中略] 25% を取って、残りをビートルズに分配していた) という言葉で記述している。なお、zoo は『動物園』ではない。混乱した場所のことである。

 

 

ジョンが茶化したのは、マネージャーのブライアン・エプスタインだけではない

日本語版ウキペディア 「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」より

セッション中、レノンはコーラスのフレーズを「Baby, you're a rich fag jew(お前は金持ちのユダヤホモ野郎)」と変えて歌った。ジャーナリストのボブ・スピッツ(英語版)は、ブライアン・エプスタインについてのジョーク、または活動初期のビートルズのトレードマークとなっていたモップ・トップを茶化すものと推測している。

日本語版ウキペディアには上記のように書いてありますが、英語版ウキペディアは以下です。

During the session, Lennon changed a line in the chorus to "Baby, you're a rich fag Jew". According to author Bob Spitz, this was either a joke at the expense of Epstein or a provocation in reaction to the band's former moptop image.Spitz writes that the session tapes also reveal Lennon improvising similarly "wicked" remarks about McCartney, Ringo Starr and Jagger. Partly as a result of these disruptions, the Beatles required twelve takes before they achieved a satisfactory rhythm track. The group enjoyed working at Olympic Sound, which was an independent facility, free of record company control. 

セッション中、レノンはコーラスの一節を "Baby, you're a rich fag Jew "(ベイビー、お前は金持ちのホモユダヤ人だ)に変えた。著者のボブ・スピッツによれば、これはエプスタインの(俸給外の)手当に対するジョークか、バンドのかつてのモップトップ・イメージに反発した挑発だったという。スピッツによれば、セッション・テープには、レノンが即興でマッカートニー、リンゴ・スター、ジャガーについて同様の「悪意のある」発言をしたことも記されている。このような妨害の結果もあり、ビートルズは満足のいくリズム・トラックを完成させるまでに12テイクを要した。グループは、レコード会社の管理から解放された独立系施設であるオリンピック・サウンドでの作業を楽しんだ。

ジョンが、茶化したのはブライアン・エプスタインでけではなく、ポール、リンゴや、オリンピック・サウンド・スタジオを良く利用していたミック・ジャガーについても茶化して歌っていたんですね。

偏った思い込みをしないようにしなきゃですね。

 

ただ、ポールは本当にブライアン・エプスタインに不満があったようです。

ピーター・ブラウン、スティーヴン・ゲインズ著「ビートルズ ラヴ・ユー・メイク 下」 小林宏明訳 62ページ 

 ブライアンが悩むのは愚かしいことだ、と私は個人的に信じていた。彼がビートルズに忠実であったように、彼らもブライアンに忠実だったからだ。四人のなかでブライアンが恐れてしかるべきは、あからさまに彼に批判的だったポールだけだった。ジョンはロ先でブライアンの気持ちを傷つけることができたし、ジョージはよそよそしいほどブライアンに距離を置いていたけれども、ほんとうにブライアンを心配させていたのはポールだけだった。ポールはほとんど毎日、なんらかの不満を電話でブライアンに訴えていた。彼はまた、最近になってNEMSの日常業務に興味 をもつようになり、オフィスに姿を現わしてはいろいろ詮索することもしばしばだった。

ポールらしいと思いました。

 

 

2つのプロジェクト <MAGICAL MYSTERY TOUR> & <YELLOW SUBMARINE>

「The COMPLEATE BEATLES Recoding sessions」マーク・ルウィーソン著 内田久美子訳

 

1967

Thursday 11 May/5月11日(木)

 

1967年6月7日、1966年の彼らの曲に基づいた長編アニメーション映画 <YELLOW SUBMARINE> の製作にビートルズが同意した旨が、マスコミに発表された。彼らが自ら担当するサウンドトラックには、最低3曲の新曲が含まれ、既発表曲も使われるということだった。実は彼らは、5月初旬にはもう合意書に署名していたのである。つまり、最大の野心作「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の完成からわずか数週間、そのレコードがまだリリースもされないうちに、彼らは <MAGICAL MYSTERY TOUR> & <YELLOW SUBMARINE> という2つの新プロジェクトに着手したのだ。
"Baby, You're A Rich Man" は、映画<YELLOW SUBMARINE>のために特別にレコーディングされた最初の曲だが、結局はニュー・シングルのB面に使われ、サウンドトラックLPには収録されなかった (しかし映画には使用された)。

"Baby, You're A Rich Man" は、

1967年7月にシングル盤"All You Need Is Love"『愛こそはすべて』のB面曲として発売されました。