"From Me To You" | タコさんの庭

タコさんの庭

ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"From Me To You" 

Writers : credited Lennon-McCartney ( by John Lennon and Paul McCartney)

Artist :  The Beatles

Recorded : Tuesday,1963/03/05, EMI Studios

Released : singleA Thursday,1963/04/11(UK) Monday,1963/05/27 (US)  

                B-side"Thank You Girl"

1966/12/10(UK)1967/02/05(JP)「A Collection Of Beatles Oldies」(Compilation Album)                            1987年アルバムのCD発売に伴いビートルズのカタログから削除される

1973/04/02 「The Beatles 1962-1966」

1995/11/20 「The Beatles Anthology 1」1963年ストックホルム公演でのライブ音源

1988/03/07 「Past Masters Vol.1」 2009/09/09 [Remastered]

2000/11/13  「1」

2013/11/11 「The Beatles on Air Live at BBC Volume2」Disc2

             1963年10月20日放送『Easy Beat』

2023/11/10   「The Beatles: 1962-1966 (2023 Edition)」

 

  表 裏 裏焼き

                   1966年来日東京ヒルトンホテル(現キャピトル東急ホテル)での写真

 

 

  <歌詞和訳>"From Me To You" 邦題 "フロム・ミー・トゥ・ユー"                              僕から君へ

[Intro]
Da-da da, da-da da da da

Da-da da, da-da da da da

 

[Verse 1]

If there's anything that you want

If there's anything I can do

Just call on me and I'll send it along

With love from me to you

    君が欲しいものなんでも あれば

    僕ができる事なんでも あれば

    今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

        

[Verse 2]

I've got everything that you want

Like a heart that's oh so true

Just call on me and I'll send it along

With love from me to you

    君が望むもの何でも 僕は持っているよ

    例えば気持ちも それは本当に誠実なんだ

    今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

[Bridge]

I got arms that long to hold you

And keep you by my side

I got lips that long to kiss you 

And keep you satisfied

    僕は 君を抱きたがっている腕を持っている

    君を 僕のそばで守りたい腕を

    僕は 君にキスしたがっている唇を持っている

    君をずっと満足させたい唇を

          

[Verse 1]

If there's anything that you want

If there's anything I can do

Just call on me and I'll send it along

With love from me to you

    君が欲しいものなんでも あれば

    僕ができる事なんでも あれば

    今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

[Solo-Verse]

From me

To you
Just call on me and I'll send it along
With love from me to you

    僕から

    君へ

    今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

[Bridge]

I got arms that long to hold you

And keep you by my side

I got lips that long to kiss you 

And keep you satisfied

    僕は 君を抱きたがっている腕を持っている

    君を 僕のそばで守りたい腕を

    僕は 君にキスしたがっている唇を持っている

    君をずっと満足させたい唇を

 

[Verse ]

If there's anything that you want

If there's anything I can do

Just call on me and I'll send it along

With love from me to you

    君が欲しいものなんでも あれば

    僕ができる事なんでも あれば

    今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

[Outro]

To you

To you

To you

    君へ

    君へ 

    君へ

 

参考辞書 Weblio、英辞郎

anything :  何でも、何も(…ない)、何か

anything : ((肯定文で))何でも,どんなことでも

Just : たった今,ちょっと前に,…したばかり(完了形・過去形と共に用いる)

Just : 〔命令を強調したり和らげたりして〕いいから,ちょっと
Just : ((英略式))[強調] まったく, 本当に, 断然;[否定語の前で] とても(…しない[できない])《◆全否定》.

call on : を訪問する、に(…を)要求する、に訴える、を使うことを必要とする

and : ((命令文やそれに準ずる表現の後で))(条件を表して)そうすれば

     例文 Study hard and you'll pass the test.

        一生懸命勉強すれば,テストに合格するでしょう

 will :  …だろう、…でしょう、…するつもりである、…しようと思う、…するつもりですか、…してくれませんか、…しませんか、…してくださる、(…しようと)欲する、(あくまでも)…しようとする

send along : ~を送り届ける

With love : 愛をこめて
got : 《have got》…を持っている(米口語では,特に人が主語の場合haveが省かれることがある)

everything : 何でもみな、何もかもことごとく、万事、何でもみな…とは限らない、最も大切なもの 
like : (たとえば)…のような.

like  : その~、まあ、~という感じで、例えば、何か◆つなぎ言葉として、会話の中でよく使われる。時々 "ya know"("you know" のスラング的言い方)の代わりに使われる。"like" があまりにも頻繁に使われるので、これは間合いをとるための音として"uh" の代わりに使われているように思われる。使い過ぎると教養が低いと思われるので注意。

heart : 心臓、胸、(感情、特に優しい心・人情が宿ると考えられる)心、(知・意と区別して)心、心情、気持ち、気分、愛情、同情心

oh : おお,おや,ああ,まあ,ねえ(驚き・喜び・悲しみ・苦痛・非難・呼びかけなどを表す)

so :  そのように、このように、そのとおりに、このとおりに、そのとおりで、本当で、整然と(して)、きちんと整って、そう、まさに

so :  [強意的に] 《口語》 とても,非常に,大変.

true : (事実・現実に合致している意味で)真実の、本当の、本来の、適正な、厳密な、本物の、正真正銘の、純種の、純粋な、忠実な

true : 忠実な,誠実な.
that's  so true : ホントにそうだよね

long to : たがる、〈《主語》の抱く希望〉・たいしたがる 

hold you : あなたをしっかりとつかむ;あなたを抱く;あなたをかかえる
keep : 〔+目的語+from+(代)名詞〕〈人を〉〔危害から〕守る.

side : 可算名詞 [通例単数形で] (人の)かたわら,そば,わき.
keep : 〔+目的語+補語〕〈…を〉ずっと〈…の状態に〉しておく,保つ.you satisfied : 満足した、満ち足りた、(…に)満足して、満足して、納得して、確信して

 

 

????

巡業が続き、ずっと家に帰れないジョンが、妊娠しているシンシアに電話しています。シンシアからジョンに電話する事はできないので、電話をかけるのはいつもジョンからです。「出産が近いけれど、何か必要なものがあれば何でも言って欲しい、巡業先から送るよ」と歌っているのではないかと妄想しました??

 

世界に羽ばたく前のビートルズは、1963年の2月3月、ヘレン・シャピロとのライブツアーの前座として、出演者と一緒に各地を巡っていました。

ツアーPart2の途中2月28日、ジョンとポールは、「York」から「Shrewsbury」に向かうバスの後部座席で、そのツアー日程を宣伝する2月22日号の 『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』(イギリスの週刊音楽雑誌)を見ていました。ビートルズの曲がヒットチャートでどうなっているか見ようとしたそうです。その雑誌の中にある、読者コーナー「From You To Us」にヒントを得て、二人で"From Me To You" の歌詞を作ったそうです。

 

ヘレン・シャピロのツアーPart1 ウキペディアより

Date

City

Country

Venue

2 February 1963

Bradford

England

Gaumont

5 February 1963

Doncaster

Gaumont

6 February 1963

Bedford

Granada

7 February 1963

Wakefield

ABC Cinema

8 February 1963

Carlisle

Regal

9 February 1963

Sunderland

Sunderland Empire Theatre

(3・4 February 1963 は リバプールに戻り、キャバーン・クラブにて演奏)

 

11 February 1963、 アルバム「Please Please Me」レコーディング 

 

ヘレン・シャピロのツアーPart2 ウキペディアより

Date

City

Country

Venue

23 February 1963

Mansfield

England

Granada

24 February 1963

Coventry

Coventry Theatre

26 February 1963

Taunton

Gaumont

27 February 1963

York

Rialto

28 February 1963

Shrewsbury

Granada

1 March 1963

Southport

Odeon

2 March 1963

Sheffield

Sheffield City Hall

3 March 1963

Hanley

Gaumont

(25 February 1963 は ブライアン・エプスタインが経営するNEMSエンタープライズ の主催で演奏)

                                 

 

巡業が続きジョンは、シンシアがいるミミ叔母さんの家になかなか帰れなかった事が想像できます。"From Me To You"は、不安なシンシアへの歌ではないかと思うのです。

1963年4月8日に、息子ジュリアンが生まれています。

 

ピーター・ブラウン、スティーヴン・ゲインズ著 小林宏明訳 の

「ビートルズ ラヴ・ユー・メイク」に以下の事が書いてありました。

シンシアはひとりぼっちでミミ叔母さんの家の一室で暮らしながら、畏(おそ)れと口に出せない誇りをもって夫の成功を見守っていた―これほど大きな成功をおさめるとは誰ひとり予測しなかったから畏れを感じたし、ジョン・レノンを知っていること、ましてや彼と結婚していることを人に言えなかったから、口に出せない誇りを感じていた。けれど、ジョンはほとんど家にいなかったので、そんなことはどうでもいいように思えた。噂では彼らがおかねをかせぎまくっているということだったけれど、シンシアはそのおかねを1シリングだって見たことがなかった。

4月のある土曜日、ペニーレインで買い物をしている途中に陣痛に襲われたとき、彼女の夫は数週間の巡業に出ていた。その夜遅く、シンシアはネグリジェとスリッパ姿で、髪にはカーラーをつけたままメンディップスのまえで救急車にのり、セフトン総合病院へ運ばれた。難産だったために、赤ん坊が生まれるまで二日間もかかった。彼はジュリアンと名づけられたが、その名前は5年前に同じ病院で死を宣告された彼の祖母にちなんでいた。小さな男の子を両手に抱いてみると、あまりに父親にそっくりなのでシンシアは驚いた。ジョンはその夜病院に電話をかけてきたが、妻と赤ん坊の顔を見にきたのはそれから1週間後のことだった。

シンシア、どんなに心細かったでしょうに、頑張りましたね。母は強しです。

 

[Verse 1]

If there's anything that you want

If there's anything I can do

Just call on me and I'll send it along

With love, from me to you

    君が欲しいものなんでも あれば

    僕ができる事なんでも あれば

    今僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

シンシアに巡業の途中でシンシアに電話して、今僕に頼んでくれれば送るからと歌っていると思いました?? 

 

[Verse 2]    

I've got everything that you want

Like a heart that's oh so true

Just call on me and I'll send it along

With love from me to you

    君が望むもの何でも 僕は持っているよ

    例えば気持ちも それは本当に誠実なんだ

    今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

ポールが作った"P.S. I Love You"では、「この手紙を書きながら 君に僕の愛を届けるよ」と歌っていました。ジョンもそれと同じように、[Verse 1]の荷物と一緒に、僕の気持ちも添えて送るよと言ってるようですね。

 

[Bridge]は、

I got arms that long to hold you

And keep you by my side

I got lips that long to kiss you

And keep you satisfied, ooh

    僕は 君を抱きたがっている腕を持っている

    君を 僕のそばで守りたい腕を

    僕は 君にキスしたがっている唇を持っている

    君をずっと満足させたい唇を あぁ

 

「遠く離れていても、シンシアを守りたい腕や満足させたい唇を僕は持っているから、君が望めば送るよ」とシンシアを安心させているんだと妄想しました??

 

 

「true」の意味

英語圏の方は、「true」をどういう意味で使っているのでしょう。

 

"Love Me Do"

(lyrics)Writers : Paul McCartney and John Lennon

 

[Verse]

Love, love me do

You know I love you

I'll always be true

So please

Love me do

Whoa love me do

    愛しい人 僕を愛してよ

    知っているよね 僕は君に恋しているんだ

    僕は いつだって誠実でいるつもりだよ

 

 

"Baby It’s You"

(lyrics)Writers : Luther Dixon (credited as Barney Williams) and Mack David

    

[Verse 2]

You should hear what they say about you, "cheat," "cheat." (Sha la la la la)

They say, they say you never never never been true (Cheat cheat)

    彼らが 君を何て言っているか (君は)耳を傾けた方がいい

    「浮気者」「浮気者」

    彼らが言う 彼らが言う 絶対絶対絶対決して 君は誠実ではいられないと

 

 

 

"From Me To You"

(lyrics)Writers : John Lennon and Paul McCartney

[Verse 2]

I got everything that you want

Like a heart that's oh so true

Just call on me and I'll send it along

With love, from me to you

    君が望む事なんでも 僕は持っている

    例えば気持ちも それは本当に誠実なんだ 

            今 僕に頼んでくれれば 僕はそれを送り届けようと思う

    愛をこめて 僕から君へ

 

私は、毎回「true」の訳を「誠実」と訳していますが、

こういう時の「true」は

一人の人だけを愛して、浮気はしないという意味で使っているように思いました。

  

     

2023年3月6日再投稿。