初心者同志 -78ページ目

逃げるハンター。

今、あなたの目の前にはあるのは、

越えられる壁ですか?


あなたを、悩ませ続けているその問題は、

解決することができそうですか?


辛くて、もう、これ以上は限界だと思っているのに、

そんなとき、どんな顔をしていいか、

わからなくなっていませんか?


私たちは慣れる生き物。


苦しんだり、悩んだりすることを、

いつのまにか、


「生きていれば誰にだってあること」


と、自分を納得させていませんか?


ずっと、強い自分でいる必要なんて、ないはずです。


ときには、その場から逃げ出してもいい。


離れたところから、改めてこれまで自分がいた場所を見ることで、

初めて気づく事だってあるはず。


自分が何で苦しんでいたのかを、

知ることだってできるかも知れない。


どうせなら、カッコ悪く逃げよう。

惨めに、無様に逃げよう。


これまでの自分をたくさん引きずって、

その重さで、自分を鍛え直すことだってできるかも知れない。



そうだ。

いつか、戻るそのときまで。


逃げるのだって、決して悪くない。



MHFss167


それがとくに、一人じゃないなら、なお、いいじゃないか。




そこは、オンラインゲーム「MHF」 の世界。


冷たい別れ。

子供のころは、よく、

「お年寄りには、優しくしてあげましょう」

と言われた。


満席になっているバスや電車の車内で、

お年寄りに席を譲る、子供のイラストを、

よく見たように思う。


昨日書いた、


「都会は恐ろしいところです」


というのと同じ。


どうして子供のころに学んだこと、というのは、

忘れられないのだろう。


朝の早い時間、自転車で私が走っていると、

道端に倒れているお年寄りの男性を見つけた。


どうやら、自転車に乗っていて、バランスを崩したのか、

転んだようだった。


その日は、既に止んでいたものの、激しい雨が降ったあとで、

路面のあちこちには、まだ大きな水溜りがたくさん残っていて、

道路も濡れたままの状態。


私は自転車を降りて、その人のところに近づいた。


その男性は、かなり激しく転んだみたいで、

ひどい怪我をしている様子はなかったものの、

全身は泥水で濡れ、しばらく立てずにいた。


それで、私はまず、自転車を起こし、


「大丈夫ですか?」


と声をかけた。


のだけど、老人はなぜか、無言。


うーむ・・・・・・。

声が小さかったから、聞こえなかったのかなあ?


とはいえ、同じ言葉を二度も繰り返すのはためらわれて、

とにかく手を貸そうと伸ばしたんだけど、

その人は、私の方を見ようとさえしなかった。


それどころか、時間をかけながら、

一人でなんとか立ち上がると、そのまま自転車に乗って、

私なんて最初からいなかったみたいに、

そのまま走り去っていってしまったのだった。


私は、自分でも知らず知らず、何か失礼なことを

してしまったんだろうか、とも思ったのだけど、心当たりはない。


で、もしかて、その人にしてみれば、


「まだまだ、若い人間の助けになんかならんっ!」


というようなプライドがあって、それを態度にして

表しただけなのかも知れないなぁ、と思ったのだった。


とはいえ、もしそうなら、はっきりそうと言ってもらえたら

嬉しかったな。


私は心配して声をかけたんだし、手だって伸ばしてるんだもん。


男性が去っていったあと、一人寂しく手を差し出している

自分が、とても悲しく思えてしまった。


うーん、学校で先生のことを「お母さん」と間違えて

呼んじゃうくらいの恥ずかしさだなあ。


私がなにか誤ったのかどうかもわからないし。


ああ、もう、何も言わないから、余計に気になるじゃないかーっ!


お年寄りには優しく!

これからは高齢者社会です!


確かに、そんな言葉をよく聞くけど、

でも、高齢者が私たちに優しくない場合はどうするんだろう!?


なんだか、ちょっと考えてしまったのだった。


ムチャなお願い。

子供のころ、本などにはよく、


「都会は恐ろしいところです」


なんて、書いてあった。

だから、ああ、そうなのかなあ、と漠然と思っていた。


これは、そんな子供のころのお話。


あるとき、私は友人たちと一緒に東京へ買い物に行った。

なんといっても、普段は田舎の片隅でひっそりと

暮らしている私たちだから、大人の引率もなく、

自分たちだけで東京へ行くというのは、かなりの大冒険。


行く前には入念な計画をたてて、買い物に行くお店も

すべて事前に決めていたほどだった。


ほぼ、予定していた通りに買い物を終え、

お昼を回ったころ。

最初の遠慮がちな気持ちもそろそろ消えてきた私たち。

友人の一人がふと、


「バスで移動すれば、次の目的地まで早いよ」


と言い出した。

今まさに通り過ぎたバス停に戻り、時刻表を見てみると、

確かにバスはもうすぐ来るみたいだ。


それまでに、電車にはもう散々乗っていたし、

そろそろ新しい刺激が欲しかった私たちは、

じゃ、バスに乗ってみよう、ということになった。


買い物も終わって、あとは帰るだけだったしね。


バスは時刻表に書かれていた時間よりかなり早くやってきた。

私たちはバスに乗って、しばらくバスから東京の景色を見ていた

のだけど、それからふと、一人が気がついて言ったのだ。


「あれ、道、間違ってない?」


最初はそんな言葉に笑っていた私たち。


間違ってないよ。

田舎者みたいなこと言うなよお。

恥ずかしいぞ。


運転席にすぐ後ろの席だったので、私たちはそんなことを

言って、突然大きな声を出した友人をからかっていた。


でも、しばらく乗っているうちに、私たちの顔から

そんな余裕の思いは消え、お互いの目を見ながら、

全員、ゴクンと息を飲んだのだった。


本当だ。道が違う・・・・・・。


どうやら、乗るバスを間違えたらしい。


そこから、一気に慌てだした私たち。


というのも、バスは完全に逆方向に向かって走っていて、

こうしている間も目的地から離れていくし、

そもそも持ってきていたお金は、そのときすでに

買い物にほとんど使っていて、余裕なんてない状態。


このままだと、帰れなくなって、みんなで

東京を放浪することにだってなりかねない・・・・・・!


と、そのとき。


少し笑いながら、バスの運転手さんが私たちに声を

かけてくれたのだった。


四十を過ぎたくらいの柔和な顔をした男性の運転手さんは、

どうやら私たちのそれまでの会話を

すべて聞いていたみたい。


「どこに向かう予定だったの?」


と訊かれ、オズオズと、実はまったく反対の道だった

と話すと、運転手さんは、私たちにこう言ったのだった。


「じゃ、そこまで、乗せてってあげるよ」


・・・・・・信じられる?

タクシーじゃないんだよ。

公共のみんなが使う、普通のバスなんだよ!


なのに、その運転手さんは私たちを、目的地まで

乗せていってくれる、というのだ。


私たちのためだけに!


バスというのは、当然のことながら時刻表があって、

そのスケジュール通りに動いている。


バスを利用している人は、その時間を調べて

みんな乗りにくる人たちばかりだから、時間厳守は

バスにとっては、絶対守らなければいけない規則のはずだ。


なのに、運転手さんは私たちを乗せていってくれる、

と言うのだ。


うーん、嬉しいけど、けど、さぁ・・・・・・。


こんな行為に甘えちゃ駄目だよなあ。

だって、そんなことをしたら、他のもっと多くの人に

迷惑をかけることになるもんなっ!


だけど、そこはお金の尽きかけている、

頼るものも他にない子供。

私たちはその言葉を逃がすまいと、ほとんどしがみつくように、


「お願いしますっ!」


と頼みこみ、元の行く予定だった場所まで

本当に乗せてもらったのだった・・・・・・。


今になってみると、あのあと、運転手さんは

会社に怒られたりしなかっただろうか、とか、。

他のお客さんに迷惑をかけることになったりしなかっただろうか、

と思うのだけど、真相はもちろん、わからない。


それよりも、もっと今になって思うのは、

あの時、乗せていってあげる、と言ってくれた言葉。


あれって、実は運転手さんのただの冗談で、実はそのあとに、


「なんてね、まあ、それはさすがに無理だけどさ」


という感じで、言うつもりだったんじゃないだろうか。


だってさあ、どう考えても普通じゃ考えられないもんなあ。


ただ、私たちがそう言われて、すぐその言葉に飛びついて

しまったので、運転手さんも断りきれなくなって

しまったのかもしれない。


ああ、幼いってことは、ときに恐ろしい武器になる。

無知ってことは、ときに自分を救うけど、

それよりずっとたくさんの人に迷惑をかける。


これは、そんな、見本のようなお話。


ハロウィンハンター。


「トリック・オア・トリート!」


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オンラインゲーム「MHF」 の世界にもやってきた、ハロウィンの季節!


「ふふふ、ハロウィンの扮装は、これで完璧」


「Trick or treat!お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」



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「お菓子を・・・・・・・!」



MHFss186


「・・・・・・し、失礼しました・・・・・・」


アルバイトの豪華特典。

料理屋でアルバイトしていたときには、

賞味期限が迫っている食材や、

料理の余りといったものを、捨てるくらいだったら、と

貰って帰ることがよくあった。

たとえば服屋でアルバイトすることがあっても、

「これ、売れ残りだから貰って帰っていいよ」

なんて、言われたことないもんなあ。

まさに料理屋だからこその出来事で、

なんていいアルバイトなんだろう!と、何度も思ったのだった。

というのが、昨日の話。


もう一つ、料理屋でアルバイトしていたころに

嬉しかったのが、仕事の合間で出される料理。

賄い料理、と呼ばれるものだ。

これは、働いている従業員のために作られる料理のことで、

大抵の場合、作るのはそのお店で働いている、

まだ見習い途中の料理人たちだ。

使われる食材も、もちろんそのお店で使われているもの。

だから、出来てくるものは、驚くほど質の高い

料理だったりするんだよ。

一度、高級料亭といってもいいお店でアルバイトして

いたときなんて、ただのお味噌汁なのに、

一口飲んだだけで、本当に泣きそうになっちゃった。

味が全然違うんだ。


お味噌が違うのか、ダシが違うのか。

きっと、両方なんだろうなあ。


美味しいものを食べて幸せになることはよくあるけど、

美味しいものを食べて驚く、というのは、なかなか

ないことじゃないだろうか。


もちろん、ご飯もびっくりするくらい美味しいし、

お漬物も信じられないくらい美味しかった。


考えてみれば、それらは普通にお客さんに出されているものと

同じものだから、当然といえば、当然なんだ。


私はただのアルバイトで、

お金を払うわけでもないのに、


こんな美味しいものを食べてしまっていいのかな?


なんて、そのときはよく思ったのだけど、

実は、それは少し、気が早い考えだったことを、

そのあと、私は知る事になったのだった。


というのも、秋も近くなったある日のこと。


その日の仕事をすべて終えて、時間は夜。

お店を閉め、片付けをしていると、いつものように

夕食の賄いが準備され始めたんだけど、

なんだか少し、様子がいつもと違うんだ。


聞いてみると、


「今日はちょっと、特別なんだよ」


と、その日、賄いの担当だった料理人。


うーん、よく見回してみると、なんだか他の料理人や、

従業員たちまでが、心なしか、ちょっと嬉しそうにしている。


なにがあるんだろう、と思っていると、

既に閉店し、客のいなくなったお店のテーブルに、

ドン、ドン、ドンと並べられた卓上コンロたち。


中には、真っ赤に燃えた炭がいっぱい入っているぞ。


それに続いて出てきたのは、

子供が目一杯に手を広げたくらいありそうな大皿。

で、その上に載っているものに、私は思わず

目が釘付けになってしまった。


というのも、そこにはなんと、山のように盛られた松茸が!!!


うっ、本物だ・・・・・・。


その料亭では、メニューは毎月新しいものに

変えられていたのだけど、

その中でも季節の変わり目となる月は、

特に、旬のものを使った、その季節ならではの

料理にすべて一新されるために、

試作と試食会というものが、お店の中で行われるのだ。


で、秋といえば松茸。


これからの季節、メニューには、松茸料理が

たくさん載るから、ということで、

その日はなんと、松茸の試食会が行われる日だった、というわけ。


もちろん、試作された松茸料理はどんどん出てくるし、

皿の上に山のよう盛られた松茸は、コンロの上で次々と焼かれて、

私たちのお腹に消えていく。


私はそれまで、松茸なんて一度も食べたことがなかった。

そして、あんなにお腹一杯に松茸を食べることも、

きっとこの先ないだろうなあ、と思う。


その食事会が終わったあとは、もうあまりに食べすぎて、

しばらく何も食べたくないな、て思ったくらいだもん。


なんて贅沢な食べすぎなんだろう。


それにしても、料亭で働く人たちは、

みんな、いつもあんなにいい思いをしているんだろうか。


うーん、うらやましいなあ・・・・・・。


あのときのお店の人たちのキラキラした目が、

私は今も忘れられない。