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【夢で逢えたら】レビュー [9] 。

最近、テレビ業界ではコント番組の復権が囁かれている・・・・・・

らしい。


【サラリーマンNEO】は、NHKという特殊な場にありながら、

順調に回を重ねて、ついに今年第4シーズンが始まるに至ったし、

(前々回の「大人のだるまさんが転んだ」、最高でした)

キングオブコントは、無事に今年も開催されることが決定した。


1度は完全に放送が無期延期になっていた【笑う犬2009】も、

製作の可能性が再検討されているというし、

【ごっつええ感じ】や、【ひょうきん族】といった番組がDVD化

される中、何故かずっと取り残されてきた【誰かがやらねば】

【やるならやらねば】のDVD化がついに企画され始めている

という、話もある。


そして、今年で20周年となる、【夢で逢えたら】がついに復活!


・・・・・・という噂は、ずっとあるのだけど、今年も残すところ、あと半分。

本当に実現するだろうか。


そしてもし実現するのなら、それはどんな番組になるんだろう。


2009年に再結成したリンドバーグ、ユニコーンの曲を聴きつつ、

松本人志結婚、内村光良に第1子誕生のニュースを見て、

しばし空想してみたりする。



【第009回】

1989年.6月17日放送

構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ・清水東

   〝〝プロになりたい!〟〟



【パチプロって・・・】

茶目っ気のある男(松本)と、純真な男(内村)2人の

飲み屋での、他愛もない会話。

「パチプロって、パチンコで稼いで生活してるんだよな?」

「うん」

「麻雀のプロは、麻雀で稼いで生活してるんだよな?」

「うん」

「じゃあさ、囲碁のプロって、何で生活してるんだ?」

「・・・・・・賭け囲碁、かな?」

「じゃあさ、プロのカメラマンて、何で生活してるんだ?」

「賭けカメラ、かな?」

「・・・・・・じゃあさ、プロの蕎麦屋て、何で生活してるんだ?」

「かけそば、かな?」

大笑いする友人を不思議そうに見つめ、純真な男は呟く。

「・・・・・・そんなに、おかしいかい?」


【えらいぞ!】

同じクラスにいる手品師の息子に負けたくないから、と家で

手品の練習をしている、じゅん坊(内村)。

「男は負けちゃいけねぇよ」と、その心意気を褒め、手伝って欲しい

という息子の要望にも快く応じる父ちゃん(浜田)だが、

お金を消す手品をしたいからお金を貸してほしい、の言葉に

今回もやっぱり、表情を一変。

百円でいいんだ、十円でもいいんだよ、すぐに返すよ!の

息子の言葉も一切、耳には届かず、


「手品と称してワシから金巻きあげて、ドロンしよう言う魂胆やろ!」


じゅん坊は困惑しながら、「ドロンてなんだい・・・・・・?」


さらに、ファーストフードの大人の対応に、真のプロの姿を見た

チンピラ(浜田)がそれに対抗して、店頭でとつぜん裸になり、

ぱちぱちパンチを始める【いらっしゃいませ!】と、

相変わらずの和気藹々とした雰囲気から、今回はプロレス中継に

熱中するあまり、愛犬のサービス(松本)にプロレス技を強く

かけすぎた南原に、友人たちが絶望して次々と凶行に走る、

【やめなさいよ】を挟み、すっかりお馴染みとなった浴衣兄弟が

今回も登場する。


初心者同志-nakama te

【オイ・オイ・オイ】

今回の舞台は、スカイダイビング中の空。

イントラクターの先生(内村)とダイビングの参加者3人が手を繋いで

落下しているところに、浴衣兄弟の2人も一緒に落下しながら近づいてくる。

「仲間に入れてくれや」と、いつものように迫る兄貴(松本)だが、

内村は、どこから来たのか、を問い詰めるわけでもなく冷静に、

「今は訓練中ですので、素人の方はちょっと・・・・・・」

仕方ない、と諦め、代わりに提案したのは、

「お前らのその、背負ってるパラシュート貸してくれや」

当然それも断られた兄貴は、弟分(浜田)の「どうしましょう?」

切実で不安げな言葉に、

「仕方ない、この浴衣を、パラシュートの代わりに使うしかないな」


リニューアル2回目となった【バッハスタジオのある町】

前回に引き続き、講師を務めるデーモン小暮は、

コーナーも早々に今回の課題曲〔ウルトラセブンの歌〕の挑戦を発表するが、

その挑戦内容がコーラス4人、楽器2人による合奏だと聞いて、

困惑せずにはいられないメンバーたち。

しかし、よく聞いてみれば、実際に楽器を演奏するわけでなく、

自分たちが口で音を真似るのだと分かって一安心。

本人たちの立候補により、松本がホルン、南原がベース、

他の4人がコーラスの担当となっていざ挑戦!


最初は歌としての完成度以上に、これがコーナーとして

盛り上がるのかどうか、という不安が先立ったようで、

不安げな顔をするメンバーだったが、いざやってみると、

全員に自分たちなりの役割が与えられ、それを完遂することが

そのまま曲の完成度につながる、という分かりやすい構図が

特撮ヒーロー主題歌の盛り上がりやすいメロディーと相まって、

今までにない完成度と盛り上がりに。


開口一番、浜田が、「今までで1番楽しかった!」というほどに

コーナー自体も大いに湧いて、結果的にこの放送が、

その後のこのコーナーの行く末を、決定付けることになっていく。


しかし充足感に浸るメンバーたちの中にあって、野沢だけは、

伴奏の為に、毎回スタジオ脇にスタンバイしているピアノ奏者の

存在を忘れない。

コーナー終了直前、笑いながら、出番がないまま終わった先生に対し、

「今日はピアノさん、ガッカリ」と、ポツリ。

スタジオにいるスタッフたちから、大きな笑いが起こる。


連続シットコムドラマ【熱血宅配ボーイ南原二郎 トラブルファイル】

第9回となる今回の舞台は、第5回のときにも1度だけ登場した、

マルチタレント学院。

しかし、そのストーリーはというと、開始も早々にほとんどないものとなって、

なぜかそのまま、南原・野沢の熱愛疑惑を追及するコーナーに移行。


視聴者からのハガキを紹介しながら、それぞれのキャラクターの

お芝居も忘れて2人の関係の秘密に迫るが、

結果、本人たちの弁解を聞いていても埒があかない、と

2人の愛情度を測ることができる、という謎のマシンを持ち出してくる。


小さなプラスチックのボール状のものに、2人で一緒に指を当て

音が鳴って光りだせば、2人の愛情度は高いと判断されるという、

その謎の機械。

試してみると、ウッチャンナンチャンの2人は見事に音が鳴り、

「ちょっと心配」と、野沢が心配した、ダウンタウンは音が鳴らず。


松本は思わず、「去年までやったら、鳴ってたんやけど・・・・・・」

南原は笑いながら、「東京進出が2人の間に・・・・・・!」

ちなみに、浜田、南原の2人(ウシャシャボーイズ)は鳴り、

浜田、内村の2人(父ちゃんとじゅん坊)は鳴るが、

松本、南原コンビ(スナフキン兄弟)では鳴らず、

松本が「自分以外の人間に興味がないのでは?」疑惑が浮上する。


さらに松本、野沢コンビも鳴らなかったことで、どうやら

野沢と松本だけが知り得ない、機械の秘密があるらしいことが判明するが、

それは最後まで明かされないまま、コーナーは終了する。


トークコーナーでは、改めて謎の機械のことが話題に。

どうやらその秘密を、松本は知りえたようだが、野沢だけはまだ

教えてもらえないようで、全員に知らないことを理由に、いじめられる。

しかも、メンバーは最後まで野沢にだけは教えようとせず、

野沢の、「まだ終わらないでー!」の懇願も虚しく、

他のメンバーたちの、視聴者に別れを告げる挨拶で、番組は終了。

野沢の悲しげな叫びだけが最後まで、スタジオ内にこだました。





                


                  【夢で逢えたら】全放送レビュー中 》》



深夜も、頑張ってる。

深夜、仕事帰りに、いつものようにひと気のない暗い夜道を、

1人歩いていたときのこと。

突然、誰もいないはずの前方から、女性の甲高い声が!


「冷たいお飲み物は、いかがですか?」


自販機の声でした。


し、心臓に悪いよ!


それにしても、こんな時間まで、だれもいない通りに向かって

ずっと喋り続けている自販機て、どうなんだろう。


うーん・・・・・・ちょっと、偉いかも知れないなあ。


と思ったけど、絶対にだれも利用しないだろう深夜にまで、

お客を呼び込もうと語りかけるような機能、

本当に自販機に必要なのかなあ、なんて考え始めたら、

なにか買うわけでもないのに、

自販機の前で、ちょっと真剣に悩んでしまった。


うーむ・・・・・・。



初心者同志-All night


人が大勢いる昼間のようなときであっても、

突然、自販機から声をかけられたりしたら、戸惑うだけの

ような気がするなあ・・・・・・。


小説 【金鵬王朝】

★小説を一冊だけ読もうシリーズ №2★


【金鵬王朝】  古龍

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ある日、江湖でも広く名前の知られた男、陸小鳳の前に

絶世の美貌を持った1人の女性が現れ、自らのことを

「滅亡した金鵬王国の公主である」と、名乗る。

そして、王国の再興のため、略奪された財宝と、亡命した皇子の捜索を依頼する。


陸小鳳は、友人である盲目の美形侠客、花満楼や、

天下に並ぶものなき非情剣士、西門吹雪らの力を借りて

それらの行方を追い始めるが、

やがて、思いもよらなかった真実を知ることになるのだった。


初心者同志-Book 002

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中国の『武侠小説』と呼ばれるジャンルは、分かりやすく説明するならば、

アジア版のファンタジー小説、といったところ。


主人公は大抵の場合、正義のヒーローであり、

戦うべき悪い存在がいて、対決し、最後に勝利する。

基本的に、モンスターのような、空想上の生物までは登場しないが、

その代わりに、モンスターとほとんど変わらないような、

個性溢れる人間たちが、これでもか!と登場することが特徴で、

空を飛ぶように、建物から建物へとどんどん飛び移ってみたり、

気の力で、触れずに相手を炊き飛ばしたりもする。


そこに時代劇の要素が加わって、日本のチャンバラ風アクションシーン

が描かれ、愛や、友情や、卑劣な悪行や、胸のすくようなヒロイズムや、

感動のドラマといったよくある展開が描かれたものが、

中国の「武侠小説」と呼ばれるものになる。


ちなみにこの〝武侠小説〟と呼ばれるジャンル、

日本では、特別に認知度が低いことで有名。

アジア全域では、一般的な世俗小説として、日常の中で

当然のように読まれていることもあって、中国の人からすると、

なぜ、日本人だけが武侠小説に興味を持たないのか、

すごく不思議らしい。


でも、知名度が低いだけで、需要はきっとあると思う。

武侠世界を舞台に、ジェット・リーが主演した映画、

「HERO」の大ヒットもあったし!

日本人は「三国志」や、「水滸伝」「西遊記」が大好きだし!


ということで、第2回は武侠小説を紹介。


中国の武侠小説の世界では、『武侠御三家』と称される、

金庸、梁羽生、古龍という有名な3人の作家がいる。


中でも、日本で武侠小説の代表的作家と言えば、

間違いなく金庸なのだけど、今回はあえて別の人物、

古龍の作品を紹介。


理由は、圧倒的に読みやすいからだ。


例えば、武術の腕前は達人クラスという主人公の陸小鳳は、

武侠世界という、ちょっと特殊な世界を舞台としていながら、

分かりやすくて、とても共感しやすい人物設定がされている。

酒、女、博打が好きな上、人に頼みごとをされると、

断ることができないというお人好し。

そのために多くの敵を作ることもあれば、多くの友人と知人も

持っているという、典型的なヒーロー像だ。


さらにその友人で、なによりも花を愛し、誰よりも卓越した武芸の

腕を持ちながら、

どんな人間の言うことも、疑うことなく無条件に信じてしまう、

純真な盲目の美形武術家、花満楼。


そして、その花満楼をもって、


「腹の底から、生きているといえるのは、殺しをしている瞬間だけ、

あとは単なる待機の時間でしかないんだ」


と云わしめる、

常に全身を白装束で纏い、殺されて当然の人間の前にだけ現れ、

それを一刀の元に切り捨てて去っていく、稀代の剣豪

西門吹雪。


他にも、個性的なキャラクターは数々登場するものの、

この3人のキャラクターはとくに魅力的で、この3人がそれぞれに

関わりあうシーンは、すべて見所といってもいいくらい。


例えば、西門吹雪が作品の中で初登場となる場面の描写なんて

びっくりするくらい、カッコいい。


西門吹雪に降りかかるのは雪ではない。

剣に散る血の花だ。


なんの前触れもなく、いきなりこんなふうに始まり、

さらに人を1人、一刀の元に切り捨てると、


引き抜いたとき、剣にはまだ血がついていた。

吹雪がフッと息をかけると、鮮血はつーっと剣刃をすべり、

剣尖からぽたりと一葉の落ち葉に落ちた。

落ち葉が西風にあおられて舞い上がったとき、西門吹雪の姿は

霞に飲まれ、西風の中に消えてしまった・・・・・・。



他にも、子供のように純粋な青年花満楼と、世の中のあらゆる面を

見てきた大人の陸小鳳との、ユーモアあるやり取りも楽しい。


花満楼は見えないにもかかわらず、イスの位置を感知することが

できるかのように、過(あやま)たずそこに腰を下ろした。

これを見た陸小鳳はつい尋ねた。

「いままで尻餅ついたことはないのか?」

花満楼は微笑んだ。

「尻餅つくところが見たいのかい?」

「おれはただ、そういうときには地べたじゃなくて、女性の

膝の上に尻をおろしたほうがいいだろうな、と思っただけさ」



海外では作品中に出てきた言葉をまとめた、『古龍妙語』という

の警句集まで出ている、というくらい、軽妙洒脱な古龍の文章と、

登場人物たちの会話。


それだけを楽みに読んでも、充分に面白い。


ちなみに別作品ながら、古龍作品で、1番心に刺さったのはこの言葉。


生まれつき勇敢なやつも、生まれつき機敏なやつも、

生まれつき幸運なやつには敵わない。



ああ・・・・・・うん。

小説 【笑いながら死んだ男】

★小説を一冊だけ読もうシリーズ №1★


【笑いながら死んだ男】 ディヴッド・ハンドラー

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デビュー作で〝本格派作家〟〝文壇の寵児〟と、持て囃され、

一躍人気作家となりながら、2作目が書けずに行き詰まり、

世間からの評判も、注目も、愛するハリウッド女優メリリーとの

結婚生活も失った元人気作家、スチュアート・ホーグが

数々の有名スターたちと出会い、その過去に隠された真実と、

それによって起きる事件の謎に迫ってく、

ホーギーシリーズの第1弾。


過去の栄光はどこへやら、オンボロのアパートに住み、

愛犬のルルと、明日の生活費にも困る生活を送っていたホーギーの前に、

突然、往年の超売れっ子コメディアン、ソニー・デイが現れ、

ホーギーに出版を計画している、自身の自伝のゴーストライターを依頼する。


これでも1度は、輝かしいばかりの栄光を、自らが執筆した作品で

勝ち取っているホーギーは、「どうして、僕なんかが」

1度はその話を断りかけるのだが、この自伝のためにソニー・デイは

とっておきの秘密、


『30年前に自分たちのコンビを解散するきっかけとなった、

大勢のスターたちが見ている中で、血だらけになるほどの

相棒との壮絶な殴り合いの喧嘩をした理由』


を話す用意があることを、明かすのだった。


やがて、アメリカのショービジネス界でも最も謎めいた出来事、とも

されてきた、その事件の秘密が、ソニーの口から明かされようとしたとき、

大きな事件が、ホーギーがいる場所から、遠く離れたところで起きる。


初心者同志-Book 001
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1人の主人公が、毎回違う事件を扱っていく海外ミステリーのシリーズ作品は

どうしても途中から、お決まりの設定だったり、

新鮮味を失っていく登場人物たちのせいだったりで

どんどん退屈になっていくシリーズが多い中、

このホーギーシリーズは作品を重ねていくごとに、中身が充実し、

どんどん傑作になっていくという、非常に珍しいシリーズ。


かといって、初期作品が決して、面白くないわけでもなく、

アメリカン・ミステリー賞を受賞した第3作目、

【フイッツジェラルドをめざした男】を始めとして、読む人によっては、

初期作品こそ、ホーギーシリーズらしい、という人もいるかも知れないくらい、

傑作が多い。


作者ディヴィッド・ハンドラーが、これまでに執筆した

ホーギーシリーズは全8作品。


それまでにホーギーが出会った有名人たちは、

元人気コメディアンから、元売れっ子ロックスター、大ヒット作連発の

大人気映画監督と、まさに多種多様。


そして、その誰もが一様に悩みを抱え、一様に苦しんでいる。


かつては、自身もそんな売れっ子スターの一員だったホーギーが

そんな彼らに投げかける、ちょっと皮肉の効いた、

しかし温かな言葉の数々こそが、この作品のきっと1番の魅力。


例えば、本作に登場するコメディアンのソニー・デイは、売れなくなって以後

アルコールと薬物の中毒になり、病院に通いつづけてなんとか立ち直った

という状況にある。

そんな彼と、一緒に自伝作りを始める冒頭から、こうだ。


ホーグ 「子供時代のことを話せますか?」

デイ   「いいとも。おい、こいつはまるでセラピーじゃないか?」

ホーグ 「2人とも、お金のためにやってますけどね」

デイ   「おい、こいつはセラピーよりいいんじゃないか?」


反対にデイが、ホーギーが両親と関係を築くのをやめてしまっている

ことを知ったときは、


デイ   「あんたは何を信じるんだ、ホーギー?」

ホーグ 「もう、これといって何も信じちゃいませんね」

デイ   「オレが何を信じてるかわかるか?人間さ。(中略)

      オレは人間てものを愛してる。俺はあんただって愛してるさ」

ホーグ 「まさか、抱きしめてくるんじゃないでしょうね」


もう一つ、ホーギーとともに全作品に出演している、

もう1人の主人公と言っても言いすぎではない、愛犬のルルと、

元妻のメリリーの存在も、楽しくて仕方ない。


ミステリーというジャンルである限り、時には陰惨で、悲しい展開が

出来事が起きることもあるあるけれど、そんなときはホーギーと、

この2人(1人と一匹)のやりとりにいつも癒される。


ソニー・デイが、ボディーガードと共に、ほとんど強引に

初めてホーギーの家に訪ねてくる場面では、


僕はふたりを通した。ふたりが入ると、小さなリビングはいっぱいになった。

ルルはひとしきり吠えたてると、机の下に走り込んだ。

「えらいぞ、ルル」と、僕は声をかけた。


メリリーと久しぶりに電話で話すシーンでは、すでに自分の元夫が

今、デイの自伝を手伝っていることを知っていた、と聞き、


「僕としたことが、薄っぺらだと思うかい?」

「たとえあなたがその気でも、あなたは薄っぺらなことができる人じゃないわ」

「そいつはメリリー、君が僕に言ってくれた二番目に素敵な台詞だよ」

「1番目はなあに?」

「『本当にもう他に試してみたい体位はないの?』」

「ミスター・ホーギー、はしゃぎすぎですわよ」



個人的には、海外ミステリーには珍しく、格好いいデザインの

表紙にも注目。

華々しい飛躍を遂げていく、傑作海外ミステリーシリーズの第1弾だ。 

小説を読もう。

私の周りには、

テレビは毎日見る、好きな音楽を聴く、好きな芸人さんがいる、

漫画は読む、映画は見る、ゲームはする、

けど、小説にはゼンッゼン興味がない。


・・・・・そんな人が多い。


理由はちょっとだけ、わかる気がする。


小説以外の色々なものは、それが自分にとって興味がわくモノなのか、

好きなモノなのか、すぐに確かめる手段がある。


音楽は町中で流れているし、テレビは帰ってスイッチを入れるだけでいい。

ゲームや映画は、CMが大量に流れていて目にする機会が多いし、

漫画は詳しい物語がわからなくても、絵柄を見て、

あ、ちょっと面白そうだな、なんて判断をすることもできる。


でも、小説だけは、読んでみないとわからない。


しかも、大抵の小説は、すべて文字だけで書かれているから、

面白いのかどうか知るためには、ひたすら、その文字を読むしかない。


うーん、面倒くさいぞ。

しかも小説も、世界中にあるあらゆるモノたちと一緒で、

本当にいいものは、大量にある中の、ほんの一部でしかない。


きっと、普段小説をほとんど読まない人たちは、一部の

そんな、「本当にいいもの」に出会う前に、諦めてしまった人たちなのだ。


そうだとしたら、それはちょっと、勿体ないなあ、と思う。



というわけで、これから、このブログの中で少しずつ

小説の〝いいもの〟を紹介してみようかと思う。


名づけて、【小説を一冊だけ読もうシリーズ】


小説は、読む側の感性で、どんな形にもなり得るものなので、

音楽や映画以上に、人に薦めにくい。


だから、薦めない。

作品を薦めるのではなく、小説を読む楽しさを薦めたい。

そのための、作品紹介。


「これまでの人生で、ほとんど小説なんて読んでこなかったなあ」


という人。


でも、一冊でも、「本当にメチャクチャ面白い!」と思えるものに

出会えたら、小説に対する考え方は少し変わるかも知れないぞ!


頑張って書きます。