萩の雨しなしなと四肢のゆるびて 掌
- ◆萩・萩の花・山萩・白萩・宮城野萩(みやぎのはぎ)
- 糸萩・小萩・野萩・乱れ萩・こぼれ萩・萩垂る
- 萩散る・萩嵐・萩見・萩刈る・萩原
- マメ科の低木、ヤマハギなどの萩の総称。
- 秋の七草のひとつ。
- 山野に自生するが、庭園に植栽し、
- たわんだ枝に多数の小花が開く風情を楽しむ。
「山萩」とは萩の一種のヤマハギのことをいい、
また、山にあるハギのこともいう。
秋の季語。
萩の雨しなしなと四肢のゆるびて 掌
岡田一実さん、
第三句集『記憶における沼とその他の在処』(青磁社)を
贈っていただきました。
表紙は紺の布、
そこに金の箔押しで題名があって、
大ぶりの帯(ほぼカバー)。
四六版より小振りな本の大きさで、
とても瀟洒なたたずまい。
帯:金原瑞人
跋:青木亮人
装丁・装画:濱崎実幸
<記憶における沼とその他の在処>という
印象的なタイトル、
章立ても「暗渠」「三千世界」「空洞」「水の音」。
岡田一実の<隠沼>、その水音が聴こえて。
どうもその沼は彼岸・此岸に続いているようで、
そこを岡田一実さんはしなやかに行き来している、よう。
好きな句を少しだけあげておきます。
火蛾は火に裸婦は素描に影となる
かたつむり焼けば水焼く音すなり
すいかづら蛇の膚(はだへ)を思ふ吸ふ
月見草からくれないに朽ちにけり
暗渠より開渠へ落葉浮き届く
凍鶴の凍てゆるびたる貌かたち
春昼や首に紐ある抱き心地
白藤や此の世を続く水の音
◆岡田一実 プロフィール
1976年 富山市生まれ
2010年 第3回芝不器男俳句新人賞にて城戸朱理奨励賞受賞
2014年 第32回現代俳句新人賞受賞
2015年 「らん」同人 現代俳句協会員
句集 『境界ーborderー』(マルコボ.コム、2014年)
『新装丁版 小鳥』(マルコボ.コム、2015年)
伊豫田晃一(いよだこういち)さんの個展が、
大阪で催されています。
今回のテーマは「水と夢 流転のメタモルフォーシス」
ガストン・バシュラール・フランスの哲学者の
『水と夢--物質的想像力試論』を題材にした作品。
◆伊豫田晃一 個展
【水と夢~流転のメタモルフォーシス~】
2018年9月14日(金)~22日(土)
13:00~19:00 16日(日)17日(月)休廊
●大阪 ギャラリーベルンアート
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関西のかたで、お時間があうようでしたら、どうぞ。
●伊豫田晃一 ツイッター
(魅惑的な今回の作品の画像がアップされています)
https:/
伊豫田晃一さん、
私の句集『月球儀』の装画、
個人誌「月球儀」の装画・題字をしていただきました。
「ぽつねん 中也、朔太郎、犀星をうたう」
前橋文学館25周年コンサート、聴いてきました。
演奏者は<孤独の発明>の谷川健作&原田節のおふたり。
ヴォーカル&オンド・マルトノの原田節。
原田節はあのオリビエ・メシアンの愛弟子で、
オンド・マルトノの世界的奏者!
メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」のオンド・マルトノで
何回も聴いていますが、うたを歌われるとは!?
うたは原田。
日本語もフランス語も
ことばが立っていてとてもクリアーで、ノスタルジア。
フレーズごとにオンド・マルトノの響きがなにか
異次元にいざなわれるよう。
谷川のピアノ&MCがあたたかい。
◆今日のプログラム
1 「鶯のうた」「鰯のうた」「かまきりのうた」「猫のうた」
2.天景 作詞:萩原朔太郎 作曲:谷川賢作
3旅上 作詞:萩原朔太郎 作曲:谷川賢作
4.あばずれ女の亭主が歌った 作詞:中原中也 作曲:谷川賢作
5. 月夜の浜辺 作詞:中原中也 作曲:谷川賢作
6 .詩人は辛い 作詞:中原中也 作曲:谷川賢作
7影の鳥(inst)
8. ぽつねん 作詞:谷川俊太郎 作曲:武満徹
9小さな空 作詞・作曲 武満徹
10 La javanaise 作詞・作曲 Serge Gainsbourg
11Comme d'habitude(いつものように)
作詞: Claude Francois,Gilles Thibaut
作曲:Claude Francois, Jacques Revaux
アンコール 湖上 作詞:中原中也 作曲:谷川賢作
◆原田節
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「昭和の肖像 写真でたどる<昭和>の灯と歴史」
横浜美術館コレクションの中から300点が展示されて。
会期は終わりましたが、
インパクトのある写真展でしたのでアップいたします。
チラシは須田一政「わが東京:青梅」です。
第1章「人物:時代を彩った顔」
第2章「時代と風景・風俗」
の2部構成で昭和(1926ー1989)の
<激動の時代>が切り取られていました。
懐かしい映画スターからはじまり、
文士(あの「ルパン」のスツールの太宰治などなど)
どこかで目にした写真があること、あること。
こうした写真をみていると<昭和>がいかに激動していたか、
「広島」を見るまでもなく、突きつけられて。
◆写真家・作品はこちらから
http://
初・曼珠沙華を見ました。
まだ4.5本ですが、咲きはじめて。
今年はちょっと早いような。
曼珠沙華というと塚本邦雄のこの短歌。
いたみもて世界の外に佇つわれと
紅き逆睫毛の曼珠沙華
(さかさまつげ)
曼珠沙華はさまざまな名をもっています。
いわく、彼岸花・死人花(しびとばな)幽霊花
捨子花・狐花 ・天蓋花(てんがいばな)
墓場に多く生えるとか、
畦にあって、かつて飢饉のおり非常食になったとも。
ですが、こんなことも、あるとか。
「曼珠沙華は仏教で伝説上の天の花。
サンスクリット語 manjūṣakaの音写。
純白で,見る者の悪業を払うといわれ、
天人 が雨のように降らすという。
日本ではヒガンバナと呼ばれ鮮紅色の花を咲かす」
この白い曼珠沙華、
花屋さんにありました。
こちらは歳時記
「ヒガンバナ科の多年草。
秋の彼岸に真っ赤な花をつけるが、
曼珠沙華は梵語で赤花の意味である。
鱗茎は有毒であるが、砕いて水にさらせば
非常食となる。
秋の季語」
ウキぺディアはこちら
https:/
映画 <ソフィア・コッポラの「椿姫」>を
観てきました。
オペラ「椿姫」をソフィア・コッポラが演出。
コッポラの名前からからわかるようにあのコッポラのお嬢さん。
ソフィア・コッポラ(ウキペディアより)
映画監督で作品を撮っていたところ、
デザイナーのヴァレンティノのお声がかりで、
オペラ初演出となった、とか。
チラシの裏面も
<ソフィア・コッポラ監督>
<ヴァレンティノ・ガラヴァーニ>衣装
<ネイサン・グローリー>美術
この三人がドーンと目を引きます。
「椿姫」第一幕 (公式サイトより)
えっ、ヴィオレッタは?
アルフレードは?
出演者は?と、チラシを探してしまいました。
下に小さく、出ていました。
出演者を見てびっくり、
なんと、いま東京で公演をしている<ローマ歌劇場>!?
先行の映画というのが、これでした。
フランチェスカ・トッド
ヴィオレッタ(フランチェスカ・トッド)の
うつくしい容貌、知的にコントロールされた歌唱でした。
アルフレード(アントニオ・ポーリ)も健闘して。
もうもう一度は着てみたい(!?)、夢のようなドレス、
美術もなるほど豪華絢爛。
演出も流れをそこなわないオーソドックスなもの。
生で観劇したら、どんなにか素敵なことか。
びっくりしたのは平日の昼間に
それなりにお客様が入っていたこと。
前橋にも「オペラファンはいた!」。
<キャスト>
ヴィオレッタ・ヴァレリー:フランチェスカ・ドット
フローラ・ベルヴォワ:アンナ・マラヴァーシ
アルフレード・ジェルモン:アントニオ・ポーリ
ジョルジョ・ジェルモン:ロベルト・フロンターリ
指揮:ヤデル・ビニャミーニ
演出:ソフィア・コッポラ
美術:ネイサン・クロウリー
衣裳:ヴァレンティノ・ガラヴァーニ
照明:ヴィニーチョ・チェーリ
ビデオ:イゴール・レンツェッティ、ロレンツォ・ブルーノ
振付:ステファン・ファヴォラン
合唱監督:ロベルト・ガッビアーニ
ローマ歌劇場管弦楽団
ローマ歌劇場合唱団
ローマ歌劇場バレエ団
わが暁あさく焙られ秋の草 掌
◆秋草・秋の草・色草(いろくさ)・千草・八千草(やちぐさ)
秋の草花の総称。
花咲く草、
芒野茂る原、
路傍の草など。
秋の草。
玉三郎の新作歌舞伎舞踊「幽玄」、
秀山祭九月大歌舞伎 夜の部です。
「幽玄」は、能の「羽衣」「石橋」「道成寺」の
三本の演目を新たに歌舞伎舞踊にした作品。
玉三郎の意欲作。
幕のあがる前、熱っぽく、張りつめた気が、
歌舞伎座に満ちていました。
「羽衣」が最初の演目。
演奏はすべて鼓童。
ついに歌舞伎座へ<鼓童>が立つ。
松羽目の装置に和太鼓数十人が前面へ出て、
つづいて、歌昇の伯竜以下大勢の伯竜が出てくる。
衣装の彩りもうつくしい。
とても視覚的。三階席なので、
その幾何学的な動きがよりわかって。
玉三郎、花柳寿輔による演出・振付。
金冠白衣の玉三郎の天人が息をのむよう。
静寂をたたえた一足、
舞踊というより舞であるのか。
「石橋」の獅子の毛振りに会場がわく。
「道成寺」において、鼓童がめざましい躍動。
その演奏、うたなどかつて観ることのない舞台。
この「幽玄」、
まさに歌舞伎座での玉三郎&鼓童のリサイタルでしょうか。
秀山祭九月大歌舞伎 夜の部は
玉三郎の「幽玄」、
吉右衛門「俊寛」、幸四郎「松寿操り三番叟」。
吉右衛門「俊寛」
絶海の孤島で起きる悲劇。
吉右衛門、さすがの名優、
くっきりとひとりの<男>の覚悟、
千鳥の乗船を拒む上使の瀬尾を殺してまで、
成経とともに赦免船に乗せようとする、
そのドラマが迫ってきます。
ただこの演目「俊寛」は
どうしても十八代勘三郎のそれがあって、
「未来で」を聞くのが辛い。
葵太夫と寿治郎の竹本が素晴らしい。
「そもそもこの島は」の第一声、
鍛え上げられたその太く、
深々とした声に打ち震えて、
この<声>に聞き惚れていました。
近松がいかに名文であることか。
幸四郎「操り三番叟」
人間が糸操りの人形を演じる、その人形ぶりの面白さ。
後見との息の合わせ、それが見もの。