玉三郎の新作歌舞伎舞踊「幽玄」、
秀山祭九月大歌舞伎 夜の部です。
「幽玄」は、能の「羽衣」「石橋」「道成寺」の
三本の演目を新たに歌舞伎舞踊にした作品。
玉三郎の意欲作。
幕のあがる前、熱っぽく、張りつめた気が、
歌舞伎座に満ちていました。
「羽衣」が最初の演目。
演奏はすべて鼓童。
ついに歌舞伎座へ<鼓童>が立つ。
松羽目の装置に和太鼓数十人が前面へ出て、
つづいて、歌昇の伯竜以下大勢の伯竜が出てくる。
衣装の彩りもうつくしい。
とても視覚的。三階席なので、
その幾何学的な動きがよりわかって。
玉三郎、花柳寿輔による演出・振付。
金冠白衣の玉三郎の天人が息をのむよう。
静寂をたたえた一足、
舞踊というより舞であるのか。
「石橋」の獅子の毛振りに会場がわく。
「道成寺」において、鼓童がめざましい躍動。
その演奏、うたなどかつて観ることのない舞台。
この「幽玄」、
まさに歌舞伎座での玉三郎&鼓童のリサイタルでしょうか。