742 魔法使いルーフィ
脳に効く薬物は禁止されている。
例えば、覚醒剤アンフェタミン、
メタンフェタミンは
結局、脳の中にドパミン、bエンドルフィンなどを作用させ
爽快感を感じさせる。
でも、あの鉄道青年のように
心の中に理想を持って、前向きに働く時
爽快感を持っているから
そんな、薬など要らないのである(笑)。
そういう理想を持つ事、つまり
魂を磨く事である。
愛する者の為に頑張るのも、辛い時もあるけど
理想を心に持っていれば、マラソンランナーが
トランス状態になるように
心が幸福になれる。
それは、生物が持っていた闘争の記憶プログラムであって
死闘の時、生命をそれでも守るために
痛みを忘れるために、神経を麻痺させるための
エンドルフィン作用である。
そんな時、心に理想がないなら
死に行くために、後悔の念のような
淋しい気持ちになってしまうから
幸福にはなれないのである。
ほとんどの宗教に修業があるのは
そのトランス状態を得る為であるから
たぶん、信仰に入るひとは
幸福ではないはずで
そんなものは、理想を持っている日本人には
不要なもので
だから、日本にはいろいろな宗教があるのだ(笑)。
何も信仰していないからである。
逆説で言えば、靖国、のような
特定の宗教にこだわる日本人は偽物である(笑)。
どこかの首相もそうだろう。
そんなふうに、出雲神は思った。
つまり、それが八百萬の存在理由である。
例えば、覚醒剤アンフェタミン、
メタンフェタミンは
結局、脳の中にドパミン、bエンドルフィンなどを作用させ
爽快感を感じさせる。
でも、あの鉄道青年のように
心の中に理想を持って、前向きに働く時
爽快感を持っているから
そんな、薬など要らないのである(笑)。
そういう理想を持つ事、つまり
魂を磨く事である。
愛する者の為に頑張るのも、辛い時もあるけど
理想を心に持っていれば、マラソンランナーが
トランス状態になるように
心が幸福になれる。
それは、生物が持っていた闘争の記憶プログラムであって
死闘の時、生命をそれでも守るために
痛みを忘れるために、神経を麻痺させるための
エンドルフィン作用である。
そんな時、心に理想がないなら
死に行くために、後悔の念のような
淋しい気持ちになってしまうから
幸福にはなれないのである。
ほとんどの宗教に修業があるのは
そのトランス状態を得る為であるから
たぶん、信仰に入るひとは
幸福ではないはずで
そんなものは、理想を持っている日本人には
不要なもので
だから、日本にはいろいろな宗教があるのだ(笑)。
何も信仰していないからである。
逆説で言えば、靖国、のような
特定の宗教にこだわる日本人は偽物である(笑)。
どこかの首相もそうだろう。
そんなふうに、出雲神は思った。
つまり、それが八百萬の存在理由である。
742 魔法使いルーフィ
その様子を、もちろん他の神様も
雰囲気で感じ取っていた。
「希望って、気の持ちようなんだな。トイレ掃除が嫌だってのは自然だと思うが」と、ドイツの神様。
「理想、リニアな概念だね。損得って
結局民主主義じゃないから嫌なんだよ、きっと」と、自由の国アメリカの神様は言う。
若者も、老人も。
この日本が明治の頃は、みんな理想を持っていた。
豊かな暮らしをしよう。
そういう理想に燃えていたはずだった。
日本は優しい国だから、例えば神様が八百萬いたりする事を認める。
みんな、同じなんだ。
神社に、仏様があったりする。
例えば外国の神様のように、1つしか偶像がない、なんて事はない。
そういう平和な国だから、いつのまにか
悪い連中が入ってきて
悪い事を始めたんだろう。
表だって戦ったりしないから、利益を掠めようとしたりした。
例えば、人材派遣なんて制度を作って
労働賃金のピンハネをした。
でも、そんな連中に幸せはこない。
金は儲けても、心が醜いから
その心の苦しみを埋める為に、例えば
ぱそな、と言う会社の社長秘書が
有名歌手のあすかと禁止薬物を使ったり。
心が不健康だから、そんなものを使わないと
居られないのである。
そんな連中の手元の金は、本当は
労働者が受け取るべきものである。
そういう悪事を働くのは、実は日本人じゃない。
「まあ、こんな世の中でも
幸福は金じゃ買えないってのは同じだな。」と
出雲神は思った。
あの若者は、心の持ち方ひとつで
美しく行動ができる人になった。
それで、愛をも得られたんだ。
見た目は変わらなくても、である。
雰囲気で感じ取っていた。
「希望って、気の持ちようなんだな。トイレ掃除が嫌だってのは自然だと思うが」と、ドイツの神様。
「理想、リニアな概念だね。損得って
結局民主主義じゃないから嫌なんだよ、きっと」と、自由の国アメリカの神様は言う。
若者も、老人も。
この日本が明治の頃は、みんな理想を持っていた。
豊かな暮らしをしよう。
そういう理想に燃えていたはずだった。
日本は優しい国だから、例えば神様が八百萬いたりする事を認める。
みんな、同じなんだ。
神社に、仏様があったりする。
例えば外国の神様のように、1つしか偶像がない、なんて事はない。
そういう平和な国だから、いつのまにか
悪い連中が入ってきて
悪い事を始めたんだろう。
表だって戦ったりしないから、利益を掠めようとしたりした。
例えば、人材派遣なんて制度を作って
労働賃金のピンハネをした。
でも、そんな連中に幸せはこない。
金は儲けても、心が醜いから
その心の苦しみを埋める為に、例えば
ぱそな、と言う会社の社長秘書が
有名歌手のあすかと禁止薬物を使ったり。
心が不健康だから、そんなものを使わないと
居られないのである。
そんな連中の手元の金は、本当は
労働者が受け取るべきものである。
そういう悪事を働くのは、実は日本人じゃない。
「まあ、こんな世の中でも
幸福は金じゃ買えないってのは同じだな。」と
出雲神は思った。
あの若者は、心の持ち方ひとつで
美しく行動ができる人になった。
それで、愛をも得られたんだ。
見た目は変わらなくても、である。
741 魔法使いルーフィ
顔つきが、どうであれ
理想を得たひとの表情は、美しい。
それは、もちろん生物的な行動だから
生まれ持って記憶、遺伝子に残る[人間的な]
肯定的な人生を歩むひとの姿である。
言ってみれば、寄り添って互いに
人生を生きていくべき人類の在り方である。
彼の心の中には、それまで自己防衛の為の
戦う気持ち、ノルアドレナリンが満ちていたけど
理想の為に戦える彼となったいま、
心には壮大な気持ち、ドパミンが
満ちていたりした。
目的の為なら、どんな事でもできる。
幼い頃から意味もなく罵られていたせいで
彼は、自信を無くしていたけれど
女神に認められたせいで、その自信を取り戻した。
女神は、彼の未来を少し、覗いてみた。
田舎のローカル線の小さな駅で、委託駅員として
働く彼の姿が見えた。
笑顔で、駅舎からトイレまで掃除でき
嫌な気持ちにもならない。
それは、彼の[理想]がそこにあったから。
以前の彼だったら、自分を守る気持ちだけが
先に立って
ひとのつかったトイレ掃除など、とても
できなかっただろう。
でもいまは、自発的にそれをしている。
「これは、僕の駅舎なんだ」
そういう思いで、誰に指示されるでもなく
する、そういう姿は利用者をも感動させる。
列車が駅につくと、乗り降りに不自由する
おばあちゃんの手を引いてあげたり、荷物を持ってあげたり。
他ならぬ[鉄道]を愛する気持ちは
人々の社会を
愛する事でもあった。
そんな彼を、恋しい気持ちで見る
女学生の姿も、背景に生まれたりして。
そう、魂のある人は引き合うのだ。
フランスの女神は、一瞬で彼の未来を見て
「やっぱり、人って理想が必要なのね。損得みたいな相対じゃなくて、絶対的な」と
なんとなく、そう思ったり(笑)。
理想を得たひとの表情は、美しい。
それは、もちろん生物的な行動だから
生まれ持って記憶、遺伝子に残る[人間的な]
肯定的な人生を歩むひとの姿である。
言ってみれば、寄り添って互いに
人生を生きていくべき人類の在り方である。
彼の心の中には、それまで自己防衛の為の
戦う気持ち、ノルアドレナリンが満ちていたけど
理想の為に戦える彼となったいま、
心には壮大な気持ち、ドパミンが
満ちていたりした。
目的の為なら、どんな事でもできる。
幼い頃から意味もなく罵られていたせいで
彼は、自信を無くしていたけれど
女神に認められたせいで、その自信を取り戻した。
女神は、彼の未来を少し、覗いてみた。
田舎のローカル線の小さな駅で、委託駅員として
働く彼の姿が見えた。
笑顔で、駅舎からトイレまで掃除でき
嫌な気持ちにもならない。
それは、彼の[理想]がそこにあったから。
以前の彼だったら、自分を守る気持ちだけが
先に立って
ひとのつかったトイレ掃除など、とても
できなかっただろう。
でもいまは、自発的にそれをしている。
「これは、僕の駅舎なんだ」
そういう思いで、誰に指示されるでもなく
する、そういう姿は利用者をも感動させる。
列車が駅につくと、乗り降りに不自由する
おばあちゃんの手を引いてあげたり、荷物を持ってあげたり。
他ならぬ[鉄道]を愛する気持ちは
人々の社会を
愛する事でもあった。
そんな彼を、恋しい気持ちで見る
女学生の姿も、背景に生まれたりして。
そう、魂のある人は引き合うのだ。
フランスの女神は、一瞬で彼の未来を見て
「やっぱり、人って理想が必要なのね。損得みたいな相対じゃなくて、絶対的な」と
なんとなく、そう思ったり(笑)。
740 魔法使いルーフィ
「待って」フランスの女神は、念じる。
女神のその力に抗う事などできない。
若い男は、足を止めた。
サンライズエクスプレスの、自動ドアは
光電センサ作動なので、彼が足を止めたそこで
ドアは開いたまま。
女神は、彼を呼び寄せる。
怯えた表情の彼は、振り向いた先の
女神が、柔和な表情なのに驚き、そして
優しい気持ちに初めて触れたような
笑みを浮かべた。
それまで、彼の周囲にいた女性というのは
動物臭がするような気がして、彼の
愛したい、と言う崇拝的な感情に
見合うような存在ではなかった。
そう、人間は損得と競争に明け暮れ
堕落していったのだった。
偶像、つまりアイドルであるが
日本にはそのアイドルですら、短いスカートで
恥ずかしげもなく肉体だけを売り物にするような
アイドルとは呼べないような代物しかなかった。
心の美しさなど、かけらも残っていないような
女たちの存在に、彼は幻滅して
男としての凛々しい気持ちで、機械に
興味の対象を移して行ったのだった。
それは、美しい存在が見当たらなかったから
忘れかけていた、愛の気持ちだった。
美しいものを慈しむ気持ち。
その美しいものがないために、慈しむ存在を
鉄道に投影していたのだった。
でも、フランスの女神に触れ
ひとえに、心は潤いを思い出したかのようだ。
彼は、言葉を失った。
「何も、言わなくていいわ。あなたの気持ちは
わかる。列車が好きなのね。
いつか、鉄道の仕事をすればいいわ。
その気持ちを生かして。」
彼は、にっこりと微笑み、うなづいた。
それは、生まれて初めて
自分の気持ちが、誰かに通じた瞬間だったのだろう。
誰かが、自分を認めてくれている。
それだけで、彼はもう、怯える事はなかった。
人がなんて言おうと、鉄道が好きなんだ。
鉄道の仕事をしよう。
男らしいその気持ちは、潔く
彼の目の輝きは、美しくさえあった。
女神のその力に抗う事などできない。
若い男は、足を止めた。
サンライズエクスプレスの、自動ドアは
光電センサ作動なので、彼が足を止めたそこで
ドアは開いたまま。
女神は、彼を呼び寄せる。
怯えた表情の彼は、振り向いた先の
女神が、柔和な表情なのに驚き、そして
優しい気持ちに初めて触れたような
笑みを浮かべた。
それまで、彼の周囲にいた女性というのは
動物臭がするような気がして、彼の
愛したい、と言う崇拝的な感情に
見合うような存在ではなかった。
そう、人間は損得と競争に明け暮れ
堕落していったのだった。
偶像、つまりアイドルであるが
日本にはそのアイドルですら、短いスカートで
恥ずかしげもなく肉体だけを売り物にするような
アイドルとは呼べないような代物しかなかった。
心の美しさなど、かけらも残っていないような
女たちの存在に、彼は幻滅して
男としての凛々しい気持ちで、機械に
興味の対象を移して行ったのだった。
それは、美しい存在が見当たらなかったから
忘れかけていた、愛の気持ちだった。
美しいものを慈しむ気持ち。
その美しいものがないために、慈しむ存在を
鉄道に投影していたのだった。
でも、フランスの女神に触れ
ひとえに、心は潤いを思い出したかのようだ。
彼は、言葉を失った。
「何も、言わなくていいわ。あなたの気持ちは
わかる。列車が好きなのね。
いつか、鉄道の仕事をすればいいわ。
その気持ちを生かして。」
彼は、にっこりと微笑み、うなづいた。
それは、生まれて初めて
自分の気持ちが、誰かに通じた瞬間だったのだろう。
誰かが、自分を認めてくれている。
それだけで、彼はもう、怯える事はなかった。
人がなんて言おうと、鉄道が好きなんだ。
鉄道の仕事をしよう。
男らしいその気持ちは、潔く
彼の目の輝きは、美しくさえあった。
739 魔法使いルーフィ
逃げていった、その若者の
心を、フランスの女神は
読んでみて
なんとなく、悲しくなった。
「わたしの国だったら、そんなに
怯えながら生きる事ないのに」
フランスは、自由と平等、博愛の国である。
だから、罪のない若者が
謂われない力に怯えるような
生き方はしなくて済む。
どうして日本の若者がそうか?と言うと
やっぱり風土のせいで、出雲神のように
絶対的に善悪、なんて白黒つけないから
なんとなく、悪い人が居ても
対立しない。
そのせいで、図々しい人が増えたから
特に、女の子環境は熾烈である(笑)。
可愛らしく生きていれば、図々しい悪い女に虐げられてしまう(笑)。
そんな理由で、母親は大抵闘争的だから
子供は、少々心穏やかでいられない(笑)。
穏やかな若者は、愛すべき少女を見出だせず
つまり、愛を心に描けない。
環境汚染である。
心を、フランスの女神は
読んでみて
なんとなく、悲しくなった。
「わたしの国だったら、そんなに
怯えながら生きる事ないのに」
フランスは、自由と平等、博愛の国である。
だから、罪のない若者が
謂われない力に怯えるような
生き方はしなくて済む。
どうして日本の若者がそうか?と言うと
やっぱり風土のせいで、出雲神のように
絶対的に善悪、なんて白黒つけないから
なんとなく、悪い人が居ても
対立しない。
そのせいで、図々しい人が増えたから
特に、女の子環境は熾烈である(笑)。
可愛らしく生きていれば、図々しい悪い女に虐げられてしまう(笑)。
そんな理由で、母親は大抵闘争的だから
子供は、少々心穏やかでいられない(笑)。
穏やかな若者は、愛すべき少女を見出だせず
つまり、愛を心に描けない。
環境汚染である。
738 魔法使いルーフィ
それはつまり、人間の欲望のうち
物理量で充足しないものを欲望としない、そういう考えである。
理論物理学的に言えば、3次元量で
観測できるものを欲望の対象、例えば
食糧であるとか、睡眠であるとか、
休息であるとか。
そういったものが欲望なら、平和であるし
とめどない欲望に駆られて焦燥感に
苛まされる事もない。
意味もなく、サンライズエクスプレスの
ファーストクラスの室内に
侵入しよう、などと考えない訳だし
つまり健康的な思考と言える。
その若者も、列車が好きだからと言って
他人の平和を乱してまで、欲望を満たそうとは
思わなくなるのだ。
それらは全て1次元的欲求、つまり生物脳で
起こる欲求だから
仮にでも、そこに欠乏感が無意識に
生じないようにする。
よく言われるように、記憶の中にあった
欠乏への畏怖を消してしまえばいいので
そういった神経回路を止めてしまえばいいのだ。
それは、多くの場合
生まれてすぐの頃の環境に、不安があったりした
記憶だったりするからだ。
不条理な記憶に、無意識に束縛される。
朗らかな人は、貧乏でも朗らかだし
不安げな人は、お金持ちでも不安げである(笑)。
そういう不条理をなくしてしまえば
とりあえず、不幸は減るだろう。
物理量で充足しないものを欲望としない、そういう考えである。
理論物理学的に言えば、3次元量で
観測できるものを欲望の対象、例えば
食糧であるとか、睡眠であるとか、
休息であるとか。
そういったものが欲望なら、平和であるし
とめどない欲望に駆られて焦燥感に
苛まされる事もない。
意味もなく、サンライズエクスプレスの
ファーストクラスの室内に
侵入しよう、などと考えない訳だし
つまり健康的な思考と言える。
その若者も、列車が好きだからと言って
他人の平和を乱してまで、欲望を満たそうとは
思わなくなるのだ。
それらは全て1次元的欲求、つまり生物脳で
起こる欲求だから
仮にでも、そこに欠乏感が無意識に
生じないようにする。
よく言われるように、記憶の中にあった
欠乏への畏怖を消してしまえばいいので
そういった神経回路を止めてしまえばいいのだ。
それは、多くの場合
生まれてすぐの頃の環境に、不安があったりした
記憶だったりするからだ。
不条理な記憶に、無意識に束縛される。
朗らかな人は、貧乏でも朗らかだし
不安げな人は、お金持ちでも不安げである(笑)。
そういう不条理をなくしてしまえば
とりあえず、不幸は減るだろう。
737 魔法使いルーフィ
それは、1980年代に
日本の京都大学で興った、生物社会学の
人類学的適用である。
人間であるには、家族がなくてはならないと
言う定義に依って理論体系が成立する。
家族とは何かと言えば、雌雄一対に子供があり
更に食物の分配がある、とする。
しかし、人間社会には
余剰な欲望を煽る情報、と言うものがあるから
先程の青年のように、ファーストクラスの
中を覗いて見たくなる。
そんなものを知らなければ、見たいと
思う事もないから
どこかで写真なり、映像なりを見て
触れて見たくなったりするのだろう。
つまり、情報がなければ
よかった、なんて事も言えたりする。
その欲望も、神様たちが
抑制した方がいいと思っているひとつである。
食って寝て、愛があって平和なら
特に欲望の権化になる事もないはずで
渇望するような感情は、そもそも不自然なので
空腹以外にないほうがいい、と
そう考えても自然だ。
日本の京都大学で興った、生物社会学の
人類学的適用である。
人間であるには、家族がなくてはならないと
言う定義に依って理論体系が成立する。
家族とは何かと言えば、雌雄一対に子供があり
更に食物の分配がある、とする。
しかし、人間社会には
余剰な欲望を煽る情報、と言うものがあるから
先程の青年のように、ファーストクラスの
中を覗いて見たくなる。
そんなものを知らなければ、見たいと
思う事もないから
どこかで写真なり、映像なりを見て
触れて見たくなったりするのだろう。
つまり、情報がなければ
よかった、なんて事も言えたりする。
その欲望も、神様たちが
抑制した方がいいと思っているひとつである。
食って寝て、愛があって平和なら
特に欲望の権化になる事もないはずで
渇望するような感情は、そもそも不自然なので
空腹以外にないほうがいい、と
そう考えても自然だ。
736 魔法使いルーフィ
ただ、如何に見てみたかったからと言って
人の居る個室を覗くのは、ちょっとよろしくないけれど
そういう心がけを、親から教わらないまま、青年になってしまった。
つまり、その親世代も善悪、ひとに迷惑を掛ける事が悪だと
教わるよりも
損より得だ、そういう価値観の中に育ってきたから
子供にそんな事を教えることもない。
人の寝ている個室のドアハンドルをがちゃがちゃ、と回せば
若し、女の人が寝ていれば気味が悪いし
泥棒に間違えられかねない。
そんなリスクを犯してまでもファーストクラスの個室を覗いて見たかった。
何故?
たまたま、鉄道と言う秩序的なものに
心の拠り所を感じた(つまり、不条理な親世代の気まぐれな横暴さに
厭世的になっている)。
それなので、遁走するように興味の対象を機械に求めた。
それは、親世代が悪いのか?
そうとも言えない。
単に言えば、生き物としての人間が
都市生活に合わなくなってきている、と言う事だ。
元々、人間はサルから進化したが
サルなら、生まれてすぐに歩く事もできる。
ところが、人間は脳が大きくなりすぎたので
早産してしまう。
だから。
目も開かない赤ん坊を、ほとんど母親ひとりで育てなくてはならない。
サルならば、雌同士のコミュニティで共同に育てるが
(今も、名残はあるが)。
人間同士に損得があると、そうもいかない。
その上、不条理な事に人間社会は20歳まで
子供を自立させない法律である。
子供にとっても束縛であり、親にとっても足枷である。
それゆえ、人間の家族は窮屈な存在になったので
それもストレスになる。
力関係で優位な親が、子供を束縛しようとする事も有り得る。
そんな時に、曽祖父や祖父、祖母がいるべきなのだ。
サル社会なら、まだ、隣の者がいて
子供は逃げるところがある。
そういう不条理さを嫌う心が、秩序的な鉄道、時刻に正確で
レールの上を走るものを好んだりもする。
人の居る個室を覗くのは、ちょっとよろしくないけれど
そういう心がけを、親から教わらないまま、青年になってしまった。
つまり、その親世代も善悪、ひとに迷惑を掛ける事が悪だと
教わるよりも
損より得だ、そういう価値観の中に育ってきたから
子供にそんな事を教えることもない。
人の寝ている個室のドアハンドルをがちゃがちゃ、と回せば
若し、女の人が寝ていれば気味が悪いし
泥棒に間違えられかねない。
そんなリスクを犯してまでもファーストクラスの個室を覗いて見たかった。
何故?
たまたま、鉄道と言う秩序的なものに
心の拠り所を感じた(つまり、不条理な親世代の気まぐれな横暴さに
厭世的になっている)。
それなので、遁走するように興味の対象を機械に求めた。
それは、親世代が悪いのか?
そうとも言えない。
単に言えば、生き物としての人間が
都市生活に合わなくなってきている、と言う事だ。
元々、人間はサルから進化したが
サルなら、生まれてすぐに歩く事もできる。
ところが、人間は脳が大きくなりすぎたので
早産してしまう。
だから。
目も開かない赤ん坊を、ほとんど母親ひとりで育てなくてはならない。
サルならば、雌同士のコミュニティで共同に育てるが
(今も、名残はあるが)。
人間同士に損得があると、そうもいかない。
その上、不条理な事に人間社会は20歳まで
子供を自立させない法律である。
子供にとっても束縛であり、親にとっても足枷である。
それゆえ、人間の家族は窮屈な存在になったので
それもストレスになる。
力関係で優位な親が、子供を束縛しようとする事も有り得る。
そんな時に、曽祖父や祖父、祖母がいるべきなのだ。
サル社会なら、まだ、隣の者がいて
子供は逃げるところがある。
そういう不条理さを嫌う心が、秩序的な鉄道、時刻に正確で
レールの上を走るものを好んだりもする。
735 魔法使いルーフィ
神様たちは、めいめいに自分の個室に戻ろうとした。
ファーストクラスの車両は4号車。
フランスの女神は、シングルデラックス・ルームに向かおうとした。
すると、あちこちの部屋のノブを回しているヘンな男がいる。
「何をしているの?」と、凛とした声で言う女神は
流石に神様である。
驚いた男は、こそこそと逃げ出した。
女神は、もちろん能力を持っているから
その、逃げ出した若い男の心を読んだ。
彼は、お金がないけれど
旅行が好きで、この、サンライズエクスプレスに
乗ってみたくて。
510円の指定券で乗った。
それでも、ファーストクラスを見てみたくて
空いている部屋がないか、と
ドアハンドルを回した、らしい。
その、こそこそした行動は
一見、盗みを働く者のように不審、でも
それは、彼自身の怯えである。
幼い頃から、両親だけのひとりっ子で
普段、父は働きに出ているから
母親と過ごすばかり。
でも、都市生活は母親を多忙にする。
ややこしい人間関係や、近所の付き合いとか。
いらいらしているところに、子供の奔放な
エネルギー。
つい、感情的になったりする。
絶対的に強い親から、怒鳴られたりすると
それは、幼い子供にとっては
とても怖い。
そんな時、昔ならおばあちゃんのところに逃げたり
近所のやさしいおじさんと遊んだり。
そういう関係も、例えば都市計画のまずさで
首都圏に企業が集中すれば、勤労者が
田舎の実家から暮らせなかったりする。
それも、言ってみれば損得勘定のせいで
子供の情操より、目先の損得を思ってしまうような
日常の在り方が、そうさせてしまう。
ファーストクラスの車両は4号車。
フランスの女神は、シングルデラックス・ルームに向かおうとした。
すると、あちこちの部屋のノブを回しているヘンな男がいる。
「何をしているの?」と、凛とした声で言う女神は
流石に神様である。
驚いた男は、こそこそと逃げ出した。
女神は、もちろん能力を持っているから
その、逃げ出した若い男の心を読んだ。
彼は、お金がないけれど
旅行が好きで、この、サンライズエクスプレスに
乗ってみたくて。
510円の指定券で乗った。
それでも、ファーストクラスを見てみたくて
空いている部屋がないか、と
ドアハンドルを回した、らしい。
その、こそこそした行動は
一見、盗みを働く者のように不審、でも
それは、彼自身の怯えである。
幼い頃から、両親だけのひとりっ子で
普段、父は働きに出ているから
母親と過ごすばかり。
でも、都市生活は母親を多忙にする。
ややこしい人間関係や、近所の付き合いとか。
いらいらしているところに、子供の奔放な
エネルギー。
つい、感情的になったりする。
絶対的に強い親から、怒鳴られたりすると
それは、幼い子供にとっては
とても怖い。
そんな時、昔ならおばあちゃんのところに逃げたり
近所のやさしいおじさんと遊んだり。
そういう関係も、例えば都市計画のまずさで
首都圏に企業が集中すれば、勤労者が
田舎の実家から暮らせなかったりする。
それも、言ってみれば損得勘定のせいで
子供の情操より、目先の損得を思ってしまうような
日常の在り方が、そうさせてしまう。
738 魔法使いルーフィ
ケネディは、どうして暗殺されなくては
ならなかったか?
彼は、頑なだった。
そのせいで、ベルリンに壁が出来たし
キューバの人々を爆撃で苦しめたりした。
民主主義、自由主義、資本主義。
共産主義、全体主義。統制主義。
いろんな考えが世の中にあって、それぞれを
信じる人々がいるから
融通を利かせる事も、時には必要で
頑なに自分の考えを主張してしまうと、それは
違う考えの人々にとっては
攻撃
と、映る。
そのせいで殺される事もある。
不条理な事である。
互いに住み分ければ、殺しあう事もない。
違う考えを認めればいいのである。
コンピュータで言えば、ソフトウェアがなんであれ
インターネットの約束事に合っていれば、つなぎ合えるように。
人間は、まだそこまでは進化していない。
ケネディがなぜ頑なだったのかと言うと
アイルランド移民だったし、少数派として
少し、心に抑圧感を持っていたから、などと
も思える。
頑なだから、大統領になれたのだけれども。
もし、もう少し客観性があれば
殺されるまでにはならなかった。
つまり、心に優しさがあれば
人は救える。
その優しさとは、いま、神様たちが考えている
攻撃性の抑制で生まれるのである。
ならなかったか?
彼は、頑なだった。
そのせいで、ベルリンに壁が出来たし
キューバの人々を爆撃で苦しめたりした。
民主主義、自由主義、資本主義。
共産主義、全体主義。統制主義。
いろんな考えが世の中にあって、それぞれを
信じる人々がいるから
融通を利かせる事も、時には必要で
頑なに自分の考えを主張してしまうと、それは
違う考えの人々にとっては
攻撃
と、映る。
そのせいで殺される事もある。
不条理な事である。
互いに住み分ければ、殺しあう事もない。
違う考えを認めればいいのである。
コンピュータで言えば、ソフトウェアがなんであれ
インターネットの約束事に合っていれば、つなぎ合えるように。
人間は、まだそこまでは進化していない。
ケネディがなぜ頑なだったのかと言うと
アイルランド移民だったし、少数派として
少し、心に抑圧感を持っていたから、などと
も思える。
頑なだから、大統領になれたのだけれども。
もし、もう少し客観性があれば
殺されるまでにはならなかった。
つまり、心に優しさがあれば
人は救える。
その優しさとは、いま、神様たちが考えている
攻撃性の抑制で生まれるのである。