枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2022年5月30日は、「教育子育て委員協議会」に控室から聞き耳を立てておりました。
委員協議会とは、常任委員会の所管区分ごとに構成されており、各定例月議会前に開催される市政に関する重要な事項などを協議するために開催されています。また、「教育子育て委員協議会」の所管は、子どもの育ち見守りセンター、子ども未来部および教育委員会になります。
さて、今回の教育子育て委員協議会の協議案件は7件。換気休憩をはさみながら13時頃まで続きました。やりとりは、聞き取れなかったところもありましたが、どんな議論があったか確認できた範囲でお伝えします。
現在の禁野小学校(2026(令和8)年度に新校舎完成予定:新校舎は旧高陵小学校に建設予定)
冒頭、尾川教育長から、小学校給食の精米工場について、5月初旬にあった脅迫メールについてなどに触れられました。今後、相応の対応を行っていくとのことです。
枚方市では、喫緊の課題である待機児童対策など、子育て施策を推進するとともに、今後の保育需要の減少時期も見据えた公立施設のあり方を示すため、幼保連携の考え方のもと、平成30年11月に「就学前の教育・保育施設に係るひらかたプラン」(以下、プラン)を作成し、プランの前期(2019(令和元)年度〜2023(令和5)年度)の取り組みを推進している。
現在、プランの後期(2024(令和6)年度〜2028(令和10)年度)の取り組みとして位置付けた内容を、具体的に、可能な限り早期に示すため、後期プランの策定作業を進めているところであり、後期プランの素案について示す。
背景
- 子育て支援に対するニーズの多様化
- 子ども・子育て支援新制度への対応
- 新しい「幼稚園教育要領」、「保育所保育指針」等の全面実施と保幼小連携
- 市の就学前児童の状況と幼保の需給バランス
- 市の長期財政の見通し
目的
- 子どもたちが安心して教育・保育を受けることができる環境づくりを進めること
- 保育需要の増加に対応できるよう、待機児童対策を推進すること
- 今後の厳しい財政状況等を踏まえ、民営化などによる民間の積極的な活用を図ること
- 保育需要の減少時期を見据え、公立施設の役割を明確化し、整理・集約を図ること
として、幼保連携の考え方のもと今後の教育・保育の公立施設のあり方の方向性を示すものとされています。
保育需要が今後減少していくことを考えると、公立施設の統合、民営化を考えていくことになります。
- 小学校へのスムーズな就学に向けた保幼小の連携を推進する役割
- 国から示される指針等を踏まえ、教育・保育を特に率先して実施する役割
- 大規模災害時などに応急保育を実施する役割
- 地域の子育て支援の充実を図る役割
- 整理した「今後の公立施設が担うべき役割」の具体的な取り組み
- 公立施設の整理・集約
- 公立施設の認定こども園化の検討
- 公立施設の閉園・有効活用の検討
- 在宅での子育て支援の推進
- 各エリアに配置する公立施設については、現在検討中
- 公立小規模保育事業実施施設については、待機児童対策の一環で設置した施設であるため、今後の0〜2歳児の保育需要の動向を踏まえるとともに、「枚方版子ども園」の継続状況も勘案し、今後、施設のあり方等を検討
- 公立施設を閉園や統合する場合には、閉園時期等の詳細を個別に検討し、方針を決定する。なお、閉園に際しては、方針決定時に在園している子どもたちが卒園するまで適切な期間を設けるなど、十分に配慮することとする
2022(令和4)年6月 | 社会福祉審議会 子ども・子育て専門分科会 答申 | ||
7月 | パブリックコメント実施 後期プラン最終案 |
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9月 | 後期プラン策定・公表 |
各委員の質疑(要旨)
- 大変重要な計画だと考えているが、スケジュールが非常に短期間になっている。市議会の意見はどのように反映されるのか?
⇐ 6月3日に社会福祉審議会子ども・子育て専門分科会で審議いただき、6月7日に答申を受ける予定。その後速やかにパブリックコメントを求めていく - 9月に計画を策定しなければならないのか?
⇐ 早期に今後の公共施設マネジメントに反映させる。また、来年度入所時に保護者に示しておく必要があると考えている - 「各エリアに幼稚園機能と保育園機能を有する公立施設を原則1カ所配置します」とされているが、機能とは?
⇐ 現在の施設としては幼稚園、保育園となっているが、「認定こども園」は両方の機能を併せ持つことになる - 「各エリアに幼稚園機能と保育園機能を有する公立施設を原則1カ所配置します」とされているが、4つのエリアで考えることが正しいのか?子どもの数も違うように思うが?
⇐ 子どもの数も含めて配置について検討する - こういう拙速な進め方、素案に誘導するような提案の仕方で市民に理解が得られるか?
⇐ 様々な観点で検討していきたい
近年、子どもに関する様々な問題(子どもの貧困、いじめ、虐待、引きこもり等)が多様化、複雑化している。いじめの認知件数や虐待の相談件数は、増加の一途をたどっており、昨今ではヤングケアラーの新たな課題なども浮き彫りになっている。そこで、いじめや不登校等さまざまな子どもの課題について、未然防止、早期発見・早期解決できるよう、ICTを活用した子どもが発するサインを見逃さない仕組みづくりとして、子どもがより相談しやすくなる体制整備について実証事業を行ったうえで進めていく。
悩みや辛い気持ちを抱えている子どもが誰にも相談できず、抱え込んでしまうことのないようにするため、児童・生徒の気持ちを可視化する機能とスマートフォンやタブレットで相談できる機能を併せ持ったシステムを構築する。
公立小・中学校の児童・生徒については、一人一台配布しているタブレットで利用できるようにすることで、担任等が子どもの気持ちの変化に気づき声かけ等をしていけるようにするとともに、身近に相談できる人がいなかったり電話では相談できない子どもが、普段使い慣れているタブレットで相談できるようしていく。
より良いシステムとなるよう、まずは先行して公民連携プラットフォームを活用した試行版のシステムを運用して実証実験を行い、その結果を踏まえて、本格運用に向けたシステムの機能及び相談体制を検討する。
なお、本格運用の開始時においては、18歳以下の子どもすべてがスマートフォン等でSNS相談できるシステムとする。
①子どもの気持ちの可視化
児童・生徒自身が自分の気持ちや体調を「良い」「普通」「悪い」の中から選択することで自身の状況を認知・把握できるようにするとともに、選択状況を担任等が把握し、児童・生徒への声掛けなどにつなげていく
②SNS相談
身近に相談できる人がいなかったり電話では相談しにくい子ども等が匿名で相談できるようにする(本名も可)。実証実験段階では教育委員会で確認・対応をし、福祉サービスに関することなど、学校以外で関わるべき相談については、子どもの育ち見守り室「となとな」に繋ぎ「となとな」で対応する。
2022(令和4)年 4〜6月 | 公民連携プラットフォームを活用した試行版の開発 動作確認 | ||||
6〜9月末 | 公立小中学校(2小学校・2中学校程度)で試行実施 | ||||
10月 | 試行版の検証 | ||||
12月 | 補正予算を計上 | ||||
12月〜 | システム構築、体制検討 | ||||
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システム運用、相談開始 |
各委員の質疑(要旨)
- 「児童・生徒の気持ちを可視化」について
- 子どもたちの入力したデータはいつまで残るのか?
⇐ 今後検討したい - 「良い」「普通」「悪い」の3つで気持ちを判断できるのか?
⇐ 3つでは分けられないかもしれないが、それも含めて検証したい - 令和3年度で「心の天気」を検証したが、その結果は?
⇐ 検証結果は、取りまとめているところ。児童生徒からは「安心できた」、教員からは「声掛けできた」など前向きな意見を聞いている
- 子どもたちの入力したデータはいつまで残るのか?
- 「SNS相談」について
- 教育委員会の勤務時間内が前提になっているが、それでいいのか?
⇐ 実証実験中はこのように考えている。検証し、本格運用を考えていきたい - 本格運用時では高校生世代も含めるとのことだが、専任体制も必要ではないか。どのように考えているのか?
⇐ 市で必要な相談員など体制を検討していきたい
- 教育委員会の勤務時間内が前提になっているが、それでいいのか?
学校トイレにおける洋式化・ドライ化・ユニバーサル化については、2023(令和5)年度までの全小中学校整備完了に向けて、集中的に取り組んでいる。2024(令和6)年度以降は、「枚方市学校整備計画」に基づき、老朽度合い等に応じて順次工事を行う、計画的改修に移行する。
教育現場のトイレ整備については、より多くの子どもたちがストレスなく使用することができる内容が求められ、不断の見直しは必要であり、これまで集中的に行ってきた整備内容を検証した上、基本的な考え方を整理し、令和6年度以降の整備工事に反映させる。
- 2022(令和4)年度
- 学校トイレ整備に関するアンケート調査(複数回行うことも検討)
対象:児童、生徒、教員、保護者アンケート実施に向けて、教育委員会事務局等関係部署、性的マイノリティの方、要支援児童等、学校のトイレ研究会*との意見交換等 - 「(仮称)学校のトイレ整備における基本的な考え方」策定
※学校施設整備検討委員会(庁内委員会)にてとりまとめ
- 学校トイレ整備に関するアンケート調査(複数回行うことも検討)
- 2023(令和5)年度〜
- 「枚方市学校整備計画」を踏まえた設計委託を実施
- 2024(令和6)年度〜
- 工事着手
各委員の質疑(要旨)
- なぜ今アンケートを取るのか?
⇐ 小中学校のトイレについては、令和5年度までで集中的に取り組んできた。早急に再度課題の把握を行い、今後に繋げたい
枚方市立高陵小学校と枚方市立中宮北小学校は本年4月に統合し、枚方市立禁野小学校として旧中宮北小学校の敷地に開校した。児童の通学路等については「枚方市立禁野小学校の新しい学校づくり協議会」(禁野小学校の開校に伴い協議会の名称を変更)で協議・調整を行いながら安全なルートの選定や路面標示などの安全対策を行っており、現在、地域や保護者の見守り等の協力を得ながら安全に通学している。
また、禁野小学校の新校舎建設(旧高陵小学校敷地)については、2026(令和8)年度内の開校に向け、設計施工一括型デザインビルド(DB)方式を事業手法とした総合評価一般競争入札により事業者選定を進めてきた。この度、本市の附属機関であり、有識者で構成される「禁野小学校設計施工(DB)事業者審査会」(以下、「審査会」という。)より、落札候補者の答申を受けた。
- 禁野小学校西門前道路に、自動車の速度抑制を目的とした路面表示、横断歩道等の舗装を実施
- 関西外国語大学御殿山キャンパス前の横断歩道には、地域や保護者の見守りを強化するとともに下校の時間帯に交通指導員(1名)を配置
- 関西外国語大学御殿山キャンパス前の敷地スペースを信号待ち児童の退避場所として確保
- 通学路に注意喚起用の電柱幕を設置
- 通学時の混雑緩和を目的に、禁野小学校西門利用の登校班の集合時間を調整するとともに、中宮第三団地内に新たな通学ルートを確保
- 禁野小学校西門付近に門扉(オートロック機能付き)、防犯灯及びスロープを設置
- 事業期間
- 契約締結日 〜 2026(令和8)年7月15日
- 事業内容
- 【設計業務】基本設計、実施設計
- 【建設工事】旧校舎解体工事、新校舎建設工事
- 落札候補者
- 前田組・浦辺設計共同企業体
- 落札金額
- 30億7,800万円(消費税抜)
2022(令和4)年5月 | 〜 | 2022(令和4)年7月 | 文化財試掘調査(状況により変更の可能性あり) |
2022(令和4)年7月 | 〜 | 2023(令和5)年6月 | 基本設計 |
2022(令和4)年12月 | 〜 | 2023(令和5)年5月 | 旧校舎解体工事 |
2023(令和5)年7月 | 〜 | 2024(令和6)年8月 | 実施設計 |
2023(令和5)年8月 | 〜 | 2024(令和6)年3月 | 文化財本調査(状況により変更の可能性あり) |
2024(令和6)年6月 | 〜 | 2026(令和8)年7月 | 新校舎建設工事 |
各委員の質疑(要旨)
- 留守家庭児童会室にいる支援を要する子どもは2階でよいのか?
⇐ 今後それも含めて意見を聞き、検討したい
今回の協議会では7つの案件についてそれぞれ熱心な議論がありました。今回も聴いていて、一人ひとりの子どもを見ようとしているのかな?という印象でした。ひょっとして担当部署はやらされ感で仕事をしていないかと不安になっています。兎にも角にも市の職員が働きがいを持って一人ひとりの子どもを笑顔する!と仕事をしなければ、絵に描いた餅以上のものにはなりません。SDGsも一つのモチベーションアップにつながると考えましたが、なにか疲弊感につながっていないかということが気になりました。