枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

3/5に行いました令和3年3月定例月議会の会派を代表しての質問をまとめます。

項目が多いので、分割してアップしています。

 

 要旨3「教育環境の充実」について 
  1. 「枚方の教育は良くなった」と実感できる情報発信の取り組みについて
     ⇒ タブレット活用の姿でなく、本質的な教育にどのように結びつけているのか、その試行錯誤の姿の発信を!

  2. 35人学級編制の実施について
     ⇒ 専科担任制など、あらゆる手法により教育的効果を!

  3. いじめや不登校等の未然防止、早期発見・早期解決について
     ⇒ ICTによる誰一人取り残さない見守りツールの追求を!

  4. 子どもが発するサインを見逃さない体制づくりについて
     ⇒ 本当に大切なのは「苦手なものは苦手だ」と言っていい環境!

 

タブレット活用の姿でなく、本質的な教育にどのように結びつけているのか、その試行錯誤の姿の発信を!

 

1.「枚方の教育は良くなった」と実感できる情報発信の取り組みについて

 

①ばんしょうの質問

 市政運営方針では、「良くなったと実感してもらえるように、取組を実施するとともに幅広い情報発信を行う」とのことですが、その前に、これまでの枚方市における教育の課題をどう捉えているのか?また、その課題は、タブレットを使うことでどのように解決していくのか?教育長の見解を聞く。

①教育長の答弁

 本市における最も重要な教育課題は、子どもの社会で生きる力の育成と考えている。
 この課題に対して、1人1台のタブレット端末を活用することにより、学習指導要領に基づく「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善およびデジタルドリルの活用や個々の興味関心に基づいた自主学習など、家庭学習の充実を図る取り組みを進めていく。

 

②ばんしょうの質問

 それでは、「以前と比べて、枚方市の教育が良くなったと多くの方々に実感してもらえるよう、幅広い情報発信を行う」とのことですが、どのように情報発信していくのか?

②教育長の答弁

 情報については、今後も、今年度途中より試行実施している各校および教育委員会のブログを活用することで、それぞれの学校における日々の教育活動や、タブレット端末の導入による新たな教育活動の様子など、子どもたちの充実した姿を発信している。
 また、枚方市におけるICTを活用した新たな学校教育の取組等を広く周知していくために、保護者や市民を対象にした「仮称 教育フォーラム」の実施など、様々な機会をとらえて情報発信していく。

 

ばんしょうの視点

「本質的な教育にどのように結びつけるのか」その試行錯誤の姿が見たい!
 「1人一台のタブレット端末を導入したからと言って、たちまち教育がよくなるものではない」と思い、質問しました。
 私としては、児童生徒の様子を発信することには意義があるように思いますが、学校が情報発信をする目的は、「枚方の教育がよくなったと実感してもらうこと」だろうかと疑問に思います。
 1人1台タブレット端末という道具は整いました。見かけの良さでなく、本質的な教育にどのように結びつけるのか、より深く追及している教師とともに学び、成長する笑顔の子どもたちの姿を見せていただくことを期待したいと思います。

 

専科担任制などあらゆる手法により教育効果を!

 

2.35人学級編制の実施について
 
 
①ばんしょうの質問

 来年度の学級編制については、現在の大阪府の加配が国の加配となるだけで、実質変わらないということは先の答弁で分かりしました。報道があった段階で、期待の声もあっただけに残念です。
 それでは、少人数学級編制以外の国や府、市の加配について、次年度どのようになるのか?

①教育長の答弁

 現在、小学校では、大阪府から、「確かな学力」を育むため、児童・生徒の習熟の度合いに応じたきめ細かな指導法としての習熟度別指導のための加配や、専門性の高い教科指導の実現と担任教員の負担軽減を目的とした専科指導に関する加配等が措置されています。また、市としては、小学校には、英語教育推進のための加配措置を行っており、次年度も継続する予定。

 

②ばんしょうの質問

 このような方法も含め、少人数学級編制だけでなく、あらゆる手法により教育的効果を上げることが必要だと考えるが、教育長の見解は?

②教育長の答弁

 令和3年1月の中央教育審議会の答申に、令和4年度をめどに、小学校高学年の教科担任制を導入する方針が示された。これにより学級担任以外の専科教員が一部の教科を教えることにより、よりきめ細かな指導が可能となり、授業の質の向上が期待できるとされた。このように令和の日本型学校教育について、枚方市としても、さらなる指導体制の充実や指導方法の工夫等、様々な手法を用いて、子どもたちの確かな学力と自立の力の育成を図っていきたい

 

ばんしょうの視点

専科担任制など、あらゆる手法により教育的効果を!
 少人数学級編成も大変意義ある施策だと考えますが、一方で目的ではないとも考えます。今後のさらなる指導体制の充実、指導方法の工夫には注目していきたい。

 

 

ICTによる誰一人取り残さない見守りツールの追求を!

 

3.いじめや不登校等の未然防止、早期発見・早期解決について

 

 

 12月定例月議会の一般質問で提案した1人1台タブレットを活用した子ども自身が毎日、心の天気を入力するツール。自分を見つめること、教師がサインに気付くこと様々な効用があると提案したものです。それだけにその使い方には、注文を付けました。

 

①ばんしょうの質問

 市政運営方針では、「いじめや不登校等の未然防止などに向け、試行中のICTを活用した取り組みの検証をする」とあります。
 ICTの活用については、不登校の児童・生徒と繋がる一つのツールとしても、効果的なものであると考えますが、実際にどのような検証を行うのか?
 また、改めて確認しますが、不登校の対応についてはどのように進めていくのでしょうか?

①教育長の答弁

 オンラインの授業配信や双方向コミュニケーションツール等、ICTを活用することは、児童・生徒と教職員との繋がりや、自分の気持ちを発信できる環境づくりの視点からも、有用であると考えている。ICTを活用した取り組みの検証としては、教職員が児童・生徒の発するサインに気付き、適切な対応につなげているか児童・生徒が発したサインを振り返り、自分自身を見つめることで、どう活かしているか等、ICTを導入したことでどのように効果が見られたか検証する。

 また、不登校の対応については、児童・生徒が多様性を認め合い、受け入れる教育を推進するとともに、不登校の児童・生徒及び保護者の心情や家庭環境の実情に寄り添い、家庭訪問や教育相談等を通じて、不登校の要因や背景をアセスメントし、個別の状況に応じて進めることが大切と考えている今後も不登校の児童・生徒が自らの進路を主体的に選択し、社会的に自立することを目指せるよう支援していく

 

ばんしょうの視点

ICTによる誰一人取り残さない見守りツールの追求を!
 このICTツール(心の天気)は、学校がだれ一人取り残すことなく、すべての子どもと繋がり、成長を見守りながら寄り添い、支えていくことに一歩でも近づくツールとなりますよう可能性を追求していってもらいたい
 

不登校から守るという大人側の発想でなく、子どもたちが自ら考える力、生きる力を身につけていくことに対する支援を!
 不登校の対応については、未然防止という掛け声の下、守ってあげる、学校に来られるようにしてあげるという発想ではなく、子どもが自分自身で考え、自分自身で問題を解決していくという、生きる力を身につけていくことが、何より大切だと考えています。また、教育長も「社会で生きる力を育成していくことが課題」と言っていただきましたので、より広範な支援を要望しました。(教育長は頷いていました)

不登校はあってはならないことではない!大丈夫です!
 市政運営方針では、「いじめや不登校等の未然防止、早期発見・早期解決に向けて」とされています。いじめの未然防止という観点は一定理解できるのですが、これまでに一般質問においても、指摘させていただいてきたように、不登校といじめが並列に表現されていることは強く違和感を覚えます不登校があってはならないことだと捉えて頂きたくないと改めてここでも申しておきたいと思います。(質問でも言っています)

 

本当に大切なのは「苦手なものは苦手だ」と言っていい環境!

 

4.子どもが発するサインを見逃さない体制づくりについて

 

 

 

①ばんしょうの質問

 市政運営方針において、子どもが発するサインを見逃さないとありますが、SOSを発信する子どもたちには、いじめや友だちとの関係で困っている場合もあれば、最近では柔軟剤に含まれる香りにより体調不良となる香害に困っている場合もあると聞きしました。また、香害については、啓発ポスターの掲出など各自治体で様々な取り組みがでてきています。
 今までにも、学校現場において、このような相談があったと思いますが、これまでの対応について聞く。

①教育長の答弁

 香りによる体調不良等の相談につきましては、昨年度、保護者が直接教育委員会に来られ、状況を確認し、空気を対流させる機器等の貸与を2件行った。児童・生徒が通う当該校では、個別に対応できる教室を準備するとともに、学校だより・保健だよりを用いて児童・生徒、保護者、教職員へ周知するとともに、地域の方々にも啓発に努めている。

 

②ばんしょうの質問

 これまでは個別での対応とのことですが、このような子どもが発するサインを見逃さないためには、まずは教職員の理解を広げ、香害を知っておくことが重要でないか、教育長の見解を聞く。

②教育長の答弁

 教職員の香害への認識を深めるため、保健所とも連携し、教職員への周知をはかるため、研修会でも取り上げ、子どもが発するサインを見逃さない対応に努めてまいく。また、私自身も香害への認識をあらためて深めるとともに、各校長に協力を呼びかけていく。

 

ばんしょうの視点

本当に大切なのは「苦手なものは苦手だ」と言っていい環境!
 市政運営方針では、子どもが発するサインを見逃さない体制づくりとされていますが、本当に大切なのは「苦手なものは苦手だ」と言っていい環境なのではないでしょうか。言い方を変えると、子ども一人ひとりが自己を開示できる安全な場所、安全な環境を作っていくことではないでしょうか。そこでは、自己が表現でき、そしてそれは、自分らしく生きること、自己実現につながるのではないでしょうか。
 そういった、誰一人取り残すことのなく、一人ひとりにとって充実した学習と生活の環境が整っていることが、「枚方の教育」であって欲しいと考えます。

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 令和3年度市政運営方針での「教育環境の充実」では、今後の枚方の学校教育の方針が詰まっていました。不安にしかならなかったのは私だけでしょうか。

 1人1台のタブレットはただの道具です。これからそれを使って本格的に新たな授業の探求が始まるのではないでしょうか。一人ひとり子どもの未来の笑顔を確かなものにしたい!との思いで、一つひとつ丁寧に注文を付けました。みんなで枚方の教育について本質的な議論が必要です。

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