原田マハにハマる
先週のこと。図書館で本を物色していると、どこかのおじいさんがふらふらと歩いてきて、よろよろとよろけて僕にぶつかったのです。突然の事でした。
「おや、失礼しました」
「いえ、大丈夫ですか」
と、幸いお互い怪我はなかったのですが、その時僕がとっさに掴んだ本があったのです。
それが原田マハ著『ごめん』と『楽園のカンヴァス』という本でした。それで、「これも何かの縁」と、借りて読むことにしたのです。
原田マハ氏の作品を読むのは初めてでした。まずは『ごめん』から読むことにしました。
『ごめん』は四編からなる短編集です。一話目『天国の蝿』の冒頭、野草を摘む母子が描かれています。しかも他人の田んぼの中です。その摘んだ野草を夕飯のおかずにするという設定です。その描写一発で原田マハにハマってしまいました。
その他にも秀逸な短編が三篇収められていて、一冊さらりと読むことができました。
つぎに『楽園のカンヴァス』です。僕はこの本の表紙を見ただけで、この物語が良作だということを確信しました。なぜなら、表紙に使われているのがアンリ・ルソーの絵だったからです。何を隠そう、僕は三十年来のアンリ・ルソーのファンなのです。
ルソーの素晴らしさについて、ここで語りたいのはやまやまなのですが、とても長く熱くなりそうなので涙を飲んで割愛します。彼の絵画の素晴らしさについては本書でマハ氏が十分に著しておられます。
読み終えて、やはり良作でした。本書に「この物語は史実に基づいたフィクションです」と断り書きがあるように、当時ルソーと親交があったピカソや詩人のアポリネールが主要キャストとして登場します。
どこまでが真実で、どこからが作者の創造なのかは、僕には知る由もありませんが、そんな事を考えながら読んでいくと、十九世紀末のパリへタイムスリップしてしまったような感覚に囚われます。ルソーのジャングルのようなアトリエ、そこに散らばった油絵の具やテレビン油も目に浮かぶようです。
おそらく、マハ氏もルソーが大好きなのでしょう。容易に想像ができます。
この本は絵画好きの人には是非おすすめの本です。尚且つルソー好きなら必読必携の良書です。絵画にまったく興味のない人でも、この物語の最後の結末を読めば、心が震え、原田マハにハマること間違いないでしょう。
「おや、失礼しました」
「いえ、大丈夫ですか」
と、幸いお互い怪我はなかったのですが、その時僕がとっさに掴んだ本があったのです。
それが原田マハ著『ごめん』と『楽園のカンヴァス』という本でした。それで、「これも何かの縁」と、借りて読むことにしたのです。
原田マハ氏の作品を読むのは初めてでした。まずは『ごめん』から読むことにしました。
『ごめん』は四編からなる短編集です。一話目『天国の蝿』の冒頭、野草を摘む母子が描かれています。しかも他人の田んぼの中です。その摘んだ野草を夕飯のおかずにするという設定です。その描写一発で原田マハにハマってしまいました。
その他にも秀逸な短編が三篇収められていて、一冊さらりと読むことができました。
つぎに『楽園のカンヴァス』です。僕はこの本の表紙を見ただけで、この物語が良作だということを確信しました。なぜなら、表紙に使われているのがアンリ・ルソーの絵だったからです。何を隠そう、僕は三十年来のアンリ・ルソーのファンなのです。
ルソーの素晴らしさについて、ここで語りたいのはやまやまなのですが、とても長く熱くなりそうなので涙を飲んで割愛します。彼の絵画の素晴らしさについては本書でマハ氏が十分に著しておられます。
読み終えて、やはり良作でした。本書に「この物語は史実に基づいたフィクションです」と断り書きがあるように、当時ルソーと親交があったピカソや詩人のアポリネールが主要キャストとして登場します。
どこまでが真実で、どこからが作者の創造なのかは、僕には知る由もありませんが、そんな事を考えながら読んでいくと、十九世紀末のパリへタイムスリップしてしまったような感覚に囚われます。ルソーのジャングルのようなアトリエ、そこに散らばった油絵の具やテレビン油も目に浮かぶようです。
おそらく、マハ氏もルソーが大好きなのでしょう。容易に想像ができます。
この本は絵画好きの人には是非おすすめの本です。尚且つルソー好きなら必読必携の良書です。絵画にまったく興味のない人でも、この物語の最後の結末を読めば、心が震え、原田マハにハマること間違いないでしょう。