続き。


まっすぐの脚で大転子や中殿筋を使って立ち、お尻を締めて小指側からくるむ外旋をしている人達は、股関節を球で使えません。

股関節を球で使えなければ、距骨や足裏も球で使えません。

そうすると体の使い方も指導方法も、直線と面になってしまいます。

バレエは直線と面で考えると必ず間違えます。

直線と面で踊るとかなり身体は痛めやすいです。

「ターンアウトは脚の付け根から回す」という指導がありますが、これもほとんどの人が面で考えてしまっています。

脚はペットボトルのフタではありません。

ターンアウトもおせんべいの表と裏みたいなものじゃないのです。

バレエはシンプルですが、そんなに単純ではないのです。


単純に考えてしまうことで、無駄にバレエを複雑化してしまうのです。

条件が悪く勝手にターンアウトする体を作れないから、間違ったことを正しいと信じてしまうのです。


こういった場合、自分の体を基準に考えてしまうので、バレエを踊っていて楽には絶対なりません。 


どんどん身体も精神も苦しくなっていき自分を追い詰めます。


そしてバレエは苦しいものだ、それを乗り越えてこその芸術だといった考えに偏ります。


そこに浸る楽しさもあるのかもしれませんが、それではバレエの本質からは遠ざかってしまいます。

研究するなら、世界のトップ、本物の天才の研究をしなければ、バレエを理解することは出来ません。


そしてそこにバレエを安全に楽しく踊る為の真実があります。


条件の良い体であれば、球関節である股関節の転がりに対して距骨や母趾球も連鎖的に転がります。
転がり方も直線ではありません、必ず螺旋を伴います。

股関節が転がっているのに、他が直線で動いたらおかしいのです。

バレエの足は、ボーリングの球を転がしながら、それにスピンをかけるような転がりをします。

まずは、まっすぐの脚でバレエを考えることを辞めましょう。

そもそも、バレエはしなった脚の人達が生み出したダンスです。

そこがスタート地点です。

前提条件が違うのです。

もともとがまっすぐ脚でも、しなった脚と同じように使えれば良いのです。


続く。