その「踵が踏めたつま先重心の体」はロシアスタイルとフランススタイルの場合、それぞれ下の絵のようになります。

前後左右、どの角度から見ても、この体です。


↓ロシアスタイルのバレエ。

ロシアスタイルは機能のまま、シャネルのまま。

アーチ型に放射するので上半身の動きが広がります。

放たれたままなので見る人によっては丁寧ではない、雑だと感じる人もいます。

上半身を大きく使うので日常生活の動きとは違う表現になります。


↓フランススタイルのバレエ。


フランススタイルは集めて上に行きます。

絵に描いたように、伸びる力が強い「集まる」です。

上に行くための「集まる」です。

ロシアバレエの広がる上半身を束ねたのがフランススタイルです。

ですから、どちらも上に伸びてます。


このスタイルは厳格好きな日本人にも受けるし、形よりラインを重要視する西洋人にも受けます。

機能的なのに集まるエネルギーを使うから細部の繊細さが引き立つのです。

丁寧なのに自然で深みがあると思う人が多いのではないでしょうか。


どちらが魅力的に見えるかはそれぞれの好みですが、フランススタイルの方がロシアスタイルよりは体力を必要とします。


集めるより放つ方が楽なのです。


体力面でいったら長く踊り続けられるのはロシアスタイルでしょう。


フランススタイルの「集める」というのは、日本人的な直線的な横から集めて縦に伸ばす、もしくは内ももを集めてお腹を引き上げるみたいな集め方ではありません。


ちなみに英国ロイヤルは機能にプラスされて筋肉のコントロールが入る割合が多くなります。

ですのでフランススタイルより更に体力を必要とします。