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明日への轍

齢五十を過ぎて、ある日大腸がんが見つかる。
手術から回復したと思った一年後、肝臓と肺へがんが転移。
更に続くがんとの付き合いを記録します。

先週ぐらいから脇腹の辺りの痛みが強くなってきた。

我慢できないような痛みではないが、ピリピリ、ツンツンという鋭い痛みと手術後の麻酔が効いている状態の腹部のような重い感じがする。

日中は、何かをしていれば忘れてしまうぐらいであるが、寝ている時につらい時がある。

背中が痛くて、何度も寝返りを打つことになる。そして眠れなくなる。

 

大体、二時頃に目が覚めて、それからそのまま寝ようとしても眠れず、ラジオを聞いたりしてるもののやはり眠れない。

三時か四時ごろにうつらうつらして浅い眠りのまま六時の明かりが付けられて看護師が血圧測定にやってくる。

眠れないのは辛いものだ。

 

そんな症状を医師に伝えたところ、別の鎮痛剤を提案された。「オキシコドン」という商品名らしい。

ネットで調べてみると「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」とある。

副作用もあり、吐き気、便秘、眠気などがあるという。 一日二回、午前と午後の九時に服用する。

但し、自己管理は出来ず、看護師が別管理して服用時のみ看護師が持ってくる。 管理は厳重らしい。

 

昨夜より服用したが、夜は割とよく眠れた。 四時まで起きなかった。

背中の痛みが多少減少したお陰かと思う。やはり薬の効果はある。

でも、より強い鎮痛剤が必要だということは、それだけ症状も進んでいるということでもあろうから、うれしい話ではないが。

 

 

15・16の週末に外泊で自宅へ戻った。 当たり前であるが、自宅はのんびりできる。

それにカミさんとクダラナイ話も含めて、ああでもないこうでもないと色んな話をしてきた。これって結構ストレス解消なのかもしれない。

病院では、それほど長時間話をする機会はない。隣の人とホンの短時間の世間話や看護師が血圧を測りに来た時に少し、医師とも同様。

そんなもんである。
もともとそんなに話好きという訳ではないが、久しぶりに自宅へ帰ると色々と話したいことが出てきて止め処がなかった。
 
今回の外泊でも時間を見てバイクに乗り、日帰り温泉でゆったりして来ようと企んでいたが、何せ寒かった。
日曜日の外気は何と五度だった。 流石にこの気温では走り出す気になれなかった。 
まあ、無理をして出かけて湯冷めでもして風邪を引いたら元も子もないから、諦めて正解だったかもしれない。
来週の週末は三連休であるし、その時期には採血等の検査も予定がない。だが、連泊はできないだろう。
それでもいい。
 
 

一回目と全く同じ手順で、昨日に二回目の治験薬投与があった。

前回同様、当日は何も副作用らしきものはなく、過ごしている。多分、何事もなく二週間は過ぎてしまうだろう。

そんな気がする。

 

治験コーディネーターの人から今後の予定が示された。

今月27日に三回目の治験薬投与が予定されているが、それに伴う採血等は当日以外はなく、次回に外来で来るのは四回目の治験薬投与日であることが説明された。

当初は治験薬投与毎に頻繁な採決が続くのかと思っていたが、それは二回目までの事であり、三回目以降はそれほど詳細に採血等は必要ないらしい。

だから、三回目の治験薬投与後、翌日の28日には退院の予定である。

その後は翌月の10日まで来院する必要がないのであるから、年末年始は全てフリーであることが判った。

CTも一月後半に予定されているということである。 

 

昨日の採血の結果を聞いた。

腫瘍マーカーは CA19-9 が 9で前回(12月6日)と変わらず。

           CEAは 73 で前回(67) より若干上がった。

あまり変化がないのは抑制的に効果があるんだと思いたい。

 

 プラス思考、楽観思考かな。

 

土日は採血等の予定が無くなった。 出来れば外泊して自宅へ帰りたい。

 

やっと明日から二回目の投与が始まる。 二週間ごとのルーティーンであるが、結構長い。

それも後半の一週間は検査もないと言う、まるで休薬期間だからである。

暇を持て余して外出や外泊を繰り返して何とか過ごした。

 

慣れたくはないが、多少は入院生活にも慣れた。

でも、相変わらず睡眠は浅い。 どうしても九時就寝だと二時頃に目が覚めてしまい、それから眠れなくなる。

ラジオを聞いたり、音楽を聴いたりしているが、夜は長いのである。

 

このルーティーンを繰り返すとすれば、二十七日の木曜日に三回目の投薬をすることになる。

でも、今月は年末である。投薬後の検査や採血は年末年始に集中し、元旦から採血のために病院に来ることになる。

それが治験に必要であるならばしょうがないが、どうなのであろうか。

自分でも年末年始の予定はある程度考えていた。だが今は、治験が最優先と思っている。 

不確かではあるが、二十九日から年明けの、三日までは検査担当者もお休みのようである。

だとすれば、投薬の時期も一週間ほどずらすようなことになるのではないだろうか。

 

まあ、そんなことは自分でどうにかなるものではないので、言われたとおりに治験、検査を受けるしかないのである。

 

早くも入院から13日目である。 週末は診察もないことから病院はひっそりしている。

次の木曜日から、また免疫療法が始まるが、それまでは採血もない日々が続く。

今週末は外泊の許可が出た。土日の一泊二日である。

 

ほぼ二週間ぶりに自宅へ戻った。 嬉しかった。直ぐに髪を切りに出かけた。近くの床屋へ。

最近は髪の形にもほとんど無頓着になった。元来、面倒くさがりな性分なのである。

洗髪後、ドライヤーで髪を乾かすのさえ面倒なのである。 タオルで拭いたらそれでおしまいが理想だ。

だから、これから冬の寒い季節になるのだが、髪を短く切ってもらった。ほとんどバリカンで切るようなものだ。

髪型がどうとか言うのは二の次なので快適だ。 

 

色々と用事は済ませた。 その気になれば進むものである。

夜も割とよく眠れた。やはり自分の家で自分の布団は安心できた。 でも、やはり二時ごろに目が覚めた。

 

日曜日はやはりバイクに乗りたかった。 二週間ぶりだったのと、外気が寒くてそれほど遠くまで行こうという気にはならなかった。

多摩の日帰り温泉へ行った。 温泉は大好きなのである。

温泉に入っていると、体の芯まで温まり、内臓まで調子がいいような気がしてくる。

お腹もすいて、昼食の蕎麦も美味しかった。 ノンアルコールビールも格別だった。大袈裟だが、生きてるって感じがした。

 

気分転換は大事だし、必要だと感じた。 

長丁場だが、まだ半分程が終わっただけだ。後半の半分がこれから始まる。そして免疫療法の効果を見るCT検査が近づいてくる。

楽しみなような怖いような。 そんな気持ちだ。 

期待を持つことは悪い事じゃない。一方で期待した効果が出ていなければ、落胆もするだろう。

でも、諦めることなく希望を持ち続けて行きたい。