今年の2月にブータン王国に行ったご縁で、
『ブータン人の幸福論』(福永正明監修・徳間書店)
を読みました!
ブータンは、チベット仏教を国教として、
国の方向性、そして国民の生活の指針も、
その考え方に基づいています。
「輪廻転生」―――生まれ変わりを
信じていることにより、
ブータンの人は、野良犬を可愛がり、
蚊やアリを殺すことも嫌います。
なぜなら、それらはもしかして、
大切な人の生まれ変わりかもしれない。
そして自分も次はそうなるかもしれない。
そう思っているから、
自然と、「生き物を大切にする」ということが
身についているのですね。
本で知ったのですが、
ブータンの花屋さんにあるのは、
切り花でなく造花なのだとか。
花を愛でるために、
咲いてある場から切るのはかわいそう、
と思うからなのでしょう。
また、世知辛い世の中になると、
「自分のことは自分で」
「頼らないし頼られない」
と思うようになってしまいます。
けれどブータンでは「助け合い」というのも
当たり前です。
村で他の人の家に行き来して食事をするのも、
農作業を手伝うのも、
親戚同士で面倒を見合うのも・・・。
だから「老後も安心」と皆が思い、
「老後資金をためないと」と
あくせくとしてしまうことがないというのですね。
こういうところが「昔の日本のよう」
と思われることが多いゆえんなのでしょう。
「やったことが還ってくるから、人に優しく」
「いつかの自分かもしれないから、生き物に優しく」
そう思ってみんなが行動していたら、
思いやりに満ちた社会になるでしょう。
近代化の影響を受けながらも、
それを維持しようとしているところが
素晴らしいと思います。
「いい心をもっていたらいい行動ができます。
そしてそれがいい結果につながるのです」
「今、あなたが見ている世界は、
あなた自身を表しています。
なぜなら、すべてのことは、
あなたの捉え方や見方次第で
変わってくるからです」
「幸せとは、結局心の状態を表すのです。
心の平安があれば、高い確率で
幸せな生活につながります」・・・
ブータンの人の言葉として聞くと、
これらの言葉が、本当に、スーッと
心の中に入ってきます。
ただいま、「上野の森美術館」で、
「ブータン展」を開催中ですよ!
私も来週に見に行く予定です。
ブータンに興味をもたれた方は
ぜひ行ってみてくださいませ!(*^-^*)/