人生をアートで埋める
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アートフェア東京2012

東京・有楽町の国際フォーラムで開催されている「アートフェア東京」、今年も見ることができた。
昨年よりも会場が広くなり、参加ギャラリーも増えた。相変わらず活況で、沢山の来場者が詰めかけていた。特に入り口のチケット売場の周辺は時に長蛇の列になっていた。相変わらずアートへの関心の高さを感じる。もちろん、世間ではこのアートフェアなるものの存在をまったく知ることのない人の方が大多数なのだろうが。
あまり時間の余裕がなく、会場を隅々まで見て回るようなことはできなかったが、初めて聞くようなギャラリーや、古書店なども参加していたり、出展の基準のようなものを少し下げたのか、という印象。反面、日動画廊を始めとする老舗の大御所的な画廊も多く、とにかくごった煮的なアートフェアだ。その割に海外からの出展が少なく、国際的なアートフェアとは言い難い。少なくとも「東京」を冠するアートフェアとしてはさびしいものである。これは例年ずっとそうで、主催者側はもう少し真剣に海外からの誘致を考えるべきだろう。ぼくは韓国の同様のアートフェア「KIAF」にも何度か行っているが、東京とは比べ物にならないくらいインターナショナルだ。アートの世界でも日本は韓国に大きく遅れをとっていると思う。
とはいうものの、来場者の顔を見ていると、老若男女、それぞれがいい顔をしている。各ギャラリーのスタッフの方もみんな高揚した感じの楽しげな表情をしている。アートフェアというものはやはりいいものだな、と感じる。景気も少しずつよくなっているのかもしれない。幸福な空気に満ちた会場だった。

高橋源一郎の正しさ

高橋源一郎の最新刊「『あの日』からぼくが考えている『正しさ』について」(河出書房新社)を読んだ。
「あの日」とは当然2011年3月11日のことであり、その日から2011年末までに高橋源一郎が発したツイッターでの発言や、その他webサイトや雑誌、新聞などで発表した文章などが時系列的に並べられいる。
震災と津波、そして原発事故のあと、様々な展開があったわけだが、その間彼が何を考えてきたのかがとてもクリアに見えてくる。文章も平易で面白い。震災とは関係ないが、彼の幼い二人の息子とのやりとりに触れたツイートなども載っていて、時に微笑ましい。一貫して感じるのは、彼がとても(少なくとも文章の上では)冷静に事象を受け止め、様々な問題の前でつねに「考える」という姿勢だ。答えは重要ではないかもしれないし、正解はないのかもしれない。わからないものはわからないままに、考える。日々の生活やユーモアも忘れずに、世界を見つめ、考える。そういう生き方だ。
とても単純なことだが、たとえばリビングのソファに寝転んで「ホンマでっか!?TV」を見てゲラゲラ笑ったあとに、深夜、自分の部屋の机に向かって、この世界の見知らぬ誰かが幸福になるために自分には何ができるのだろうか、と静かに考える。そんな毎日は素敵だな、と思った。


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芸術新潮 大友克洋特集

もうすぐ始まる某展示会の準備で忙しい一日。仕事を終えたのは夜10時を過ぎていた。疲労もあるが、多少の充実感もある。

会社で定期購読している雑誌「芸術新潮」の最新号は、大友克洋の特集。家でじっくり読もうと持ち帰った。
大友克洋に関しては、ほとんど読んだことがない。「童夢」を随分前に読んだのと、あとは短編集を1冊くらい持っているかもしれない、という程度だ。気にはなるのだが、なんとなく敬遠したくなる存在であった。でも、なにしろ大友克洋だ。好みは別として、漫画の歴史の中で、恐らく手塚治虫の次に重要なイノベーターである、という認識、あるいは敬意は持っている。

NHK-FMで大瀧詠一の「アメリカンポップス伝」を聴きながら、特集内のインタビューや新作の漫画などを熟読した。面白かった。大友克洋、そのうちきちんと読んでみよう。

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ムーンライダーズ

WOWOWで放送された、ムーンライダーズの「活動休止直前ライブ」を観た。
ムーンライダーズは1970年代から活動を続けた、日本のポップス界の最重要バンド。昨年、アルバム『Ciao!』を発表するとともに、残念ながら活動休止を宣言したのだが、この番組は一般的なリスターに向けた最後のライブを収録したもの。
ぼくが初めてムーンライダーズを聴いたのは、今から20年以上前の1991年。高校2年生の頃だった。当時、5年間の沈黙を破って久々のアルバム『最後の晩餐』を発表したのだが、その収録曲である「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」という曲をたまたまラジオで聴いて興味が湧き、アルバムを買ってみたのだった。それまでまったく聴いたことのないひねりの利きまくったその音楽世界に、最初はとまどい、やがてハマってしまった。『最後の晩餐』以降のアルバムはほとんど全て持っているし、それ以前のアルバムも中古CD屋で見つけると買ってきた。もちろん『Ciao!』も買った。とてもいいアルバムだった。
ムーンライダーズは、アカデミックでやや難解な、一筋縄ではいかないポップスバンドであるわけだが、そういう音楽への嗜好をぼくに植えつけてくれた。それはぼくにとって、聴く音楽の幅を広げてくれただけではなく、ポップスというものの持つ深さを教えてくれた。独特の諧謔生に満ちたポップス。あるいは様々な音楽、映画、文学などからエッセンスを抽出する引用に満ちたポップス、というものだ。
他にもカーネーションや青山陽一など、ムーンライダーズ・チルドレン的な人たちも好きで聴き続けているし、松尾清憲も元々はムーンライダーズの鈴木慶一や白井良明のプロデュースで活動を始めている。
ライブは、活動休止といったような「終わり」を感じさせない、非常にアグレッシブなものだった。ぼくが聴き出した頃から彼らは「知的なおじさん達」という佇まいだったが、さらにそれに磨きがかかっていた。特にドラマーのかしぶち哲郎などは、どこかの大学教授にしか見えない。そういえば、キーボードの岡田徹は、前に仕事で渋谷に行った時に、用事があって立ち寄った東急ハンズのエレベーターで遭遇したことがあったな。
ライブでは、ぼくの大好きな「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」も演奏された。何度聴いてもいい曲だ。この曲はぼくのテーマソングだった。語彙を駆使した、抽象的な表現の歌詞が多いバンドなのだが、時にどうしようもなく感傷的な、あるいは青くさい歌詞があって、そういう曲は本当に胸に沁みる。内気で、冴えない主人公なのだが、心はとても澄んでいるのだった。でも、きっと女性にはモテない。そこがいいのだ。
中盤は淡々と最新アルバムからの曲が演奏され、やがて過去の代表曲が立て続けに演奏された。「トンピクレンッ子」や「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」など久しぶりに聴いたが、ライブ映えする曲だな、と改めて思った。ぼくとしては、比較的最近の曲だが「Cool Dynamo,Right on」という曲が聴けてうれしかった。
テレビで映像として見ただけだったが、とても良いライブだった。活動休止は本当に残念だが、きっとまた復活してくれるだろうと信じている。

2011年

2011年も終わろうとしている。

年末の慌ただしい中、12月23日に引っ越しをした。
10月頃から、休日はすべて物件探しと様々な手続きなどで忙殺された。
なんとか引っ越しを終え、今はまだ慣れない新居で少しずつ日常を取り戻している。
今まで住んでいた所から、クルマで5分ほどの近場に結局は落ち着いたのだが、当然引っ越し作業は大変だった。
本だけでダンボール60箱ぐらい、CDやDVDなどで10箱、という感じで、とにかく物を捨てられない自分にうんざりした。それでも5箱ぐらいはブックオフで処分したのだが、少しも減った感じがしない。
今現在新居では、本についてはまったく手をつけておらず、ぼくの部屋にはダンボールが山のように積まれ、どこかの倉庫のようになっている。正月休みは本の整理で終わりそうだ。
キッチンやリビング、寝室などは妻が猛烈な勢いで整理したので、とても快適な状態にはなっている。
新しい気分で、これからもがんばろう、と思う。

今年は仕事ではなかなか辛いことが多かった。考えさせられることも多かった。
個人的には、年々声がれがひどくなってきていて、かなりガラガラ声になっていたのだが、喉にポリープができていることが判明し、9月に手術をした。入院は中学生の時に事情があって検査入院して以来、20年以上ぶり、手術はほとんど初めての経験だった。全身麻酔をしたのでまったく知らない間に終わってしまったのだが、それなりに緊張感があった。術後1週間は声を出してはいけない、と言われ、家でおとなしく静養していた。本当に声を出せるようになるのだろうか、と不安になったものだが、たとえば歌手で、よくポリープ手術をする人がいるが、彼らにしてみれば、声が出るかどうかというのは大変な恐怖だろうな、と思った。
声に違和感はあるものの、無事に治ってよかった。

今年は大変な年だった。震災と原発事故で、気が滅入った。政治のことについてはあまり発言したくないが、国会議員たちのあまりの無能ぶりに辟易する。暴動でも起こしたい気分だ。経済も低調で、先行きは暗い。でも、生きるしかない。

毎年思うことだが、来年はがんばりたい。30代も残り少なくなってきた。悔いのない時間を過ごしていきたいと心から思う。気分としては、あまり読みたい本もなく、聴きたい音楽も限られてきた気がする。いろいろ勉強の時間を作って、仕事に精進したい。もちろん、家庭も大切に。

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