ムーンライダーズ
WOWOWで放送された、ムーンライダーズの「活動休止直前ライブ」を観た。
ムーンライダーズは1970年代から活動を続けた、日本のポップス界の最重要バンド。昨年、アルバム『Ciao!』を発表するとともに、残念ながら活動休止を宣言したのだが、この番組は一般的なリスターに向けた最後のライブを収録したもの。
ぼくが初めてムーンライダーズを聴いたのは、今から20年以上前の1991年。高校2年生の頃だった。当時、5年間の沈黙を破って久々のアルバム『最後の晩餐』を発表したのだが、その収録曲である「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」という曲をたまたまラジオで聴いて興味が湧き、アルバムを買ってみたのだった。それまでまったく聴いたことのないひねりの利きまくったその音楽世界に、最初はとまどい、やがてハマってしまった。『最後の晩餐』以降のアルバムはほとんど全て持っているし、それ以前のアルバムも中古CD屋で見つけると買ってきた。もちろん『Ciao!』も買った。とてもいいアルバムだった。
ムーンライダーズは、アカデミックでやや難解な、一筋縄ではいかないポップスバンドであるわけだが、そういう音楽への嗜好をぼくに植えつけてくれた。それはぼくにとって、聴く音楽の幅を広げてくれただけではなく、ポップスというものの持つ深さを教えてくれた。独特の諧謔生に満ちたポップス。あるいは様々な音楽、映画、文学などからエッセンスを抽出する引用に満ちたポップス、というものだ。
他にもカーネーションや青山陽一など、ムーンライダーズ・チルドレン的な人たちも好きで聴き続けているし、松尾清憲も元々はムーンライダーズの鈴木慶一や白井良明のプロデュースで活動を始めている。
ライブは、活動休止といったような「終わり」を感じさせない、非常にアグレッシブなものだった。ぼくが聴き出した頃から彼らは「知的なおじさん達」という佇まいだったが、さらにそれに磨きがかかっていた。特にドラマーのかしぶち哲郎などは、どこかの大学教授にしか見えない。そういえば、キーボードの岡田徹は、前に仕事で渋谷に行った時に、用事があって立ち寄った東急ハンズのエレベーターで遭遇したことがあったな。
ライブでは、ぼくの大好きな「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」も演奏された。何度聴いてもいい曲だ。この曲はぼくのテーマソングだった。語彙を駆使した、抽象的な表現の歌詞が多いバンドなのだが、時にどうしようもなく感傷的な、あるいは青くさい歌詞があって、そういう曲は本当に胸に沁みる。内気で、冴えない主人公なのだが、心はとても澄んでいるのだった。でも、きっと女性にはモテない。そこがいいのだ。
中盤は淡々と最新アルバムからの曲が演奏され、やがて過去の代表曲が立て続けに演奏された。「トンピクレンッ子」や「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」など久しぶりに聴いたが、ライブ映えする曲だな、と改めて思った。ぼくとしては、比較的最近の曲だが「Cool Dynamo,Right on」という曲が聴けてうれしかった。
テレビで映像として見ただけだったが、とても良いライブだった。活動休止は本当に残念だが、きっとまた復活してくれるだろうと信じている。
ムーンライダーズは1970年代から活動を続けた、日本のポップス界の最重要バンド。昨年、アルバム『Ciao!』を発表するとともに、残念ながら活動休止を宣言したのだが、この番組は一般的なリスターに向けた最後のライブを収録したもの。
ぼくが初めてムーンライダーズを聴いたのは、今から20年以上前の1991年。高校2年生の頃だった。当時、5年間の沈黙を破って久々のアルバム『最後の晩餐』を発表したのだが、その収録曲である「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」という曲をたまたまラジオで聴いて興味が湧き、アルバムを買ってみたのだった。それまでまったく聴いたことのないひねりの利きまくったその音楽世界に、最初はとまどい、やがてハマってしまった。『最後の晩餐』以降のアルバムはほとんど全て持っているし、それ以前のアルバムも中古CD屋で見つけると買ってきた。もちろん『Ciao!』も買った。とてもいいアルバムだった。
ムーンライダーズは、アカデミックでやや難解な、一筋縄ではいかないポップスバンドであるわけだが、そういう音楽への嗜好をぼくに植えつけてくれた。それはぼくにとって、聴く音楽の幅を広げてくれただけではなく、ポップスというものの持つ深さを教えてくれた。独特の諧謔生に満ちたポップス。あるいは様々な音楽、映画、文学などからエッセンスを抽出する引用に満ちたポップス、というものだ。
他にもカーネーションや青山陽一など、ムーンライダーズ・チルドレン的な人たちも好きで聴き続けているし、松尾清憲も元々はムーンライダーズの鈴木慶一や白井良明のプロデュースで活動を始めている。
ライブは、活動休止といったような「終わり」を感じさせない、非常にアグレッシブなものだった。ぼくが聴き出した頃から彼らは「知的なおじさん達」という佇まいだったが、さらにそれに磨きがかかっていた。特にドラマーのかしぶち哲郎などは、どこかの大学教授にしか見えない。そういえば、キーボードの岡田徹は、前に仕事で渋谷に行った時に、用事があって立ち寄った東急ハンズのエレベーターで遭遇したことがあったな。
ライブでは、ぼくの大好きな「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」も演奏された。何度聴いてもいい曲だ。この曲はぼくのテーマソングだった。語彙を駆使した、抽象的な表現の歌詞が多いバンドなのだが、時にどうしようもなく感傷的な、あるいは青くさい歌詞があって、そういう曲は本当に胸に沁みる。内気で、冴えない主人公なのだが、心はとても澄んでいるのだった。でも、きっと女性にはモテない。そこがいいのだ。
中盤は淡々と最新アルバムからの曲が演奏され、やがて過去の代表曲が立て続けに演奏された。「トンピクレンッ子」や「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」など久しぶりに聴いたが、ライブ映えする曲だな、と改めて思った。ぼくとしては、比較的最近の曲だが「Cool Dynamo,Right on」という曲が聴けてうれしかった。
テレビで映像として見ただけだったが、とても良いライブだった。活動休止は本当に残念だが、きっとまた復活してくれるだろうと信じている。