与那国フィールドノート -401ページ目

与那国島の旧盆

旧暦の中日(なかび)である昨日は、お休みを頂きました。

午前中、久部良岳に登ると、山頂のリュウキュウコクタン(植裁)が黄色~赤紫色に熟した果実をたくさんつけていました。

旧盆の頃に与那国の森では、リュウキュウコクタン(方言名:キダ)、サンゴジュ(アガキ)、モクタチバナ(アグティ)、バンジロウ(バンスル)、ヒラミレモン(ダマンニン)、アオノクマタケラン(ダマサンニン)、など、様々な果実が熟します。

これら山のなりものは「スルヌナイ」、お盆の実として仏前に供えられます。



さて、沖縄のお盆といえばエイサー。

与那国島でも、久部良青年会と祖納・比川両青年会の2つのエイサー団が、仏壇のある家々を巡っています。


踊り手には本土出身者も多く、僕もその一人として11年間踊りました。


30代に突入した昨年からは、通称“ネクタイ”と呼ばれる先導役をつとめています。

仏壇のある家に挨拶に回り、エイサーを招き入れてもらえるか、伺いをたてます。

OKならば、仏壇に線香をあげさせて頂き、エイサーを誘導します。


以前はキチッとネクタイを締めていたので“ネクタイ”と呼ばれるのですが、数年前から“かりゆしウェア”が定着しています。クールビズとかいって、時の大臣なんかが無理して着るあれです。


それにしても、何十件もの先祖代々からの仏壇に線香をあげるなんて!

一介のナイチャーにゃ重いよ。

失礼のないように、失礼のないように・・・


中日は昼過ぎからのスタートでした。

さあ、OKをとりつけた。行くぞ!



食い入るように見つめる子供たち。

今のメンバーには、僕がはじめた頃はこれくらいだった子も。

ああ・・・



夕刻からは仕事を終えたメンバーも加わり、本格的なスタート。

牛や資材を運ぶユニック車で3集落を効率よく移動する。



招かれたら土足でも遠慮なく上がるべし。

ただし仏前であることを忘れずに。



夜は更けてゆく。








またまた!

今日もやられたあ。

だれのイタズラか。

日課の朝の遊歩道に見回りを終え、アヤミハビル館裏に駐車してある車を戻ると、ご覧の光景。

割り箸で翅を挟んでばたつかないようにしてあるので、犯人は島の人でしょう。


ことの顛末は

教育委員会に持ち込まれたものを、職員の方が持ってきてくれたのでした。

それにしても大胆な。


お腹が大きく膨らんだ雌です。

繭から離れた場所で見つかる個体はほとんどが交尾済みなので、あるていど採卵してから、野外に放すことにします。


自然状態で卵から成虫になるのは数%以下。

それが飼育下なら、かなりの確立で成虫にすることが出来ます。


今年は少ないといっても、与那国島のヨナグニサンは現在、絶滅に瀕しておいているような状況ではありません。

しかし、生態展示といざというときの備えのために、飼育は継続しています。

ヨナグニサンは確かに発生している。

やられたあ。

今朝遊歩道で見つけたヨナグニサンの卵。

フカノキの葉裏に30個程が産み付けられていました。

2件のヨナグニサン成虫の目撃情報(観光客1,島人1)が寄せられていて焦っていたのですが、僕はまだ見つけられていません。


遊歩道で確認してある繭は羽化していませんが、まだまだ見つけられていないものもあるのでしょう。

くやしい。



卵のアップ。

あれあれ、積み重ねるこたないのに。




いびつな楕円形で長径3mmほど。

こんなに小さな卵が世界最大の蛾になるなんて!

・・・と思われるかも知れませんが、鱗翅目(チョウ、ガの仲間)の卵にこんな大きなものは、おそらくないでしょう。

外殻はとても硬く、増殖飼育の際には、交尾済みの母虫をプラスチックケース等に入れて採卵しますが、壁面に産み付けられた卵は指先でぱりぱりと剥がして集めることが出来ます。

あえてすることはありませんが、指先でころころと頃がしても問題なし。

ふつうのチョウやガの卵なら、考えられない話しです。


ああ、君が産んだのか。

少し離れた場所に落ちていた雌の死骸。

胴体部はなく、何者かに食べられたよう。

すべての卵を産み終えることができたのならよいのですが。