「なんとかアノニマス」というネーミングは、アルコールや薬物症の人たちが集まって自分の苦労を告白するグループのことで、その意味では「キラーズ・セッション」はうまい邦題だと思いました。
見ながら、ちょっと江戸川乱歩の名作「赤い部屋」を思い出したり、カットバックの使い方や音楽に「ユージュアル・サスペクツ」を思わせるものがあり、その意味ではテイストやねらったものは嫌いじゃないです。
冒頭からのゲーリー・オールドマンとジェシカ・アルバのかみ合わない会話とか、なかなか期待させたし、各人の告白はそれなりに聞けて、「殺人」ということの意味合いや殺人者の心理というものに対しては少しヒントやアイロニーがあったかな、と思います。
問題は後半で、侵入者の正体と狙撃された上院議員の乱入という大きな謎のカタルシスをストーリーから得られなかったことで、最後に大量虐殺のシーンはあったけれども結構無意味に残虐なだけに見えてしまったかなと。
CIAが背景にいようが、暗殺者は暗殺者なわけで、変にリアリティーを持たせようとしたことで、そもそも荒唐無稽でも許せたかな、と思っていたグループ・セッションの設定の面白さが台無しになってしまった気がします。
あと、ジェシカ・アルバがあれだけの登場で宣伝に使われているのはちょっとずるくて、せいぜい友情出演程度の扱いでした。
エンディングでゲーリー・オールドマンがやっていることが、全体に対して新しい意味づけをするものではなくて、結局最初に予想できた範囲を裏書きしているだけ、というのはかなり残念。
まあでも、ブラック・コメディーとしてはそのユニークさを評価してあげてもいいんじゃないでしょうか。
育児をテーマにしたスリラーの中では相当よくできている一本かなと思います。
まず冒頭に幸せなクレアの一家に知的障害のある黒人の青年ソロモンが派遣されてきたところから始まります。庭の柵を手入れしてもらったり、娘のエマと遊んでくれたり、段々といい感じで馴染んでくる。
クレアは妊娠中。新しい産婦人科医のところに行くと、どうもいやらしい意図があって触られまくり、声を上げたところ他にも同様の被害者が。社会的に追い詰められた医者は自殺してしまうという振り。その妻も妊娠中。クレアの幸せな暮らしとは対照的に夫の自殺によって追い詰められ流産。子どもが生めない身体に。
6カ月後、彼女はペイトンという名で身元を隠してクレアたちの家にやってくる。あとは、クレアに隠れて深夜に母乳をやったり、エマに取り入ったり、秘密を知ったソロモンを陥れてクビにさせたり。クレアの親友マリーンと夫が浮気しているかのように仕組んだり。間に立つクレアは段々追いつめられていく。
決定的な出来事は、不動産屋のマリーンが扱う物件の中に、産婦人科医の自宅があったこと。ついにペイトンの正体がわかる。それを告げに家にやって来たマリーンを、温室のガラスに細工をして殺してしまう。直後にそれを見たクレアは喘息の発作を起こし入院。
退院して家に帰って来たクレア。やがて親友の死の真相を探りに産婦人科医の家に。そこで彼女の搾乳器と子供部屋の内装を見てペイトンの正体を悟る。一度は彼女を追い出すが、夜になって彼女が反撃。夫マイケルを地下室で不意打ちし、クレアにも襲いかかる。エマの機転で赤ん坊を守り、ソロモンが窮地を救いにやって来た。最後はクレアがペイトンを窓から押し出し、ソロモンが作った柵の上に落ちて一巻の終わり。
序盤の運びから、ペイトンが犯人であることはもうハッキリしていて、彼女がどの程度のことを企んでいるか、ということだけを観る形になるので、最初はきついかな、と思いました。セキュリティーの観念も甘いし、身元もちゃんと調べないし、ちょっとしたことを相談していれば問題は起きなかったはずなのに、とも思いつつ、日常の機微に少しずつ取り込んでいって真綿で首を締めるように心理的に追い込んでいくこのやり方は恐ろしいなと思いました。
後半、不当な扱いを受けたソロモンが助けにきてくれるのが胸熱で、エマが赤ちゃんを隠すところも機転が利いています。ペイトンが盗聴に使っていた無線が攪乱作戦に使われるのもうまいなと思いました。
クレア役のアナベラ・シオラは、「ハード・ウェイ」くらいしか他に知らないのですが、なかなか好演。ペイトン役レベッカ・デモーネイは最近でも「リベンジ・リスト」「アイデンティティー」などを見てました。
スタローンが主役だと、他の細かいところがどうでもよくなって、みんな彼に忖度する、そんな俳優になっているような印象を受けた作品です。
マクドナルド(マシュー・モディーン)は、銀行強盗が仲間割れから失敗して、銃撃戦で負った傷が原因で記憶喪失になった服役囚。ある日、同房になった男から脱獄を持ちかけられ、見事成功。刑務所のナースと看守の一人もグルだった。
そして彼らはマクドナルドに記憶の戻る注射を脊髄に。どうやら銀行強盗の末に行方がわからなくなった2千万ドルの行方が知りたいらしい。
一方、スタローン演じるサイクス刑事の元にFBIも共同捜査にやってくる。いろいろと捜査方針が食い違う。
マクドナルドは次第に記憶を取り戻し、かつて勤めていたコンクリート工場にたどり着く。そしてコンクリート工場の中に金を隠したことを思い出す。サイクスの部下も一人たどり着くが、あとからやって来たFBI(実はかつて裏切った銀行強盗一味)に急襲される。サイクスの部下は死亡、マクドナルドを連れてきた男の一人も射殺される。この時点でマクドナルドの記憶は完全に戻り、彼を脱獄させたのが妻と子どもたちだったことに気づく(妻若過ぎ)。
部下の戦闘を電話で聞いていたサイクス、遅れてやってきて、FBI一味を一人ずつ容赦なく射殺。事情を察してマクドナルド親子が金と共に去るのを黙認して終わり。リゾート地でしあわせそうに過ごすマクドナルド一家。20億円あれば、家族3人で楽な暮らしができますね。
というわけで、かなり荒っぽい話で、サイクス刑事、事件解決したら金の行方も死んだマクドナルド息子の身元の処理も適当にできちゃうんですね。FBIの人間みんな射殺したのに。その射殺の仕方も一発必中とかじゃなくて連射で息の根が止まるまで撃ち続けるスタイル。刑事じゃなくて暗殺者モード。事件が終わったあとも殉死した部下を悼む様子も皆無。撃たれるのは弱いからだ、とでも言いたげ。
マクドナルドの妻も子どもも、記憶を戻させる薬、どんなに専門的な知識があったのか知りませんが、20%の確率で死ぬかもしれない薬をよくもまあ、躊躇なく打ちますね。そんなに金の在り処が知りたかったのか、あるいは記憶を取り戻させたかったのか。息子なのに警官相手に容赦なく発砲してたのも気になるし、父の健康を気づかう様子もなく薬を追加しようとする姿勢も疑問。副作用もなく無事に記憶がもどってよかったですが、もっと酷い事態になっていたかもしれない。
まあ、それでも、設定自体はまあ面白いなと思っていたのですが、展開したストーリーはちょっと期待を下回りました。
息子の一人、甘いマスクのルーカス役はライアン・グズマン。テレビシリーズ「9-1-1」の第2シーズンに登場したエディ役で活躍中。途中で殺されるサイクスの部下カーター役のコリン・エグルスフィールド、トム・クルーズを少し不細工にしたような顔で、何かで見たような気がしたんですが、出演作で思い当たるものはありませんでした。
「ブラザーズ・グリム」とか「ヘンゼルとグレーテル」「スノーホワイト」など、おとぎ話をゴシックホラーに仕立てる作品はいくつか見ましたが、主演のアマンダ・サイフリード、ゲーリー・オールドマン、ビル・バークなどの顔ぶれを揃えてやった、という以外にはそれほど感銘を受けませんでした。
中世が舞台、主人公ヴァレリーは幼なじみのピーターといい仲になっているけど、少し金持ちの鍛冶屋の息子ヘンリーと婚約させられる。毎年狼に生贄を捧げることで無事に暮らしてきた村で、ある日娘が殺される。狼が協定を破った、とパニック。
狼狩りに村人総出で。するとヘンリーの父親が殺されるが、狼の首を狩ったのでこれで収まるかと思ったら翌日にソロモン神父一行が到着。やっつけたのは普通の狼で化け物はまだ出ると。言うことを聞かずに祭りをやる村人。しかしやはり狼は出てきたと。ひと暴れしたあとで、ヴァレリーに「一緒に村を出よう」と彼女だけにわかる言葉で話しかける狼。
密告の末、魔女扱いされ、狼をおびき寄せる餌として扱われるヴァレリー。中の悪かったピーターとヘンリーは協力して火をつけ混乱に乗じて彼女を逃がそうとする。その時、胸騒ぎ。おばあちゃんが危ない!家に駆けつけると、そこにはおばあちゃんを殺した父親がいた。すべては狼の血筋を引いた彼が起こしたことだった。
助けに入ったピーターとの連携で父親を殺すが、ピーターも噛まれてしまった。ちちの腹に石を詰めて湖に沈める。ピーターは狼になった自我を制御できるまでは、とヴァレリーに別れをつげて、ヴァレリーはおばあちゃんの山小屋で一人暮らす、というエンディング。エピローグ的にピーターの狼が帰って来た、という裏話もあり、別エンディングでは二人に子どももできているようです。
めでたしめでたし…?
まあ、ラブストーリーとして二人のイケメンの間で揺れる赤ずきん、というロマンスものとして見ることもできるんでしょうが、魔物退治もののミステリーとして見ると、怪しげな候補を前半で散々匂わせて、最後に少しひねったところに落としてくる、というしぐさは割にありがちかな、という感じです。ただ、オチで父親は殺すけれども恋人は生かして、結局自分も狼の仲間入りするんじゃ、なんのために戦ってたのかよくわからなかったりもします。その辺のモラルや線引きのあり方がもう少し見えるとよかったような。あとピーターとヘンリーの間での決着のつけかたも少しもやもやしました。
ゲーリー・オールドマン演じるソロモン神父は、「ドラキュラ」で見せた中世の大仰さの延長上だけれども、そこに「薔薇の名前」の異端審問官の狂信ぶりを加えた感じ。善も悪もない、この時代のキリスト教の強引さを少しオーバーに表現していて、キャラクターとしてはそんなに愛されない感じをあえてやる、というプロぶりでした。
狼との闘いではあるけれども、特に「赤ずきん」ぽくはないなぁ、という感じがすごくしていたのですが、後半になって、おばあさんの夢を見たときに、耳が大きい、口が大きい、とか、殺した父親(狼)のおなかに石を詰める、とか、おとぎ話ギミックを急にぶち込んできたり、というのがなかなか面白かったです。
父親はビリー・バーク。「トライライト」シリーズで有名らしいです。TVシリーズの「レボリューション」でワイルドなウェスタンぶりが板についていたので、この作品ではアクションもしないし、地味だなぁと思っていたら、そういうことですか、みたいな。
ヘンリー役の少しよわっちいイケメンはマックス・アイアンズで、ジェレミー・アイアンズの息子ですね。
全体に特撮はそんなに頑張ってない感じ。デカイ狼だけは出てきましたが、それ以外は、手持ちカメラのブレと狼の唸り声で出るぞ感を演出。怪しい奴のミスリードにも盛んに使われていましたが、あんまり考えさせる証拠やヒントは出てきませんでしたね。
メグ・ライアンが「めぐり逢えたら」で不動の地位を築いたのと同様に、サンドラ・ブロックにとっての代表作ですね。
母を早くなくし父とも死別したばかりのルーシーはシカゴの駅の窓口業務。人生に変化を求めてはいるけれども、結果的にはずっと独り暮らし。そんな彼女には密かに思っている人が。それは毎日通勤電車に乗るあるサラリーマン。その彼が、ある日ホームでからまれて線路に転落。ルーシーは必死で彼を助けて病院に。
彼・ピーターが昏睡している間に、家族がやってきて、看護婦の一言から婚約者だと勘違いされる。祖母の心臓発作のこともあって真相を明かしそびれている間に嘘はどんどん膨らむ。家族のクリスマスパーティーに呼ばれた晩、ピーターの弟ジャックが現れる。ルーシーの振る舞いに不信感を覚えたジャックは、独自に調べ始めて、ルーシーの大家の息子との関係を調べたりしている間に、ルーシーに恋を。ルーシーもいつの間にかジャックとの会話がはずみ、不思議な関係に。
だが、その中途半端な状態も永遠に続くわけではなく、ピーターは昏睡から目覚める。婚約の記憶がないのを記憶喪失だと決めつける一同。ピーターもルーシーに改めて婚約を申し込む。
結婚式の当日、ルーシーは意を決して真相を告白。ピーターのもう一人の婚約者も乱入しはちゃめちゃに。
すべてが終わり、仕事もやめることにしたルーシーの最後の日、窓口から指環が差し出される。ジャックと家族だった…。
ラストでせっかくプロポーズしてくれたピーターを振る、というくだりに若干のわだかまりを感じるんだけど、まあそれは仕方ないか、という感じで、その分、一見優等生に見えていたピーターの影の一面も明かすことでバランスをとっているんでしょうかね。でも心を入れ替えたピーターには、またいい出会いが訪れるということでしょうね。
ジャックの家具職人として一人立ちしたい、という家族話と、天涯孤独になったルーシーとの対比が思いの外心に染みる、ハートウォーミングコメディーでした。
ジャック役のビル・プルマンにとっては、「めぐり逢えたら」で、メグ・ライアンに花粉症だというだけの理由で理不尽に振られたリターン・マッチ。特上のイケメンではないですが、素朴な魅力をいかんなく発揮して見事にリベンジしました。
よく見てみるとサンドラ・ブロックという人は決して文句なしの美人を売りにしているのではなく、性格描写の細やかさで裏に生活感をきちんと匂わせるうまさがある人ですね。普通の女優さんが演じると「なんでこんな美人がもてないのかな」と設定が不自然に感じられるところ、ああこういう仕草や表情をしているのは自分に自信がないからだな、とか、不細工な表情をうまく取り入れていますよね。「スピード」はもちろん彼女にアクション女優としての資質もあると証明した形ですが、彼女本来の魅力は引っ込み思案の弱さだったり、ちょっとオタッキーなリアクションに凝縮されている感じがしました。
ある意味正統的に前作の設定や手法を踏襲しているので、続編と呼ぶのにふさわしい部分もあるのですが、やはり少しグレードとしては落ちるというか、地味に見えますね。
連邦銀行に強盗が入って、メインの捜査官はFBIの講師も努めるブリン・スチュワート。そして交渉人にニューヨーク市警のレミー。主犯はどうやら金髪の女性、ドイツ人らしい。で、銀行の金庫にはヒムラーが残したナチスの金塊があるらしい。
で、交渉をするにつれてこれはただの人質強盗事件じゃないらしい、とわかってくる。要求の装甲車を届けたところで、人質の無事を確認しにブリンが入っていくと、一緒に人質にされてしまう。
途中でタレ込みがあって、装甲車で逃げるのではなく、地下のトンネルで逃げるらしいと。そして主犯のアリエル「モスト・ウォンテッド(お尋ね者)」はどうも金塊ではなく他の目的があっていやいややっているフシがある。しかし、その計画の途中で金庫内で爆発が起き、ハドソン川の水が流れ込み銀行は大破。アリエルは行方不明に。
そして、金塊は無事、と思わせておいて実は金塊を溶かして柵の形にして、清掃業者に化けた犯人たちが運び出したと。
実はアリエルの兄、前作の主犯ダルトン・ラッセルがネオナチに人質にとられて、アリエルが強盗を計画したと。そしてブリンに最後の仕事を託し、ネオナチに金塊を引き渡す役割、と見せかけて全員逮捕。
途中から犯人に感情移入させるような作りとかは好感がもてましたが、この計画全体の設計の綿密さや不確定要素に疑問がたくさん沸いてしまって、見事に騙された、という感覚にはなりませんでした。それは、途中の伏線の明かし方にも、自信のなさとして表れていたのかもしれませんね。
途中で、捜査の内部情報を犯人サイドにリークしてたのは誰なんだ、とか、トンネル計画をタレこんだもう一人の共犯はどこに消えたのか、とか、ダルトン・ラッセルのさらわれ方、殺され方はしかにも油断しすぎで前作の主役をディスるようなことになってないか、とか。
キャストはみんなそれぞれに少し地味で、この中からスターが出る、というような予感はあんまりなかったですが、達者な人たちではありました。
イギリスのオックスフォードを舞台に作られた、SF青春ホラー、とでも言えばいいでしょうかね。
スペイン語圏出身の留学生アナは、実験中にふとしたことから物質の転移を実現してしまう。そのうち、恋人ネイトとハッカーの友人の協力で、世界のパソコンの演算力を拝借して実験を大規模にしていく。
単純な無機物からイモムシ、ネコなど実験対象を拡大している途中で、マイクロソフトがハッキング対策を行うことがわかり、時間切れがせまる。結果を出したい3人は人体実験を強行、アナが実験台になるが…。
実験の翌日目覚めたアナ、記憶がない。と思ったら泥棒に入られたり、ネイト達がよそよそしいし、実験室の倉庫の鍵がかかっている。いったい何が?
やがてハッキングの犯人をたどって警察も捜査にやってくる。アナは尋問を受けたり、独自に真相を探るために行動を開始し、ネイトの家で実験を記録したビデオを観るが…。
話の途中から、どうもアナの人格が二人いるらしいな、というのは推測できてしまったので、あとはどうオチをつけるか、ということだけだったのですが、そこに落とし込むなら、友人二人はもっと違う説得の仕方があったんじゃないかな、というところはすごく引っかかりました。まさかの主人公が「残像」だったとはある意味禁じ手。最後に説得されて消滅することを承諾するとはまさかの展開。
あとから登場した実体の方のアナが、妙に理知的で冷たい感じがしたのは設定としてどうなんだろう、と思ったり、ラストの思わせぶりな実験器具のアップはなんだったんだろうとか。実験動物に反対のデモ、というのも最初から丁寧に伏線を張って、最後は集団に糾弾されるシーンとか、うまいこと使ってたなと思いました。
まあ、でも、ハリウッド製の客観描写で誰にでもわかるように説明するやり方だとこんなストーリーは成立しないんで、やはりヨーロッパ発のSFというのは、出自にまつわる文化的背景とか、個としてのユニークさを尊重した作り方だな、と思った次第。
潜水艦ものはそんなにたくさん見たわけではないですが、映像もストーリーもなかなかの見応えある一本でした。
冒頭で、ロシアの潜水艦を尾行していたアメリカの潜水艦。目の前のロシア艦が爆発したかと思ったら、ミサイル攻撃を浴びて撃沈。いったい何が起きたのか。
その真相を探るために、USSアーカンソーが出航。艦長は現場たたき上げ一筋のグラス。
ロシア側では何が起きているかというと、ポリヤヌイ基地を視察中に防衛相がクーデター。大統領を拘束して勝手に命令を出し、ロシア軍をアメリカとの全面戦争に仕向けようと。
一方アーカンソーは、ロシアの潜水艦の残骸から生存者を救出。一人が艦長アンドロポフ。現地に潜入した特殊部隊はロシアのクーデターを把握、そこから陸と海底連動での前代未聞のロシア大統領救出作戦が始まります。
どちらも非常にプロフェッショナルな腕前で冷静に任務を遂行していき、大統領を救出するまではいきますが、いかんせん多勢に無勢、犠牲者もたくさん出て、アーカンソーは駆逐艦の攻撃を受け満身創痍。
その時、海の男同士の友情で、アンドロポフ艦長が駆逐艦の教え子たちに話しかけ、戦闘開始を回避。
防衛相は基地からミサイルを発射、しかしそれもロシアの駆逐艦が撃ち落として、逆に反撃。ポリヤヌイ基地は壊滅してメデタシメデタシ。
まあ、プロットとしての現実性は全くなくて、おとぎ話的にうまく展開しての結果なわけで、原潜があれだけ被害を受けて燃料で被爆しないわけないだろうとか、修理しないで帰れるのか、とかツッコミたくはなりますが、結局兵器を持っていても安易に使わない勇気を持てるか。たとえ他国の人間でも同じ海の男として信用できるか、そして従わない部下も説得して、そしてあえて信用できるか、というヒューマンなドラマでけっこう見せてくれました。
グラス艦長役のジェラルド・バトラー、「300」や「ザ・アウトロー」「ジオストーム」などで何度も見たのですがどうも顔と名前が一致しないのはなぜなんでしょう。そしてアンドロポフ艦長、どうも見覚えがあると思ったらスウェーデン版「ミレニアム」シリーズのミカエル・ニクヴィストでしたね。この作品の公開前に亡くなってしまったので、謝辞が出ていました。途中でいちいち癇に触るホワイトハウスのスタッフがいるな、と思ったらゲーリー・オールドマンでした。
「ボーダーライン」というとSicarioが原題の暗殺ものシリーズがあるので、ベニチオ・デル・トロが出やしないかと期待する向きもありますが、これは全然違う話です。
大学を卒業後、紙ナプキンのスーパーの置き場所を調査する仕事で日々を過ごす、作家志望の若者ジェイ。いつかは作家として売れてやると思いつつも、どうしたらいいのかわからずもがく日々。
最初、ソマリアというのが国として登場するのかどうかすらわからないような始まり方をしたのでどう転ぶのかな、と思っていたら、ぎっくり腰で通った病院で出会った元ジャーナリスト(アル・パチーノ)に出会ったことで、新たにやる気が沸いて、学生の時に論文に書いたソマリアの海賊事情を調べようと思い立つ。
実際に行ってみると、大統領やその息子、通訳に囲まれて、いろいろと新しいことに出会っていく。海賊とのインタビューには肝を冷やしたり、命の危険と隣り合わせでも、市場で一目惚れした海賊の妻のところには足しげく通う、という、才能あるんだかないんだかわからない感じ。
ひねりは、関係者には著名ジャーナリストと名乗っていろいろとアポをとっているんだけど、実は実績の何もない、しがない元セールスマンだというところ。途中で頼っていたツテからの出版工作も頓挫し、資金も底をつき、あわや万事休すかという局面も。
それでも欧米の船をねらう海賊の船に乗って、捕虜の映像を押さえて一発逆転をねらう、などしているうちにアメリカとソマリアの関係が悪化して、出国。国に帰ってみると、ソマリアとのつてがない各種情報機関やメディアから引っ張りだこになってよかったね、という話。
途中、彼のやりたいことは、とか彼のほんとの強みは、とか、最終的にはどうなれば映画としてオチるのか、見えなくてちょっとつらい部分もあるのですが、最後は故郷に錦を飾って、公聴会ではちょっと偉そうな演説をして終わってます。
ちょっと「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のディカプリオを思い出しますかね。あと、通訳との人間関係の感じが「キリング・フィールド」にも似たところが。
エンドロールを見ると多くのキャストが難民の過去があるらしく何年に避難したか表記されていました。
ジャック・ブラックの主演作、というよりも、これは彼が元々所属しているユニット、テネイシャスDの主演映画、と呼ぶべきものなのですね。
冒頭から、ザ・フーの「トミー」を思わせるミュージカルぶりで、JBの幼い頃のロックへの傾倒ぶりを表現して、敬虔なクリスチャンの家庭を家出、あちこちさまよった末にハリウッドに。そこで出会った流しのギタリストKG(カイル・ガース)の演奏に一目惚れ。最初は師と仰いで弟子入りするんだけど、そのうち彼の虚言癖に気づき幻滅。しかし仲直りしてユニットで家賃を稼ぐためにコンテストに出場する、という流れ。二人には尻ににた痣があって、それを合わせると「テネイシャスD」になる、というあたり、ちょっと八犬伝っぽい。
しかし主催者から「新曲」を要求されたところからアイデアに行き詰まり、そのとき目にした音楽雑誌から、ヒットしたバンドはみんな同じピックを使っている、と気づく。
楽器店に行って店員(ベン・スティラー)に聞くと、怪しげな部屋に引っ張り込まれ、そのピックは悪魔の歯を削って作った特別なピックだとわかる。じゃあ、いま飾られているロック博物館に行こう!となる。
途中で寄ったダイナーでドラキュラ伯爵のようなしゃべり方をする怪しげな老人(ティム・ロビンス)に声をかけられたり、仲違いして一時は決裂したりするけれど、その後めでたくピックを手に入れる。
いざ演奏!という段になってどっちがピックを使うかで揉めてピックは二つに割れてしまうその時、主催者になだめられて仲直りはするものの、実はその主催者こそが、長年そのピックをねらっていた悪魔本人だった!演奏対決!勝った!
みたいな流れ。
全体を通じて歌詞やギャグに下ネタはすごく多いのでそこだけ覚悟すればすごく楽しいミュージカルで、音楽のクオリティーもすごく高い。JBのボーカル力の高さに改めてびっくりしてしまいました。