カンフーアクションとの合体を試みた第3弾。

ボスのギボンズがネイマールをリクルートしている最中に衛星が落下してくる。どうも衛星を自由にコントロールするマシンが盗まれたらしい。取り戻せ!

「アイスマン」で覚えたドニー・イェンの他、トリプルXファミリーが集結して、新たな陰謀を阻止しようとするけれど…。

裏切りのプロットにあまりひねりがないのは残念ですが、アクションシーンはふんだんにあって、まあまあ楽しめました。スポンサーが変わったのか、ノリも変わって少し自虐的なセルフパロディーや、テレビ的な字幕によるギャグなども取り込まれるようになりました。

 

あと、今回は女性キャストに才能豊かな感じがあって、そのバリエーションも楽しめました。

 

ザンダー・ケイジが死んだ後の代役を見つけよう、ということで刑務所からリクルートされた新トリプルX。 いや、別にスパイ物としては合成が多くてもかまわないとは思うのですが、トリプルXとかのゲーム性とは離れてしまったなぁ、という感じです。車にはこだわってる感じがあるんでそれが好きな人はいいんでしょうが。

 

 

のどかな昭和のゴジラのプロレス映画から、真に21世紀的な特撮映画に生まれ変わって、初めて納得行く映画になったのが、「ガメラ」を再生させた金子修介監督作品だというのは、東宝にとっては屈辱的なのかもしれませんが、これはもう仕方がない、と言わざるを得ない傑作です。

初代を除く、いままでの東宝のゴジラ作品すべてをなかったことにして、50年ぶりに現れたゴジラ、という世界観の上に成り立っているので、この世界ではモスラもキングギドラも初登場。そこで彼らの位置づけを宇宙怪獣でもインファント島でもなく、ヤマトの神獣としたのがミソ。

ゴジラは完全に白目にして、心のない感じでただ暴虐の限りを尽くす、悪意の塊として描かれています。それゆえに、宇崎竜童さん演じる立花准将のような立場の人にとっても、50年前のゴジラに対しては原子力の生んだ被害者としてよりも、個人的な怨みの対象となっているのが特徴で、ここは本来の「ゴジラ」と言えるのかどうか、微妙なところでもあります。

また、防衛軍が初代ゴジラ撃退の時に果たした役割に関する政府の隠蔽など、日本の再軍備のための噓や、平和憲法との関係などにも触れ、神獣が守る「国」は「ヤマト」であって「国家」ではない、などの言及もハッと考えさせます。

前田姉妹が登場するなど、「ガメラ」ファミリー色もあり、篠原ともえさんが渋く登場したり、「?」と思ったらやはり佐藤二朗さんがチョイ役で出ていたり、キャストも豪華です。

ゴジラがハリウッドのトカゲから、少し昭和の二足歩行志向に戻り、少しだけおなかがメタボ気味。しかしながら特撮映像、戦闘シーンのリアリティーや特撮のこなれ方は、今世紀に入ってトホホだった「2000ミレニアム」「メガギラス」とは一線を画す仕上がりになっています。避難がなんであんなに遅れているのか、とか、なんで市街戦が大げさに始まっているときに街の明かりがあんなについているのか、とかはちょっと不思議な感じもありますが。

あと、あんなに戦いが始まっちゃうとネットも電波も落ちてしまっているんじゃないかな、とかその辺のリアリティーは追及しだすときりがないですけどね。

 

「ゴジラ2000 ミレニアム」があんまりな出来だったのでなんでもマシに見えるんですが、それでも低調な一本であることは間違いないです。

ゴジラを完全消滅させるべく、新兵器を開発する、というところと、ゴジラに個人的な怨みを持つ隊長、という縦軸なんですが、登場人物ことごとく説得力不足。

せっかくブラックホールなんていうトンデモ設定を持ち込むなら、くり返し使うたびにどんどん異物が流入してしまったり、さまざまな突然変異を巻き起こしておかしくないはずなのに、なんで1種類だけなんでしょう。

技術的にリアルでもすごくもない、というのがゴジラチームの脚本力の限界を露呈しているようで、特に「隊長が女性なのはおかしい」「女性がゴジラと対決するのはおかしい」という刷り込みや、田中美里さんの言葉遣いを含めて、古めかしい映画界の体質が露呈してしまった感じの残念さがあります。

 

くり返し水没する渋谷の映像が出てくるんですが、ミクロとマクロでのスケール感があってなかったり、時間経過もおかしい。大げさに避難計画、とか言ってますけど、坂を上って松濤や原宿、表参道に向かえばいいのに、と思ってしまいました。

 

しばらくお休みしてからの久しぶりのゴジラだったらしいのですが、完全に「ガメラ」に差をつけられた印象の作品です。まずなにより人物が薄っぺらい。そしてゴジラに対する認識のばらつきぶりや、世界の捉え方というものが極めて表層的。阿部寛さんのキャラクターを普段と変えて来てますが、完全に裏目に出てます。

敵役の得体の知れなさで多少引っ張った感じですが、それでもゴジラに一蹴されておわり。ミレニアムって、千年ですが、もっと長い年月を生き延びできた生命体じゃなかったんですかね。。。

 

ヴィン・ディーゼルを使ってのSFでは「ピッチ・ブラック」みたいなのもありましたが、これは「ロボコップ」や「ユニバーサル・ソルジャー」のスーパー・パワーを使った「ボーン・アイデンティティー」、と言ってもいい話ですね。悪役のガイ・ピアース以外は比較的無名ながら、しっかりしたキャラクターのある役者さんを揃えての作りになってました。

記憶をいくらでも作り変えられる、という意味では「マトリックス」的な世界観も一部入り込んで、テクノロジー全盛の世界をうまく生かしたと思います。

記憶が戻ってからの哲学的な部分は少々軽いかな、と思いましたが、まあ贅沢を言わなければヴィン・ディーゼルが大暴れしたエンターテインメントとしては映像も豪華に仕上がったんじゃないかと思います。

見たことのない新しい世界か、と聞かれるとそこまでではなく、現代のテクノロジーを使って描き直した古典、というようにも見えます。

 

サンドラ・ブロックだけを前作から継承した続編。彼女をピンで主役に、という発想はなかったらしく、ジェイソン・パトリックが新恋人アレックス役。

全体としては「スピード」感は少なく、最後に止まらないところだけが似ています。あとは船内の描写は「ポセイドン・アドベンチャー」を見た後だと、結構共通点があるように思いました。

最初から怪しいのがウィレム・デフォーだけなので、手口と人物像・動機だけが問題なわけですが、意外にストレートというか、まんまなキモい役柄で、ちょっと工夫がないとも言えます。どうも彼の使われ方って、日本映画での嶋田久作さんの使われ方を思わせるところがあります。

意外性や発見感はあまりなく、少し聾の少女とのやりとりでほっこりさせるくらいですか。あとは前作で車を貸した人がこんどもボートを接収される役柄というのがクスリとさせます。

今回は事件解決、と言えるのかどうか、被害は甚大で、豪華客船の乗客以外の、巻き添えでの被害は結構甚大で、死者も結構出ているような印象です。あんまりめでたくないというか。

 

BS4Kで放送していたのを録って見ました。ウィル・スミスの性格はいつものままに、超人として描いたコメディーアクション。

悪童の改悛物語で行くのかとおもったら、途中で力の源は?というところでひねりがあり、悲しいハッピーエンドで終わるという形。

後半のクライマックスの悪党は少し物足りない感じもあり、もう少し別なやり方もあったかも、と思いつつも後味の悪くないエンターテインメントではあります。

ハンコックのPRのブレインとなるレイ役のジェイソン・ベイトマンは「ゲーム・ナイト」で見たことがありました。後半の引っ掻き回し役になる悪党はエディ・マーサン。いろんな映画で味な脇役をやってますが今回はちょっと単純なキャラでした。

4Kで見ることのメリットって、明るい屋外のディテール感だったりしますかね。建物や車をたくさん壊すのはどのみちCGっぽさがあるので、そんなにありがたみはなかったです。

 

BS4Kでやったのを見ました。もう古典なので、特撮の当時の技術で作ったと思って見ないと拍子抜けするかもしれません。でもいい画質で見ると、雪景色もきれいだし、特撮のぬるぬるした感じを細心の注意で表現しているのがわかります。

人間が一番信用できない、というメッセージ性がなにより伝わる物語ですが、バイオハザード的な観点から言うと、今日の常識からはゆるゆるで、チーム編成の偏り方も含めてちょっと荒っぽいな、とは思います。

考えると、「エイリアン」以前で一番怖かった宇宙生物はThe Thingなのかも知れませんね。ラストの表現は、「ターミネーター2」のT-1000の最期を思わせるものでもあります。

 

ちょっと弱気な黒人の中間管理職が、友人と思っていた上司の社長に裏切られたことを知って、復讐を企てるけれど、いろんなことが予想外の方向に転がって…、というお話。邦題の「最強の悪運男」が当たっているかどうかは、見て判断してください。「グリンゴ」とは、メキシコでアメリカ人を呼ぶ俗称。

登場人物それぞれに味わいがあり、個人の中のジレンマや迷い、策略がそれぞれに描かれて、ただ面白いのではない物語になっていたかなと思います。

終盤に容赦なく人がバサバサ死んだり、すこし乾いた処理もありつつ、爽快感もある終わり方だと思います。

主役のデヴィッド・オイェロウォは、見覚えのある顔なのだけど、何で見たかな、と思って検索しても「アウトロー」「インターステラー」「クローバーフィールド・パラドックス」あたりで、ものすごく印象に残っている役柄はなかったのですが、そういう巻き込まれ感のあるお人よしぶりが持ち味なのかも知れません。友人リチャード役のジョエル・エドガートンのカスぶりもなかなか楽しめましたが、他では「スター・ウォーズ」で若き日のオーウェン・ラーズ役で見ているはずですけど覚えていませんでした。

シャーリーズ・セロンが生き生きと悪女を演じていたり、アマンダ・セーフライイドが一服の清涼剤的に無邪気な役柄を演じていたりしますが、一番興味深かったジョーカー的なポジションはリチャードの兄ミッチ役を演じたシャールト・コプリーでしょうか。「第9地区」で主演のほか、「エリジウム」でも重要な役割を演じていますね。