「ゴジラ2000 ミレニアム」があんまりな出来だったのでなんでもマシに見えるんですが、それでも低調な一本であることは間違いないです。

ゴジラを完全消滅させるべく、新兵器を開発する、というところと、ゴジラに個人的な怨みを持つ隊長、という縦軸なんですが、登場人物ことごとく説得力不足。

せっかくブラックホールなんていうトンデモ設定を持ち込むなら、くり返し使うたびにどんどん異物が流入してしまったり、さまざまな突然変異を巻き起こしておかしくないはずなのに、なんで1種類だけなんでしょう。

技術的にリアルでもすごくもない、というのがゴジラチームの脚本力の限界を露呈しているようで、特に「隊長が女性なのはおかしい」「女性がゴジラと対決するのはおかしい」という刷り込みや、田中美里さんの言葉遣いを含めて、古めかしい映画界の体質が露呈してしまった感じの残念さがあります。

 

くり返し水没する渋谷の映像が出てくるんですが、ミクロとマクロでのスケール感があってなかったり、時間経過もおかしい。大げさに避難計画、とか言ってますけど、坂を上って松濤や原宿、表参道に向かえばいいのに、と思ってしまいました。