ちょっと弱気な黒人の中間管理職が、友人と思っていた上司の社長に裏切られたことを知って、復讐を企てるけれど、いろんなことが予想外の方向に転がって…、というお話。邦題の「最強の悪運男」が当たっているかどうかは、見て判断してください。「グリンゴ」とは、メキシコでアメリカ人を呼ぶ俗称。

登場人物それぞれに味わいがあり、個人の中のジレンマや迷い、策略がそれぞれに描かれて、ただ面白いのではない物語になっていたかなと思います。

終盤に容赦なく人がバサバサ死んだり、すこし乾いた処理もありつつ、爽快感もある終わり方だと思います。

主役のデヴィッド・オイェロウォは、見覚えのある顔なのだけど、何で見たかな、と思って検索しても「アウトロー」「インターステラー」「クローバーフィールド・パラドックス」あたりで、ものすごく印象に残っている役柄はなかったのですが、そういう巻き込まれ感のあるお人よしぶりが持ち味なのかも知れません。友人リチャード役のジョエル・エドガートンのカスぶりもなかなか楽しめましたが、他では「スター・ウォーズ」で若き日のオーウェン・ラーズ役で見ているはずですけど覚えていませんでした。

シャーリーズ・セロンが生き生きと悪女を演じていたり、アマンダ・セーフライイドが一服の清涼剤的に無邪気な役柄を演じていたりしますが、一番興味深かったジョーカー的なポジションはリチャードの兄ミッチ役を演じたシャールト・コプリーでしょうか。「第9地区」で主演のほか、「エリジウム」でも重要な役割を演じていますね。