ヴィン・ディーゼルを使ってのSFでは「ピッチ・ブラック」みたいなのもありましたが、これは「ロボコップ」や「ユニバーサル・ソルジャー」のスーパー・パワーを使った「ボーン・アイデンティティー」、と言ってもいい話ですね。悪役のガイ・ピアース以外は比較的無名ながら、しっかりしたキャラクターのある役者さんを揃えての作りになってました。

記憶をいくらでも作り変えられる、という意味では「マトリックス」的な世界観も一部入り込んで、テクノロジー全盛の世界をうまく生かしたと思います。

記憶が戻ってからの哲学的な部分は少々軽いかな、と思いましたが、まあ贅沢を言わなければヴィン・ディーゼルが大暴れしたエンターテインメントとしては映像も豪華に仕上がったんじゃないかと思います。

見たことのない新しい世界か、と聞かれるとそこまでではなく、現代のテクノロジーを使って描き直した古典、というようにも見えます。