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保湿剤の剤形:クリームとローション


 


保湿剤はクリームがいいの?ローションがいいの?


こんにちは。橋本です。


アトピーを治療していると、「保湿って大切だな」と気づきます。


保湿剤の恩恵がわかってくるほど、


保湿剤をクリームタイプにしたほうがいいのか?ローションタイプにしたほうがいいのか?


ちょっとばかり、悩むときがあります。



 


保湿剤の「剤形」


保湿剤には、基剤(ベース)の違いによって、いくつかのタイプにわかれます。


軟膏タイプ

クリームタイプ

ローションタイプ

オイルタイプ


こんなところが、現在主流になってる保湿剤の形ですね。


それぞれ質感の違いに大きな差があります。


厳密にいうと、クリームタイプはその構造によって、さらに2タイプ(しっとりタイプとさっぱりタイプ)にわかれるんですが、ややこしくなるので、ここでは説明をさけておきます。


保湿剤のタイプの違い


で、これら保湿剤の形の違いのことを「剤形」とよんでいます。


 


使用感で選ぶ


保湿剤の剤形をどれにするのか?


まず、いちばん最初に基準となるのは「使用感」です。


剤形の違いによって、かなり「ベタつき感」に差がありますよね。


ベタつき感:

軟膏 > クリーム > オイル > ローション


軟膏タイプがいちばんベタついて、ローションタイプはサラっとしてます。


このベタつき感は、生活をする上で気になってしまうので、嫌われる傾向があります。


だから、市販品には、軟膏タイプが少ないわけです。


病院でよく処方されるプロペトなど、ワセリン系のものは服などを汚してしまうので、どうしても扱いにくい面はあります。


とくに夏になると、この「ベタつきがあるかないか」は、かなり気になるもの。


なので、「季節で剤形を変える」というのも、ひとつの手です。


夏はローション、冬はクリーム。使い分けることもよくあります。


 


保湿能力はどっちが上か?


同じ銘柄、同じ保湿剤でも、剤形によって、保湿能力は変わってきます。


同じ商品ラインの保湿能力:

軟膏タイプ > クリームタイプ > ローションタイプ


同じ保湿剤。商品ラインなら、軟膏タイプのほうが保湿効果は高いのが普通。


これは、軟膏タイプのほうが、皮膚をおおう能力が強いのと、塗り広がりにくい性質のためです。


しかし、これは「同じ商品ライン」での話です。


たとえば、「Aメーカーのクリーム」と「Bメーカーのローション」の保湿効果を比べて、必ずしもクリームのほうが、保湿能力が上とは限りません。


ここ十数年で、肌の構造についての研究が、かなり進みました。


その結果、配合する成分によって保湿能力、さらには肌のバリア機能を向上できるように工夫した製品が多数出てきています。


そのため、長期的な使用からみると、肌の保湿機能に貢献するかどうかは、剤形だけでは決められないわけです。


ただし、メーカーが宣伝する保湿能力に関する説明が、科学的根拠からはずれた製品も多数あるので、製品の見極めはさらに重要になってきています。


 


症状にあわせて使う


症状にあわせて、剤形を選ぶのも大事です。


肌の乾燥が強いほど、同じ商品ラインでも保湿効果の高い剤形を選ぶのが基本。


さらに、アトピーの症状がある場合は、大事なポイントがあります。


それは、「刺激性」という点。


症状をよくするために、せっかく保湿剤を塗っても、刺激によってかゆくなったり、炎症がひどくなってはダメですよね。


しかし刺激性に関しても、一概に、どのタイプが刺激がなくて、どのタイプが刺激があるとはいえません。


成分のほかに、添加物などの違いによっても変わってくるからです。


ただ、保湿剤の浸透性が大きいと、それが刺激につながることがあります。


浸透性:

ローションタイプ > クリームタイプ > 軟膏タイプ


経験的にわかっている人も多いと思いますが、ジュクジュクした患部にローションタイプは、やはり刺激になります。


それは、ローションタイプが浸透しやすいからなんですね。


刺激性からみると、軟膏タイプ。プロペトのようなものが、湿疹には向いています。


たとえば・・・


湿疹があるうち → 軟膏タイプ


湿疹が落ち着いてしばらく経った → クリームタイプ


というのも、使い方の一例ですね。


症状にあわせて、剤形を変えていく。


それも、ていねいスキンケアとして、ひとつの工夫になるわけです。


 


 


 


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