固形石けんが肌にやさしい本当の理由

こんにちは。橋本です。
「ボディーソープより、固形石けんのほうが肌にやさしい」
そう簡単に言い切れるものではありません。
それでもなお、固形石けんがやさしいといえる、1つの大きな理由があります。
ここでその理由を探るために、合成界面活性剤。そして、固形石けんの特徴を掘り下げたいと思います。
合成界面活性剤は毒なのか?
「合成界面活性剤は危ない」
これはまことしやかにいわれることですし、それに関するページは検索すれば、嫌というほどヒットします。
合成界面活性剤は、洗剤、ボディーソープなどにも洗浄成分として使われています。 *1
で、何が問題だったかというと。
過去に主流となっていた合成界面活性剤では、発がん性が報告されたことがあったんですね。
それについて、1970年代に複数の団体で精密な試験がおこなわれ、そのどれもが発がん性を否定しています。
世界的ながん研究組織である「国際がん研究機関(IARC)」の発がん性リストにも、一度も入ったことがないというのが実際です。
そして、環境汚染について。
合成界面活性剤を含んだ洗濯洗剤が多くの家庭から排水された結果、川が泡立ってしまう現象が、そこらじゅうでおこってしまいました。
多くの水中生物が死滅して、川や海の水がにごってしまうことにも。
これは、自然分解されにくかった、当時の合成界面活性剤の化学構造によるもので、現在はより分解されやすいように改良されています。
使う洗剤の量も、それを溶かす水の量も、圧倒的に少なくて済むなど、洗剤も進化を繰り返しています。
つまり、合成界面活性剤の問題点がうたがわれ、「有害だ」と叩かれるたびに、指摘された問題点をなんとか工夫してきているわけです。
石けんは良くて、合成だから悪いとは単純に割り切れません。
しかし、合成界面活性剤が使われはじめたのは20世紀に入ってから。
石けんの約5000年にも渡って使われてきた歴史に比べれば、長期的に見た時、環境や人体に対する影響がどう出るのか、まだわからない状態。
長い目でみた、人間や動物のホルモンバランスに与える影響など、まだ未知な部分があるのは確かです。
それでも、合成界面活性剤は、問題点を着実に改良してきている、というのが現状です。
合成界面活性剤は、改良を続けている
さて。
ではなぜ、合成界面活性剤は、分解されやすいようにできたり、少ない量で同じ洗浄力を出せたりするのでしょうか?
それは、製造方法や原料を工夫することによって、化学的に構造を改良できるからなんですね。
シンプルな化学反応によって製造する石けんとは、この点で大きく違うわけです。
そしてさらに、スキンケアにとって大事な点。
・ より肌を刺激しないように
・ より肌に吸着しないように
という点を改良した合成界面活性剤も、徐々に開発されてきています。
ボディーソープなどでは、合成界面活性剤以外に加える成分にもいろいろと工夫ができるのが強みです。
こうした改良の自由度は、石けんより合成界面活性剤のほうが圧倒的に高いんですね。
そのため、いちがいに「合成界面活性剤は肌に悪い」とはいえないのです。
使う人の肌質なども考えると、「どちらがいいか悪いか」の結論は、ますます複雑になってきます。

固形石けんの肌にやさしい特徴とは
石けんは、液体状のものと、固形状のものがあります。
ここで話を、同じ「石けん」でも、「固形石けん」のほうに持っていきましょう。
固形石けんの特徴は、固まっていることです。
これが使いにくい理由でもありますが、固まっていることで水に「徐々に」しか溶けません。
このメリットが、「肌にやさしい」といえるのです。
それが、ボディーソープでは、使い方によっては、いくらでも使い過ぎてしまう。
プッシュするだけで、あまりにも手軽に使えてしまうので。
その結果、皮脂や脂質を取り過ぎてしまい、ひいては肌のバリア機能を低下させてしまうんですね。
逆にいうと、自分の肌にあうボディーソープを選んで、適量を知った上で使えば、固形石けんよりやさしく使える場合もあるわけです。
そして、いくら「固形石けんは肌にやさしい」からといっても、使い方を間違えれば裏目に出ます。
たとえば、ナイロンタオルや泡立てネットに、石けんをゴシゴシこすりつけながら体を洗えば、石けんの使いすぎになってしまいます。
これもまた、皮脂や脂質の取り過ぎ、バリア機能の低下につながってしまうんですね。
水に溶けすぎない。使いすぎない。
このメリットをいかせば、固形石けんは肌にやさしいわけです。
まとめ
「ボディーソープは、肌に悪い、環境に悪い」とはかぎりません。
ボディーソープにも使われる合成界面活性剤。指摘されたような問題点は、徐々に改良され、そのノウハウは現在の製品にも、いかされています。
ましてや、「毒になる」と恐怖をあおる情報には、科学的根拠はありません。
先入観を捨てて、肌にあうボディーソープをみつけ、正しい使い方、最適な量を使えば、スキンケアにつながります。
それでもなお、固形石けんがスキンケアにとって有利だといえるのは、水に徐々にしか溶けないからです。
固形石けん、ボディーソープ。
お互いの特徴を知れば、それぞれにスキンケアにつながる使い方ができるはずです。
注釈:
1) ごく一部の「固形石けん状」の製品には合成界面活性剤も使われています。成分表示が、「石けん素地」「脂肪酸ナトリウム」「純石けん分」などであれば、合成界面活性剤ではありません。