観た、『ダーティハリー4』 | Joon's blog

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『ダーティハリー4』を観ました。

 

相変わらずハリーは独自の手段で悪党を吊し上げていた。その反面で恨みを抱く者も少なくなく、ハリーは多方面から命を狙われる事になる。

その頃、サンフランシスコでは男が股間と頭を撃たれて殺される事件が発生。ハリーの身を心配するドネリーは、殺された男の故郷であるブラジルのサンパウロへの出向を命じる。

そして事件の犯人であるジェニーもサンパウロに来ていた。10年前、妹と共に不良グループにレイプされたジェニーは、事件をきっかけに心を閉ざしてしまった妹のためにも、彼らへの復讐を開始していたのだ。

偶然にもサンパウロで顔馴染みになったハリーとジェニー。そして、ここでも頭と股間を撃ち抜かれる殺人事件が発生し、ハリーは犯人の正体に気付き始める……といったお話。

 

これまでは世の中の不条理を糾弾しつつも痛快さがありましたが、今作はカタルシスを感じるにはチト重い空気が漂います。

今作で描かれる犯罪の種類は、俺ッチが最も苦手とするレイプ。

映画というフィクションの中の殺人や暴力にはある程度の耐性がある俺ッチですが、どうもレイプに関しては平常心を失ってしまうというか、ずいぶん陰鬱な気分に陥ってしまうんですよ。役者の体当たり芝居の気迫もあってか、『ボーズ・ドント・クライ』とか『もう誰も愛さない』の1話とか、再見したくないどころか思い出したくないよね。

 

俺ッチの感覚だと、レイプとは“双方の合意のないセックス”という認識なんですが、おそらく多くの日本人はその程度の感覚じゃないかな?

これがアメリカであればそれですら生ぬるく、容赦なく殴ったり蹴ったりするんだから、しっかり“婦女暴行”しているんですよね。

そういえば、近年のAVではレイプというジャンル(やシチュエーション)は皆無に等しいようです。さすがは肩身の狭いAV業界、ご法度をわきまえた上で空気を読んでるな…。

 

集団でたった2人を犯すのも非道に思えますが、彼らをそそのかす女親分格のレイが憎々しいですね。

レイの弟であるミックは異常者に近い、本作のラスボス的な存在ですが、こっちよりもレイの方がキャラが立ってます。100人中100人が憎めそうなキャラですが、ストーリーの盛り上げ役をキチンと果たしているという事でもあるんですよね。

かつ、事件の首謀者でもあるんだから、いくら女だからと言っても、もっと惨たらしい死のシーンを与えても良かったんじゃないかな。

 

ハリーは犯罪者に対しては遠慮はしませんが、被害者の扱いは割とぞんざいです。

が、今作においてはジェニーという繊細なケアを必要とする被害者と知り合いなものですから、事件の顛末については、さすがのハリーさんもチト歯切れが悪いです。

従来のように真犯人を撃ち殺して終了という明快さは今作にはなく、ハリーの正義に一存するようなエンディングを迎えます。

非合法スレスレの合法で“ダーティ”に事件を解決するのが常とは言え、果たしてハリーの判断は正しかったのか?と、見る人それぞれの正義を試すような終わり方は社会派作品のそれです。

本作はクリント・イーストウッドさん自らが監督をしていますが、ギャングの報復を受けるのも含め、今作では“追い詰められるハリー”という、ヒーローも銃を使うだけでは無敵になれないという提言をしているようにも思える作品です。

 

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