観た、『ダーティハリー5』 | Joon's blog

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『ダーティハリー5』を観ました。

 

ギャングのボスであるジェネロ逮捕に貢献したとして時の人になったハリー。おかげで、警察に好感度アップのためにもメディアに協力的になれと言われる始末で、ハリーは渋い顔。

後日、映画スターのジョニーが死亡したという報せを聞いたハリーは、新たな相棒のクァンと共に撮影現場に向かう。

そこでハリーは、被害者の心情を無視してまでも現場を映すテレビレポーターのサマンサを一喝する。先のやり方を反省するサマンサはハリーに謝罪し、二人は協力しながら事件を追う。

そして新たに殺人事件が発生。ハリーは映画監督ピーターの証言から、有名人をリスト化し誰が死ぬかを賭けるデッド・プールという遊びがある事を知り、ここ最近の死亡者はリストに載っている者ばかりである事に気付く。

そして新たなリストにハリーの名が加わり……といったお話。

 

シリーズ第5弾です。

ダーティハリーシリーズは今作が最終作ですが、だからってハリーの身に、シリーズ完結に相応しいに何かが起きる事は特にありません(笑)。

とは言え、最終作というのも、あくまで今のところはの話。

“S級ハリウッドスターがウン十年ぶりに続編に出演!”という近年の風潮よろしく、ハリーを演じるクリント・イーストウッドさんが90歳を超えても(!)未だ映画人として頑張っている姿を見せられると、あるいは…?←ないな…

 

ハリーと言えば最小限の秩序で悪を追い詰める破天荒な刑事でしたが、続編を追うごとにカドが取れてきてしまっているのが如実に表れていますね。

まさかハリーが英雄としてメディア等で取り上げられる日が来るなんて、『~2』あたりの頃では夢にも思わなかったでしょ(笑)。ジョニーの恋人が悲しんでいる姿をテレビに映している事に激怒するシーンも同様で、いよいよ“お不潔ハリー”の名も返上です。

若い頃の無鉄砲さは鳴りを潜め、社会の矛盾や犯人を憎む気持ちもあの時ほどではなく、ハリーもすっかり老けちゃった感じ。余談ながら『~(1)』は1971年、今作は1988年の作品です。

社会派=チト説教臭い作風になってから痛快さが薄れてきたのに伴い、映画としてのスケールも小ぢんまりとしてきた感じです。イーストウッドさんも、よく出演する気になったな…。

 

今作はいつもと趣向を変え、犯人捜しに重きを置いた推理モノのような作風です。

ただ、犯人が一般的な悪人より質の悪い心理を持つ者という点は、シリーズの伝統と呼んでも過言ではありません。

相手が凶悪だからこそ、ハリーが容赦なく銃を向けてもいい理由になっているんですよね。

いわゆる“成りすまし”なんて最近では特に珍しくもありませんが、そこから一歩進んだ犯行は常軌を逸しているし、近年の作品でもありそうでなさそうな犯行ですね。

 

そんな犯人と深い関連を持つピーターを演じるのはリーアム・ニーソンさん。

ニーソンさん(とレーフ・ファインズさん)の知名度が一気に跳ね上がったのは『シンドラーのリスト』ですが、本作はそれより前の、そこそこ知られる程度の若かりし頃。

つい最近100作目の映画出演を果たしたそうですが、もちろん本作もその中の1本にカウントされています。

ついでに言うと、序盤で殺されるジョニーを演じていたのは、こちらも若かりし頃のジム・キャリーさんだったんですよね。

って事でイーストウッドさん、本作を機に巡り会ったお二方を起用して最後に1本撮りません? できれば出演もしてくれれば感慨深い…。

 

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Blu-ray版の映像特典は振り返り系のドキュメンタリーを収録。

ちなみに、本作でのハリーの相棒クァンは中国系アメリカ人で、1988年にはとっくに時代遅れ感のあるカンフー刑事(笑)として登場しますが、この吹き替えを担当しているのが石丸博也さんというのがなかなか分かっていらっしゃる…。