観終えた、『残酷な観客達』 | Joon's blog

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あいつがああだと言ってたので『残酷な観客達』を観終えました。



とある女子高の教室に閉じ込められた21人の生徒たち。
どうやら彼女らは教卓にある1台のタブレットにより監視され、その様子はネットでライブ配信されているようだ。そして21人それぞれには“いいね!”数を表すカウンターがあり、これが一定数に達しないと教室から出られないらしい。
見ず知らずの観客からの言葉に一喜一憂しながらも、“いいね!”を求めて必死になる生徒たち。
しかし、ノルマをクリアしてもまた次の場所で同じ状況に陥り、校舎からはなかなか出られない。
出席番号17番は、この事態を達観視する14番の態度に疑問を感じ……といったお話。

欅坂46メンバー総出演のドラマ第2弾。
初期メンバー21人全員がいる、欅坂46がまだ健全だった(笑)頃の作品です。まだ人擦れもしていないせいか、総じて可愛いメンバーも懐かしいですね。

道を踏み外してしまったのが勿体ないと思わせる人が多いからこそ、なおさらそう思います…。

その中で、出番が多いどころか、ほぼ出ずっぱりの17番役の芝居はマズいですね。
中盤くらいになるとちっとも声を出さなくなるわ、表情はなくなるわとモチベーションが一気に低下してるのが顕著すぎます(メイキング等ではにこやかな表情をしていたようですが)。
まぁ、最終回までやり切っただけでもマシなんだろうな…。

これと対照的に、実は光るものを持っているメンバーの発見も本作の楽しみの一つです。
梨加はあんなキャラだったけど、演技であれば意外に声も出るし、もう少し磨けばいい原石になり得そうな…?
個人的に、逸材を1人選べと言われたら虹花を選ぶかな。

生徒たちは主に番号で呼び合うし、一応は本名も設定されているようです。
生徒を演じる欅メンバーを五十音順に並べた時の順番と役名の上での出席番号が一致しているのは芸コマだけど、だからどうした程度の話です(笑)。

とある空間に閉じ込められ、何らかの条件を満たさなければ外には出られないという、当時流行りのいわゆるシチュエーションスリラーのようなお話。
ネットで一定数の“いいね!”をもらう条件を満たすため、彼女らはあらゆる手段を以て“いいね!”獲得に臨みますが、これが見ていて辛いんですよ。
何が辛いって、物真似やら一発ギャグやら変顔やらといったお笑い芸が寒いのなんの。
一部のメディアで“笑わないアイドル”とかいうワケの分からないレッテルを張られた彼女らが逆に我々を笑わせようとする姿は、辛いというか悲哀すら感じます…。

プライバシー保護の観点から教師や生徒の名前は教えられず、生徒たちはお互いを番号で呼び合うという設定は荒唐無稽な理由付けに見えて、実はそう遠くない未来の予見にも思えます。
それ故、生徒たちは昵懇の仲にならない限りは自らの事を教えたがらないし、相手の事も知りたがらない空気が漂っているんでしょう。
そんな彼女らがああいう局面の中で、図らずも自分の本性を徐々にさらけ出してしまう。
その結果、菅井ちゃん&ゆいぽんのように自分(の過去)を語る事で自分を知ってもらうだけでなく、協調してくれる人も現れます。そこで初めて本名を教え合えば、番号で呼ぶ設定も活きてくるのになぁ。
ただ同じ空間にいるだけの仲間から友達を作るための一歩というのも、本作のテーマの一つなのかもしれませんね。


個人的に苦手(どころか不愉快)なのが、観客側の描写。
ああいう動画をボーッと見つつチマチマとコメントを書き込む文化、スゲー嫌いなんですよ。
ただでさえ俺ッチはスマホを凝視している姿を他人に見られるのがみっともないと感じる人なので(自分でも気を付けるよう心掛けてはいますが…)、観客たちの描写には嫌悪感すら感じます(笑)。
ガス抜きの時間も必要なのは分かるけど、ネットに気を取られてばかりいるから実生活も上手く行かずにストレスが溜まるんだよと。
結局、そんな観客たちの人生やら生活が何も変わらないのはリアルではあるけど、ドラマとしての面白味(やカタルシス)はサッパリありません。

そういえば放送当時、最終回のオチの意味が分からないとの事で「史上最低のドラマだ!」とか声高に叫んでいる人をよく見掛けました。もっとテキトーなドラマなんかゴロゴロあるのに、まだまだ見識が狭いガキどもが、よくもまぁご存じ的に偉そうな事を言ってんなと思ったものです。
思ったものですが……改めて2周目として観直すと、史上最低とまでは言わないにしても、やっぱりいい加減な作品だったなと(笑)。
着地点を決めずに場当たり的に脚本を書き始めた印象が強いんですよね。たった10話しかないんだから、最初からオチを考えておきなよ
2番が消えた理由はラストでうっすら明らかになるけど、あの程度じゃインパクト不足だし、あの程度で驚く人なんていないでしょ(笑)。
臭わせぶりな謎を散りばめておいて実は何も意味がない、もしくはスルーというのが多かった気がします。
…まぁ、あんな禁じ手に近いオチなら、謎の解明なんて無粋なんだろうね…。

 

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配信版はないみたい(櫻坂になってからですら、ずいぶん経ってるし)。

この手のアイドルドラマは、むしろメイキングの方に価値を見い出す人の方が多いと思うので、ディスクを買う方がいいかもですね。

櫻坂46のルーツに興味を持った人は、今は亡き欅坂46から学んでみよう!