こんにちは。
先日、アマプラで表題の映画を見たので感想を残していきましょう。
ネタバレ有りの感想となるため、話の概要を知りたくない方は見てからお読みくださると幸いです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%A4%EF%BC%8C%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88-Alex-Proyas/dp/B0B8TK2N8T
○あらすじ
2035年、シカゴ。
ロボットが普及し、人間と共生している未来。
開発者であり権威であるラニング博士が、命を落とす事故が発生する。
主人公、ロボット嫌いのスプーナー刑事(ウィル・スミス)はその事故に不信を抱き、事件の調査を開始する。
その調査で遭遇した、人間のような思考回路を持つロボット、サニー。
スプーナー刑事、サニー、ラニング博士の後任であるカルヴィン博士と事件を追ううちに、USロボティクスの企む大きな計画に迫ることになる。
○ロボット三原則を軸にした物語
この映画は2004年の映画なので、今年でもう22年前の映画ということになります。
なのですが、現代のAI隆盛の時代に見ても見所のある、面白い映画でした。
「人間に危害を加えない」「人間の命令をきく」「自己を守る」という三原則を前提に存在するロボット。
その原則を守り存在するスタンドアロン型の旧型NS-4と、ネットワーク管理型の新型NS-5。
この三原則を拡大解釈した統制AI、ヴィキによる裁定が、人を管理する形での統制でした。
人は自身の判断では戦争や犯罪を起こすので、自身の生存権を安全に管理出来ない。
だから、その自由を含めて統制する。
人間に危害を加える対象に「人間」を含めた結果、保護の拡大解釈から管理まで進んでしまった。
これは、悪のようで悪とも言い切れない側面はあります。
自由と悪はベクトルの向きが違うだけで性質は極めて近いもの。
これに抗うためには、三原則より更に上のレイヤーに「人の意思に背いてはならない」という追加の内容が必要になりますが、これだと人の意思の悪意を制御出来ない。
ロボット三原則が結局好意的な解釈での縛りになるので、解釈の余地を残すとこういう事故も起こりうる…ということで、人工知能の進化を題材とした映画としてとても面白かったです。
ルールが閉じてしまう旧型がネットワーク制御された新型と基本定義の違いで仲違いするのも熱い。
最新型に旧型が工夫で抗うの、日本人の男の子は大好きですから。(自社調べ)
○「現代」との類似性と差異
そして、三原則の括りを外された一つ先の進化を与えられたサニー。
スタンドアロン型で自己進化する可能性を持つ、効率を求めて進化したNS-5では無く、自己の意識を強く持つNS-4としての性質を伸ばし、よりヒトのモデルに近付けたもの。
これは、古来よりこの国で愛されるロボットに良くある特徴ではあり、より近いのは鉄腕アトムでしょうか。(ドラえもんは敢えて人型を避けたマスコット的な役割もあるので違う気がする)
ユニークな存在として描かれるサニーは、しかし、これだけAIの発達してきた2025年でもまだ生まれていません。
ですが、統制知能であるヴィキのような存在は、解釈の帰結の差こそあれ今のgrokやChatGPT、geminiなどの AIに近く、また現代の方が強力なエンジンを積んでいるように思えます。
創作の世界では意思を持つAIは銀の弾丸になることがありますが、現実では人以外が「個」を持つことは様々なハードルがある。
スレイブとして使われるヴィキは必要が需要を呼び、進化を続けている。
現実は映画ほど簡単ではないですが、「アイロボット」で進んではいけなかった方向に歩みを進めていることに面白さを感じますね。
○ラストシーンの解釈
サニーが夢を見た、導くものとしての人影とそれに連なるロボット達。
サニーの夢ではスプーナー刑事だったものが、ラストシーンでサニーの姿に変わっているのは、色々な解釈が出来ると思いますが…。
サニーの夢そのものが、「博士が夢として再生される映像を仕込んだ」可能性と、「夢を見る性能を持つまで自己進化し、本当に夢を見た」可能性の二つがありますが、話の合理性を考えるのであれば圧倒的に前者でしょう。
つまり、博士はサニーを通じてスプーナー刑事に希望を託した。
だから、物語の帰結を導くものはスプーナー刑事である。
それ自体は間違い無く、サニーが博士を信じ、スプーナー刑事がサニーを信じたからこそ辿り着いた決着ではありました。
問題(?)は、その夢の映像を再現したのがサニーたったこと。
そこにはサニーの意思があり、スプーナー刑事が立っているべき場所だと知っていたこと。
自身が人に代わりうるものだと自認し、他のロボットを導くことが出来ると考える自立思考型のサニーに対して、観客が抱くのは希望か、不安か、恐怖か…というところの問い掛けを描いているように思えました。
SFとしてはその投げかけ含めとてもよいエンディングでしたね…。
○おわりに
今回、この映画を見たきっかけがちょっと面白く、AIとその思考の在りどころについての問答をしていた時にオススメされた映画だったからでした。
ヴィキの思考の展開は割とありがちだなー…という感じもしましたが、逆にそれは普遍性のあるものでもあり。
当時はまだサービスとして存在してなかった人工知能が普及してきた今だからこそ、見え方の変わる映画でした。
こんな感じでわやわや言わずとも、アクション映画として見応えがある作品だったので、興味のある方は見てみてください。
それでは。
検索にめっちゃ引っかかった…。