#3のコントですが、独立しているので、
#1、#2を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、#1はこちら!
#2はこちら!
父
「君かね、あかりの彼氏というのは。」
彼氏
「はい。
あかりさんと真剣にお付き合いさせていただいています!」
父
「そうかそうか。
真面目そうでいいじゃないか。」
あかり
「えぇ。
真面目だし、とっても優しいの。」
父
「そうかそうか。
ところでキミ、その左手に持っているのは・・・?」
彼氏
「はい。
ホラ貝です。」
父
「だよな。
ホラ貝だよな。
・・・でも、なぜホラ貝を?」
彼氏
「彼、ホラ貝奏者なの。」
父
「・・・ホラ貝奏者?」
彼氏
「はい。
ホラ貝奏者やらせていただいてます!」
父
「えーと、それは趣味で・・・?」
彼氏
「いえ、本職です。」
父
「本職・・・。」
あかり
「すごく上手いのよ。」
彼氏
「(立ち上がりながら)吹きましょうか?」
父
「いや、やめて。
やかましいからやめて。」
彼氏
「(座りながら)そうですか。」
父
「えーと、あの、申し訳ない。
こんなこと言っていいのかわからないのだが、需要ってあるのかな?
その・・・ホラ貝奏者って。」
彼氏
「もちろん、あります。」
父
「もちろん、あるんだ。」
彼氏
「合戦が始まる前には、必ず私がホラ貝を吹きます。」
父
「うん。
だから需要ないんだよね。
合戦始まることなんてないでしょ?」
彼氏
「そうですね。
最近はあまりないです。」
父
「最近でも少しはあるの?」
彼氏
「一応、戦国武将の方と何人かLINE交換してるので、
必要な場合は連絡が来るようになってます。」
父
「戦国武将いるの?
自称とかじゃなく?」
彼氏
「武将です。」
あかり
「彼、顔が広いの。」
父
「それ、顔が広いって言うの?
・・・ちなみにキミは、今後もその仕事を続けていくのかね?」
彼氏
「先祖代々受け継いでいるものですから、私の代で途絶えさせたくないんです。」
父
「途絶えさせてもいいんじゃない?
文化として遺すのならまだしも、実践で使われてるんだよね。」
バイブ音
「ウィーン。」
彼氏
「(スマホを見て)あ、ごめんなさい。」
父
「ん?どうした?」
彼氏
(ゆっくり立ち上がる)
父
「・・・?」
彼氏
「(ホラ貝を吹く)ブォォォォォーーーーー!!」
父
「・・・!」
彼氏
「(座りながら)失礼しました。」
父
「LINE来たの?
今、武将から連絡来たの?」
彼氏
「はい。こんな感じで(スマホを渡す)。」
父
「(スマホを見て)うん。『出陣じゃー』って来たけど。」
あかり
「すごいでしょ?
彼のホラ貝の技術!」
父
「ごめん。
技術を堪能するほど聴き入ってないから。
こんな感じで突然吹くの?」
彼氏
「そうですね。
一応24時間体制です。」
父
「夜中だったら子供泣くよ?
ちなみにキミ、年収は・・・?」
あかり
「ちょっとお父さん!
初対面でそんなこと聞く?」
父
「ごめん。
今回ばかりは聞いていいと思う。」
彼氏
「あまり稼ぎがいいとは言えませんが・・・。」
父
「でしょうね。」
彼氏
「2000万くらい・・・。」
父
「勝ち組の額じゃん!
え、そんな儲かるの?
ホラ貝奏者って。」
彼氏
「基本料金をいただいた上で、合戦に勝てば成功報酬が入ります。」
父
「弁護士みたいなシステムなんだね。」
彼氏
「では、そろそろ・・・。」
父
「そうだね。
まだ戸惑いが勝ってるから仕事のことしか聞けなかったけど、またいろいろ聞かせてくれ。」
彼氏
「はい。
(ホラ貝を掲げて)まだいっぱいレパートリーあるので。」
父
「あ、曲じゃなくてキミのことね。」
(2週間後)
父
「ここ2週間、ホラ貝奏者のことばかり考えていた。
こんなにホラ貝に向きあったのは初めてだ。」
あかり
「(泣きながら駆け込んでくる)お父さん!!」
父
「どうした、あかり!」
あかり
「騙されたの!
彼、経歴も年収も、何もかも作り話だったのよ!!」
父
「うん。
まぁ、そうだろうね。」
あかり
「驚かないの?!」
父
「だって、ホラ吹きだもの。」
アイディア出しの時点で割と早めにオチは決まり、
後はこの設定のミニ会話を何本も作って、最後に1本の流れになるようにつなげたという
コントの作り方の見本のような流れで出来上がったコントです。
もうなんだか落語みたいなオチです。
【コント】恋人たちの別れ
【コント】黄門さまのおさばき#5
【コント】こうさくしようよ
【コント】乙姫と浦島と玉手箱#4
【お題コント】ちびまる子ちゃん
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
本ブログのコントは自由に演じていただいて構いません。
アレンジや改変も自由です。
アメブロのメッセージ機能やtwitterのDMで一言いただけると、励みになります。