瀬野
「お前だぁーーーーーーーーっっ!!」

白河
「・・・っ!!」

瀬野
「・・・。」

白河
「・・・。」

瀬野
「・・・びっくりした?」

白河
「・・・びっくりした。」

瀬野
「今度、この怪談でみんなをびっくりさせようと思ってるんだ。」

白河
「・・・やめた方がいいんじゃない?」

瀬野
「え、なんで?
 びっくりしたでしょ?」

白河
「びっくりは・・・した。」

瀬野
「うん。
 ならいける!」

白河
「いけないと思う。」

瀬野
「何でよ。」

白河
「いや、お前から『ちょっと怪談話を聞いてほしい』っていうから聞き始めたのにさ。」

瀬野
「うん。」

白河
「なんの前フリもなく、
 いきなり俺を指差して大声で『お前だぁーーーーーっっ!!』って言うから。」

瀬野
「・・・うん。
 びっくりしたでしょ?」

白河
「突然、至近距離で大声出されたからね。」

瀬野
「うん。怪談。」

白河
「いやだから、怪談じゃない。
 ただの大声。」

瀬野
「え、でも僕が今まで聞いてきた怪談、全部こんな感じだったよ?」

白河
「うん。『お前だーーー!』って言うのはあったかもしれないけど、
 『お前だーーー!』の前の部分があったでしょ?」

瀬野
「なかった。」

白河
「じゃあそれ多分怪談じゃないよ。」

瀬野
「あ、でもなんかあったかもしれない。
 なんかトーンを低くしてボソボソしゃべって・・・。」

白河
「そう、それ。
 それも含めて怪談。」

瀬野
「あ、あの部分も怪談の一部だったんだ。」

白河
「どういうこと?
 怪談ってどういうものか知ってる?」

瀬野
「稲川淳二がシェア80%を占めてる業界。」

白河
「怪談をそういう表現する人、初めて見た。」

瀬野
「そうかそうか。
 トーンを低くしてボソボソしゃべって、
 みんなが『え?何言ってんの?』って耳を澄ませたところで、
 耳元で『お前だぁーーーーっ!!』って言えばいいのか。」

白河
「大丈夫?
 友だち減るよ?」

瀬野
「あれだね。
 『お前だぁーーーっ!』は漫才で言うところの『もうええわ』に当たるワードってことだね。」

白河
「その捉え方してる人も初めて見た。」

瀬野
「もしくは『ハンバーーーーーーグ!!』に当たるワード。」

白河
「・・・それは当たらずとも遠からずかも。」

瀬野
「よし、ちょっと練習してみよう。
 (スマホをいじり出す)練習用の怪談ないかな。」

白河
「できる?怪談。
 つい1分前まで大声のことを怪談だと思ってた人が。」

瀬野
「(スマホを見ながら)あ、ちょうどいいの見つけた。
 これで行こう。」

白河
「スマホ見ながら喋ってる時点で恐怖3割減だからね。」

瀬野
「(トーンを低くして)この話は僕の友だちが小さい頃に実際に体験した話なんだけどぉ・・・ぉお前だぁぁーーーーーっっ!!」

白河
「(被せ気味に)早ぁぁーーーーーーーーいっっ!!」

瀬野
「びっくりした?」

白河
「あまりの早さに。」

瀬野
「よし、これでいけるな。」

白河
「あのさ、もうちょっと『お前だぁ』我慢しよう?」

瀬野
「もうちょっと『お前だぁ』我慢?」

白河
「もっと低いトーンで話を進めて、
 みんなを話に引き込んで・・・引き込んで・・・
 最後に『お前だーーー!』っていかないと。」

 

瀬野

「あぁ、そうか」

 

白河
「それに、さっきの話だけど『この話は僕の友だちが小さい頃に実際に体験した話なんだけど、お前だ』って、
 そもそも文章になってないし。」

瀬野
「そうか。
 怪談はまず文章じゃなきゃいけないのか。
 うん。また一歩、怪談マスターに近づいた気がする。」

白河
「そう?
 まだスタート地点にも立ってないと思うよ。」

瀬野
「低めのトーンで話を始めて、
 どんどん相手を話に引き込んでいって・・・。」

白河
「うん。そうそう。」

瀬野
「で、最後に『ハンバーーーーーーグ』。」

白河
「君は何なの?
 何がしたい人なの?」

瀬野
「よし、もう一回練習だ。」

白河
「いや、まず『怪談とは』で検索して。」

瀬野
「それでは腹ペコのみなさんにとっておきの鉄板ジョーク100gから。」

白河
「これから怪談が聞けるものだと信じています。」

瀬野
「ハンバーグ、大切な舞台に遅刻してしまってね。
 大急ぎで舞台のオーナーに連絡したんだ。
 『遅刻するから、それまで場をもたせておいてくれ』ってね。
 代役が場を持たせてくれたおかげで俺の舞台も大成功。
 そう!ハンバーグには『つなぎ』が不可欠なのさ!」

SE
「ジャーン!」

瀬野
「ハンバーーーーーーグ!!」

白河
「怪談どこいったーーーーーっ!!」

瀬野
「ちなみにそのとき場をもたせてくれた『つなぎ』とはお前だーーーーーーっ!!」

白河
「つながったーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

いきなり「お前だぁーーーー!」で終わる怪談というところから広げていったコント。

 

怪談を「稲川淳二がシェア80%を占めている業界」と表現するのがお気に入り。

 

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ピノキオの鼻
【コント】信長の宴
【コント】少年探偵とキック力増強シューズ
【コント】乙姫と浦島と玉手箱#4
【コント】天使と悪魔の2択の話#3

 

 

 

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